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「電話、今大丈夫?」
「はい」
沙織さんからだ。
「次の歌も、あなた達に作ってほしいの。大丈夫?」
「はい」
「まあ、また作り方は任せるから…」
「はい」
「…大丈夫?」
「はい」
「何か悩んでる?」
「はい…あ、いや…大丈夫」
「そういえば、なんかお寿司食べたくない?あんた、今、家?」
「うん。食べたい…かも」
「じゃあ今から行くから、好きなやつ出前しといて」
「うん。ありがとう」
「30分で行くわ」
それから30分して、沙織さんが来た。
「どうやって来たの?」
「春陽が送ってくれた」
「一緒に上がってこなかったの?」
「帰らせたわよ。明日の朝迎えに来てもらう。だから今日はここに泊まるからね。朝まで飲むわよ!」
そう言って、スーパーの袋にたくさん入っていた酒を、冷蔵庫に入れながら沙織さんは言った。
「とりあえず私はビール。あんたはハイボールね」
「よくご存知で」
「当たり前じゃない。私は事務所の社長以前に、夏の母親、姉、友達、ファン、まぁその他諸々を兼ね備えてるのよ。それくらいは見てるわよ?」
「うん。ありがと。沙織さん」
「いっぱい食べな!追加で頼んでもいいし、ピザとか他のでもいいから」
「そんなには無理だよ。でもこのお寿司美味しい!」
「あんたと2人でご飯なんて、久しぶりじゃない?というかこの家、こんな広かったの…なっちゃんのもの、だいぶ減ったわね」
ビールを飲みながら、部屋を見渡し、沙織さんが言った。
「もう、あとは鍵だけ。那月が見つけた家だから、俺が出て行くって言ったのに、自分は実家に戻るからって譲らなくて…」
「あんたは出て行って、どうするつもりだったの?」
「崇さんに相談したら、家見つかるまでうちにいればいいって言ってくれたから、そのつもりだった」
「ふーん。あんたたち仲良いもんね。でもなっちゃんはそうなるのが嫌で、自分が出て行くことにしたのかもね」
「え?」
「だって嫌でしょー!好きな人が他の人と一緒に暮らすのは…」
俺は飲んでいたハイボールにむせながら、
「何でそれ!」
と聞いた。
「一部の人は気付いてるわよ。春陽や私や、あと恵ちゃんとか。それとなっちゃんのご両親もね。まあ崇や真理恵さん?は最近だけど、ファンの人の中にもそう思ってる人いるかもねー。それはどっちかというと、願望に近い気がするけど…」
「ちょ!?ちょ、ちょ、ちょっと!那月のご両親て何!?」
「何って…あの子あんたに好きって言ったのよね?」
「え?…うん」
「あんたを前に両親に合わせたでしょ?その時、紹介したい人がいる。一生大事にしたい人だから、2人にも会ってほしいって。そう言ったって、春陽が言ってた」
「何それ!そんなこと一言も…」
「あの子はね。周りの人がどう思うかは、気にしてないの。誰と噂を流されても、写真を撮られても、何とも思ってない。自分の中には夏しかいないからね。けど、1番大切にしなきゃなのは夏の気持ちだから、そういう周りの目が、あんたを傷付けることは恐れてる。それに今までずっと、自分の好きだけを押し付けるのは嫌だって言ってたのよ?だから見守るだけでいいって言って、気持ちを伝えることもしなかった」
「…俺、どうしたらいい?」
「言ったでしょ?不倫や二股、暴力、クスリ。そんなもんでスキャンダル起こすのは困るって」
「じゃあメンバー同士の恋愛もダメなんじゃ……何より俺もあいつも男だし…」
「私は気にしないけどね。いいじゃない?別に」
「だってマスコミに騒ぎ立てられたり、ファンの人だって離れていくかも…」
「確かにそういうこと気にするのもわかるけど、1番はあんたたちの気持ちでしょ?じゃあとかだってを言い訳にしないで、まずあんたはどうしたいの?」
「わかんない。急過ぎて。俺も那月のことは好きだけど、それがどういう好きかわからないよ」
「じゃあそれを正直に話してみれば?告白されて逃げ続けるのは無理でしょ?今のあんたの気持ち、わからないならわからないで話した方が、よっぽどあの子も納得すると思う」
「わかった。あ、沙織さん。また歌が完成したら、MVはあっきーに頼んでいい?」
「2人がいいならいいわよ」
「ありがとう」
俺は次の日、ラジオで会った那月と話をした。
「新曲、また2人で作るようにって、聞いた?」
「うん、また同じ感じでいい?夏が曲、俺が詩」
「いいよ。あとさ、今日家に寄ってくれる?」
「え?わかった…」
仕事の後、俺たちは一緒に帰って来た。
「話がある。あそこでは話しづらいから、家に寄ってもらった」
「うん。どした?」
「告白されて、そのままほったらかしってわけにはいかないから、とりあえず俺の気持ち言っとく」
「あぁ…」
「俺はお前のこと大事に思ってる。友達とか家族とか、仕事のパートナーとして」
「…うん」
「好きだとも思う。でも、それがお前の好きと同じかと聞かれると自信はない」
「…うん」
「だから、もうしばらく自分と向き合う時間が欲しい。そこで提案だけど、もう少し同居を続けられないかな?もしそれで、俺の気持ちが那月と同じじゃなかったら、今度こそ別々に暮らそう?その時は俺が出ていくから…」
那月は驚いていたけど、
「わかった」
と一言だけ言った。
「はい」
沙織さんからだ。
「次の歌も、あなた達に作ってほしいの。大丈夫?」
「はい」
「まあ、また作り方は任せるから…」
「はい」
「…大丈夫?」
「はい」
「何か悩んでる?」
「はい…あ、いや…大丈夫」
「そういえば、なんかお寿司食べたくない?あんた、今、家?」
「うん。食べたい…かも」
「じゃあ今から行くから、好きなやつ出前しといて」
「うん。ありがとう」
「30分で行くわ」
それから30分して、沙織さんが来た。
「どうやって来たの?」
「春陽が送ってくれた」
「一緒に上がってこなかったの?」
「帰らせたわよ。明日の朝迎えに来てもらう。だから今日はここに泊まるからね。朝まで飲むわよ!」
そう言って、スーパーの袋にたくさん入っていた酒を、冷蔵庫に入れながら沙織さんは言った。
「とりあえず私はビール。あんたはハイボールね」
「よくご存知で」
「当たり前じゃない。私は事務所の社長以前に、夏の母親、姉、友達、ファン、まぁその他諸々を兼ね備えてるのよ。それくらいは見てるわよ?」
「うん。ありがと。沙織さん」
「いっぱい食べな!追加で頼んでもいいし、ピザとか他のでもいいから」
「そんなには無理だよ。でもこのお寿司美味しい!」
「あんたと2人でご飯なんて、久しぶりじゃない?というかこの家、こんな広かったの…なっちゃんのもの、だいぶ減ったわね」
ビールを飲みながら、部屋を見渡し、沙織さんが言った。
「もう、あとは鍵だけ。那月が見つけた家だから、俺が出て行くって言ったのに、自分は実家に戻るからって譲らなくて…」
「あんたは出て行って、どうするつもりだったの?」
「崇さんに相談したら、家見つかるまでうちにいればいいって言ってくれたから、そのつもりだった」
「ふーん。あんたたち仲良いもんね。でもなっちゃんはそうなるのが嫌で、自分が出て行くことにしたのかもね」
「え?」
「だって嫌でしょー!好きな人が他の人と一緒に暮らすのは…」
俺は飲んでいたハイボールにむせながら、
「何でそれ!」
と聞いた。
「一部の人は気付いてるわよ。春陽や私や、あと恵ちゃんとか。それとなっちゃんのご両親もね。まあ崇や真理恵さん?は最近だけど、ファンの人の中にもそう思ってる人いるかもねー。それはどっちかというと、願望に近い気がするけど…」
「ちょ!?ちょ、ちょ、ちょっと!那月のご両親て何!?」
「何って…あの子あんたに好きって言ったのよね?」
「え?…うん」
「あんたを前に両親に合わせたでしょ?その時、紹介したい人がいる。一生大事にしたい人だから、2人にも会ってほしいって。そう言ったって、春陽が言ってた」
「何それ!そんなこと一言も…」
「あの子はね。周りの人がどう思うかは、気にしてないの。誰と噂を流されても、写真を撮られても、何とも思ってない。自分の中には夏しかいないからね。けど、1番大切にしなきゃなのは夏の気持ちだから、そういう周りの目が、あんたを傷付けることは恐れてる。それに今までずっと、自分の好きだけを押し付けるのは嫌だって言ってたのよ?だから見守るだけでいいって言って、気持ちを伝えることもしなかった」
「…俺、どうしたらいい?」
「言ったでしょ?不倫や二股、暴力、クスリ。そんなもんでスキャンダル起こすのは困るって」
「じゃあメンバー同士の恋愛もダメなんじゃ……何より俺もあいつも男だし…」
「私は気にしないけどね。いいじゃない?別に」
「だってマスコミに騒ぎ立てられたり、ファンの人だって離れていくかも…」
「確かにそういうこと気にするのもわかるけど、1番はあんたたちの気持ちでしょ?じゃあとかだってを言い訳にしないで、まずあんたはどうしたいの?」
「わかんない。急過ぎて。俺も那月のことは好きだけど、それがどういう好きかわからないよ」
「じゃあそれを正直に話してみれば?告白されて逃げ続けるのは無理でしょ?今のあんたの気持ち、わからないならわからないで話した方が、よっぽどあの子も納得すると思う」
「わかった。あ、沙織さん。また歌が完成したら、MVはあっきーに頼んでいい?」
「2人がいいならいいわよ」
「ありがとう」
俺は次の日、ラジオで会った那月と話をした。
「新曲、また2人で作るようにって、聞いた?」
「うん、また同じ感じでいい?夏が曲、俺が詩」
「いいよ。あとさ、今日家に寄ってくれる?」
「え?わかった…」
仕事の後、俺たちは一緒に帰って来た。
「話がある。あそこでは話しづらいから、家に寄ってもらった」
「うん。どした?」
「告白されて、そのままほったらかしってわけにはいかないから、とりあえず俺の気持ち言っとく」
「あぁ…」
「俺はお前のこと大事に思ってる。友達とか家族とか、仕事のパートナーとして」
「…うん」
「好きだとも思う。でも、それがお前の好きと同じかと聞かれると自信はない」
「…うん」
「だから、もうしばらく自分と向き合う時間が欲しい。そこで提案だけど、もう少し同居を続けられないかな?もしそれで、俺の気持ちが那月と同じじゃなかったら、今度こそ別々に暮らそう?その時は俺が出ていくから…」
那月は驚いていたけど、
「わかった」
と一言だけ言った。
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