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第1部『旅の魔法使いと水神の巫女』

欲しい情報?魔法で頂きます

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 そして物理と魔法で無力化した忍者モドキ一団を転移魔法で私達共々コネルの街からかなり離れた場所、ひらけた丘の上に移動する。人目を避けるためだ。

「はいっここでなら人目はありませんね」
「なあアオノ、一ついいか?」

 ん?なんだろうかね。

「あの動きを封じる魔法、あれで最初からコイツら無力化出来たんだよな?なんで……」

「言ったでしょう?流石に私も命を狙わう輩に優しさなんて見せないと」

「あっああ、そうだな」

 私もやるときはキッチリやるよ、冒険者ギルドの一件でこの世界はわりと人の命が軽く扱われてるかもなと思ったからね。郷に入れば郷に従えと言う言葉もある、まあ命は取らないけどね。

 しっかり痛い目は見てもらったし。

「それでは、このリーダー格の男から情報を頂こうかと思います」

「情報を?起こして聞くのか?しかしこの手のヤツは拷問しても中々吐かないぞ?」

「そんな真似するわけないじゃないですか。魔法で記憶を直接覗きます」

「──なあっ魔法ってそこまで何でもありだったか?俺が知ってるのはもっとこう」

 ザンクスが知る魔法とこの元アラサーの魔法を一緒にされても困るのだ。
 と言う事で、早速魔法を使おうか。

「『記憶の魔法メモリーハック』」

 私が見下ろす、倒れた忍者リーダーの額に小さな魔法陣が現れる。このメモリーハックは対象となった者の記憶を覗いたり、記憶を消したりまたは改竄したりと。

 他人の記憶を本当に好き放題にも出来る魔法である、私が魔法使いをやってたファンタジー世界では普通に使うとブタ箱行きの魔法だ。

 しかしここはあのファンタジー世界ではない、別のファンタジーな異世界だ。だからまあ問題ないって事にしとこう。

「………………!」

 むむむ~~記憶よこいっ!っと念じるとこの忍者リーダーの記憶が私の頭の中に流れ込んでくる。
 成る程。コイツの名前はエサクードとかいうのか、コイツの名前とか知らんよ。

 私は欲しい情報だけをピックアップして寄こすように魔法を思念で操作する、そしてようやく欲しい情報が来だした。

 私の頭の中にテレビやスマホよろしく映像がイメージされる。

 私が欲しい情報のトップ、それはコイツらはどこの組織の回し者で誰の命令で来たかだ。
 先ず組織はやはりと言うべきか『水神の杖』だった、まっあの流れで知らん組織からだったら逆に驚くよな。

 そして指示をしたのは?………ん?だれだこの死んだ魚みたいな目のガマガエルみたいな顔をしたオヤジは?。仕方ない、このキモいオヤジの情報を集める。

 名前はジャーブ、『水神の杖』では実質トップスリーの権力者らしい。この忍者モドキ達はいわゆる組織の暗部組織、そのガマガエルがあの2人にも内緒で作った秘密の組織らしい。

 つまりあのイケメンと美少女は今回の件には関係ないのか?更に魔法で記憶を覗く。
 ほうほう、成る程?どうやらこの宝玉は全部で3つあるらしい。それをこのジャーブは長年『水神の杖』の人間を使って探していた様だ。

 ダンジョンにある事は知っていたようだが、宝玉を落とすボスがいる階層が分からずに色々苦労したらしいよ、この忍者リーダー。あのガマガエルは人使いが荒いらしく上司としては大ハズレって訳だ。

 そしてなんとこの辺りにダンジョンは3つあるらしい、その1つがあのマッスルドラゴンがボスだったダンジョンだ。

 つまり残り2つのダンジョンに残りの宝玉がある可能性が高い………のだけど。
 なんでもあと2つのうち1つはどこにあるのかも分からないらしい。そしてもう一つは数年前に入口が崩れて誰も入れなくなったらしいのだ。

 それなら次、とどのつまりその宝玉とか集める目的は何よ?。

 そこで映像にノイズが走った。徐々に見たい映像が見えなくなってくだと?………まさか!?。

 そこで私は目を開けた、目の前よ忍者リーダーは青白い肌をして口から泡を吹いていた。
 脈をはかる……残念ながら手遅れだった。

「アオノこりゃあ一体何が!?」

「恐らく秘密保持の為に魔法で記憶を見られる、または話そうとすると発動する即死の魔法……いえっこれは呪いですね、呪術の類です」

「アオノ様、呪術とは?」

「魔法と違い大抵が誰かに害を与えるか殺す為に生み出された禁術外法の数々です。およそ真っ当な者が手を出していい物ではありません」

「そんなものを!?マジかよ」

「口封じですよ、そしてこの呪いでこの人達を縛っているんでしょう。私達を仕留め損ねた時点でどのみちこの人達は消されるでしょうね……」

「────そうか」

 説明はしないが呪術や禁術には生贄とかが必要になる事も多い、この人数に同じ呪術を使ったとしてら。
 一体どれだけの………ハァッ気分が悪くなるな。

「『呪術除去カースジャマー』」

 私は他の倒れてる忍者モドキ達に呪いの類を消し去る魔法を使った。これで恐らく呪いで死ぬことはないだろう。

「アオノ?今の魔法はまさか」

「死んだ方はこの人達の身を案じてましたから、ただの気まぐれです。この人達が生きてこの島を出られるかは自分達次第ですよ」

「………ふっそうかよ」

 ザンクスが笑ってる、オッサンの笑顔とかいらんよ全く。後この死体は魔法で回収しとこうか、何かに使えるかも知れないからね。

「さてっある程度の情報は集まりましたし、そろそろですかね?」

 すると私の頭の中に声がする。

「アオノさん、聞こえる?」
 (はい、聞こえますよ?)

「よかった、なら明日。私を喚んでくれないかしら?話すことがあるの」
(明日ですね?分かりました)

 










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