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number.23 記憶の庭
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リウ。カタカナでの表記に疑問はなかったが、本当は吏烏(りう)。これが俺の名前だ。
父親は変わった人で、よく俺と母親を置いてふらっと旅に出ては一年、二年帰ってこなかった。俺が腹にいた時も父親はいなくて、生まれてすぐにタイミングよく帰ってきて、カラスのように自由に、なんて適当に付けたらしい。
母親は龍にしたかったらしく、ならば発音は似ているし俺の希望も入れられる、とリウになった。
俺が五歳になる頃、母親はとうとう父親の放蕩癖に嫌気が差し(いや、五年もよく我慢したよな。)、離婚を切り出した。父親は俺達母子をさんざん放って置きながら離婚を拒否して毎日その話で喧嘩していた。
ノイローゼ気味になった母親は発狂し、ある晩父親を殺してしまった。畳に赤い水溜り…それを見つめていた記憶がある。
母親は泣き、一緒に死のうと俺の首に父親を刺した包丁をあてた。だが、切れなかった。母親はそのまま寝室に移動して首を吊った。居間には血塗れの父親、寝室にはぶら下がって冷たくなった母親。俺はよく遊びに行っていた近所のおじさんの家に行った。
父親と母親が死んでいることを伝えた。おじさんはすぐに警察と救急車を呼び、俺も警察に連れて行かれ事情を聞かれたが何もしゃべれなかった。そのうち葬式や家の解体が終わり、俺はおじさんの子になるのだとばかり思っていたが、暫くしてグラジオラス養護施設に送られた。そして薬を盛られ、今話した記憶は全て忘れた。Plan.2の幸せな家庭で過ごした記憶を上書きされていたが、然に言ったら然も全く同じ幼少期を過ごしていたことになっていて笑えてきた。
グラジオラスに行く前の、家のあった場所に足を運んだ。そこには高層マンションが建ち、おじさんの家も高層マンションの駐車場になっていた。おじさんのことを思い出す。顔は思い出せなかったが、当時の家の表札が目に浮かんだ。
(花庭)
時間もあるし、ちょっと探してみるか…。
(リリーグループ本社 社長室)
「棗の死因が判明しました。」
蓮原が調査報告をする。
「絞殺か。」
「はい。ただ、首に残っていた皮膚のDNA鑑定をした結果、ふたり関わっていたことがわかりました。」
「ふたり?」
菊本と蓮原が向かい合う形で座り、挟んだテーブルに鑑定書の書類を並べ、菊本が一枚ずつ読んでいく。
「ひとりは、梅田か。やはりな。もうひとりは?」
名前欄が空白である。
「菊本社長、ふだんからアクセサリーなどは身に付けておられますか?」
「アクセサリー?いや、なんだか煩わしくってね。結婚指輪もしてないよ、なんで?」
両手を広げ蓮原に見せる。
「私を疑っているのか?なぜ私が殺すんだ?」
「そうですよね。ですが、DNA鑑定の結果、菊本社長のものが出たんです。」
「は。」
「棗の首には二本裂傷がありました。おそらく指輪に付いていた石によるものだと思われます。しかし…梅田社長も同じく指輪を付けていなかった。」
「首を絞める時に指輪をはめたんじゃないのか?私は石の付いた指輪自体を持っていない、なのになぜ…」
蓮原がジャケットのポケットから小さなビニール袋を取り出す。ビニール袋には石がふたつ付いた指輪が入っていた。
「菊本社長のご自宅から拝借いたしました。見覚えは?」
「し、知らない。なんだそれは、」
「…菊本社長、あなたは棗を殺しています。」
「は。」
「棗を殺しただけではありません。」
「…なにを、」
「景もです。ドライブレコーダーの映像はフェイクでした。景のクルマを手配したのは菊本社長でしたよね。」
「し、…知らん。グラジオラス、(スパイ)の仕事には関わっていない…、」
「覚えていないのですね…わかりました。」
「どういうことだ…?」
意味がわからない、身に覚えのないことばかり言いやがって…
「菊本社長がふだんからお飲みになっているあのサプリメント、誰からもらっているのですか?」
菊本の座る後ろの机に置いてある、ラベルのない白いプラスチックの薬入れ。それを指差し蓮原が問う。
「あ、あれは…ずっとあって。誰かって言われても。うちの社員が気遣って用意してくれている物だと思うが。」
「成分を調べさせていただきました。わずかですが、Brain numberの成分が含まれていました。」
「ぶ、Brain number…?」
「菊本社長は脳を操作されていた可能性があります。しかし、継続的にではなく断片的に。しかも、小皆教授の都合の良いように。」
「操作って…。き、記憶を書き換えて…私は、こ、殺しをしたと?」
「はい。次いで、研究室のアカウントで、ロック解除のヒントを送信していたのも菊本社長です。」
「な、なぜ!?証拠は…証拠はあるのか?」
「ありません。しかしロック解除の状況を知っていて、リリーグループのアカウントも使える菊本社長には容易いと考え、小皆教授が脳を操作しヒントを送信させたと考えられます。」
(脳を操作…?近くにいないのにどうやって。)
「ま、さか。じゃあ、私は何で殺しの手伝いをさせられたんだ?」
「まず、梅田社長を恨んでいた小皆教授は、梅田社長に何かの伏線として確実に棗を殺してもらわなければならなかった。しかし、梅田社長の手(頭)では棗は死なないのはわかっていた。そこで、菊本社長を操作し、殺させた。指輪の件は、私にちょっとしたイタズラみたいなものでしょうか?この指輪は私が小皆教授に贈った物ですので。」
「そんな…。」
「菊本社長には、更に罪を負わせるために景を殺させたと思うのですが…。グラジオラスの子達は殺しても罪には問われません。殺人という精神的なダメージを狙ったんだとしたら…」
菊本は震えが止まらず目は泳ぎ、息は上がり脂汗をかいている。
「…小皆教授の思うように事は進んだようですね。」
「私は、どう…どうなるんだ?…警察は?逮捕されるのか…?」
「警察は何も知りません。知ったところで先(さき)に言った通りです。それに棗と梅田夫人を乗せた救急車や搬送先の病院はリリーグループの管理下。診てもらった医師はグラジオラスの者です。DNA鑑定は同じくクリサンセマムで依頼しました。棗が扮していた(インターン)の処理も済んでおります。ロサ製薬にも、警察にも何も漏れていません。」
「そ、そうか…そうか。」
「菊本社長、このような状況になったのはあなたが原因であること、お忘れにならないように。」
蓮原は立ち上がり、机にある薬入れを手に取った。
「この中身は今はただのビタミン剤です。飲んでいただいても構いませんが、いかがいたしますか?」
「…い、いらない。捨ててくれ。」
「かしこまりました。では、失礼いたします。」
蓮原が部屋から出て行った。途端、身体が一気に沈み込む感覚に襲われる…力が入らない。目の前の書類が霞む。
人を殺していた。殺してしまったんだ…捕まらなくても、会社に迷惑はかからなくても…耐えられるか?大丈夫か??
菊本は重い鬱病を発症し、現場復帰どころか日常生活も不可能な状態になった。
Brain numberの効果は怖い。記憶を取り戻しても思い出せない記憶がある。自分の思い込みで書き換えられたままの時もある。
人を殺したことさえも忘れる、書き換える。嘘の記憶で救われる者と、身に覚えのない事実に苦しみ崩壊する者。
これが小皆教授の計画だったのだろうか。
父親は変わった人で、よく俺と母親を置いてふらっと旅に出ては一年、二年帰ってこなかった。俺が腹にいた時も父親はいなくて、生まれてすぐにタイミングよく帰ってきて、カラスのように自由に、なんて適当に付けたらしい。
母親は龍にしたかったらしく、ならば発音は似ているし俺の希望も入れられる、とリウになった。
俺が五歳になる頃、母親はとうとう父親の放蕩癖に嫌気が差し(いや、五年もよく我慢したよな。)、離婚を切り出した。父親は俺達母子をさんざん放って置きながら離婚を拒否して毎日その話で喧嘩していた。
ノイローゼ気味になった母親は発狂し、ある晩父親を殺してしまった。畳に赤い水溜り…それを見つめていた記憶がある。
母親は泣き、一緒に死のうと俺の首に父親を刺した包丁をあてた。だが、切れなかった。母親はそのまま寝室に移動して首を吊った。居間には血塗れの父親、寝室にはぶら下がって冷たくなった母親。俺はよく遊びに行っていた近所のおじさんの家に行った。
父親と母親が死んでいることを伝えた。おじさんはすぐに警察と救急車を呼び、俺も警察に連れて行かれ事情を聞かれたが何もしゃべれなかった。そのうち葬式や家の解体が終わり、俺はおじさんの子になるのだとばかり思っていたが、暫くしてグラジオラス養護施設に送られた。そして薬を盛られ、今話した記憶は全て忘れた。Plan.2の幸せな家庭で過ごした記憶を上書きされていたが、然に言ったら然も全く同じ幼少期を過ごしていたことになっていて笑えてきた。
グラジオラスに行く前の、家のあった場所に足を運んだ。そこには高層マンションが建ち、おじさんの家も高層マンションの駐車場になっていた。おじさんのことを思い出す。顔は思い出せなかったが、当時の家の表札が目に浮かんだ。
(花庭)
時間もあるし、ちょっと探してみるか…。
(リリーグループ本社 社長室)
「棗の死因が判明しました。」
蓮原が調査報告をする。
「絞殺か。」
「はい。ただ、首に残っていた皮膚のDNA鑑定をした結果、ふたり関わっていたことがわかりました。」
「ふたり?」
菊本と蓮原が向かい合う形で座り、挟んだテーブルに鑑定書の書類を並べ、菊本が一枚ずつ読んでいく。
「ひとりは、梅田か。やはりな。もうひとりは?」
名前欄が空白である。
「菊本社長、ふだんからアクセサリーなどは身に付けておられますか?」
「アクセサリー?いや、なんだか煩わしくってね。結婚指輪もしてないよ、なんで?」
両手を広げ蓮原に見せる。
「私を疑っているのか?なぜ私が殺すんだ?」
「そうですよね。ですが、DNA鑑定の結果、菊本社長のものが出たんです。」
「は。」
「棗の首には二本裂傷がありました。おそらく指輪に付いていた石によるものだと思われます。しかし…梅田社長も同じく指輪を付けていなかった。」
「首を絞める時に指輪をはめたんじゃないのか?私は石の付いた指輪自体を持っていない、なのになぜ…」
蓮原がジャケットのポケットから小さなビニール袋を取り出す。ビニール袋には石がふたつ付いた指輪が入っていた。
「菊本社長のご自宅から拝借いたしました。見覚えは?」
「し、知らない。なんだそれは、」
「…菊本社長、あなたは棗を殺しています。」
「は。」
「棗を殺しただけではありません。」
「…なにを、」
「景もです。ドライブレコーダーの映像はフェイクでした。景のクルマを手配したのは菊本社長でしたよね。」
「し、…知らん。グラジオラス、(スパイ)の仕事には関わっていない…、」
「覚えていないのですね…わかりました。」
「どういうことだ…?」
意味がわからない、身に覚えのないことばかり言いやがって…
「菊本社長がふだんからお飲みになっているあのサプリメント、誰からもらっているのですか?」
菊本の座る後ろの机に置いてある、ラベルのない白いプラスチックの薬入れ。それを指差し蓮原が問う。
「あ、あれは…ずっとあって。誰かって言われても。うちの社員が気遣って用意してくれている物だと思うが。」
「成分を調べさせていただきました。わずかですが、Brain numberの成分が含まれていました。」
「ぶ、Brain number…?」
「菊本社長は脳を操作されていた可能性があります。しかし、継続的にではなく断片的に。しかも、小皆教授の都合の良いように。」
「操作って…。き、記憶を書き換えて…私は、こ、殺しをしたと?」
「はい。次いで、研究室のアカウントで、ロック解除のヒントを送信していたのも菊本社長です。」
「な、なぜ!?証拠は…証拠はあるのか?」
「ありません。しかしロック解除の状況を知っていて、リリーグループのアカウントも使える菊本社長には容易いと考え、小皆教授が脳を操作しヒントを送信させたと考えられます。」
(脳を操作…?近くにいないのにどうやって。)
「ま、さか。じゃあ、私は何で殺しの手伝いをさせられたんだ?」
「まず、梅田社長を恨んでいた小皆教授は、梅田社長に何かの伏線として確実に棗を殺してもらわなければならなかった。しかし、梅田社長の手(頭)では棗は死なないのはわかっていた。そこで、菊本社長を操作し、殺させた。指輪の件は、私にちょっとしたイタズラみたいなものでしょうか?この指輪は私が小皆教授に贈った物ですので。」
「そんな…。」
「菊本社長には、更に罪を負わせるために景を殺させたと思うのですが…。グラジオラスの子達は殺しても罪には問われません。殺人という精神的なダメージを狙ったんだとしたら…」
菊本は震えが止まらず目は泳ぎ、息は上がり脂汗をかいている。
「…小皆教授の思うように事は進んだようですね。」
「私は、どう…どうなるんだ?…警察は?逮捕されるのか…?」
「警察は何も知りません。知ったところで先(さき)に言った通りです。それに棗と梅田夫人を乗せた救急車や搬送先の病院はリリーグループの管理下。診てもらった医師はグラジオラスの者です。DNA鑑定は同じくクリサンセマムで依頼しました。棗が扮していた(インターン)の処理も済んでおります。ロサ製薬にも、警察にも何も漏れていません。」
「そ、そうか…そうか。」
「菊本社長、このような状況になったのはあなたが原因であること、お忘れにならないように。」
蓮原は立ち上がり、机にある薬入れを手に取った。
「この中身は今はただのビタミン剤です。飲んでいただいても構いませんが、いかがいたしますか?」
「…い、いらない。捨ててくれ。」
「かしこまりました。では、失礼いたします。」
蓮原が部屋から出て行った。途端、身体が一気に沈み込む感覚に襲われる…力が入らない。目の前の書類が霞む。
人を殺していた。殺してしまったんだ…捕まらなくても、会社に迷惑はかからなくても…耐えられるか?大丈夫か??
菊本は重い鬱病を発症し、現場復帰どころか日常生活も不可能な状態になった。
Brain numberの効果は怖い。記憶を取り戻しても思い出せない記憶がある。自分の思い込みで書き換えられたままの時もある。
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