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4章
絶対絶命
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「来るぞ!!」
ソフィーナさんの声と同時に、空中を飛んでいたグリフォンはこちらに滑空してくる。
鋭い爪をこちらに向けて突進してくるフリフォンをソフィーナさんが剣で受け止めた。
「ぐ・・・重い・・・」
魔剣の力で腕力を上げている筈のソフィーナさんがグリフォンに力で負けているのか、受け止めたものの、苦しい顔をしていた。
「くっ!強射!」
俺は、すぐさま弓を構え、グリフォンの眼目掛けて矢を放つ。
・・・が、グリフォンはそれを翼で弾き返すと、こちらを向き口から風の弾を放ってきた。
「がはっ!!」
僕はそれを避けることが出来ずに、そのまま、壁に叩きつけられる。
「兄様!!」
「がう!!!」
俺がやられたのを見て、ヒスイは果敢にグリフォンに向かって行くが、グリフォンの翼に軽くあしらわれてしまう。
続けて、ソフィーナさんも剣を振るうが、グリフォンの翼は余程硬いのか、ソフィーナさんの剣を受け止めてしまった。
「なんだと・・・がはっ!」
前足で殴り飛ばされ、ソフィーナさんは床を転がった。
「電爆撃!!」
リーナの雷の魔法が、グリフォンに命中する・・・が、グリフォンは咆哮を上げ、その衝撃破で自分の周りの雷を吹き飛ばしてしまった。
「そんな・・・」
グリフォンはリーナを睨むと、俺に放った風の弾をまたも、口から放つ。
「がはっ!!」
「兄様!?」
俺は咄嗟にリーナを庇い、背中に風の弾を浴びた。
「治療魔法・・・兄様、無茶をしないでください・・・。」
リーナが僕に治療魔法を掛けると、グリフォンはこちらに向かって再び風の弾を放とうとする。
だが、そこにヒスイがグリフォンの首に噛みつき、阻止する。
グリフォンは首に噛みついてきたヒスイを身体を振るって引きはがすと、ヒスイに目掛けて風の弾を放った。
ヒスイはその弾を躱しながらこちらへと戻ってきた。
「ぐ・・・なんという力だ・・・」
立ち上がったソフィーナさんは剣を杖代わりにして体を支えている。
グリフォンの前足はそれほどの威力だったのだろう・・・ソフィーナさんですらあれほどのダメージを受けるなんて・・・。
「ありがとう、リーナ。もう大丈夫だ」
俺は立ち上がると、武器を構える。
どうする、敵の強さは想像以上だ・・・まともに戦っても勝ち目はない・・・だが、翼で目をカバーしたという事はガーゴイルみたいに体の全てが堅いと言うわけではないだろう。
・・・・・なら。
「リーナ、俺の矢を空間魔法で転移させられるか?」
「は、はい。矢くらいの大きさならそれ程魔力を使わないですけど・・・」
「なら・・・」
「解りました兄様。」
僕は作戦をリーナに伝えると、矢を取り出し、グリフォンに向けて放つ。
狙いはお腹だ、連射で3発放った。
グリフォンはその矢をまたも翼で弾くと、こちらを睨む。
睨んだところに続けて二連射を放ってやった。
今度はその矢ごと俺に攻撃をしようとしたのか風の弾で俺の二連射を弾き返すと、その風の弾は俺の方へと向かってきた。
俺はその風の弾を躱すと、再び、二連射を放つ。
今度はそれを翼で弾く。
やっぱり、グリフォンはそれほど行動が早くない。
翼で弾いた後、すぐさま攻撃をすると再び翼で攻撃を弾けるほど機敏には動けないようだ。
なら・・・・・。
「強射!・・・・・リーナっ!」
「はい!!」
俺が強射を撃つと、グリフォンは再び、それを風の弾で迎え撃とうとする。
だが、俺の矢と、風の弾がぶつかるところで、リーナが空間魔法を発動する。
矢と風の弾の間に転異空間が発動すると、二つの攻撃はその空間に飲み込まれる、そして、その攻撃はグリフォンの顔の前に突如として現れたのだ。
グリフォンはその事態に反応できず、自分の風の弾と俺の強射顔面に喰らうことになった。
「よし!」
無防備なところに二つの攻撃を喰らったんだ、かなりのダメージを与えられた筈。
そう思い、僕がガッツポーズをしていると、グリフォンが怒りの色に染まった眼をこちらに向けてきた。
「なっ・・・無傷!?」
そう、顔にはダメージを受けた痕跡が無い・・・そんな、あれでダメージを受けないのかよ!
「クァアアアアアアアアア!!!」
グリフォンは咆哮を上げると、こちらへと突進してくる。
予想外の事態に俺は反応が遅れ、その突進をモロに喰らってしまった。
「がっ・・・」
そのまま、壁に叩きつけられ地面に倒れこむ・・・が、地面に着く前に、グリフォンの前足に払われ、遠くの地面へとまるでボールのように弾かれた。
まずい・・・今ので全身ボロボロに・・・く・・・。
「兄様ぁ!!」
リーナがこちらに向かってこようとするが、グリフォンの放った風の弾がその行く手を阻む。
「よくも・・・螺旋風槍 !!」
風魔法の中でも威力の高い魔法である風の槍をリーナはグリフォンに向けて放つ。
その魔法はグリフォンの肩元に突き刺さり、グリフォンにダメージを与えた。
「クァアアア!!」
だが、ガーゴイルの時のように貫くことは出来ず、グリフォンを倒すには至らない。
そして・・・。
「そんな・・・光壁」
あろうことか、グリフォンもリーナの放った螺旋風槍 と同じ魔法をその口から放ったのだ。
リーナは光の壁でそれを防ごうとするが、その壁は容易く貫かれる。
「きゃああああ!!」
かろうじで身を捻り直撃を避けたリーナであったが、その風の螺旋に巻き込まれ吹き飛ばされてしまった。
「リーナ!」
俺は必死に立ち上がろうとするが、全身のダメージがひどく、うまく立ち上がれない。
まずい・・・このままだと・・・全滅だ・・・クオンさん。
ソフィーナさんの声と同時に、空中を飛んでいたグリフォンはこちらに滑空してくる。
鋭い爪をこちらに向けて突進してくるフリフォンをソフィーナさんが剣で受け止めた。
「ぐ・・・重い・・・」
魔剣の力で腕力を上げている筈のソフィーナさんがグリフォンに力で負けているのか、受け止めたものの、苦しい顔をしていた。
「くっ!強射!」
俺は、すぐさま弓を構え、グリフォンの眼目掛けて矢を放つ。
・・・が、グリフォンはそれを翼で弾き返すと、こちらを向き口から風の弾を放ってきた。
「がはっ!!」
僕はそれを避けることが出来ずに、そのまま、壁に叩きつけられる。
「兄様!!」
「がう!!!」
俺がやられたのを見て、ヒスイは果敢にグリフォンに向かって行くが、グリフォンの翼に軽くあしらわれてしまう。
続けて、ソフィーナさんも剣を振るうが、グリフォンの翼は余程硬いのか、ソフィーナさんの剣を受け止めてしまった。
「なんだと・・・がはっ!」
前足で殴り飛ばされ、ソフィーナさんは床を転がった。
「電爆撃!!」
リーナの雷の魔法が、グリフォンに命中する・・・が、グリフォンは咆哮を上げ、その衝撃破で自分の周りの雷を吹き飛ばしてしまった。
「そんな・・・」
グリフォンはリーナを睨むと、俺に放った風の弾をまたも、口から放つ。
「がはっ!!」
「兄様!?」
俺は咄嗟にリーナを庇い、背中に風の弾を浴びた。
「治療魔法・・・兄様、無茶をしないでください・・・。」
リーナが僕に治療魔法を掛けると、グリフォンはこちらに向かって再び風の弾を放とうとする。
だが、そこにヒスイがグリフォンの首に噛みつき、阻止する。
グリフォンは首に噛みついてきたヒスイを身体を振るって引きはがすと、ヒスイに目掛けて風の弾を放った。
ヒスイはその弾を躱しながらこちらへと戻ってきた。
「ぐ・・・なんという力だ・・・」
立ち上がったソフィーナさんは剣を杖代わりにして体を支えている。
グリフォンの前足はそれほどの威力だったのだろう・・・ソフィーナさんですらあれほどのダメージを受けるなんて・・・。
「ありがとう、リーナ。もう大丈夫だ」
俺は立ち上がると、武器を構える。
どうする、敵の強さは想像以上だ・・・まともに戦っても勝ち目はない・・・だが、翼で目をカバーしたという事はガーゴイルみたいに体の全てが堅いと言うわけではないだろう。
・・・・・なら。
「リーナ、俺の矢を空間魔法で転移させられるか?」
「は、はい。矢くらいの大きさならそれ程魔力を使わないですけど・・・」
「なら・・・」
「解りました兄様。」
僕は作戦をリーナに伝えると、矢を取り出し、グリフォンに向けて放つ。
狙いはお腹だ、連射で3発放った。
グリフォンはその矢をまたも翼で弾くと、こちらを睨む。
睨んだところに続けて二連射を放ってやった。
今度はその矢ごと俺に攻撃をしようとしたのか風の弾で俺の二連射を弾き返すと、その風の弾は俺の方へと向かってきた。
俺はその風の弾を躱すと、再び、二連射を放つ。
今度はそれを翼で弾く。
やっぱり、グリフォンはそれほど行動が早くない。
翼で弾いた後、すぐさま攻撃をすると再び翼で攻撃を弾けるほど機敏には動けないようだ。
なら・・・・・。
「強射!・・・・・リーナっ!」
「はい!!」
俺が強射を撃つと、グリフォンは再び、それを風の弾で迎え撃とうとする。
だが、俺の矢と、風の弾がぶつかるところで、リーナが空間魔法を発動する。
矢と風の弾の間に転異空間が発動すると、二つの攻撃はその空間に飲み込まれる、そして、その攻撃はグリフォンの顔の前に突如として現れたのだ。
グリフォンはその事態に反応できず、自分の風の弾と俺の強射顔面に喰らうことになった。
「よし!」
無防備なところに二つの攻撃を喰らったんだ、かなりのダメージを与えられた筈。
そう思い、僕がガッツポーズをしていると、グリフォンが怒りの色に染まった眼をこちらに向けてきた。
「なっ・・・無傷!?」
そう、顔にはダメージを受けた痕跡が無い・・・そんな、あれでダメージを受けないのかよ!
「クァアアアアアアアアア!!!」
グリフォンは咆哮を上げると、こちらへと突進してくる。
予想外の事態に俺は反応が遅れ、その突進をモロに喰らってしまった。
「がっ・・・」
そのまま、壁に叩きつけられ地面に倒れこむ・・・が、地面に着く前に、グリフォンの前足に払われ、遠くの地面へとまるでボールのように弾かれた。
まずい・・・今ので全身ボロボロに・・・く・・・。
「兄様ぁ!!」
リーナがこちらに向かってこようとするが、グリフォンの放った風の弾がその行く手を阻む。
「よくも・・・螺旋風槍 !!」
風魔法の中でも威力の高い魔法である風の槍をリーナはグリフォンに向けて放つ。
その魔法はグリフォンの肩元に突き刺さり、グリフォンにダメージを与えた。
「クァアアア!!」
だが、ガーゴイルの時のように貫くことは出来ず、グリフォンを倒すには至らない。
そして・・・。
「そんな・・・光壁」
あろうことか、グリフォンもリーナの放った螺旋風槍 と同じ魔法をその口から放ったのだ。
リーナは光の壁でそれを防ごうとするが、その壁は容易く貫かれる。
「きゃああああ!!」
かろうじで身を捻り直撃を避けたリーナであったが、その風の螺旋に巻き込まれ吹き飛ばされてしまった。
「リーナ!」
俺は必死に立ち上がろうとするが、全身のダメージがひどく、うまく立ち上がれない。
まずい・・・このままだと・・・全滅だ・・・クオンさん。
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