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叶多と月って似てる
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次に叶多が戻ってきたのは、次の日の夜遅く日付が変わろうとしている頃だった。
その日は流星群が流れる日で、街の明かりがあっても一個くらい見えないかな、とベランダに出てずっとカメラを構えていた。
だから叶多が帰ってきた物音にも全く気づかなかった。
「こんなとこにいたのか」
「うわっ。
叶多」
「やっと消えたと思ったのに」
「へいへい。
じゃあオレ家に戻らせてもらいますよ」
「…へえ」
なぜか叶多の表情が険しくなった。
「?うん。
カメラの充電が切れそうで取りに戻りたいんだ。
叶多いないときに出ちゃったらオレだと中に入れないから、」
ゴン。
「…いって!
何で殴るんだよ、目から火が出た!」
「言い方が紛らわしいんだよ。
バカ」
叶多はなんだかすねてるみたいだった。
弟の相手をしてやらなかったときにこんな顔をしていた覚えがあるぞ。
よし、ちょっとからかってやるか。
「オレがいなくなると思ってさみしかったんだ?」
ゴン!
「なんでまた殴るんだよ!
しかもさっきよりいてえし。
自分だって同じようなこと言うじゃんかよ」
「うるさい、黙れ」
「黙るもんか」
「聞かねえなら口塞ぐぞ」
「塞げるもんなら塞いで…」
叶多はオレを引き寄せて羽交い絞めにした。
「うわ、ギブギブ!」
オレが降参しても叶多は離そうとしない。
叶多の気をそらそうと、オレは月のほうを指差した。
「叶多!
スーパームーン」
「え?」
叶多が空を見上げた。
オレたちの頭上で、まん丸の立派な満月が煌煌と輝いている。
「今年一番でっかい満月。
雲もなくて絶好のフォトチャンスだから撮りやすいように電気消してベランダにずっといたんだよ。
集中してて叶多が帰ってきたのにも気づかなかった。
驚かせて悪かったよ」
「…いつもより大きい、か?」
「うん、まあそんなもんだよ。
でもいつもより明るいと思わない?」
「…何となく」
「綺麗だよな」
「月は嫌いだ」
力のこもっていない腕をオレに巻きつけたまま叶多は言った。
「月は太陽の光を反射して光ってるだけだろ。
月自体は綺麗なわけでも何でもない」
「別にいいじゃん。
綺麗なことに変わりはないよ。
オレは月、好きだよ」
叶多の頭が俺の肩に乗っかってきた。
「…叶多?
おい、どうしたんだよ」
叶多はただじっとオレに体重を預けてくる。
羽交い絞めからいつの間にか、しがみつかれた状態になっている。
真っ暗なベランダで月明かりに照らされた叶多の髪が一筋一筋キラキラと輝いている。
「俺も月みたいに、他人の力を利用してるって言っても、同じことが言えるか?」
「なんか分かんないけど、叶多はいい奴だよ。
光を受けても輝くものばっかりじゃない。
何でも吸い込む真っ暗なブラックホールだってあるだろ。
そういう奴もいるけど、叶多は違うと思う」
弟をなだめるように頭をそっとなでてみる。
「叶多、ちょっとこっち向いて立ってみて」
カシャ。
月を背にした叶多を撮った。
「うん、すごく綺麗だ」
「肖像権料払えよ」
「え!
ってああ!
ついにバッテリーが切れた!
充電器家なんだぞ!
今の写真保存できたかな~」
「俺は高いぞ」
「残ってないかもしれないのに!?」
「よし、行くか」
叶多は一人で部屋に戻ると明かりをつけて、引き出しからリモコンのようなものを取り出した。
「行くってどこに」
「自宅に行きたいんだろ。
車出してくる」
その日は流星群が流れる日で、街の明かりがあっても一個くらい見えないかな、とベランダに出てずっとカメラを構えていた。
だから叶多が帰ってきた物音にも全く気づかなかった。
「こんなとこにいたのか」
「うわっ。
叶多」
「やっと消えたと思ったのに」
「へいへい。
じゃあオレ家に戻らせてもらいますよ」
「…へえ」
なぜか叶多の表情が険しくなった。
「?うん。
カメラの充電が切れそうで取りに戻りたいんだ。
叶多いないときに出ちゃったらオレだと中に入れないから、」
ゴン。
「…いって!
何で殴るんだよ、目から火が出た!」
「言い方が紛らわしいんだよ。
バカ」
叶多はなんだかすねてるみたいだった。
弟の相手をしてやらなかったときにこんな顔をしていた覚えがあるぞ。
よし、ちょっとからかってやるか。
「オレがいなくなると思ってさみしかったんだ?」
ゴン!
「なんでまた殴るんだよ!
しかもさっきよりいてえし。
自分だって同じようなこと言うじゃんかよ」
「うるさい、黙れ」
「黙るもんか」
「聞かねえなら口塞ぐぞ」
「塞げるもんなら塞いで…」
叶多はオレを引き寄せて羽交い絞めにした。
「うわ、ギブギブ!」
オレが降参しても叶多は離そうとしない。
叶多の気をそらそうと、オレは月のほうを指差した。
「叶多!
スーパームーン」
「え?」
叶多が空を見上げた。
オレたちの頭上で、まん丸の立派な満月が煌煌と輝いている。
「今年一番でっかい満月。
雲もなくて絶好のフォトチャンスだから撮りやすいように電気消してベランダにずっといたんだよ。
集中してて叶多が帰ってきたのにも気づかなかった。
驚かせて悪かったよ」
「…いつもより大きい、か?」
「うん、まあそんなもんだよ。
でもいつもより明るいと思わない?」
「…何となく」
「綺麗だよな」
「月は嫌いだ」
力のこもっていない腕をオレに巻きつけたまま叶多は言った。
「月は太陽の光を反射して光ってるだけだろ。
月自体は綺麗なわけでも何でもない」
「別にいいじゃん。
綺麗なことに変わりはないよ。
オレは月、好きだよ」
叶多の頭が俺の肩に乗っかってきた。
「…叶多?
おい、どうしたんだよ」
叶多はただじっとオレに体重を預けてくる。
羽交い絞めからいつの間にか、しがみつかれた状態になっている。
真っ暗なベランダで月明かりに照らされた叶多の髪が一筋一筋キラキラと輝いている。
「俺も月みたいに、他人の力を利用してるって言っても、同じことが言えるか?」
「なんか分かんないけど、叶多はいい奴だよ。
光を受けても輝くものばっかりじゃない。
何でも吸い込む真っ暗なブラックホールだってあるだろ。
そういう奴もいるけど、叶多は違うと思う」
弟をなだめるように頭をそっとなでてみる。
「叶多、ちょっとこっち向いて立ってみて」
カシャ。
月を背にした叶多を撮った。
「うん、すごく綺麗だ」
「肖像権料払えよ」
「え!
ってああ!
ついにバッテリーが切れた!
充電器家なんだぞ!
今の写真保存できたかな~」
「俺は高いぞ」
「残ってないかもしれないのに!?」
「よし、行くか」
叶多は一人で部屋に戻ると明かりをつけて、引き出しからリモコンのようなものを取り出した。
「行くってどこに」
「自宅に行きたいんだろ。
車出してくる」
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