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帰り際、俺は那月に呼び止められた。
「お前さ、体硬いんじゃない?」
「…え?どうかな。平均くらいじゃない?」
「ちょっと…」
と手招きされ、那月の前に座らされる。
「脚開いて」
と言われて開脚する。
「前に体倒して…」
前に体を倒す。
「いたたたたっ!」
「お前。半分もいかないじゃん…」
「昔はもっといけたような気がするんだけどな…てか!そういう那月はどうなんだよ!」
俺はそう言ったことを後悔した。
彼は開脚して胸をペタっと床につけると、足をくるっと後ろから抜いて見せる。
「え!気持ち悪!てかすご。何したらそんなんなるの?お酢?お酢飲んだらなる?」
那月はふっと鼻で笑って、
「ならねーよ。お前ちゃんとストレッチしな。そしたら体がだんだん柔らかくなっていくから。関節とか柔らかくしといた方が、怪我もしづらいし姿勢も良くなるし、動きも滑らかになって今よりはカッコつくと思う」
と言った。
「どうやんの?」
「…今日時間ある?俺がお世話になってる整体師さんとこ行く?」
「行くー」
「予約する。春陽、送ってもらえる?」
練習をずっと見ていた春陽さんに聞いた。
「OK。連絡も俺からしとこうか?」
「ありがとう。その間に着替えてくる」
那月、いつの間に春陽さんを春陽なんて呼び捨てにするほど、仲良くなったんだろ?
だって10個くらい歳上なのに…
整体師さんのとこに着くと、那月は俺を紹介した。
「コイツ、俺の相方なんです。デビューするまで、あと3週間くらいしかないのに、体硬くてさ。怪我しても困るから、体ほぐしてあげて欲しいんです。あと家で出来るストレッチとか、教えてあげてくれると助かります」
「OK!任せて!」
「じゃあ、俺この上にいるから、終わったら連絡して」
と言って上の階に上がっていった。
俺のこと気にかけて、連れてきてくれたんだよな?
結構いい奴じゃん!
俺は先生に色々教わりながら世間話をした。
「那月、よく来るんですか?」
「あー、子供の頃からねー」
「子供の時から?」
「うん。まー詳しいことは本人に聞いてごらん。僕の口から言って、怒られてもやだし…」
と笑っていた。
体ほぐしてもらって、ストレッチも教えてもらった。
「事前に電話してくれたら、いつでも診るから言ってね?」
「ありがとうございます。だいぶ軽くなりました。あ、那月に電話しないと…」
「お、それなら一緒に上に上がる?」
「いいんですか?というか、上には何が?」
「上がってみればわかるよ!」
階段を登ると扉が見えてきた。
“笠松ダンススクール”
と表示があった。
「ダンススクール?」
扉の一部が、透明のガラスになっていて、中が見える。
中には社交ダンスを踊る、男女が居た。
女の人の方は20代後半くらいの綺麗な人だった。
相手の男は…那月!?
驚いてる俺を見た先生が、
「入っていいよ」
と言った。
恐る恐る扉を開けて中に入ると、こちら側を見ていた女の人と目が合った。
「あ!終わった?こっちおいで!」
と手招きした。
「何してんの?」
と俺が聞くと、
「見てわかんない?社交ダンス」
と那月が言った。
なんかちょっといい奴かもとか思ったのに、またそういう言い方する…やっぱ嫌いー!
「じゃなくて、何で社交ダンス?」
「ここね!元々バレエスクールだったの。那月がここに来出した頃はね。うちの母が教えてて…」
「那月、バレエやってんの!?」
「声、でかい。昔な。何だよ。男の癖にとか言うなよ?」
「違う!かっこいい!あのしなやかな感じはそれでか!」
「え?」
「俺感動したんだよー!練習で見た時、思わず泣いちゃった…でもどうしてバレエ辞めたんですか?」
「私がバレエやりたくなくなっちゃって、社交ダンスのほうに転向したら、これが結構楽しくて!日本で2位とかなっちゃったもんだから、社交ダンスのスクールに変えちゃった!」
と先生が言った。
「日本で2位ってすごい!那月とですか?」
「んなわけねーだろ。パートナーはそっちのおっさんだよ」
と整体師の笠松先生を指して言った。
「おっさんゆうな。まだ32だ」
「ということはご夫婦?」
「そう!私、笠松恵。その後ろの人が夫の笠松圭吾。夏輝くん!よろしくね!」
と恵さんが言った。
「こちらこそ。よろしくお願いします」
「俺もう少し恵さんと踊るから、お前どうする?春陽に送ってもらう?」
「いや、那月が終わるの待ってる」
「あ、そ」
それから1時間くらい、踊っている那月を見ていた。
どんなダンスも楽しそうに踊るんだな…
俺も頑張ろ。
「お前さ、体硬いんじゃない?」
「…え?どうかな。平均くらいじゃない?」
「ちょっと…」
と手招きされ、那月の前に座らされる。
「脚開いて」
と言われて開脚する。
「前に体倒して…」
前に体を倒す。
「いたたたたっ!」
「お前。半分もいかないじゃん…」
「昔はもっといけたような気がするんだけどな…てか!そういう那月はどうなんだよ!」
俺はそう言ったことを後悔した。
彼は開脚して胸をペタっと床につけると、足をくるっと後ろから抜いて見せる。
「え!気持ち悪!てかすご。何したらそんなんなるの?お酢?お酢飲んだらなる?」
那月はふっと鼻で笑って、
「ならねーよ。お前ちゃんとストレッチしな。そしたら体がだんだん柔らかくなっていくから。関節とか柔らかくしといた方が、怪我もしづらいし姿勢も良くなるし、動きも滑らかになって今よりはカッコつくと思う」
と言った。
「どうやんの?」
「…今日時間ある?俺がお世話になってる整体師さんとこ行く?」
「行くー」
「予約する。春陽、送ってもらえる?」
練習をずっと見ていた春陽さんに聞いた。
「OK。連絡も俺からしとこうか?」
「ありがとう。その間に着替えてくる」
那月、いつの間に春陽さんを春陽なんて呼び捨てにするほど、仲良くなったんだろ?
だって10個くらい歳上なのに…
整体師さんのとこに着くと、那月は俺を紹介した。
「コイツ、俺の相方なんです。デビューするまで、あと3週間くらいしかないのに、体硬くてさ。怪我しても困るから、体ほぐしてあげて欲しいんです。あと家で出来るストレッチとか、教えてあげてくれると助かります」
「OK!任せて!」
「じゃあ、俺この上にいるから、終わったら連絡して」
と言って上の階に上がっていった。
俺のこと気にかけて、連れてきてくれたんだよな?
結構いい奴じゃん!
俺は先生に色々教わりながら世間話をした。
「那月、よく来るんですか?」
「あー、子供の頃からねー」
「子供の時から?」
「うん。まー詳しいことは本人に聞いてごらん。僕の口から言って、怒られてもやだし…」
と笑っていた。
体ほぐしてもらって、ストレッチも教えてもらった。
「事前に電話してくれたら、いつでも診るから言ってね?」
「ありがとうございます。だいぶ軽くなりました。あ、那月に電話しないと…」
「お、それなら一緒に上に上がる?」
「いいんですか?というか、上には何が?」
「上がってみればわかるよ!」
階段を登ると扉が見えてきた。
“笠松ダンススクール”
と表示があった。
「ダンススクール?」
扉の一部が、透明のガラスになっていて、中が見える。
中には社交ダンスを踊る、男女が居た。
女の人の方は20代後半くらいの綺麗な人だった。
相手の男は…那月!?
驚いてる俺を見た先生が、
「入っていいよ」
と言った。
恐る恐る扉を開けて中に入ると、こちら側を見ていた女の人と目が合った。
「あ!終わった?こっちおいで!」
と手招きした。
「何してんの?」
と俺が聞くと、
「見てわかんない?社交ダンス」
と那月が言った。
なんかちょっといい奴かもとか思ったのに、またそういう言い方する…やっぱ嫌いー!
「じゃなくて、何で社交ダンス?」
「ここね!元々バレエスクールだったの。那月がここに来出した頃はね。うちの母が教えてて…」
「那月、バレエやってんの!?」
「声、でかい。昔な。何だよ。男の癖にとか言うなよ?」
「違う!かっこいい!あのしなやかな感じはそれでか!」
「え?」
「俺感動したんだよー!練習で見た時、思わず泣いちゃった…でもどうしてバレエ辞めたんですか?」
「私がバレエやりたくなくなっちゃって、社交ダンスのほうに転向したら、これが結構楽しくて!日本で2位とかなっちゃったもんだから、社交ダンスのスクールに変えちゃった!」
と先生が言った。
「日本で2位ってすごい!那月とですか?」
「んなわけねーだろ。パートナーはそっちのおっさんだよ」
と整体師の笠松先生を指して言った。
「おっさんゆうな。まだ32だ」
「ということはご夫婦?」
「そう!私、笠松恵。その後ろの人が夫の笠松圭吾。夏輝くん!よろしくね!」
と恵さんが言った。
「こちらこそ。よろしくお願いします」
「俺もう少し恵さんと踊るから、お前どうする?春陽に送ってもらう?」
「いや、那月が終わるの待ってる」
「あ、そ」
それから1時間くらい、踊っている那月を見ていた。
どんなダンスも楽しそうに踊るんだな…
俺も頑張ろ。
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