40 / 43
俺の恋人
しおりを挟む
那月が風呂から出て来た。
黒のスウェットを履いて、上半身は裸。
俺は一気にテンパる。
髪を拭きながらちくわの磯辺揚げをつまむ那月。
「うま」
「じゃあ俺も入ってくるから、先に飲んで食べてて」
「うん。早くね」
「…俺の酒も残しといてよ?」
俺は話をずらして、そそくさと風呂場に行った。
「どうしよ…あいつ、その気満々だよな…俺はどうしたらいいんだ…男どころか、女の子ともそんなことしたことないのに…なんか準備しなきゃなんだよな?ってかそもそも俺はどっちだ?」
こっそり持って来たスマホで、あっきーに電話する。
声が聞こえないように、シャワーを流して…
「どした?」
「なあ、俺どうしよ!」
「何?またなんかあった!?ってか何?そのザーって音…」
「いや、なんか那月が、今日すごいその気満々で、俺どうしたらいいかと思って…」
「なるほど。それ、俺に聞く?」
「あっ…」
「まあいいけど。大人しく食べられちゃえば?」
「た、食べ?ということは…」
「どう考えても夏が受けでしょ?」
「そうなの?どう考えてもなの?」
「世の中のお前達を知る90%以上の人は、そう思うんじゃない?」
「マジ?」
「マジ」
「……」
「最低限の準備はしておけば?もし最中に違うなってなれば、役割は自分たちで相談して決めたらいいよ」
「そうなの?」
「そうだよ。今更そんなことで別れたりせんだろ?究極抱き合って眠るだけでも、あいつには幸せなんじゃね?」
「そっか…なら話し合って決めるわ!」
「おう。そうしろー」
「ありがとね。忙しいのにごめんね?」
「本当だよ。じゃあな」
「うん。またね」
俺はとりあえずシャワー浴びて部屋に戻った。
那月は酎ハイを2缶空にして、3缶目の途中でスマホを抱いたまま、ソファでうたた寝をしている。
俺がいなかった分、1人の仕事頑張ってたからな。
疲れたよな。
「このまま寝かしとこうか…」
俺は毛布を持って来て、那月の身体にかけた。
那月の飲みさしの、汗をかいた缶に残った酎ハイを一気に飲み干して、キッチンでグラスにハイボールを作って持って来た。
テーブルにコースターと酒を置き、ソファの手前に座る。
イヤホンを耳につけ、スマホから流れてくる音楽を聴いた。
プレイリストは、俺と那月が出逢った時くらいに流行った歌だ。
「懐かしいな…」
そう呟いた時、那月が俺の左耳のイヤホンを外して言った。
「夏輝。シャワー終わった?」
「あ、ごめん。起こした?」
「大丈夫。そんなにガチで寝てない。俺が寝てると思ったから、頭乾かしてないんだろ?ドライヤー持ってくるから待ってて」
そう言ってドライヤーを持ってくると、俺の頭を乾かし始めた。
「髪、柔らか…」
「そう?」
「うん」
「俺、美容室以外で人に頭乾かしてもらったの初めて」
「俺も自分以外の人の頭乾かすの初めて」
「楽だねー」
「そうだな。風呂入ったあとって、髪乾かすのがめんどくさいもんな」
「そうなんだよ!だからいつも半乾きで寝ちゃう」
「これからは、俺が家にいる時は、俺が夏輝の頭乾かすよ」
「それ助かるー」
那月はドライヤーを止めると、後ろから俺を抱きしめた。
「お前、俺と同じ匂いする」
そういった那月の声は少し震えていた。
緊張しているのか。こいつも。
「そりゃそうだ。同じシャンプーとボディソープ使ってんだから…」
匂いを嗅いでいたと思ってた那月が、俺の首元に顔を埋めてキスをした。
「ちょっ!那月!」
「好きだ」
「いや、俺も好きだけど…」
「けど?」
「……なんでもない」
と俺は言ってうしろを振り返り、俺は那月にキスを返した。
那月は少し驚いたようだったけど、そのまま俺を立ち上がらせ、自分の部屋に連れていく。
「好きだ」
俺の頭を支えながら、ベッドに寝かせて言う。
「なんか、はずい…」
「俺はずっとこうなることを夢見てた。夏輝をこの手に抱きしめて、俺から離れないようにさ。でも俺とお前の気持ちの熱量は全然違うから、無理はさせたくない。お前の気持ちの準備がまだ出来てないなら、無理にはしない…」
「大丈夫だよ。今はまだ熱量が違うかもだけど、俺たちの気持ちは同じだよ。那月は俺が好きで、俺も那月が好き。これは紛れもない事実だから、もう逃げないよ…」
たぶんこの時の温もりは、ずっと忘れないだろうな。
黒のスウェットを履いて、上半身は裸。
俺は一気にテンパる。
髪を拭きながらちくわの磯辺揚げをつまむ那月。
「うま」
「じゃあ俺も入ってくるから、先に飲んで食べてて」
「うん。早くね」
「…俺の酒も残しといてよ?」
俺は話をずらして、そそくさと風呂場に行った。
「どうしよ…あいつ、その気満々だよな…俺はどうしたらいいんだ…男どころか、女の子ともそんなことしたことないのに…なんか準備しなきゃなんだよな?ってかそもそも俺はどっちだ?」
こっそり持って来たスマホで、あっきーに電話する。
声が聞こえないように、シャワーを流して…
「どした?」
「なあ、俺どうしよ!」
「何?またなんかあった!?ってか何?そのザーって音…」
「いや、なんか那月が、今日すごいその気満々で、俺どうしたらいいかと思って…」
「なるほど。それ、俺に聞く?」
「あっ…」
「まあいいけど。大人しく食べられちゃえば?」
「た、食べ?ということは…」
「どう考えても夏が受けでしょ?」
「そうなの?どう考えてもなの?」
「世の中のお前達を知る90%以上の人は、そう思うんじゃない?」
「マジ?」
「マジ」
「……」
「最低限の準備はしておけば?もし最中に違うなってなれば、役割は自分たちで相談して決めたらいいよ」
「そうなの?」
「そうだよ。今更そんなことで別れたりせんだろ?究極抱き合って眠るだけでも、あいつには幸せなんじゃね?」
「そっか…なら話し合って決めるわ!」
「おう。そうしろー」
「ありがとね。忙しいのにごめんね?」
「本当だよ。じゃあな」
「うん。またね」
俺はとりあえずシャワー浴びて部屋に戻った。
那月は酎ハイを2缶空にして、3缶目の途中でスマホを抱いたまま、ソファでうたた寝をしている。
俺がいなかった分、1人の仕事頑張ってたからな。
疲れたよな。
「このまま寝かしとこうか…」
俺は毛布を持って来て、那月の身体にかけた。
那月の飲みさしの、汗をかいた缶に残った酎ハイを一気に飲み干して、キッチンでグラスにハイボールを作って持って来た。
テーブルにコースターと酒を置き、ソファの手前に座る。
イヤホンを耳につけ、スマホから流れてくる音楽を聴いた。
プレイリストは、俺と那月が出逢った時くらいに流行った歌だ。
「懐かしいな…」
そう呟いた時、那月が俺の左耳のイヤホンを外して言った。
「夏輝。シャワー終わった?」
「あ、ごめん。起こした?」
「大丈夫。そんなにガチで寝てない。俺が寝てると思ったから、頭乾かしてないんだろ?ドライヤー持ってくるから待ってて」
そう言ってドライヤーを持ってくると、俺の頭を乾かし始めた。
「髪、柔らか…」
「そう?」
「うん」
「俺、美容室以外で人に頭乾かしてもらったの初めて」
「俺も自分以外の人の頭乾かすの初めて」
「楽だねー」
「そうだな。風呂入ったあとって、髪乾かすのがめんどくさいもんな」
「そうなんだよ!だからいつも半乾きで寝ちゃう」
「これからは、俺が家にいる時は、俺が夏輝の頭乾かすよ」
「それ助かるー」
那月はドライヤーを止めると、後ろから俺を抱きしめた。
「お前、俺と同じ匂いする」
そういった那月の声は少し震えていた。
緊張しているのか。こいつも。
「そりゃそうだ。同じシャンプーとボディソープ使ってんだから…」
匂いを嗅いでいたと思ってた那月が、俺の首元に顔を埋めてキスをした。
「ちょっ!那月!」
「好きだ」
「いや、俺も好きだけど…」
「けど?」
「……なんでもない」
と俺は言ってうしろを振り返り、俺は那月にキスを返した。
那月は少し驚いたようだったけど、そのまま俺を立ち上がらせ、自分の部屋に連れていく。
「好きだ」
俺の頭を支えながら、ベッドに寝かせて言う。
「なんか、はずい…」
「俺はずっとこうなることを夢見てた。夏輝をこの手に抱きしめて、俺から離れないようにさ。でも俺とお前の気持ちの熱量は全然違うから、無理はさせたくない。お前の気持ちの準備がまだ出来てないなら、無理にはしない…」
「大丈夫だよ。今はまだ熱量が違うかもだけど、俺たちの気持ちは同じだよ。那月は俺が好きで、俺も那月が好き。これは紛れもない事実だから、もう逃げないよ…」
たぶんこの時の温もりは、ずっと忘れないだろうな。
0
あなたにおすすめの小説
2度目の恋 ~忘れられない1度目の恋~
青ムギ
BL
「俺は、生涯お前しか愛さない。」
その言葉を言われたのが社会人2年目の春。
あの時は、確かに俺達には愛が存在していた。
だが、今はー
「仕事が忙しいから先に寝ててくれ。」
「今忙しいんだ。お前に構ってられない。」
冷たく突き放すような言葉ばかりを言って家を空ける日が多くなる。
貴方の視界に、俺は映らないー。
2人の記念日もずっと1人で祝っている。
あの人を想う一方通行の「愛」は苦しく、俺の心を蝕んでいく。
そんなある日、体の不調で病院を受診した際医者から余命宣告を受ける。
あの人の電話はいつも着信拒否。診断結果を伝えようにも伝えられない。
ーもういっそ秘密にしたまま、過ごそうかな。ー
※主人公が悲しい目にあいます。素敵な人に出会わせたいです。
表紙のイラストは、Picrew様の[君の世界メーカー]マサキ様からお借りしました。
交際0日婚の溺愛事情
江多之折(エタノール)
BL
死にたくはない。でも、生きたくもない。ふらふらと彷徨う根無し草は、世界の怖さを知っている。救いの手は、選ばれた者にだけ差し伸べられることも知っている。
だから緩やかに終わりを探して生きていた。
──たった数回の鬼ごっこを経験するまでは。
誠実すぎて怖い人は、4回目の顔合わせで僕の夫となる。
そんな怖がりな男と誠実な男の、結婚生活の始まり。
■現実だけど現実じゃない、そんな気持ちで読んでください。
■家庭に関してトラウマを抱えている方は読まない方が良いと思います。
【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます
猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」
「いや、するわけないだろ!」
相川優也(25)
主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。
碧スバル(21)
指名ナンバーワンの美形ホスト。自称博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。
「絶対に僕の方が美形なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ!」
「スバル、お前なにいってんの……?」
冗談?本気?二人の結末は?
美形病みホス×平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。
※現在、続編連載再開に向けて、超大幅加筆修正中です。読んでくださっていた皆様にはご迷惑をおかけします。追加シーンがたくさんあるので、少しでも楽しんでいただければ幸いです。
壁乳
リリーブルー
BL
ご来店ありがとうございます。ここは、壁越しに、触れ合える店。
最初は乳首から。指名を繰り返すと、徐々に、エリアが拡大していきます。
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。
じれじれラブコメディー。
4年ぶりに続きを書きました!更新していくのでよろしくお願いします。
(挿絵byリリーブルー)
さよなら、永遠の友達
万里
BL
高校時代、バスケットボール部のキャプテン・基樹と、副部長として彼を支える冷静な舜一。対照的な二人は親友であり、マネージャーの結子を含めた三人は分かちがたい絆で結ばれていた。しかし舜一は、基樹への決して報われない恋心を隠し続けていた。
卒業を控え、基樹との「ずっと一緒にバスケをする」という約束を破り、舜一は逃げるように東京の大学へ進学する。基樹を突き放したのは、彼が結子と結ばれる幸せを近くで見届ける自信がなかったからだ。
10年後。孤独に生きる舜一のもとに、基樹から「結子が事故で亡くなった」という絶望の電話が入る。ボロボロになった親友の悲痛な叫びを聞いた瞬間、舜一の中にあった想いが目を覚ます。仕事もキャリアも投げ出し、舜一は深夜の高速をひた走る。
俺は夜、社長の猫になる
衣草 薫
BL
冤罪で職を追われた葵は、若き社長・鷹宮に拾われる。
ただし条件は――夜は“猫”として過ごすこと。
言葉を話さず、ただ撫でられるだけの奇妙な同居生活。
タワマン高層階の部屋で、葵は距離を崩さない鷹宮に少しずつ惹かれていく。
けれど葵はまだ知らない。自分が拾われた本当の理由を。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる