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BOYがLOVEする世界の話?
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事務所に呼ばれて俺が行くと、春陽さんと沙織さん、久しぶりに顔を合わす崇さんがいた。
「久しぶり。夏輝」
「お久しぶりです。今日はどうしたんですか?」
沙織さんと春陽さんが、顔を見合わせたあと少し頷くと、春陽さんが言った。
「夏にもピンの仕事が来たんだ…」
「え!マジですか?何ですか?バラエティ?」
「ドラマ」
「ドラマ!?めっちゃいいじゃないですか!」
「崇くんと共演なんだけどね」
俺は崇さんを見た。
「へー!どんなドラマですかね?」
「な!スポ根的なやつじゃない?俺コーチで、夏は高校生か大学生でとか!弱小サッカー部立て直す的な?」
と崇さんが春陽さんに聞くと、
「それが…BLなんだよ」
ほぅ。BLってあのBL?
BOYたちがLOVEする世界の話?だよな。
俺は一瞬、崇さんの顔を見た。
崇さんもビックリしてる。
「もしかして崇さんの相手が俺ってことですか?」
「そうだね。嫌だったら断ってもいいんだよ?」
「嫌っていうか、どうして俺たちに?」
と尋ねると、沙織さんが言った。
「2周年のドッキリあったでしょ?夏たちの。あれで最後に、崇が仕掛人として出て来たじゃない?それでびびって半泣きの夏を、崇がよしよしって慰めてるのを見て、この2人にってなったらしいわ。イメージが合うらしいのよ」
あー、そんなことあったな。
「だからオーディションとかもせずに、直接話を?」
「そうね。どうする?」
「別に俺はいいですよ!夏なら、多少の小っ恥ずかしさはありますけど、気心知れてるし」
「俺も別に大丈夫です。というか、せっかくご指名頂いたので、やらせていただきたいです」
そうして俺と崇さんは、このドラマの仕事を引き受けた。
「は?何でBLドラマなんだよ」
「何でって。なんかテレビ見て、イメージに合ったらしいよ」
「いつから撮影?」
「4月のあたま」
「来週か。放送局と放送日は?」
「何?めっちゃ聞くやん」
「…だってピンの仕事も、2人で放送観るって約束したじゃん」
「そだね。6月の頭から配信だって」
「配信ってことは、ウェブドラマ?」
「うん。毎週1話ずつ、30分くらいの番組だってさ」
「へー」
「台本貰ったけど、結構濃厚なシーンもあるらしいよ」
「何で!?」
「何でって俺に言われても…まぁ男同士だし、局部さえ出なければ、割と自由に撮れるからじゃない?民放のテレビじゃないしね」
「ちょっと待て待て。お前なんでそんな落ち着いてる?」
「だって崇さんと一緒だから心強いし。逆になんで那月がそんなテンパってる?」
「いや、崇さんと一緒だからって相手男だぞ?」
「何言ってんの?その男言いくるめて、練習とか言ってファーストキス奪ったくせに…1回やれば、2回も100回も同じなんだろ?」
「いや、そういうことじゃなくて…俺と崇さんのは、夏にとって同じなのか?」
「一緒でしょ?男だし…」
「そっか…」
「まぁ俺だって、那月に負けないくらい頑張って演技するからさ。楽しみにしててよ!」
「いや、むしろそんなにやる気を出されても困る…」
「ん?なんか言った?」
「何でもない。頑張れよ…」
この話は、新入社員とその教育係のオフィスラブだ。
新入社員はちょっとドジだけど一生懸命。
先輩社員は、そんなドジな後輩をフォローしたりするうちに、自分がその後輩を好きになってしまったことに気付く。
でも後輩には大学生から付き合っている彼女が居て…
みたいな感じから物語は始まる。
撮影は和気藹々と始まって、順調に進んでいく。
「明日、キスシーンなんだって!」
2人でご飯を食べてる時、俺がそう言うと那月がぶーっと飲んでるお茶を吹いた。
「そんなビックリすること?ラブシーンあるって言ったじゃん」
「だって早くない?まだ撮影始まって1週間も経ってないんじゃ…」
「なんかまだ慣れてない雰囲気の時にやっときたいんだって。1回目は…」
と言うと、また那月がぶーっとお茶を吹いた。
「1回目はって何?」
「ラブシーン、何回かあるらしいよ」
「へー」
「なんかね…あ、言っていいのかな。ネタバレしちゃうから他の人には絶対内緒な?」
「うん」
「明日撮るのは後輩が彼女にフラれて、それを先輩に先輩の家で相談している時に、先輩が慰めながら思わずキスしちゃうって。そこで後輩は先輩の気持ちに気付くわけさ。でもまだ元カノが忘れられないから戸惑う、っていうシーンだってさ」
「そ、そうか…」
「だから、練習付き合って」
「は?何で…」
「え、ひどい!那月の時、一緒に練習したやん!ファーストキスまで捧げたのに…」
「そんな変な言い方…」
「僕、別れたくないんです…」
と俺は自分のセリフを言いながら台本を那月に渡した。
那月は戸惑いながらも台本を開く。
「……まだ好きなのか?」
「好きです!だってずっと好きで好きで…好き…」
と俺は言いながら泣く。
「それは本当に愛情か?ただの馴れ合いか、もしくは執着じゃないか?」
「先輩、ひどい…あなたなら、まだ頑張れるよって言ってくれると思ったのに!」
と言った俺の手を、掴んで引き寄せ抱きしめる。
「そんなこと言えない…言いたくない」
「もう帰ります!」
と突き放して帰ろうとする俺にキスをする。
びっくりした俺は、先輩の家を飛び出して家に帰る。
まーそんな感じ。
「練習になったか?」
「まあまあだな」
と俺はコーヒーを飲み干し、シャワーに行った。
監督さんには、“先輩の気持ちに気付いて、動揺している演技が想像通りで良かった!"と褒められた。
「久しぶり。夏輝」
「お久しぶりです。今日はどうしたんですか?」
沙織さんと春陽さんが、顔を見合わせたあと少し頷くと、春陽さんが言った。
「夏にもピンの仕事が来たんだ…」
「え!マジですか?何ですか?バラエティ?」
「ドラマ」
「ドラマ!?めっちゃいいじゃないですか!」
「崇くんと共演なんだけどね」
俺は崇さんを見た。
「へー!どんなドラマですかね?」
「な!スポ根的なやつじゃない?俺コーチで、夏は高校生か大学生でとか!弱小サッカー部立て直す的な?」
と崇さんが春陽さんに聞くと、
「それが…BLなんだよ」
ほぅ。BLってあのBL?
BOYたちがLOVEする世界の話?だよな。
俺は一瞬、崇さんの顔を見た。
崇さんもビックリしてる。
「もしかして崇さんの相手が俺ってことですか?」
「そうだね。嫌だったら断ってもいいんだよ?」
「嫌っていうか、どうして俺たちに?」
と尋ねると、沙織さんが言った。
「2周年のドッキリあったでしょ?夏たちの。あれで最後に、崇が仕掛人として出て来たじゃない?それでびびって半泣きの夏を、崇がよしよしって慰めてるのを見て、この2人にってなったらしいわ。イメージが合うらしいのよ」
あー、そんなことあったな。
「だからオーディションとかもせずに、直接話を?」
「そうね。どうする?」
「別に俺はいいですよ!夏なら、多少の小っ恥ずかしさはありますけど、気心知れてるし」
「俺も別に大丈夫です。というか、せっかくご指名頂いたので、やらせていただきたいです」
そうして俺と崇さんは、このドラマの仕事を引き受けた。
「は?何でBLドラマなんだよ」
「何でって。なんかテレビ見て、イメージに合ったらしいよ」
「いつから撮影?」
「4月のあたま」
「来週か。放送局と放送日は?」
「何?めっちゃ聞くやん」
「…だってピンの仕事も、2人で放送観るって約束したじゃん」
「そだね。6月の頭から配信だって」
「配信ってことは、ウェブドラマ?」
「うん。毎週1話ずつ、30分くらいの番組だってさ」
「へー」
「台本貰ったけど、結構濃厚なシーンもあるらしいよ」
「何で!?」
「何でって俺に言われても…まぁ男同士だし、局部さえ出なければ、割と自由に撮れるからじゃない?民放のテレビじゃないしね」
「ちょっと待て待て。お前なんでそんな落ち着いてる?」
「だって崇さんと一緒だから心強いし。逆になんで那月がそんなテンパってる?」
「いや、崇さんと一緒だからって相手男だぞ?」
「何言ってんの?その男言いくるめて、練習とか言ってファーストキス奪ったくせに…1回やれば、2回も100回も同じなんだろ?」
「いや、そういうことじゃなくて…俺と崇さんのは、夏にとって同じなのか?」
「一緒でしょ?男だし…」
「そっか…」
「まぁ俺だって、那月に負けないくらい頑張って演技するからさ。楽しみにしててよ!」
「いや、むしろそんなにやる気を出されても困る…」
「ん?なんか言った?」
「何でもない。頑張れよ…」
この話は、新入社員とその教育係のオフィスラブだ。
新入社員はちょっとドジだけど一生懸命。
先輩社員は、そんなドジな後輩をフォローしたりするうちに、自分がその後輩を好きになってしまったことに気付く。
でも後輩には大学生から付き合っている彼女が居て…
みたいな感じから物語は始まる。
撮影は和気藹々と始まって、順調に進んでいく。
「明日、キスシーンなんだって!」
2人でご飯を食べてる時、俺がそう言うと那月がぶーっと飲んでるお茶を吹いた。
「そんなビックリすること?ラブシーンあるって言ったじゃん」
「だって早くない?まだ撮影始まって1週間も経ってないんじゃ…」
「なんかまだ慣れてない雰囲気の時にやっときたいんだって。1回目は…」
と言うと、また那月がぶーっとお茶を吹いた。
「1回目はって何?」
「ラブシーン、何回かあるらしいよ」
「へー」
「なんかね…あ、言っていいのかな。ネタバレしちゃうから他の人には絶対内緒な?」
「うん」
「明日撮るのは後輩が彼女にフラれて、それを先輩に先輩の家で相談している時に、先輩が慰めながら思わずキスしちゃうって。そこで後輩は先輩の気持ちに気付くわけさ。でもまだ元カノが忘れられないから戸惑う、っていうシーンだってさ」
「そ、そうか…」
「だから、練習付き合って」
「は?何で…」
「え、ひどい!那月の時、一緒に練習したやん!ファーストキスまで捧げたのに…」
「そんな変な言い方…」
「僕、別れたくないんです…」
と俺は自分のセリフを言いながら台本を那月に渡した。
那月は戸惑いながらも台本を開く。
「……まだ好きなのか?」
「好きです!だってずっと好きで好きで…好き…」
と俺は言いながら泣く。
「それは本当に愛情か?ただの馴れ合いか、もしくは執着じゃないか?」
「先輩、ひどい…あなたなら、まだ頑張れるよって言ってくれると思ったのに!」
と言った俺の手を、掴んで引き寄せ抱きしめる。
「そんなこと言えない…言いたくない」
「もう帰ります!」
と突き放して帰ろうとする俺にキスをする。
びっくりした俺は、先輩の家を飛び出して家に帰る。
まーそんな感じ。
「練習になったか?」
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