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2部 3章
エルフが住む森
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エルフの住む森に行くメンバーは私達の星空の太陽のメンバーと、レンシアを裏切り、私たちの元についているローラ、それからメリッサもついてくることになった。
メリッサは敵に狙われていることもあって、フランクやアンリエッタから反対されたのだが、本人がどうしても行くと言ってきかなかったのだ。
「メリッサ、どうしてついてきたの?」
「エルフの方に協力していただくのです、私が直接行くのが礼儀だと思います……それに、お父様に教えてもらったことがあります、王は自ら前に立つものだと……私は今まで誰かに護ってもらってばかりいました……そして、目の前で大切なものを失った……今度は護りたいんです……その為にも自分で動かないと!」
「なるほど……うん、いいと思うよ」
「ありがとうございます、カモメ様!」
私が肯定してあげると、メリッサは無邪気な笑顔で喜んでくれた……なんか、妹が出来たような気分だ。
この七人でエルフの森に向かうことになったのだけれど、フランクが出掛ける前に気になることを言っていた。なんでも、以前はこの街にも森のエルフ達が結構来ていたらしい。一般的なイメージで言うとエルフはあまり森から出ないイメージがあったのだが、この森に住むエルフたちは気さくでラリアスの街の人達や冒険者たちとも仲が良かったらしい。自ら冒険者になるエルフもいたとのことだった。
だが、数年位前からピタリと来なくなったと言う。
エルフは人間より長寿である、その為、人間の数年とエルフの数年で意味合いが違う。
今までハマっていた趣味の熱がちょっと冷めてちょっと、間を空けようと思うくらいの感覚で数年経ったとしてもおかしくはないのだ。
そのため、杞憂かもしれないとフランクは言っていたが。
レンシアの進行、この間の邪鬼……ここ最近、あまり良くないことが立て続けに起こっているだけに、何かあった可能性もあると思っているようだった。
確かに、来る数が減ったというの出れば杞憂だったかもしれない、だが、数年まったく来ないと言うのは明らかに異常である。一体何があったのだろう……それを調べるためにもアンダールシアから帰って間もないディータとクオンを休ませてあげることも出来ず、すぐに出発をすることにした。
ディータもクオンも問題ないと言ってくれている。
「フランクの言う通りならこの森の中にエルフたちの集落があるんだよね?」
「そうみたいだね」
ラリアスを出発して2刻程歩いたところに、大きな森があった。
木の葉がこすれる音が聞こえ、鳥たちのさえずりも聞こえる……まさに森林と言った感じである。
「きれいな森ですわね」
「まさにエルフが住んでいるという感じね」
エリンシアとディータが感心しているとレンが何かに気づいたのか、銃を取り出した。
それに続いて、クオンも何かを感じたのかクレイジュの束に手を添える。
「どうしたの、二人とも?」
「……何かいる」
「勧告する!そこにいるは分かっている……今すぐ出てくるんだ!」
レンが声を上げると、森の中の茂みが動いた。
そして、その茂みの中から女性が出てくる……その姿を見て、私も警戒をした。
その女性の格好はドレス……まるで貴族の人が着るような煌びやかなドレスであった。
そして、そのドレスを完璧に着こなすほどの美貌を備えた、まさに美女と言える女性だ。
その女性がにっこりと上品に笑っている。
出会ったのが街の中であったら、きれいな女性だなぁで終わったであろう……だが、ここは森の中……それも街からかなり離れた場所にある……貴族の人がちょっと散歩に来たとは思えないのだ。
仮に迷ってこの森林に来てしまったと言うのであれば、あんな柔和に笑ってはいられないだろう。
簡単に言うと、この女性はこの森にいるには違和感がありすぎるのだ。
「ここで、何してるの?」
「ふふふふふ」
私の問いに、女性は笑うだけで答えない。
やはり、おかしい……そして、私は再び彼女の顔を見る……笑っている……とても綺麗な笑顔だろう……だけど、目が笑っていない………まるで感情が無いように唯々、こちらを見つめているのだ。
………正直、あの笑顔めっちゃ怖い。
「ふふふふふ」
「…………え!?」
表情を変えず、笑い続ける女性……しかし、その彼女は、私たちの目の前にいたはずであるのに、次の瞬間、忽然と消えてしまった。
「何者なの……?」
「幽霊かしらね?」
ディータの問いに、ローラが答えるが……その答えは真面目に答えたものではなかったのだろうがあり得そうで怖かった。
エルフに会いに来たのに幽霊に出会ったなんて嫌だよ!?
「あの人が何者かは解らないけど、進むしかないね」
「ああ、エルフに協力を要請しに来たのだ……幽霊などに構っている暇はない」
レンの言う通りである……であるが……怖いものは怖いよ!?
構いたくないけど、構われるかもよ!?
うう……出来れば何事もなくエルフに会えるといいなぁ………あはは、無理だろうなぁ。
私は憂鬱になりながらも足を進めるのだった。
メリッサは敵に狙われていることもあって、フランクやアンリエッタから反対されたのだが、本人がどうしても行くと言ってきかなかったのだ。
「メリッサ、どうしてついてきたの?」
「エルフの方に協力していただくのです、私が直接行くのが礼儀だと思います……それに、お父様に教えてもらったことがあります、王は自ら前に立つものだと……私は今まで誰かに護ってもらってばかりいました……そして、目の前で大切なものを失った……今度は護りたいんです……その為にも自分で動かないと!」
「なるほど……うん、いいと思うよ」
「ありがとうございます、カモメ様!」
私が肯定してあげると、メリッサは無邪気な笑顔で喜んでくれた……なんか、妹が出来たような気分だ。
この七人でエルフの森に向かうことになったのだけれど、フランクが出掛ける前に気になることを言っていた。なんでも、以前はこの街にも森のエルフ達が結構来ていたらしい。一般的なイメージで言うとエルフはあまり森から出ないイメージがあったのだが、この森に住むエルフたちは気さくでラリアスの街の人達や冒険者たちとも仲が良かったらしい。自ら冒険者になるエルフもいたとのことだった。
だが、数年位前からピタリと来なくなったと言う。
エルフは人間より長寿である、その為、人間の数年とエルフの数年で意味合いが違う。
今までハマっていた趣味の熱がちょっと冷めてちょっと、間を空けようと思うくらいの感覚で数年経ったとしてもおかしくはないのだ。
そのため、杞憂かもしれないとフランクは言っていたが。
レンシアの進行、この間の邪鬼……ここ最近、あまり良くないことが立て続けに起こっているだけに、何かあった可能性もあると思っているようだった。
確かに、来る数が減ったというの出れば杞憂だったかもしれない、だが、数年まったく来ないと言うのは明らかに異常である。一体何があったのだろう……それを調べるためにもアンダールシアから帰って間もないディータとクオンを休ませてあげることも出来ず、すぐに出発をすることにした。
ディータもクオンも問題ないと言ってくれている。
「フランクの言う通りならこの森の中にエルフたちの集落があるんだよね?」
「そうみたいだね」
ラリアスを出発して2刻程歩いたところに、大きな森があった。
木の葉がこすれる音が聞こえ、鳥たちのさえずりも聞こえる……まさに森林と言った感じである。
「きれいな森ですわね」
「まさにエルフが住んでいるという感じね」
エリンシアとディータが感心しているとレンが何かに気づいたのか、銃を取り出した。
それに続いて、クオンも何かを感じたのかクレイジュの束に手を添える。
「どうしたの、二人とも?」
「……何かいる」
「勧告する!そこにいるは分かっている……今すぐ出てくるんだ!」
レンが声を上げると、森の中の茂みが動いた。
そして、その茂みの中から女性が出てくる……その姿を見て、私も警戒をした。
その女性の格好はドレス……まるで貴族の人が着るような煌びやかなドレスであった。
そして、そのドレスを完璧に着こなすほどの美貌を備えた、まさに美女と言える女性だ。
その女性がにっこりと上品に笑っている。
出会ったのが街の中であったら、きれいな女性だなぁで終わったであろう……だが、ここは森の中……それも街からかなり離れた場所にある……貴族の人がちょっと散歩に来たとは思えないのだ。
仮に迷ってこの森林に来てしまったと言うのであれば、あんな柔和に笑ってはいられないだろう。
簡単に言うと、この女性はこの森にいるには違和感がありすぎるのだ。
「ここで、何してるの?」
「ふふふふふ」
私の問いに、女性は笑うだけで答えない。
やはり、おかしい……そして、私は再び彼女の顔を見る……笑っている……とても綺麗な笑顔だろう……だけど、目が笑っていない………まるで感情が無いように唯々、こちらを見つめているのだ。
………正直、あの笑顔めっちゃ怖い。
「ふふふふふ」
「…………え!?」
表情を変えず、笑い続ける女性……しかし、その彼女は、私たちの目の前にいたはずであるのに、次の瞬間、忽然と消えてしまった。
「何者なの……?」
「幽霊かしらね?」
ディータの問いに、ローラが答えるが……その答えは真面目に答えたものではなかったのだろうがあり得そうで怖かった。
エルフに会いに来たのに幽霊に出会ったなんて嫌だよ!?
「あの人が何者かは解らないけど、進むしかないね」
「ああ、エルフに協力を要請しに来たのだ……幽霊などに構っている暇はない」
レンの言う通りである……であるが……怖いものは怖いよ!?
構いたくないけど、構われるかもよ!?
うう……出来れば何事もなくエルフに会えるといいなぁ………あはは、無理だろうなぁ。
私は憂鬱になりながらも足を進めるのだった。
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