ナツキ

SHIZU

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熱愛発覚

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12月24日。クリスマスイブ。
明日のクリスマスは、2曲目の配信の日。

寮には人の出入りが結構ある。
自分たちのマネージャーさんか、社長の沙織さんに、誰が来るか言えば、ゲストを呼んでパーティーとかも出来ちゃう。
俺たちは昼間に、宣伝用の動画を撮って、自分たちのチャンネルに上げた。
0時になれば、事務所のオフィシャルチャンネルに、動画が上がる。
夜はパーティーだ。
寮のマンションには、コミュニティルームみたいなのがあって、自由に使える。
やっくんやけーたも呼んで、クリスマスパーティーしてもいいって、お許しが出た。
那月は特に誰も呼ばないって。

「笠松先生たち呼んだら?」
「何で?」
「何でって…2人ともお世話になってるし、多い方が楽しいじゃん?」
実はあの後、俺も先生たちのダンススクールに通い始めた。
「俺はお前と2人が良かったけどな…」
那月が何かぼそっと呟いたけど、俺にはよく聞こえなかった。
「何か言った?」
「いや、良い。聞いてみる」
声をかけると、行きたいと返事があったみたい。
沙織さんは仕事があるから、終わりの方に顔を出せたら出す、くらいの感じだった。
事務所の先輩も何人か来ていた。
那月が来るまで、俺と同部屋だった崇さんもいた。
「崇さーん!」
と崇さんに後ろから抱きついた。
「お!夏輝ー!久しぶりだな」
崇さんは最近歌よりもお芝居をメインに仕事をしている。
俺の大好きで、憧れの先輩だ。
同じ部屋に居た時は、よくご飯も奢ってくれた。
「ドラマ観ましたー!良いですね!俺も崇さんみたいに歌もダンスもお芝居も出来るようになりたいっす!」
「なれるよ。那月なら。俺よりもずっと器用だと思うし」
へへへ。と俺たちが笑っていると、那月が来た。
「どうも」
「あ!こいつ、俺の相方の那月です!崇さんの後、俺のルームメイトでもあります」
とお互いに紹介して、少し喋ると、崇さんはこの様子を動画に残していた、春陽さんのところに向かった。
春陽さんは、デビューしてから2年くらい、崇さんのマネージャーをしていた。
那月を連れて、今度はやっくんたちのとこへ行った。
「やっくーん!けーた!」
「おー!お疲れー。なんか芸能人いっぱいで、緊張するわー」
とやっくんが言った。
「ほんとに!俺、あの人のドラマ観てる!」
とけーたが崇さんをチラ見して言った。
「ここにも一応アイドルが2人いるんだよ!」
とウィンクをすると、
「……あれ?なんか聞こえた?」
「いや?特には何も…」
と2人が俺の言葉を亡きものにした。
「ちょい!扱い雑くね?」
「お前はアイドルじゃなくて親友なんだよー!」
と、2人が頭をわしゃわしゃ撫でた。
「そうだ!こっち相方の那月」
さっきから少し不機嫌そうな那月を紹介した。
「どうも…」
「あ、夏となっちゃんの、なっちゃんの方だ!」
「なっちゃん、いっけめーん!」
「俺は?俺は?」
って俺が聞いたのに、
「……なっちゃん、いっけめーん!」
とスルーされる。
まあ日常的にこんな感じのやりとりよ。
いつも通りよ。
でも特別扱いしない2人の隣が、俺が俺でいられる唯一の居場所だと思ってる。


みんなが帰って、俺たちと春陽さん、崇さん、事務所の他の先輩達が少し残って話をしていた。
「社長、今からちょっと顔出して、会社にまた戻るっておっしゃってましたよ」
と春陽さんが言った。
それから15分くらいして、沙織さんが来た。
「沙織さーん!」
と手を振った。
「どう?楽しかった?」
「はい!でももっと早く来てくれたら、笠松先生たちや、やっくんたちも紹介出来たのにー」
「ごめんなさいね。でもまた会社に戻らないと…」
そう言って、残っていたみんなに、ひと通り挨拶をして、部屋を出た。
30分もいなかったんじゃないかな…
「僕、送って来ます」
と春陽さんが言って、付いていく。
ふと、机を見ると沙織さんの手帳が置いてあった。
「俺、これ急いで届けてくる!」
マンションを降りて、路肩に停めてあった沙織さんの車に近付こうとした時、助手席に座る男性とキスをしているのを見てしまった。
相手は春陽さんだった。
どういうこと?
だって春陽さんは、那月と…
助手席から降りてきた、春陽さんに気付かれないように、俺はマンションのエントランスに戻った。
慌てて今降りて来たフリをして、入って来た春陽さんに声をかける。
「あ!沙織さん帰っちゃいました?」
「うん。今さっき。どうしたの?」
「いや、手帳忘れてたから届けようと思って、急いで降りて来たんですけど、間に合わなかったかー」
「僕もこの後会社に戻るから、預かっておくよ?」
「じゃあお願いします!俺、このまま近くのコンビニ寄るんで、ちょっと行って来ます」
「わかった。気をつけて」
「はい!」
俺はコンビニで、炭酸のジュースをカゴに入れ、お菓子売り場で、チョコレートを選びながら考えた。
二股?那月と社長を?
春陽さん、そんなことする人に見えないのに。
これって那月に言った方がいいのかな?
でも前にハグしてたのも、俺が見てるって知らないのに、急にこんなこと言われたら戸惑うよな。
「俺はどうしたらいいんだよ!」
「お、お客様…大丈夫ですか?何かお探しですか?」
この間と同じ店員のお兄さんを、また驚かせてしまった。
「あー、すみません!…ちょっと種類が多くて悩んじゃって…お兄さんのお勧め何かあります?」
「え?えー、僕はこれが好きですかね。これもありです」
「それ、どっちもください!あとこれも」
とカゴのジュースを渡した。
















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