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17 レオ様
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「ごきげんよう、」
「ご、ごきげんよう…。」
ガーデンパーティから十日後。牡丹の名家、ディゴリー家の長男誕生パーティに招待された二人はよそよそしく挨拶を交わした。
今日のコーラルのドレスは黄色のタイトなドレス。蜂太郎は母親に見繕われた白と緑の細いストライプのスーツ。胸元には玄関ポーチで配られた黄色のガーベラの花が飾られている。コーラルも手元にピンクのガーベラを持ち、所在なさげにくるくると弄ぶ。
「ディゴリー様、五十歳手前の待望の男児なんですって。六人も女の子で…」
そんな話が後ろのマダム達から聞こえてきた。
「ハチ…蜂太郎様はご兄弟はいらっしゃるの?」
公然では丁寧な言葉遣いを心掛けなければならない…窮屈だ。
あれから一回、あのカフェに行く約束をしたが僕の大学の講義が延びて行くことは叶わなかった。そのことで怒っているのでは?と、ビビっていたけど、そんなことはない…みたい。
「僕にはひとり十歳離れた兄がいて。今年二十九歳です。」
「お兄様がいらっしゃるの?ご職業は何を?」
「大学病院で医者をしております。」
「…え?医者ってそんなに若くしてなれるものなの?(医者って爺になってなれるものよね?←勘違い)」
「兄は僕と違って優秀で、医学部も四年で卒業しまして。父の勤める大学病院で医者をしております。」
「そうなの…ご、ご結婚は?」
「大学を卒業してすぐに結婚しまして。今は五人の父親です。」
「あら、子沢山ね。蜂太郎さんとは似ているのかしら?」
「い、いえ…あまり。実は、兄は母さんの連れ子で…。お父さん似、と本人も言っております。」
「ご、ごめんなさいね。変なこと聞いちゃって、」
「いえ、有名な話ですよ…白百合では(笑)。コーラルさんはご兄弟はいらっしゃるんですか?」
「あ、姉が(デブスの。)ひとりいるわ。こっちも、いろいろあって出戻ってきてね。せっかく結婚したっていうのに困ったものだわ。」
…私が結婚しないとダメなのよね。
…僕が結婚しないと駄目なんだよな。
沈黙が流れ、お互い持ったグラスに口を付ける。
「コーラル!?」
会場中響くような大声でコーラルの名前を呼ぶ声がした。声のする方を振り向いたコーラルの表情が、固まった。
?
「レオナルド…、」
レオナルド…?
「コーラル!まさか会えるなんて!久しぶりだなぁ、随分大人になって。綺麗だよ。」
綺麗だよ、なんてサラッと言えちゃうこの男は…?
「大人になったなんて…。まだ二年じゃない、いつ帰国したの?」
帰国?
「一昨日ね。連絡するより先に会えるなんて。ほら、俺ディゴリー様の息子さんと仕事をすることになったって。先月手紙を送ったじゃないか。」
手紙。
レオナルドという青年は僕よりいくらか背が高く、綺麗な金髪に緑色の目。鼻が高く、いつかの、船が沈没する映画の主人公のような名前と見た目であった。
イケメンだ…。
会場中の女性達もガン見している。しかし、コーラルさんとの関係を知っているようでコソコソ眉根を寄せて噂話をするような感じはしなかった。
「読んだけど、ご長兄の誕生パーティには待に合わないみたいなことも書いてたじゃない。」
「それが船が順調に進んでね。思ったより早く着いたんだよ。」
そういってガバッとコーラルさんを抱きしめた。レオナルドの肩越しにコーラルさんと目が合った。気不味そうな表情をしていたが、目は嬉しそうだ。
誰なのだろう。
「レオナルド…ゆ、ユリア様はどちらにいらっしゃるの?一緒に来てるんでしょ。」
「ユリアは…俺の帰国が待てない、と一年後に婚約破棄を願い出てきてね。だから、俺はフリーだ。」
「え!?そ、そんなこと聞いてないわ!ユリア様だってふつうに学校に来ていたし、」
「そうか、ユリアはコーラルと同じ学校だったね。でも心配いらないよ、来年卒業だろ?もし気不味かったら転校するか、それか…」
「?」
レオナルドがコーラルさんに膝まずき、王子様のようにコーラルさんの手を取った。
「コーラル、俺と結婚しないか?」
衝撃的な展開とは裏腹に、しん、と静まり返った会場の人々はふたりではなくレオナルドの背後にいる僕に一斉に視線を向ける。
何いぃぃぃいぃっ!?
「…は。」
コーラルさん…そのイケメンと婚約しちゃうんですかぁあぁ!?
「ご、ごきげんよう…。」
ガーデンパーティから十日後。牡丹の名家、ディゴリー家の長男誕生パーティに招待された二人はよそよそしく挨拶を交わした。
今日のコーラルのドレスは黄色のタイトなドレス。蜂太郎は母親に見繕われた白と緑の細いストライプのスーツ。胸元には玄関ポーチで配られた黄色のガーベラの花が飾られている。コーラルも手元にピンクのガーベラを持ち、所在なさげにくるくると弄ぶ。
「ディゴリー様、五十歳手前の待望の男児なんですって。六人も女の子で…」
そんな話が後ろのマダム達から聞こえてきた。
「ハチ…蜂太郎様はご兄弟はいらっしゃるの?」
公然では丁寧な言葉遣いを心掛けなければならない…窮屈だ。
あれから一回、あのカフェに行く約束をしたが僕の大学の講義が延びて行くことは叶わなかった。そのことで怒っているのでは?と、ビビっていたけど、そんなことはない…みたい。
「僕にはひとり十歳離れた兄がいて。今年二十九歳です。」
「お兄様がいらっしゃるの?ご職業は何を?」
「大学病院で医者をしております。」
「…え?医者ってそんなに若くしてなれるものなの?(医者って爺になってなれるものよね?←勘違い)」
「兄は僕と違って優秀で、医学部も四年で卒業しまして。父の勤める大学病院で医者をしております。」
「そうなの…ご、ご結婚は?」
「大学を卒業してすぐに結婚しまして。今は五人の父親です。」
「あら、子沢山ね。蜂太郎さんとは似ているのかしら?」
「い、いえ…あまり。実は、兄は母さんの連れ子で…。お父さん似、と本人も言っております。」
「ご、ごめんなさいね。変なこと聞いちゃって、」
「いえ、有名な話ですよ…白百合では(笑)。コーラルさんはご兄弟はいらっしゃるんですか?」
「あ、姉が(デブスの。)ひとりいるわ。こっちも、いろいろあって出戻ってきてね。せっかく結婚したっていうのに困ったものだわ。」
…私が結婚しないとダメなのよね。
…僕が結婚しないと駄目なんだよな。
沈黙が流れ、お互い持ったグラスに口を付ける。
「コーラル!?」
会場中響くような大声でコーラルの名前を呼ぶ声がした。声のする方を振り向いたコーラルの表情が、固まった。
?
「レオナルド…、」
レオナルド…?
「コーラル!まさか会えるなんて!久しぶりだなぁ、随分大人になって。綺麗だよ。」
綺麗だよ、なんてサラッと言えちゃうこの男は…?
「大人になったなんて…。まだ二年じゃない、いつ帰国したの?」
帰国?
「一昨日ね。連絡するより先に会えるなんて。ほら、俺ディゴリー様の息子さんと仕事をすることになったって。先月手紙を送ったじゃないか。」
手紙。
レオナルドという青年は僕よりいくらか背が高く、綺麗な金髪に緑色の目。鼻が高く、いつかの、船が沈没する映画の主人公のような名前と見た目であった。
イケメンだ…。
会場中の女性達もガン見している。しかし、コーラルさんとの関係を知っているようでコソコソ眉根を寄せて噂話をするような感じはしなかった。
「読んだけど、ご長兄の誕生パーティには待に合わないみたいなことも書いてたじゃない。」
「それが船が順調に進んでね。思ったより早く着いたんだよ。」
そういってガバッとコーラルさんを抱きしめた。レオナルドの肩越しにコーラルさんと目が合った。気不味そうな表情をしていたが、目は嬉しそうだ。
誰なのだろう。
「レオナルド…ゆ、ユリア様はどちらにいらっしゃるの?一緒に来てるんでしょ。」
「ユリアは…俺の帰国が待てない、と一年後に婚約破棄を願い出てきてね。だから、俺はフリーだ。」
「え!?そ、そんなこと聞いてないわ!ユリア様だってふつうに学校に来ていたし、」
「そうか、ユリアはコーラルと同じ学校だったね。でも心配いらないよ、来年卒業だろ?もし気不味かったら転校するか、それか…」
「?」
レオナルドがコーラルさんに膝まずき、王子様のようにコーラルさんの手を取った。
「コーラル、俺と結婚しないか?」
衝撃的な展開とは裏腹に、しん、と静まり返った会場の人々はふたりではなくレオナルドの背後にいる僕に一斉に視線を向ける。
何いぃぃぃいぃっ!?
「…は。」
コーラルさん…そのイケメンと婚約しちゃうんですかぁあぁ!?
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