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5話
7 *
しおりを挟む「ここ、川元の気持ちいいところでしょ」
「あっ、だめっ、っあ……、そこ、突かないで……」
前立腺をぐっぐっと性器で圧され、俺は身体をびくつかせた。自分で操作するディルドとは違い、峰谷は無遠慮に、的確に、前立腺を圧し潰してくる。
「気持ちいい?川元、ちゃんと教えて」
「っ、あ、きもち、いいっ……おまんこ、きもちいっ……」
気持ちよすぎて怖いくらいだった。今までオナニーで得ていた快感以上の快感が、次々に襲ってきて、思考は蕩けていく。
「奥も、突いてあげる」
峰谷はそう言うと、俺の膝裏に手を入れ、ぐっと持ち上げた。後孔が晒される体勢になり、恥ずかしいと思ったのは一瞬だった。勢いよく奥へと突き入れられ、視界がスパークする。
「あああっ、……おくっ、あ、ひっ、みねやっ……」
腰を何度も叩きつけられ、奥の肉壁をごりごりと穿たれる。腹の中が熱く痺れる。先ほどよりも勢いよく抽挿され、ぐちゅぐちゅ、ぱんぱん、と抽挿音が部屋に響いた。今まで音声で聞いていた音が実際に聞こえ、感動すら覚える。
「おく、あ、ふかいっ、……あ、そこ、だめっ……」
「だめなら止めちゃうけど」
峰谷は腰の動きを急に止め、意地悪そうな表情で俺を見下ろす。俺は昂った身体が放置され、首を横に振った。
「やだっ、やめないでっ……」
「じゃあ、何て言えばいいか、わかるよね?」
「……っ、きもちいい、からっ……もっと、おくっ、突いて……」
「よく言えたね、いい子」
峰谷に褒められ、俺は嬉しくなった。
「川元、可愛い顔しないでよ」
峰谷は困ったように笑った。峰谷が言った『可愛い顔』は俺には理解できなかったが、抽挿が再開されると、思考は流れていく。峰谷の性器は俺の奥を遠慮なく突き、俺はその度にびくびくと身体を揺らした。俺自身は精液混じりの液体を流しながら寂し気に揺れる。
「おくっ、きもち、い、あっ、あ、いいっ」
「俺も、気持ちいい」
「みねや、もっ、俺、あぁっ、もうっ……」
「イきそう?おまんこ、きつくなってきたね」
「おまんこ、もう限界っ、めいれいしてっ、っじゃないと、俺、あっ」
俺は息も絶え絶えに強請る。十分すぎる快感に、俺は苦しさすら感じた。身体の中の熱の逃げ場がなく、内側で渦巻いている。
峰谷はにやりと口角をあげた。俺の足を支えていた峰谷の手は移動して、俺の身体を抱きしめる。俺は峰谷の腕の中に閉じこめられるような体勢になった。峰谷の体温に包まれた俺は、心地よさすら感じた。縋るように、峰谷の腰に足を回す。
「イきたいっ、あっ、あ、峰谷、お願いっ……」
「川元、ほら、俺と一緒に……」
峰谷の低い声が耳元で聞こえ、俺は身体を震わせる。言葉の続きを待つ間も、峰谷の腰の動きは止まらず、ぱんぱんと抽挿音が続いた。
「イけ」
「っ、……あ、ひっ、イくっ、あ、イく、ああああっ」
鼓膜に流し込まれた低音に、俺の身体はすぐに反応した。待ちわびた絶頂に、全身が悦ぶ。肌はひりつき、腰は溶けるように熱く、自身は勢いよく射精した。
「あっ、……っ、イってる……あ、きもち、い……」
「中、すごい締まる……俺も……」
峰谷は眉を寄せた後、ゆっくりと息を吐いた。腰の動きはいつのまにか止まっていて、峰谷の性器は俺に入ったままの状態だ。腹の中でびくびくと波打つ性器に、俺は峰谷も射精したことがわかる。ゴム越しだが熱さを感じ、俺は腹の中がきゅんとする。
余韻に浸る身体を峰谷に強く抱きしめられ、息苦しさを感じ、俺は身体を捩った。
「峰谷、くるし……」
「ごめん」
慌てて峰谷は俺を解放する。峰谷の体温が離れ、性器が抜けると、途端に寂しく感じて、腹の中の喪失感がひどい。重い身体を起こすと、峰谷がベッドの上で全裸で土下座をしている光景が視界に飛び込んできた。
「川元、無理矢理セックスしてごめん。俺のわがまま聞いてくれてありがとう」
「いや、土下座することじゃ ……」
「身体無理させたし、俺調子乗っちゃって……」
確かに、いきなりセックスをすることになるとは思わなかったが、痛くはなく、かなり気持ちよかった。それに、地味だと思っていた峰谷がこういうセックスをすると知れて、ちょっと楽しくもあった。
「ごめん。俺、もう川元とは関わらないし、セックスもこれっきりにする。サークルも辞めるし、もう近づかない」
顔を上げた峰谷は、しょぼくれて、悲しそうな表情をしていた。なぜか俺のほうが罪悪感を覚える。
しかし、それ以上に俺はイラついていた。俺の身体を開発しておいて、勝手に別れを告げるなんて許さない。セックスを経験してしまった俺は、今後オナニーで満足できる気がしなかった。それに、身体の熱はまだおさまらない。
「峰谷」
俺に怒られると思ったのか、峰谷はびくんと肩を震わせ、恐る恐る顔を上げた。
「勝手に終わらせるなよ。責任取れ」
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