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第51話
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「……もうっ朝か」
昨日は祝勝会とかいってみんなで焼肉パーティーしたのだったな…。
ハルカとアヤメもそうだが探索者である彼女たちも結構な量を食べていたっけ。
そしてそれに合わせるように私自身も肉やら海鮮やらを結構食べた、だからか私の現在の胃の調子は悪い。
食い過ぎてしまった……むうっ。
「もうちょっと、野菜多めで油っこいものを控えめにすべきだった…」
変な醜態を晒さないようにとお酒は一切飲まなかったにこれである、全くもってアラサーというのは困るね。
これからもっと食や健康に気をつけなければいけないかと思うとちょっとナイーブになってしまう。
ちなみに彼女たちは今日も普通に学校である、普通に昨日は家に帰って行った…若いってすごいね。
私が起きたの場所はワゴン車の中だ、エンジンも何も積んでない車中泊用の車の中である。
荷台部分を倒してそこに布団を持ってきていたのだ、しっかり寝るタイプの車中泊だった。
こういうのも悪くない。
ちなみにハルカはもう一台のワゴン車に、アヤメはキャンプギアを集めているテントの中にて休んでいる。
窓が差し込んでくる光とそこからチラッと見える空の感じを見る限りまだ朝も早いものだろう。
こんな時間にたまたま起きてしまうなんて珍しいな、いつもはもうちょっと遅い時間に起きるのだが。
「そういえば昨日、アヤメが言ってたっけ……今回のモンスター退治で間違いなくダンジョンが成長するって……」
以前は小さな小島からそこそこの大きな無人島へと成長した我がダンジョン。
果たして今回はどれだけこのダンジョンが成長しているのか実は結構楽しみな私だ。
我がダンジョンは朝が早い時間と言ってもそこまで肌寒くない。
現在真冬の日本と比べれば天と地ほども違うのだ、というわけで朝にも寒いのにも弱い私だがなんとかやる気を振り絞れば起きることができる。
そして少しもたつくものの、モソモソしながら私は布団を出て──
「ハルカ! アヤメ! 早く…早く起きるんだ!」
「ん、ヒロキさん……どうかしましたか?」
「ヒロキ君? テントを外からバンバン叩くのやめてよ~子供じゃないんだからさ~」
まだまだ眠たそうな二人に声をかけて何とか起きてもらう。私しては珍しく2人を無理矢理起こそうとしていた。
「そう言わないでくれ、ちょっと今回はすごいんだって……ダンジョンの成長が!」
そして2人がゆっくりとワゴン車とテントから出てくる、私は一足先にダンジョンを様子が見える場所に陣取っていた。
起きた2人が私と同じものを見る。
するとその目を見開いた。
そんな2人の方を見て何故か私が胸を張った。
「これは、なかなかに壮大ね」
「ええっ本当に、予想はしてたけれど予想以上にってところかしら?」
「そうだろう? 今日からまた探索する場所が増えた、本当に楽しみだ」
私がダンジョンの方に視線を戻す、以前私たちが探索していた森の向こうにさらに新たな陸地が生まれていた。
それはかなり緩やかな勾配となっている富士山とでもいえばいいだろうか、少なくとも規模はそれくらいはありそうな巨大な火山があった。
山頂付近が少しくぼんでいる。
森の自然が途中からきえて灰色の地帯が見えた。さすがに本物の富士山ほど標高は高くないか?
縦ではなく横に緩やかな坂になっていてかなり広い範囲があの火山地帯になってるようだ。ただその規模感は間違いなくとんでもない大きさだ。
目算でしかないが少なくとも昨日までよりか十数倍はこのダンジョン島は大きくなったと思われる。
「まさか火山が出てくるなんて思わなかったけど、あの山にはどんなモンスターがいるんだろう」
「ふふっ無論ダンジョンコアである私たちなら知ろうと思えばここにいても今直ぐにでも知ることはできるけど、どうするヒロキさん?」
「うーん……それはいいかな。どうせなら自分たちの足で見に行こう」
「賛成~ヒロキ君がそういうのならそれに付き合うわ~」
「ええっ私もそのつもりよヒロキさん」
「……ありがとう2人とも」
再び一気に成長して新たな姿を見せる我がダンジョン。
これはまた面白そうなものが見れそうである………ん?
ォオオォオオオオオーーーーー………
おっおや……?
何やらあの火山の方から咆哮のようなものが聞こえた気がしたぞ。
うん…一体何がいることやら、なんとなく思うのはあの火山の山頂とかに何かしらのモンスターがいるのかもな。
それについてハルカに一言聞いておくべきかもしれないぞ。
そんなことを思ったけどさっき調子に乗って変な発言しちゃったしな~。
まあなんか出てきたらその時だその時。
「それじゃあまずは顔を洗って、歯磨き、そして朝食を取ったらあの山に向かって探索開始でいこうか」
「はい」
「オーケー」
2人の返事を聞きながら私はまずはアパートの部屋に戻り顔を洗いに向かう、この後のダンジョンの探索に心を踊らせながら。
───────────────────────
第一部、完です。
昨日は祝勝会とかいってみんなで焼肉パーティーしたのだったな…。
ハルカとアヤメもそうだが探索者である彼女たちも結構な量を食べていたっけ。
そしてそれに合わせるように私自身も肉やら海鮮やらを結構食べた、だからか私の現在の胃の調子は悪い。
食い過ぎてしまった……むうっ。
「もうちょっと、野菜多めで油っこいものを控えめにすべきだった…」
変な醜態を晒さないようにとお酒は一切飲まなかったにこれである、全くもってアラサーというのは困るね。
これからもっと食や健康に気をつけなければいけないかと思うとちょっとナイーブになってしまう。
ちなみに彼女たちは今日も普通に学校である、普通に昨日は家に帰って行った…若いってすごいね。
私が起きたの場所はワゴン車の中だ、エンジンも何も積んでない車中泊用の車の中である。
荷台部分を倒してそこに布団を持ってきていたのだ、しっかり寝るタイプの車中泊だった。
こういうのも悪くない。
ちなみにハルカはもう一台のワゴン車に、アヤメはキャンプギアを集めているテントの中にて休んでいる。
窓が差し込んでくる光とそこからチラッと見える空の感じを見る限りまだ朝も早いものだろう。
こんな時間にたまたま起きてしまうなんて珍しいな、いつもはもうちょっと遅い時間に起きるのだが。
「そういえば昨日、アヤメが言ってたっけ……今回のモンスター退治で間違いなくダンジョンが成長するって……」
以前は小さな小島からそこそこの大きな無人島へと成長した我がダンジョン。
果たして今回はどれだけこのダンジョンが成長しているのか実は結構楽しみな私だ。
我がダンジョンは朝が早い時間と言ってもそこまで肌寒くない。
現在真冬の日本と比べれば天と地ほども違うのだ、というわけで朝にも寒いのにも弱い私だがなんとかやる気を振り絞れば起きることができる。
そして少しもたつくものの、モソモソしながら私は布団を出て──
「ハルカ! アヤメ! 早く…早く起きるんだ!」
「ん、ヒロキさん……どうかしましたか?」
「ヒロキ君? テントを外からバンバン叩くのやめてよ~子供じゃないんだからさ~」
まだまだ眠たそうな二人に声をかけて何とか起きてもらう。私しては珍しく2人を無理矢理起こそうとしていた。
「そう言わないでくれ、ちょっと今回はすごいんだって……ダンジョンの成長が!」
そして2人がゆっくりとワゴン車とテントから出てくる、私は一足先にダンジョンを様子が見える場所に陣取っていた。
起きた2人が私と同じものを見る。
するとその目を見開いた。
そんな2人の方を見て何故か私が胸を張った。
「これは、なかなかに壮大ね」
「ええっ本当に、予想はしてたけれど予想以上にってところかしら?」
「そうだろう? 今日からまた探索する場所が増えた、本当に楽しみだ」
私がダンジョンの方に視線を戻す、以前私たちが探索していた森の向こうにさらに新たな陸地が生まれていた。
それはかなり緩やかな勾配となっている富士山とでもいえばいいだろうか、少なくとも規模はそれくらいはありそうな巨大な火山があった。
山頂付近が少しくぼんでいる。
森の自然が途中からきえて灰色の地帯が見えた。さすがに本物の富士山ほど標高は高くないか?
縦ではなく横に緩やかな坂になっていてかなり広い範囲があの火山地帯になってるようだ。ただその規模感は間違いなくとんでもない大きさだ。
目算でしかないが少なくとも昨日までよりか十数倍はこのダンジョン島は大きくなったと思われる。
「まさか火山が出てくるなんて思わなかったけど、あの山にはどんなモンスターがいるんだろう」
「ふふっ無論ダンジョンコアである私たちなら知ろうと思えばここにいても今直ぐにでも知ることはできるけど、どうするヒロキさん?」
「うーん……それはいいかな。どうせなら自分たちの足で見に行こう」
「賛成~ヒロキ君がそういうのならそれに付き合うわ~」
「ええっ私もそのつもりよヒロキさん」
「……ありがとう2人とも」
再び一気に成長して新たな姿を見せる我がダンジョン。
これはまた面白そうなものが見れそうである………ん?
ォオオォオオオオオーーーーー………
おっおや……?
何やらあの火山の方から咆哮のようなものが聞こえた気がしたぞ。
うん…一体何がいることやら、なんとなく思うのはあの火山の山頂とかに何かしらのモンスターがいるのかもな。
それについてハルカに一言聞いておくべきかもしれないぞ。
そんなことを思ったけどさっき調子に乗って変な発言しちゃったしな~。
まあなんか出てきたらその時だその時。
「それじゃあまずは顔を洗って、歯磨き、そして朝食を取ったらあの山に向かって探索開始でいこうか」
「はい」
「オーケー」
2人の返事を聞きながら私はまずはアパートの部屋に戻り顔を洗いに向かう、この後のダンジョンの探索に心を踊らせながら。
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第一部、完です。
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