忍者刀に転生した現代忍者と追放された黒狐の貴族令嬢

遙かなた

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序章

プロローグ~初めての戦闘~

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「失礼な方!変なことを言っていないで助けてくださいまし!!」
(誰が失礼な方でござるか!拙者は景虎という立派な名前があるでござる!それに、おぬしのような巨人の化け狐ならこのような相手どうとでもなるでござろう!)


 どうみても、拙者の倍以上はあるこの化け狐なら少し大きなゴブリンくらいどうとでもなるでござろうに。拙者を片手で持てる腕力であるからして、弱いなどという事はないでござろう。


「誰が巨大な化け狐ですの!?ワタクシにはアウラという美しい名前がございましてよ!!」


 巨大な化け狐あらためアウラが憤慨しながら拙者をブンブンと振り回す。


(や、やめるでござる!目が回るでござるよぉおおおお!?)
「ふぇ?」


 可愛い子ぶってもやってることが酷すぎるでござる!拙者を振るのをやめるでござるよ!!!


「もしかして、この棒切れが喋っているんですの?」


 ・・・?どういう意味でござる?拙者のことを言っているでござるよな?アウラと名乗った黒狐の少女は拙者の方をじっと見ながら目を丸くさせる。いやいや、そんな馬鹿な。それではまるで拙者が棒切れと言っている様ではござらんか・・・・・・・・・・・拙者棒切れに転生したでござる!??!?!?!??


(あんまりでござるうううううううううう!!!!!!)
「グギャギャ!!」


 拙者と狐娘がアタフタとしていると、ゴブリンたちがしびれを切らせたのかこちらに向かってくる。


「こ、来ないでくださいまし!!!」


 狐娘は拙者を力任せに振りまくると、先頭を走ってこちらに向かってきたゴブリンの頬に拙者をぶつけた。だが、ゴブリンはまるで蚊にでも刺されたかのように頬をポリポリと書くだけで痛みを感じていないようでござる。


(もっとちゃんと力を込めるでござる!!)
「込めてましてよ!!自慢じゃありませんけれど、ワタクシ戦闘の才能がまったく!全然!これっぽちもありませんの!!」
(本当に自慢にならないでござるな!!!)


 とはいえ、これはマズいでござる。このままでは狐娘は殺され、拙者もへし折られる可能性があるでござる!そ、そうでござる。拙者のバイブルであるラノベには異世界転生したら必ずあることが出来たはずでござる。


(ステータスオープンでござる!)

LV  1
種類 忍者刀
名前 カゲトラ
攻撃力 15
装備者使用可能スキル 木遁の術Lv1
使用可能スキルポイント 1

 本当に出てきたでござるううう!!・・・なるほど、これならば!


(狐娘!木遁:木の葉隠れの術を使うでござる!)
「な、何を言ってますの!?」
(とにかく、木の葉隠れの術と唱えるでござる!)
「こ、木の葉隠の術!!!」


 狐娘がそう叫んだ瞬間、狐娘の周りを木の葉が舞い踊り狐娘の姿をゴブリンたちから隠す。そして、木の葉が再び地面に落ちるとそこには狐娘の姿は無くなっていた。ゴブリンたちは驚き辺りを見回すが、二人の姿はどこにも見つからない。数分ほど辺りを見て回ると諦めたのかゴブリンたちはその場を去っていった。

「な、何が起こりましたの?」


 狐娘の疑問は最もである。正直拙者もここまでうまくいくとは思わなかったでござるよ。拙者がステータスを確認した時、装備者使用可能スキルのところに木遁の術があったでござる。そして、それの詳細を見たいと頭に思い浮かべるとさらに詳しい情報が出てきたでござる。

木遁の術 lv1
使用可能術 木の葉隠れの術


 たった一つではあったでござるが、幸いここは森でござったゆえ辺りには木の葉が多く落ちていた。それならばこの術が使えると判断し、狐娘に使うように言ったのである。もし、使い方を知らなかったら発動しないとかであったらその時点で一巻の終わりでござったが、どうやら拙者の想像通りに使えたようで良かったでござる。最初この娘に拾われたときに頭の中に『個体アウラ=ヘルベールに装備されました。』という声が聞こえたので恐らく大丈夫だとはおもっていたでござるが。


(とりあえず、無事でよかったでござる)
「ぶ、ぶぶぶぶぶ無事じゃありませんわ!なんでワタクシこんな場所に!?」


 こんな場所というのは巨大な木の天辺でござる。木の葉隠れが発動した瞬間、この場所に移動したでござるな。本来であれば自分で移動するのだが、どうやら自動で移動できるようでござる。便利でござるなー。


「わ、ワタクシどうしたらいいんですの!そろそろ腕が痺れてきましたわ!」
(え?普通に降りればいいでござるよ)
「で、出来るわけないじゃないですの!ワタクシにそんな運動神経はありませんわあああああ!」


 ぬ、若者であればこれくらいの木登り簡単でござろう!日本では3歳児でもやっていることでござるよ!?そういえば、戦闘の才能が無いと言っていたがもしかして運動神経自体が皆無でござる?


(もう少し鍛えたほうがいいでござるよ?)
「鍛えてますわよ!でも全然、体が強くならないんですわ!!」
(そんな訳ないでござろう?)
「ありますのよ!どんなに鍛えても軽く跳んだら着地で足を滑らせて転びますし、早く走ろうとしたら躓いて転んで泥まみれになりますの!剣を持とうにも重くてもてないんですのよ!」


 なにその奇跡の運動神経・・・冗談を言っている様にも見えないでござるな?・・・そういえば、拙者のステータスで気になるところがもう一つあったでござるな。拙者の種類が忍者刀になっていたでござる。棒切れのように見えるのは鞘に収まっているからでござろうか?でもこの娘、拙者を持っているでござるよな?剣は重くて持てないんじゃなかったでござるか?


「おーーちーーまーーすーーー!もう限界ですわあああああ!!!・・・あっ、きゃああああああああ!!」


 手を離したらそれは落ちるに決まっているでござるよ。木登りの最中に手を離したら駄目でござる。仕方ないでござるな。


(ふむ、もう一回木の葉隠れを使うでござる)
「こ、こここここ木の葉隠れええええええ!!!」


 再び娘の周りに木の葉が集まり彼女を包み込む、そして、次の瞬間には木の下に移動していた。どうやら思い描いた場所に移動できるようでござるな・・・なんと便利な。拙者の世界では木の葉を自力で回せて姿を隠し、一生懸命早く足を動かして移動していたというのに・・・。


「た、助かりましたわ」
(無事で何よりでござるな)


 無事に地面につけたことに安心したのか娘は力なくその場に座り込む。しかし、なぜこのような場所に娘一人でいるのでござろうか?魔物が出るような場所だというのに。


(お主・・・アウラ殿と言ったでござるな。アウラ殿はなぜこのような場所に?)
「・・・・・・隣の領に行かないといけないんですの」
(何か用事でござるか?それにしても一人で来るというのは些か浅慮ではござらんか?)


 拙者がそう言うと、アウラ殿は下を向いてしまう・・・何か事情があるのでござろうか?


「ワタクシ・・・家を追い出されましたの」


 む・・・予想以上に重たい話でござろうか?関わると面倒そうでござるな、深く聞くのはやめておくでござる。


(そうでござるか、無理に話す必要はないでござる)
「先週両親が他界しましたわ、そしてお兄様が跡を継いだのですけれど腹違いであり半獣であるワタクシのことを嫌っていたお兄様は私を追放しましたの!そして、この森に放り捨てたのですわ!」
(聞きたくなかったでござるううう!言わないでほしかったでござるううう!!)


 ぬおおおおおおお!予想以上に大変!とってもつらいでござる!!ぬぅうう・・・聞いてしまった以上無視するというのも拙者の忍道に背くことに・・・。


「あの失礼な方・・・ではなく、カゲトラさまでしたわね。よければ一緒に行きませんこと?先ほどの力はカゲトラさまの力ですわよね?」


 先ほどの力とは木の葉隠れの術のことだろう。確かに拙者を装備したから使えたようでござるし、拙者の力なのだろうけど正直、ちょっとこの子変わっているというか・・・。関わると碌なことなさそうでござる。


「カゲトラ様?聞こえてますわよ?」
(し、しまったでござる!?)
「確かにワタクシ少し変わっていると言われますし、少々ドジなところもございますし、歩けば転びますし、不幸が向こうからスキップで寄って来ますけれど・・・あら?ワタクシ不憫過ぎません?」


 自分で言っちゃったでござるな・・・。確かに、会った時はゴブリンに襲われていたし、木の上から降りられないし・・・フォローできないでござるな・・・うん。


(仕方ないでござるな、その代わり色々と教えて欲しいことがあるでござる)
「はい!何でも聞いてくださいですわ!」


 この世界のことを聞いておきたいでござるしな。後ステータスやスキルポントというのも気になったでござる。いろいろ試してみたいこともあるでござるし、しばらくアウラ殿に付き合うでござる。
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