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第2章『街に潜みし者』

第5話『赤い髪の美女(2)』

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死ぬほどビックリした。ってかコレ死ぬんじゃないか?。

お腹に目の前の女が右手をぶっ刺してる。当然次の瞬間には激痛が・・・。

「ぐっ!ぐぁああああ!痛・・・・・くっない?」

え?なんで?意味分からん、お腹に腕が・・・え?どう言う事?。

「もしかして、時間停止の効果か?」

私は時間魔法の効果が自分には作用しないと思っていた。実際に『時の祝福』効果には私は時間系の魔法の効果を受けないとあった。

「もしかして、私の身体にはしっかり時間停止の効果が発動しているのか?」

オカルトな話になるが、いわゆる精神とか心とか魂とか、私の中のそんな何かがその効果の対象から外れていて、この身体も?。

もしそうなら、頭でも吹き飛ばされない限りは先ずは安心って事だ、何しろ時間が停まっているので出血で死ぬ事がないし痛覚も働かないのではないか?。

そもそも今、私は痛みを感じていない。

けど。そもそもなんでパッシブスキルが遅れて発動した?。

「・・・恐らく。この女のスピードが速すぎたんだ」

あるだけのスキルポイントを突っ込んだとは言え、まだまだ成長の途中なのだ。

つまりまだまだ桁違いな化け物相手には通用しないって事だ。スキルの発動前にやられる、今の私の見たいにな。

しかし何とか即死せずに時間停止が発動したとは言え、これを解除したらどのみち死ぬことになる。

「くっ!ううっよいっしょぉ!」

時間が停まった世界でも、人間は重い。

けどコレまでレベルアップで何とか1人ずつならどかすくらいは出来る様になっていた様だ。
痛みこそ感じないけど、お腹の中で異物が動くような感覚とか気持ち悪すぎ。

腹に風穴が空いても平然と立っている自分、普通に怖い。そしてこの謎の女の腕には私の血が・・・洗って欲しいなマジで。

自分の血がべったりとか見てて楽しいもんじゃない。

「どうする?逃げるか?」

しかしこんな化け物みたいな女を野放ししたら危険過ぎるし、なりより自分のお腹に空いた風穴も何とかしないといけない。

けど、身体の時間が停まってるのなら例え縫合とかしても自然治癒とか一切しない筈だ。

「・・・・・いやっ確か時間魔法なら」

私は思い出した、私のスキルは時間魔法。

別に時間を停める為だけの魔法じゃない。時間を操る魔法だ。

「確か数秒間だけなら時間を巻き戻せるとか説明かあったよな?なら」

私は自分の身体の時間を1秒巻き戻す様に念じた。
すると身体を微かな光がフワッと包み込んだ、そして光がおさまると?。

「・・・ほっ本当にあの風穴が消えてる」

時間魔法のチート、ここに極めれり。
試しにやってみたら本当にあの風穴が影も形もなく消えていた。

すげぇ。マジですげぇとしか言えないのだが。

「って今はこんな事を気にしてる場合じゃないか?」

私はポケットからカードホルダーを取り出して、目の前に立っている女をにらみ付けた。

◇◇◇

「・・・・・!?、なんだコレは?」

「気がつきましたか?」

私は赤い髪の女を簀巻きにした。物を盗む様な真似はしたくなかったがファルセスの街から探して頂いて集めた。

さらにこの女を街から外に運んだ、足を持ってズリズリと運んだよ、人を殺そうとしたヤツなんてこれくらいされて当たり前だろ。

もちろん縄を脱出してこちらに向かってきた時の為にトラップカードは既に設置済みだ。

以前あった石つぶてダブりフェスの時にゲットしたトラップカードの中に私自身の身を守れそうなカードが実はあって、今回はそれを仕掛けている。

再び問答無用でくるのなら・・・本当に殺す事になるだろう。

私は簀巻きにされてモゾモゾしている女に話し掛ける。

「君は何者だ?何故私を襲った?何が目的だ?」

「随分と質問が多いのだな」

「・・・・・答える気はないと?」

「フンッ確実に致命傷を与えた筈だ。しかし傷はなく衣服すら傷付いていない」

時間を巻き戻したからな、服も復活したよ。

「更には、ここは森の中か?この私の意識をどうやって奪ってここまで運んだんだ?」

「質問をするのはこちらじゃないかな普通、答えてはくれないか?ならもう話はここまでで・・・」

もしかしてファルセスに潜んでいるヤバイヤツの手下か本人かと思ったが、話す気がないのなら仕方ない。

私がこの女を始末する決意をすると・・・。

「フフッ余計なリスクをこれ以上取る気はないか?本気で私を殺すつもりだな?」

「すまないね、私も本来君のような若くて綺麗な人の命を奪いたくなんてない。しかし私も死にたくなんてないんだ。いきなり襲って来る相手を見逃すなんて選択はないんだよ」

「・・・・・成る程、まだ私を人間か何かだと思っていると?ふざけた使者だな」

使者?使者って何?。

「しかし貴様の目には嘘を言っている気配がない、我が竜の目には人間の小賢しい嘘を見抜く力がある筈なのだが?」

「は?竜って・・・あの緑地竜の森の?」

そんな言葉を話した瞬間、女を簀巻きにしていた縄が消し飛んだ。

「!?」

そして目にしたのは、その背中から生えているのは一対の、まるで翼竜の翼の様なものだった。

「オイッ言葉には気をつけろよ?あんな翼も持たないトカゲと竜を同列に語るな!」

「ひいいっ!ごっごめんなさい!」

反射で謝ってしまった。

先に攻撃したのはあっちなのに・・・納得がいかねぇよ。










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