家に帰ると推しがいます。

えつこ

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11.初夜

11 *

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「わかった。動くね」

 総司は深呼吸してから、抽挿を開始する。腰を引くと、イオの肉壁は縋るように絡みついてくる。ある程度抜いてから、今度はゆっくり腰を突き入れると、イオはひくんと身体を揺らした。

「痛くない?」

 イオが頷くのを確認し、総司は抽挿を続ける。

「あっ……、ああっ、んっ……、あっ」
「イオくんっ」
「ああっ、……きもち、いいっ、あ、ああっ」

 抽挿のたび、イオの口からは嬌声と吐息が漏れる。イオは蕩けた表情で、総司を見上げながら、乱れていく。匂い立つイオの色香に、総司はめまいがした。

 最初はイオを気遣っていた総司だが、先ほどから限界が続いていたこともあり、理性の糸は早々に切れた。腰を動かすスピードを上げていく。結合部はぐちゅぐちゅと音が鳴り、肌がぶつかる音がたんたんと響く。

「そ、じさっ、あ、……あっ、ああ」
「気持ちいい?」
「はいっ、っあ、っ、……そこっ……あ、ああっ」
「ここ?」

 総司はイオの前立腺をごりごりと圧し潰すように、腰を動かす。総司もカリを擦ることで快感が生まれ、肉壁の締まりも相まって、熱い息が零れる。

「っ、気持ちいい……」
「そこ、ああっ、あ、だめっ、また、きちゃう……!」
「イキそう?」
「イキますっ、あっ、あ、そうじさんっ、もっと、あぁっ」
「そんなに、煽らないで……」

 二人とも、絶頂が近く、夢中になって快感を貪る。
 総司はただ夢中でストロークを繰り返し、腰が溶けるような快感に浸った。イオは前立腺と奥を何度も蹂躙され、息も絶え絶えで、ひたすら快感に鳴くしかない。

「あっ、っ、はぁっ、きもち、いっ」
「イオ、くんっ」
「っあ、んぁっ、イく、イきますっ、あっ」
「イって、俺も、イくから」
「あ、そうじ、さんっ……、ああっ、あ、あああっ」

 イオは甲高く声を上げ、びくんと身体を跳ねさせた後、背中を反らせた。先ほど射精できなかった性器からはびゅくっと勢いよく精液を吐き出し、後ろでは深い絶頂に達する。
 イオの内壁はうねうねと蠢き、ぎゅうぎゅうと総司自身を搾り上げる。総司は数度抽挿した後、奥へと突き入れてから、ゴムの中へと射精した。ようやく射精できた総司は、荒い呼吸をしながら恍惚とする。強請るように締め上げてくる内壁を堪能しつつも、イオを見下ろす。
 
 イオは身体をベッドへと沈み込ませ、絶頂の余韻を漂っていた。イオの頬は上気し、肌は汗ばんでいる。恍惚とした表情で、薄く開いた唇からは熱い吐息が漏れていた。薄い腹には精液が散っている。乱れたイオの姿は、さながら天使の堕天の成れの果てだ。

「イオくん」

 総司は繋いだ手をぎゅっと握り、イオの意識を引く。イオは緩慢にまばたきをした後、総司を視認した。

「そうじ、さん」

 イオはまだ余韻の波間にいるせいで、舌足らずな言い方だ。

「気持ちよかった、ですか?」
「もちろん。イオくんは?」
「俺も、です」

 イオはふにゃりと柔らかく笑った。その笑顔に総司もつられて笑う。二人の間に甘い空気が漂う。

「俺、一回セックスすれば満足する、って言うか、もうそれで十分だと思ってたんですけど……」

 イオは繋いだ手に擦り寄りながら、言葉を紡ぐ。総司は耳を傾けた。

「全然十分じゃなくて、もっと欲しくなっちゃいました……」

 イオは恥ずかしげに目を伏せた。それの意図するところを察した総司は、身体の奥の熱が再び燃え上がる。

「俺も、もっとイオくんが欲しい。いい?」
「……はい」

 イオは恥じらいつつも、しっかりと頷いた。

 
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