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デビュー
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ついに来てしまった、この日が。
ちなみにデビューの日は、俺の誕生日だ。
忙しくてそれどころじゃないけど…
ギリギリまで決まらなかったコンビ名も”N2”になった。
まぁ単純に那月と夏輝で、イニシャルがNだってこと。
Wナツキにしようか?って言った沙織さんに、俺らが猛反対して、何とか抑えた。
春陽さんがMIX nutsにしようと言ったけど、なんかお笑いコンビみたいで、それも違うかってなった。
それにN2は窒素の意味もある。
この世には窒素が至るとこにある。
俺らもいろんなものと反応して、成長しながら、そのうちあって当たり前くらいの、存在になれたらいいって、そんな意味もあった。
あと、N2は三重結合で出来ている。
単結合や二重結合より結びつきが強いって、高校の化学で言ってたっけ?
まぁそんなこんなで、ようやくデビューしたわけで…
動画投稿サイトで、俺たちのデビュー曲は、そこそこ話題になった。
動画投稿サイトの、事務所のオフィシャルチャンネルで、デビュー曲の動画の再生回数が、1ヶ月で2000万回を超えた。
ファンクラブの会員の申し込みも、かなり増えているらしい。
デビューする前から、応援してくれていた人もいて、プレゼントも届いていた。
俺の誕生日を、知ってくれてる人もいるんだな。
ありがたい限りだ。
那月はクール系。俺は子犬系なんだって。
自分で言うと恥ずかしい…
「まぁ、まずまずじゃない?」
部屋に俺らを呼んで、沙織さんは言った。
「はい。ありがとうございます!」
「次の目標は、冬に2ndシングル出して、動画サイトの2人のチャンネルの開設と、テレビかラジオかの冠番組も欲しいわね。あと英語の勉強もしてちょうだい。いずれは世界に行くのよ!」
「なんか大変そうですね…」
俺が呟くと、社長が言った。
「まあこれから人気が続くかはあんたら次第よ。今や各国、歌って踊れるイケメン戦国時代だからね!とりあえずあんたらは一応アイドルなんだから、スキャンダルには気をつけなさいよ?人気になればなるほど、狙われるからね。あ!春陽。2人のチャンネル開設は任せていい?」
「もちろんです」
「あの…」
と、那月が口を開いた。
「なに?」
「そんなに忙しくなるなら、俺、寮に引っ越していいですか?」
「え?寮に?まぁいいんじゃない?寮に入れるのは、未成年の間だけだから、20歳になるまでだけどいい?」
「はい」
「じゃあ…1人部屋と2人部屋どっちがいい?」
「コイツと同じ部屋がいいです。その方が動画撮るときとか、移動とかしなくて済むんで。あとストレッチやマッサージの相手も頼めるし。ダメですか?」
「私はいいけど、夏は1人部屋希望じゃなかった?」
“夏”は俺のこと。
社長は俺が事務所に入った時から、90%の割合で”夏”って呼ぶ。
今となっては、ナツキが2人でややこしいから、100%だ。
ちなみに那月のことは、なっちゃんと呼ぶ。
そっちの方が可愛いじゃん。
「そうだよ!せっかく崇さんが20歳になって寮を出るから、そのタイミングで俺も1人部屋に移動しようと思ったのに…」
「嫌ならいいよ。その代わり動画撮る時、お前がうちまで来いよ?実家まで。2時間かけて…」
「えー!それはやだー」
「じゃあ決まりだな」
「うぅ…」
翌週、那月は俺の部屋に引っ越して来た。
春陽さんが色々と説明している。
「とりあえず、居られるのは20歳まで。給料は月給制で、最初は月15万。普通のOLさんなんかは、だいたい手取り20万の、こっから家賃や光熱費、食費なんかを引いたお金でやりくりしている。手取りで15万、そっくりお小遣いなんて、ありがたいだろー。まぁそれ以上に稼いでもらうけどな!あと仕事が増えて来たら、もちろん月給も上がる。だから頑張れよ!」
春陽さんは軽く説明して、那月の荷物を運ぶと帰っていった。
「月、15万?お前も?」
「当たり前だろ?俺らまだピンの仕事とかしてないから、条件は一緒だよ。デビューするまでは、俺、7万だったし」
「マジか…」
「でも高校生なら7万でも大金じゃない?」
「まぁな」
「先輩のバックダンサーとかしてたから、寮にいると、みんな結構ご馳走してくれたりするから、お金あんま使わないし。たまに服買うとか、友達と遊びに行くとか、そのくらいだしね」
「お前は何で寮暮らしなの?」
「…俺、元々出身が大阪だから。高校入るまで向こうにいたんだ。オーディション受けて、デビューするなら東京に来たらってことでこっち来た」
「へー。あんま訛ってないな」
「こっち来た時、だいぶ直されたからね」
「親、心配してるんじゃない?」
「そうでもないよ。うち…放任主義だから!」
「そっか。趣味とか、コレクションとかもないのか?」
と部屋を見回して那月が言った。
「趣味ね。何かを集めるとしたら、これかな」
と机の中を開けて見せた。
「イルカ…じゃねーな」
「うん。ジンベイザメだよ」
俺は机の中のジンベイザメのガラス細工を1つ取って見せた。
「まぁ可愛いっちゃあ、可愛い気もする」
「でしょ?俺が小さい時からずっと集めてる」
机の中にあるキーホルダーやら何やらを見せる。
「集め始めたきっかけは?」
「うん…きっかけね…」
少し言いにくそうにしていると、那月が話を変えた。
「まぁいいか。とりあえず今日は寝るぞ。夏休みは忙しくなるって春陽が言ってたし」
「あ、あのさ…」
春陽さんを呼び捨てにしているのが、何故か気になって聞こうとした。
「何?」
「…いや、何でもない」
結局聞けなかった。
ちなみにデビューの日は、俺の誕生日だ。
忙しくてそれどころじゃないけど…
ギリギリまで決まらなかったコンビ名も”N2”になった。
まぁ単純に那月と夏輝で、イニシャルがNだってこと。
Wナツキにしようか?って言った沙織さんに、俺らが猛反対して、何とか抑えた。
春陽さんがMIX nutsにしようと言ったけど、なんかお笑いコンビみたいで、それも違うかってなった。
それにN2は窒素の意味もある。
この世には窒素が至るとこにある。
俺らもいろんなものと反応して、成長しながら、そのうちあって当たり前くらいの、存在になれたらいいって、そんな意味もあった。
あと、N2は三重結合で出来ている。
単結合や二重結合より結びつきが強いって、高校の化学で言ってたっけ?
まぁそんなこんなで、ようやくデビューしたわけで…
動画投稿サイトで、俺たちのデビュー曲は、そこそこ話題になった。
動画投稿サイトの、事務所のオフィシャルチャンネルで、デビュー曲の動画の再生回数が、1ヶ月で2000万回を超えた。
ファンクラブの会員の申し込みも、かなり増えているらしい。
デビューする前から、応援してくれていた人もいて、プレゼントも届いていた。
俺の誕生日を、知ってくれてる人もいるんだな。
ありがたい限りだ。
那月はクール系。俺は子犬系なんだって。
自分で言うと恥ずかしい…
「まぁ、まずまずじゃない?」
部屋に俺らを呼んで、沙織さんは言った。
「はい。ありがとうございます!」
「次の目標は、冬に2ndシングル出して、動画サイトの2人のチャンネルの開設と、テレビかラジオかの冠番組も欲しいわね。あと英語の勉強もしてちょうだい。いずれは世界に行くのよ!」
「なんか大変そうですね…」
俺が呟くと、社長が言った。
「まあこれから人気が続くかはあんたら次第よ。今や各国、歌って踊れるイケメン戦国時代だからね!とりあえずあんたらは一応アイドルなんだから、スキャンダルには気をつけなさいよ?人気になればなるほど、狙われるからね。あ!春陽。2人のチャンネル開設は任せていい?」
「もちろんです」
「あの…」
と、那月が口を開いた。
「なに?」
「そんなに忙しくなるなら、俺、寮に引っ越していいですか?」
「え?寮に?まぁいいんじゃない?寮に入れるのは、未成年の間だけだから、20歳になるまでだけどいい?」
「はい」
「じゃあ…1人部屋と2人部屋どっちがいい?」
「コイツと同じ部屋がいいです。その方が動画撮るときとか、移動とかしなくて済むんで。あとストレッチやマッサージの相手も頼めるし。ダメですか?」
「私はいいけど、夏は1人部屋希望じゃなかった?」
“夏”は俺のこと。
社長は俺が事務所に入った時から、90%の割合で”夏”って呼ぶ。
今となっては、ナツキが2人でややこしいから、100%だ。
ちなみに那月のことは、なっちゃんと呼ぶ。
そっちの方が可愛いじゃん。
「そうだよ!せっかく崇さんが20歳になって寮を出るから、そのタイミングで俺も1人部屋に移動しようと思ったのに…」
「嫌ならいいよ。その代わり動画撮る時、お前がうちまで来いよ?実家まで。2時間かけて…」
「えー!それはやだー」
「じゃあ決まりだな」
「うぅ…」
翌週、那月は俺の部屋に引っ越して来た。
春陽さんが色々と説明している。
「とりあえず、居られるのは20歳まで。給料は月給制で、最初は月15万。普通のOLさんなんかは、だいたい手取り20万の、こっから家賃や光熱費、食費なんかを引いたお金でやりくりしている。手取りで15万、そっくりお小遣いなんて、ありがたいだろー。まぁそれ以上に稼いでもらうけどな!あと仕事が増えて来たら、もちろん月給も上がる。だから頑張れよ!」
春陽さんは軽く説明して、那月の荷物を運ぶと帰っていった。
「月、15万?お前も?」
「当たり前だろ?俺らまだピンの仕事とかしてないから、条件は一緒だよ。デビューするまでは、俺、7万だったし」
「マジか…」
「でも高校生なら7万でも大金じゃない?」
「まぁな」
「先輩のバックダンサーとかしてたから、寮にいると、みんな結構ご馳走してくれたりするから、お金あんま使わないし。たまに服買うとか、友達と遊びに行くとか、そのくらいだしね」
「お前は何で寮暮らしなの?」
「…俺、元々出身が大阪だから。高校入るまで向こうにいたんだ。オーディション受けて、デビューするなら東京に来たらってことでこっち来た」
「へー。あんま訛ってないな」
「こっち来た時、だいぶ直されたからね」
「親、心配してるんじゃない?」
「そうでもないよ。うち…放任主義だから!」
「そっか。趣味とか、コレクションとかもないのか?」
と部屋を見回して那月が言った。
「趣味ね。何かを集めるとしたら、これかな」
と机の中を開けて見せた。
「イルカ…じゃねーな」
「うん。ジンベイザメだよ」
俺は机の中のジンベイザメのガラス細工を1つ取って見せた。
「まぁ可愛いっちゃあ、可愛い気もする」
「でしょ?俺が小さい時からずっと集めてる」
机の中にあるキーホルダーやら何やらを見せる。
「集め始めたきっかけは?」
「うん…きっかけね…」
少し言いにくそうにしていると、那月が話を変えた。
「まぁいいか。とりあえず今日は寝るぞ。夏休みは忙しくなるって春陽が言ってたし」
「あ、あのさ…」
春陽さんを呼び捨てにしているのが、何故か気になって聞こうとした。
「何?」
「…いや、何でもない」
結局聞けなかった。
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