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4章
クーネル国
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私たちは、お城に戻るとアイナから聞いた話を王様に伝えた。
「なるほど、クーネル国の王族が逃げ延びているか」
「うん、それに王族が反抗勢力を纏めてるらしいね」
「ふむ、それで逃げ延びた王族というのは?」
「アイナが言うには確か王女様だったかな」
私はエリンシアに視線を送るとエリンシアは頷いてくれる、よかった間違ってなかった。
あの後、私たちはアイナに出来るだけの情報を教えてもらってから戻ることにした。アイナの話だと魔族の襲撃から王様と王妃様が娘だけを逃がし、自分たちは果敢に魔族に挑んだのだという。だが、その勇猛さも虚しく魔族たちに敗れ、その命を失ったのだとか。
王女様は辛かっただろう。
「クーネル国の王女―――――確か、12歳になる王女がいたな。」
「12歳・・・まだ子供なんだね」
そんな歳なのに反抗勢力を纏めているのか、すごいなぁ。
「周りに優秀な方がいるのかもしれませんわね、王女様はあくまで象徴だったりするのかもしれませんわ」
あ、そっか、そういうこともあるのか。
「それで、クーネル国を助けるってことでいいのかな?」
私が聞くと王様は一度、顎に手を当てると、少しだけ考えてから頷く。
後は誰が行くかを決めないとね、さすがに全員で行って、この城が攻め込まれたら大変だもん。
「魔女殿よ、王女はまだ12歳だ、歳の近い魔女殿とエリンシア殿に頼んでもいいか?」
「もちろん♪」
私が答えるとエリンシアも当然のごとく頷く。
「あ、あの・・・兵士を大勢連れて行くわけじゃないんですか?」
それまでずっと私たちの会話を傍観していたコロが口を開く。
確かに、兵士を多く連れて行った方がいい可能性もある、だけど今回は、先ず反抗勢力と合流してその行動の手助けをするという形になるだろう、その場合最初から兵士をいっぱい連れて行っても行動が鈍くなるだけだ、もし必要なら後々、送ってもらう事にはなるだろうが。後、相手は魔族である、一般的な兵士や冒険者を連れて行ったとしても戦うことが出来ない可能性もあるのだ。
そう、王様がコロに答えるとコロは納得した。
「あの、怪我人もいるんですよね?」
「恐らくいるだろうな」
確かに、未だに戦い続けている状態のようなので怪我人はいっぱいるだろう、兵士はもちろん、一般人にも被害が出ているかもしれない。
「だったら、僕も行きます!」
確かにコロは治癒魔法に長けている、居てくれると助かるが・・・。
「いいの?かなり危険だよ?」
魔物の異常種であるコロなのだが、レディやミャア、ラガナと比べると戦闘力はあまり高くない。強さだけで言えば恐らくソフィーナにも劣るだろう。
「はい、僕の力で助けてあげたいんです!」
「わかった、協力感謝する」
王様がコロの提案を了承する。
しかし、ドラグ山脈に行っていたときは引っ込み思案で怖がりなイメージのあったコロだけど何かあったのだろうか?自分からこんな事を言ってくるなんて。そう思ってその疑問をそのまま、近くにいたミャアに聞いてみた。
「ニャンか、この間助けた人間にお礼を言われてから人助けに目覚めたみたいニャ」
ああ、なるほど、初めて人にお礼を言われて自分でも何かできることに喜びを得たのか、私も最初お父さんに褒められたときは嬉しかったもんなぁ。
「じいが行くニャら、ミャアも行くニャ」
「いいの?」
「おもしろそうなのニャ!」
好奇心旺盛なミャアらしいね。
「当然、私も行くわよ」
自分を忘れるなと言わんばかりにディータが私の目の前に浮遊してきた。大丈夫忘れてなんていないよぅ。
ということで、今回のメンバーは私、ディータ、エリンシア、コロ、ミャアの五人となった。国を一つ解放するというのに人数が少ないような気もするが、何かあれば応援を要請するので大丈夫だろう。
残った、ラガナ、レディ、アネルさんにはこの国の護りをお願いする。
「それじゃ、早速クーネル国に向かって出発しよっか」
「うむ、頼んだぞ」
「まっかせなさーい♪」
私は大きく胸を張る。
「無いものを張るのはみっともありませんわよ?」
「無くないもん!!!」
エリンシアが私の胸を見ながらため息交じりに言った。ぐぬぬ・・・ちょっとあるからって偉そうに!私だってこれから成長するんだもんね!
「ほら、怒ってないで行くわよ」
プンスコと怒る私にディータは頭を撫でながら慰めてくれる。ぐぬぅ・・・絶対大きくなってやるううう!
私は心に誓い、クーネル国へと向かうのだった。
「なるほど、クーネル国の王族が逃げ延びているか」
「うん、それに王族が反抗勢力を纏めてるらしいね」
「ふむ、それで逃げ延びた王族というのは?」
「アイナが言うには確か王女様だったかな」
私はエリンシアに視線を送るとエリンシアは頷いてくれる、よかった間違ってなかった。
あの後、私たちはアイナに出来るだけの情報を教えてもらってから戻ることにした。アイナの話だと魔族の襲撃から王様と王妃様が娘だけを逃がし、自分たちは果敢に魔族に挑んだのだという。だが、その勇猛さも虚しく魔族たちに敗れ、その命を失ったのだとか。
王女様は辛かっただろう。
「クーネル国の王女―――――確か、12歳になる王女がいたな。」
「12歳・・・まだ子供なんだね」
そんな歳なのに反抗勢力を纏めているのか、すごいなぁ。
「周りに優秀な方がいるのかもしれませんわね、王女様はあくまで象徴だったりするのかもしれませんわ」
あ、そっか、そういうこともあるのか。
「それで、クーネル国を助けるってことでいいのかな?」
私が聞くと王様は一度、顎に手を当てると、少しだけ考えてから頷く。
後は誰が行くかを決めないとね、さすがに全員で行って、この城が攻め込まれたら大変だもん。
「魔女殿よ、王女はまだ12歳だ、歳の近い魔女殿とエリンシア殿に頼んでもいいか?」
「もちろん♪」
私が答えるとエリンシアも当然のごとく頷く。
「あ、あの・・・兵士を大勢連れて行くわけじゃないんですか?」
それまでずっと私たちの会話を傍観していたコロが口を開く。
確かに、兵士を多く連れて行った方がいい可能性もある、だけど今回は、先ず反抗勢力と合流してその行動の手助けをするという形になるだろう、その場合最初から兵士をいっぱい連れて行っても行動が鈍くなるだけだ、もし必要なら後々、送ってもらう事にはなるだろうが。後、相手は魔族である、一般的な兵士や冒険者を連れて行ったとしても戦うことが出来ない可能性もあるのだ。
そう、王様がコロに答えるとコロは納得した。
「あの、怪我人もいるんですよね?」
「恐らくいるだろうな」
確かに、未だに戦い続けている状態のようなので怪我人はいっぱいるだろう、兵士はもちろん、一般人にも被害が出ているかもしれない。
「だったら、僕も行きます!」
確かにコロは治癒魔法に長けている、居てくれると助かるが・・・。
「いいの?かなり危険だよ?」
魔物の異常種であるコロなのだが、レディやミャア、ラガナと比べると戦闘力はあまり高くない。強さだけで言えば恐らくソフィーナにも劣るだろう。
「はい、僕の力で助けてあげたいんです!」
「わかった、協力感謝する」
王様がコロの提案を了承する。
しかし、ドラグ山脈に行っていたときは引っ込み思案で怖がりなイメージのあったコロだけど何かあったのだろうか?自分からこんな事を言ってくるなんて。そう思ってその疑問をそのまま、近くにいたミャアに聞いてみた。
「ニャンか、この間助けた人間にお礼を言われてから人助けに目覚めたみたいニャ」
ああ、なるほど、初めて人にお礼を言われて自分でも何かできることに喜びを得たのか、私も最初お父さんに褒められたときは嬉しかったもんなぁ。
「じいが行くニャら、ミャアも行くニャ」
「いいの?」
「おもしろそうなのニャ!」
好奇心旺盛なミャアらしいね。
「当然、私も行くわよ」
自分を忘れるなと言わんばかりにディータが私の目の前に浮遊してきた。大丈夫忘れてなんていないよぅ。
ということで、今回のメンバーは私、ディータ、エリンシア、コロ、ミャアの五人となった。国を一つ解放するというのに人数が少ないような気もするが、何かあれば応援を要請するので大丈夫だろう。
残った、ラガナ、レディ、アネルさんにはこの国の護りをお願いする。
「それじゃ、早速クーネル国に向かって出発しよっか」
「うむ、頼んだぞ」
「まっかせなさーい♪」
私は大きく胸を張る。
「無いものを張るのはみっともありませんわよ?」
「無くないもん!!!」
エリンシアが私の胸を見ながらため息交じりに言った。ぐぬぬ・・・ちょっとあるからって偉そうに!私だってこれから成長するんだもんね!
「ほら、怒ってないで行くわよ」
プンスコと怒る私にディータは頭を撫でながら慰めてくれる。ぐぬぅ・・・絶対大きくなってやるううう!
私は心に誓い、クーネル国へと向かうのだった。
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