忍者刀に転生した現代忍者と追放された黒狐の貴族令嬢

遙かなた

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序章

プロローグ~半獣~

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(落ち着いたでござるか?)


 あれから半時ほどでござろうか?
 泣き続けていたアウラ殿は涙を流しきったのか、呆けているかのように何もない空間を眺めていた。
 

「・・・はっ、し、失礼しましたわ」


 拙者の言葉で先ほどまでの自分を思い出したのか顔を赤らめながら謝罪する。
 

(なぜ、斯様に涙を流したでござるか?)
「・・・・・・・・・・その」


 重い沈黙のあと、アウラ殿はポツリポツリと言葉を紡ぎ始めた。


「ワタクシは人間の父と狐の獣人の母の間に生まれたハーフですの」


 ほう、この世界には獣人という概念があるのでござるな。
 そして、ハーフでござるか。


「ハーフの中には稀にワタクシのように体毛が全て黒い個体が生まれますの、そして、体毛が黒いハーフは半獣と忌み嫌われておりますわ」


 日本であれば髪の毛や瞳が黒いのが普通でござるが、この世界では違うのでござるな?綺麗な漆黒の長髪だとおもうでござるが・・・。


「半獣は災いを呼ぶと言われております」


 日本のカラスや黒猫のようなものでござろうか?この世界にも迷信のようなものがあるのでござるな。
 いや、実際に心持った人間を迫害するようなものでござるし、もっとひどいのかもしれぬでござるな。


「そして、先週ワタクシの両親が魔物に殺されましたわ」


 なるほど、そして先刻言っていた兄上殿からの追放になるのでござるな?


「両親は領民を魔物から守るために戦い散りました・・・母は昔は強い冒険者だったそうですけれど・・・」


 その魔物はその母上より強かったのでござるな・・・。


「半獣は世界に忌み嫌われているらしく魔法が使えないらしいのですわ」


 そういえば、拙者の取得できるスキルにも炎魔法などがあったでござるな。
 この世界には魔法があるでござるか。


「それだけではなく、ワタクシは運動音痴ですので・・・」


 木から降りれなかったでござるし、すぐに限界がきて落ちていたでござるしな。


「本当はお母様のようにワタクシも戦いたかったんですの」


 鍛錬はしていたが運動能力は向上しなかったと言っていたでござるな。
 普通どんな人間でも病気でもなければ多少は向上する筈でござるが。
 どうみても健康そうでござるよな?


「でも、カゲトラ様のおかげでワタクシもゴブリンを倒すことができましたの!諦めていた強くなるということに希望が持てましたわ!・・・そうしたら、自然と涙が出てしまいましたの。申し訳ありません」


 ・・・・・・あれ、もしかして拙者。アウラ殿に自分の力と思われていないでござるか?
 拙者隣領に着いたら、別れるつもりでござるのだが。


「今は追放されてしまって領民を護ることはできませんが、それでも母のように冒険者になれば困っている方の役に立てるのではないかと思っておりますの!」


 じ、自分の力でござるよな?拙者は数に入ってないでござるよな?


「ですので、カゲトラ様!これからもよろしくお願いいたしますわ!」


 入ってたでござる・・・拙者、余の為人の為とかにはあまり興味ないんでござるが・・・。
 忍びとして主に使えて、後はのんびりダラダラとしていたいんでござるが・・・。 
 この世界には里も主もいないのでずっとダラダラしていたかったんでござるが・・・。


「隣町に着いたら早速ギルドに登録しましょう!」


 マジでござるか。


「あら?」
「ゲギャー!」
「火遁:火吹き!」
「グギャーー!」


 わあ・・・即落ち2コマでござるな。
 ああ、現代に帰って漫画でも読んで現実逃避したいでござる。
 ・・・というか、魔物多くないでござるか?


「ゲギャー!」
「ゲギャー!」
「火遁:火吹き!」
「グギャー!」


 一歩も歩いていないのに三匹も寄ってくるものなのでござろうか?


(アウラ殿、魔物とはこんなにも頻繁に襲ってくるものなのでござるか?)
「さあ、ワタクシ、ほとんど家から出たことありませんでしたし?」


 箱入りお嬢様でござったか・・・。
 まあ、来るものは仕方ないでござるが、こう頻繁だとアウラ殿の体力が心配でござるな。
 あ、そうでござる。スキルポイントが増えていたので鑑定をとるでござるよ。
 そうすれば、アウラ殿の状態が確認できるでござる。
 拙者は鑑定のスキルを取って使用してみる。
 もしかして、スキルは装備者だけかもと思ったでござるが使えてよかったでござる。

 名前 アウラ=ヘルベール?
 種族 黒狐
 年齢:16
 レベル:3
 HP:7
 MP:0
 力: 1
 器用:1
 頑丈:1
 俊敏:1
 魔力:0
 知力:1
 運:-60
 状態 弱体の呪い 女神の封印
 スキル:木遁の術lv1 火遁の術lv1 鑑定


 ・・・・・・・・・・うぁお・・・病気ではなかってござるが。
 見なきゃよかったでござる。
 これは伝えてあげたほうがいいでござろうか?
 というか、この状態でよく今まで生きてこられたでござるな。
 両親がそれだけアウラ殿を大事にしていたということでござるか。
 それにしても、呪いと封印でござるか・・・関わりたくないでござるな。
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