家に帰ると推しがいます。

11.初夜

12 ＊

　総司は腰を引き、イオから性器を抜く。ゴムを付け替え、再び挿入しようとすると、突然イオが起き上がったため、総司は動きを止めた。

「総司さん、好きです」

　イオはうっとりとした表情をして、膝立ちで総司と向かい合った。総司に倒れ掛かるように抱きついたイオは、そっと総司の性器に触れる。

「まっ、イオくん……！」

　総司の抵抗も虚しく、総司自身はイオの手によって上下に扱かれる。すでに勃ちあがっていた総司自身は、より熱く反り上がる。ゴム越しではあるが、イオの熱い体温が伝わってくる。それに、細く、華奢な指が、グロテスクな性器に絡まっているのは目に毒だ。

「っあ……、はっ……、イオくん……」

　総司は快感に息を荒げた。抵抗することを忘れ、快感のあまり自然と目が閉じる。しかし、ふいにイオの手が離れたため、総司は思わず目を開けた。目の前にはイオの顔があり、ばちりと目が合う。熱に濡れたイオの瞳が揺れた。

「動かないでくださいね」

　一瞬、イオの言葉の意味がわからなかった総司だが、遅れて状況を把握する。イオが総司の性器を手で支え、腰を下ろせば挿入できる状態、いわゆる対面座位の体勢になっていた。しかし、総司が気づくのは一時遅かった。イオは総司自身の先端を自らの窄まりにあてがい、息を吐きながら、ゆっくりと腰を下ろしていく。

「……あっ……、っ、はいって……」

　二度目の挿入に、イオの身体は期待で震える。腹の圧迫感はすぐに快感に変換され、熱い性器がゆっくりと入ってくる感覚に、表情を蕩けさせた。気を抜けば一気に腰が落ちそうになるため、イオは総司の肩に掴まりながら、慎重に腰を落とす。
　総司はイオの身体を支えるために、背中と腰に手をやる。二度目のイオの体内を味いつつ、目の前で悶えるイオの姿を眼福とばかりに視姦した。

「っあ……、んっ、……はぁっ……」

　ようやく腰を下ろしきったイオは、大きく呼吸をする。自重でより奥へと総司自身が突き刺さり、臓器が持ち上げられる感覚に目を見開いた。このまま突き上げられたらと、この後に襲い来る快感を想像したイオは、無意識に中を締めあげる。

「っ、イオくん、あんまり締めないで……」
「ごめん、なさい、っ……でも……」
「でも？」
「気持ち良くなるの、想像したら……、っ、我慢できなくて……」

　イオの熱を孕んだ視線、吐息混じりの言葉、蕩けた表情。その瞬間、総司の理性は、三度目の崩壊を迎えた。イオの返事を聞くや否や、総司は本能で腰を突き上げる。

「っ、……っ…………はっ…………」

　突然の突き上げに、イオは声を上げることもできず、息を詰まらせる。びくんっと身体を撓らせた後、ふるりと全身を震わせ、後ろで達した。

「あ……、っ…………そ、じさん……」

　イオは天を仰ぎ、酸素を求めてはふはふと呼吸を繰り返す。余韻を漂うイオに、総司は容赦なく、もう一度腰を突き上げた。イオの中の締めつけが気持ちよく、もっと貪りたいと本能が求めた結果だ。

「ひぁっ……、……あ……っ……はぁっ……」

　がつんと奥を抉られ、総司の肩を掴んでいる手に力が入った。絶頂から降りてこれないイオの視界はスパークを繰り返し、思考は熱く霧散する。