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第二部 第1章『セカードルム編』

第2話『分かっていた結末』

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そして結果だけを話せば、冒険者達は負けた。

分かっていた事だ、彼女達冒険者がここで勝てれば私はここに来ていないからな。

冒険者達は善戦した、アンデッド共を次々と倒した。
しかし元が死体のアンデッドと違って人間の体力には限界がある。

10分も全力で動けば持久力に自信のある人間でも身体が思うように動けなくなってくるのだ。
冒険者達はアンデッドを20も倒した所で限界が来た。

さらにアンデッドは映画のヤツみたいにあ~あ~言いながらのんびり歩く様な感じのヤツじゃなくて動きがとても機敏な方だった。

あのとてもキモい方だ。しかも武器で腕を切り飛ばしたり、潰したりしても痛みで怯む事もないのだから敵として戦うならとても厄介だ。

冒険者達の体力がそこをつくとアンデッド達がひっかき攻撃をしたのだ。
するとその攻撃を受けた冒険者達は身体に力が入らなくなったのか、崩れるように倒れた。

あれはマヒ毒というヤツか?冒険者達は身体が全く動かない様子だった。

そして身動きの取れない冒険者達をアンデッドが抑えて男2人と女性1人を引き離した。
 男達の方はアンデッド達が押さえつける、そして女性の方は・・・・・。

黒ローブが声も聞こえないのにハッキリと笑っている事が私にも理解出来た。口元がとても邪悪に笑っている。

そして黒ローブが何かアンデッドに命令する。

するとアンデッド共は下半身にはいていたズボンを脱いだ、しかも下着ははいてなかった、つまりフルチンだ。勃起してる、視界にはいったぞ。くそっ最悪。

他人の息子程視界に入ると不愉快になるモノはそうないだろう、しかもギンギンの状態とか本当に最悪の気分になった。

女性がいるのを依頼を受ける条件って時点でその可能性を考えなかった訳じゃないが、まさかここまで予想通りだとはな。

アンデッド共は下半身をパージして女性冒険者に群がる、黒ローブは洞窟の天井を見上げながら笑っていた・・・・・。

そのタイミングで時間が一気に経過する、過去で知りたい事以外はこうやって省略される事もあるのか。
私の周りが深い霧の中にいるようである。

やがて霧が晴れると、あの場面から数時間後の光景らしき場面に出くわした。

「・・・・・・・・」

そこにはズボンをはいたアンデッド共と黒ローブ、そして激しく強姦された後の女性冒険者がいた。
生きている。その目は黒ローブのクソじじいをにらみつけ、敵意はまだ衰えてはいない。

しかし黒ローブはそんな怖い視線を受けてもニヒニヒと笑っている。
そして黒ローブが右手を挙げると2人のアンデッドが現れる。

それは女性冒険者の仲間だった2人だ。
女性冒険者をアンデッドに犯させてるウチに2人を殺しアンデッドにしたのか。

しかも2人は下半身パージ済みだ、女性冒険者は叫ぶがアンデッドとなった2人は黒ローブの命じるままに女性冒険者に迫った。

そして行為の後、女性冒険者が呆然としているのを確認する黒ローブ。彼女の心を折るのが目的だったのか?。

黒ローブが何やら呪文を唱えて魔法を発動させる。

するとその場のアンデッド達が全て赤い光に包まれる、冒険者アンデッドも同じだ。
やがてアンデッド達の身体が消滅して赤い粒子になった。

女性冒険者を中心に赤い魔法陣が現れる、そして赤い粒子が女性冒険者に降り注いだ。

そして女性冒険者の身体が赤い光に呑み込まれた。
それを眺める黒ローブは心底嬉しそうにしていた、そしてその赤い光が消えた後には・・・。

その女性冒険者が立っていた、しかし装備や髪と肌の色が変わっていた。

オレンジ色のセミロングだった髪が白く、青かった瞳が赤くなっていた。
そして白人くらい白かった肌が褐色に、装備は普通の冒険者の剣士の装備からかなり露出がある漆黒の金属鎧の装備に変わっている。

完全に別人だ。

そして黒ローブがニヤニヤと何かを命じると素直にその後ろについて行く、完全に支配下と言う訳だ。

アンデッド、つまりはゾンビだな。ファンタジーな世界でその手の魔物を操る人間と言えばネクロマンサーとかゾンビマスターと言うヤツなのか?。

黒ローブは女性冒険者を連れて洞窟の奥の壁に向かう、そ子で指をならすと洞窟の壁に通路あらわれた。
そして黒ローブと女性冒険者はその奥に消えた。


昔していたゲームの知識レベルの話だが、魔法まで使う、それもあんな禁忌魔法みたいな物を使うのならネクロマンサーと見て間違いないだろう。

しかしあの女性冒険者を従えているのはどんな魔法だ?彼女は間違いなく生きていたはずだ。

「まさか生きている人間を・・・」

本当にとんでもない外道がいるもんだ。

ネクロマンサー、名前からして悪者にピッタリなジョブだ。アレだけ好き放題にする映像を見た後なら私も遠慮なくやれる。

私は時間を止めたまま黒ローブが女性冒険者を連れて行った先の方に進む、ドーム状の空間の更に先。
そこには自然の洞窟の穴とは違う、明らかに人の手で作られた道があった。

石畳が敷かれ、壁はレンガだ。明らかにこの先には何かあるんだろう。

では過去ではなく現在の黒ローブ達とご対面といきますか。




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