忍者刀に転生した現代忍者と追放された黒狐の貴族令嬢

遙かなた

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1章

13話

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「これはなんですの?」

 セレナ殿が見繕ってくれた依頼書を見ていると、主殿が依頼書の右上にある数字を指さして尋ねる。


「こちらはこの依頼を受けることのできるランクが示された数字ですね。アウラさんはなりたてですのでランク1の冒険者になります。ですので、この右上の数字が1の依頼しか受けることが出来ません」


 冒険者にはランクというシステムがあるらしい。1から始まり一番上で10とのこと。
 ランク10の冒険者は世界に3人しかいないらしい。そして一人前と呼ばれるのはランク3とのこと。
 後半の数字を持っている冒険者は大物ということだろう。
 リリィ殿も一人前の冒険者だったのでござるな。


「ランクはどうやったら上がるんですの?」
「ランク3までは実績を見てギルドからランクを上げるかお声掛けをします。ランク4からはランクアップの依頼を受けてもらう事になりますね」
「なるほどですわ、なら依頼をガンガンこなせばいいんですのね」
「その通りです。ですが、無理をして命を落とすなどという事は無いようにお願いしますね」
「当然ですわ!」


 そう言いながら主殿の手には魔物討伐の依頼書が積み重なっている。どれだけ依頼を受けるつもりでござるか。
 そして、魔物討伐ばっかり選ぶでござる。うちの主、戦闘狂だったりするでござる?


「えっと、一気にそんなに受けるのはさすがに……同時に受けるのは三つくらいでお願いします」
「あら、そうなんですの?レベル上げがてらに依頼もやろうかと思ったんですけれど」


 なるほど、レベルを上げたかったんでござるな。呪いのせいでレベルが上がってなかったでござるからな。
 

「では、こちらとこちらとこちらでお願いしますわ」
「承知しました、ですが、先ほども言った通り無理はしないようにしてください。逃げる勇気も冒険者に必要ですので」
「わかりましたわ!それでは行ってきますわ!ワタクシのかっこいい冒険譚はここから始まるんですわ!」


 三つの依頼書をポケットに詰めてギルドを後にする主殿。
 主殿!そんな入れ方したら依頼書がグシャグシャでござるよ!!!


「あ、アウラさん!依頼書を持って行かれては困ります!!」


 しかも持って行っちゃ駄目だったでござるうううううう!

 主殿は扉から一歩出たところで呼び止められ、顔を赤くしながらグシャグシャになった依頼書をセレナ殿に返しに行った。カッコいい最初の一歩とはいかなかったでござるな。


 顔を真っ赤にしながらも街の外まで来た主殿に拙者はこれからのことを伺う。


(それで主殿、これからどうするでござるか?)
「どうするって魔物を倒しに行くんですわよ?」
(今の話ではなく未来の話でござる。主殿は何を目指し道を進むのかと)
「そうですわね、先ずはレベルを上げて冒険者ランクも上げますわ」
(ふむふむ)
「そして、ワタクシの名前が有名になれば……あ、綺麗な蝶々ですわ♪」


 真面目な話が一分も持たないでござる!!!!!!!
 なぜでござるか!なぜ知力だけ呪いが解けないでござるかあああああ!!
 拙者の嘆きも虚しく蝶々に目を奪われた主殿は蝶々が向かう先にいた数体のゴブリンとエンカウントした。
 何がどうなったらこんなエンカウントの仕方をするでござるか。

 ゴブリン数体を倒した主殿は拙者と出会ってから初めてのレベルアップをした。



 名前 アウラ
 種族 黒狐
 年齢:16
 レベル:4
 HP:21/21
 MP:0/0
 力: 14
 器用:16
 頑丈:14
 俊敏:17
 魔力:0
 知力:1
 運:-60
 状態 繧「繧ヲ繝ゥ?の呪い 女神の封印
 スキル:木遁の術lv1 火遁の術lv3 鑑定
 固有スキル:鮟堤巨縺ョ遒ァ辟Lv1

 
 うん?……拙者は目を凝らしながら(目はないが)主殿のステータスを確認する。
 レベルはしっかり上がっており、ステータスも知力以外は上がっている。
 だが、固有スキルのところがおかしい。増えていることにも驚いたがまたも文字化けしているのだ。
 どういう事でござる?


「ふふふ、カゲトラ様!ワタクシ、レベルアップしましたわ♪」
(そうでござるな……主殿にこの固有スキルは読めるでござるか?)
「全然読めませんわ!」


 読めないものなんて気にしませんわ!という勢いで全力で答えられてしまってはこれ以上言及のしようもないでござるな。っと、そうでござる。先ほどの話が途中でござった。


(それで、主殿は最終的には何を目指しているでござるか?)
「それはもちろん決まっていますわ!」


 兄上殿への復讐でござろうか?それとも半獣とバカにした者たちを見返すでござるか?


「ワタクシは色んな方と仲良くなりたいんですの!」
(仲良く?でござるか?)


 意外な答えに拙者は戸惑う。というより、それは冒険者になる意味がないような?


「いろんな方を助けられるくらい強くなって、いろんな方の力になりたいんですの。そして、半獣でも友達になれると思って欲しいんですの!半獣を恐れる方だけではないことは知っていますわ。ですがそれは半獣に同情を向けてくれる方がほとんどですの。ワタクシは対等な関係でお友達になりたいんですの!そして笑って一緒にご飯を食べたいんですのよ!」


 その為に冒険者でござるか。名前を上げて人々から尊敬されれば半獣だからと差別する人が減る。
 その中には対等な友達になってくれる者も確かにいるでござろう……。
 だが、それは普通の人間であれば普通に生活していても得られる可能性が高い幸せでござる。
 主殿はそれを得るために辛い道を行こうとするのでござるな。
 普通の女の子であるはずの主殿が……。


「後、魔物を倒すのもレベルアップも楽しいですわ!」


 普通ではなかったでござるな。主殿の夢と趣味を掛け合わせたいい道でござった。
 ………うん。


「さあ、張り切って依頼書の魔物を探しますわよー!」
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