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2部 3章
仲間
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魔女目掛けてエリンシアが疾《はし》る。
魔女は悠然と構えたままおもむろにエリンシアの方へと手をかざし、魔法を唱えた。
「氷柱弾」
氷が鋭い柱状になり、エリンシアへと向かってくる。
「おっと、ですわ!」
エリンシアはそれを余裕で横に飛び躱し、さらに、魔女へと距離を詰める。
だが、魔女も慌てる様子もなく、次の魔法を唱えた。
「影棘」
「!?」
突如、地面から現れた無数の影の棘が、エリンシアに襲い掛かる。
エリンシアはそれを、慌ててその場を飛びのくことで回避した。
「今のは……『魔』が使っていた魔法ですわね」
「……なんですって?」
エリンシアが呟いた言葉に魔女が反応をする。
それも、ただの疑問から来る反応ではない、明確な憎悪をエリンシアに向けてきた。
「私が『魔』だとでもいいたいのかしら……」
「……」
「ふ、ふふふふふふ……どいつもこいつも!自分が使えない魔法だからと、私を『魔』だの『災厄』だのと!気に入らない……気に入らないわ!ええ……ええ……そんなに望みなら貴方達の思っている通りの魔女になろうじゃないの!壊してやるわよ、この世界……全部!!」
「い、いきなりなんですの!?」
「影氷槍!!」
「!?」
エリンシアの影の中から、無数の氷槍と影の槍が同時に出てくる。
そして、出てきた氷の槍の影から新たな氷と影の槍が出現し、エリンシアの逃げ場無くした。
「きゃあああああああ!!」
エリンシアは無数の影と氷の槍を避けきれず、その左肩を貫かれる。
「エリンシア様!!」
それを見たメリッサが、慌てて近寄ろうとするが、エリンシアがそれを制止する。
「こちらに来てはいけませんわ!離れていてくださいまし!!」
「っ!!」
自分が行けば、恐らく足手まといになるだろう……優しいエリンシアは自分を護ることを優先してしまう、そうなれば、敵の的になるだけである……それを理解したメリッサは、駆け寄るのを止め、その場に留まった。
「……くっ」
だが、もし自分がカモメ達と同様に強ければ、エリンシアと協力出来ただろう……何も出来なかった頃より大分、腕を上げたメリッサであるが、それでもまだこのレベルの戦いにはついて行けない。
いや、強くなった今だからこそ、自分の弱さがよくわかるのだ……悔しい……メリッサは自分の唇を強く噛んだ。
「今の……合成魔法ですわね」
「っ!………へぇ、驚きね……合成魔法を知っているなんて……私しか使えない魔法よ……よく知っていたわね……私の噂でも聞いたのかしら?……どうせ碌でもない噂でしょうけど?」
「あら、自惚れですわね……あなた以外にも合成魔法を使える方を知っているだけですわよ」
「…………なんですって?………嘘を言うんじゃないわよ」
「嘘なんて言ってませんわ」
エリンシアの言葉に、明らかに動揺する魔女。
エリンシアも、まさかカモメ以外に合成魔法を使える者がいるなんて思ってもいなかった。
合成魔法はカモメのとてつもない魔力とセンス両方がそろっているからこそできるものなのである。
女神であるディータでさえ、自分ひとりでそれを使うことは出来ないと言っていた。
同じ女神であるレナと共に使ってなんとか……それでも成功するかどうかは賭けだと言っていたのだ。
それだけ、カモメは規格外なのである。
それと、同じ魔法を使う人間が目の前に現れた……それも、人を石にしたり、眠らせたままにし、それを愉しむような外道がである。
エリンシアにとってカモメは大切な友人であり、頼れる仲間であり、尊敬の出来る人物でもある。
そんな彼女と同じ力を持っている人間がそんな行いをすることに怒りを覚えた。
「なぜですの……そんな力がありながら、人々を苦しめるなんて……」
「……は?」
「その力は、多くの人を救うことの出来る力ですわ!それなのに、こんなことに使うなんて……」
「……多くの人を救う?……ふふふふ、あははははは!!!………ふざけるな!!!!」
魔女が気でも狂ったかのように笑ったかと思えば、突如、憎しみの籠った顔へと変わる。
「これが誰かを救う?誰も救わないわよ!この力のせいで、私は魔女と恐れられ、忌み嫌われてきた!!この力のせいで私は家族を失った!……この力はねぇ……誰も救ったりしない、誰かを不幸にするしか出来ないのよ!」
「どういうことですの……」
「うるさい!これ以上、話すことなんてないわ!死になさい!!影手炎爆!」
エリンシアの周りの影から影の手が伸びてくる。
拘束する魔法ですの?そう思ったエリンシアが、その場から逃げるために離れる。
だが、そのエリンシアを影の手たちは追いかけてくる。
「しつこいですわ!」
逃げても追ってくる手に、エリンシアは逃げるのは無理だろうと思い魔導銃を向ける。
逃げるのが無理なら撃ち抜いてしまおうと言うことだ。
だが、その魔弾が手に着弾した瞬間…………大きな爆発が起こる。
「きゃあああああ!!」
幸い、直撃はしなかったものの、その爆風により、吹き飛ばされたエリンシアは地面転がる。
「さあ、踊りなさいな!影手炎爆!」
再び現れた影の手が、エリンシアを襲う。
どうやら、この魔法は触れた瞬間爆発する類の魔法の様だ。
撃ち抜くにしても近い場所でやればさっきの二の舞である。
そう思ったエリンシアが走る……魔女の方向へと。
「………へえ」
「あなたの近くで爆発させてあげますわ!」
「残念……ね?」
「………!?」
噴水の近くに立っていた魔女に一撃も喰らわせてやろうと、殴り掛かったエリンシアだったが、魔女に拳が届いたと思った瞬間、拳が魔女をすり抜けた。
そして、予想外の状況に、足を止めてしまったエリンシアに、影の手が掴みかかる。そして……。
―――――――――大爆発。
「ああああああ!!」
「エリンシア様!!」
爆発で起きた粉塵が収まると、そこには全身を爆発により傷つけたエリンシアが、かろうじで膝を地面につけ起きている。
「残念だったわね、今のは影で作った私の偽物よ♪」
「………はぁ………はぁ」
「さあ、トドメを刺してあげる!」
「……気……解放っ……ですわ!!」
エリンシアの体のまわりから突如オーラのようなものが迸る。
レオとの戦いのときに使った気である……だが、レオとの戦いのときのようにインパクトの瞬間だけに使ったものではない……コハクやカモメと同じ完全な解放である。
エリンシア曰く、エリンシアにはそこまでの気がなく、長時間解放をすることが出来ないと言っていた。
「……喰らいやがりなさいですわ!全力全気魔弾!!」
とてつもなく密度の高い全力魔弾が魔女へと襲い掛かる。
見た目はいつもの全力魔弾である……だが、その威力はそれを凌駕していた。
まるで空気すらをも破壊しながら進んでいるようなすさまじい音を奏でながら、全力魔弾は魔女へと近づく、魔女もその脅威を理解したのか、慌てた様子で魔法を唱えた。
「影風結界!!!」
魔女の周りに現れた結界が全力魔弾を止める。
「ぐ……負けませんわ……ワタクシの魔力全部、差し上げますわよ!!!」
エリンシアがさらに気を込めると、それに応えるかのように全力魔弾の威力が上がる……そして……。
「ぐっ……嘘でしょ……きゃあああああああああああああああああああ!!」
魔女の結界を貫き、魔女へと襲い掛かったのだ。
「はぁ……はぁ……やはり、気は長時間使えませんわね……」
もう力が残っていないと言うかのように、エリンシアはその場に倒れる。
それを見たメリッサが、エリンシアへと駆け寄ってきた。
「大丈夫ですか、エリンシア様!」
「ええ……ちょっと、疲れただけですわ……それより、魔女は……」
そう言って、魔弾が炸裂し、煙に包まれた場所を見るエリンシア……だが、そこから影の槍が突如飛んできた。
「危ないですわ!!」
咄嗟にメリッサを突き飛ばす、エリンシア……そして、飛んできた影の槍がエリンシアの腹部を貫いた。
「がふっ」
「そんな……エリンシア様!!」
慌てて再度エリンシアに近寄る、メリッサは血が流れ、赤く染まったエリンシアの腹部へと手を当てた。
「……あら、治療魔法が使えるようになりましたのね」
「は、はい……動いては駄目ですエリンシア様……」
「そうも言っていられませんわ……」
エリンシアは、メリッサと会話しながらもある方向から眼を離さない……そこには、左腕に傷を負いながらも立つ魔女の姿があった。
「完全にはとらえきれなかったみたいですわね」
「危なかった……あなたは危険ね……確実に殺しておくわよ」
「ですが……最低限の役目は果たしたみたいですわね」
「何?」
にやりと笑うエリンシアが魔女の左の腰元を指す。
そこには、ポーチのようなバッグがあったはずだが、先ほどの攻撃でその存在を消し飛ばされたのだろう。切れたベルトだけがだらりとぶら下がっていた。
「あのオーブがカモメさん達を眠らせていたのでしょう?」
「………ちっ」
そう、そのバッグの中にはカモメ達を眠らせていたオーブが入っていたのである。
それを破壊したと言うことは、カモメ達は眠りから目覚めると言うことだ。
「さあ、どうします?ワタクシよりこわ~い人達がやってきますわよ?」
「ふ、ふふふ……気に入らないわ……なぜそんなに人を信じる!人なんて裏切って当然でしょう!」
「カモメさん達は裏切ったりしませんわ……お友達ですもの」
「友達!ふさげるな!……そんなもの信用できないわよ!私の友達は、私がこの力に目覚めた瞬間、私を裏切った!そして、私の両親をも殺したのよ!……誰が、友達なんて信じれるものか……あなたの友達もきっとそうだわ……私に勝てないと思ったら平気で貴方を裏切るのよ……でしょう……そこの小娘!」
そう言うと、魔女はメリッサを睨みつける。
その鋭い眼に、メリッサは小さく体を震わせる……もし戦えばメリッサに勝ち目などないのだ。
「今そこでその女を殺せば、貴方の命は助けてあげるわよ!」
「なっ、そんなことできません!!」
「あら、それなら、貴方から死ぬ?あなたたちの仲間がここに来る前に、貴方達を殺すことなんて簡単にできるのよ?」
その通りだろう、いくらカモメ達が目を覚まして異変に気付いても、ここに来るまでには数分かかるだろう。その時間で魔女はエリンシア達を殺すことは造作もない。
すでにほとんどの力を使い果たし、腹部に深い傷を受けているエリンシア、そして、魔女と戦えるほどの力を持っていないメリッサなのだ……殺すのに数分はかからないだろう。
「さあ、どうするの?今すぐ決めなさい」
「お断りします……私はあなたのような人と同じになりたくありません!」
「なんですって……?」
「私は、貴方と同じ力を持っていながらも優しく真っ直ぐに生きている方を知っています……その方の仲間たちに聞きました……その方も心無い人に濡れ衣を着せられ、国中から追われ……謂れのない罪で逃げ続けけなければならなかったのだと……そして、私と同じように親殺しの濡れ衣まで着せられていた………。それでも、そんな苦境に負けず、どんな困難にも立ち向かっているのです!……私はあの方を尊敬しています……私もあの方のようになりたい!……だから、絶対、仲間を裏切ったりしない……いいえ、仲間を助けます!……カモメさん達が来るまでの間は……私があなたの相手です!」
腰につけたレイピアを抜き、エリンシアの前に立つメリッサ。
恐怖はあるのだろう、体が小刻みに震えている。
だが、その眼には微塵の迷いもない、自分がエリンシアを護るのだと強い意志を灯していた。
「………あなたも、その尊敬していると言う人間も気に入らないわ………どうせ、ぬくぬくと生きてきた頭がお花畑の人間でしょう?……もういいわ……石にでもなりなさい」
そう言って、杖を掲げる魔女……つまらないおもちゃを捨てる子供のような表情で、何の躊躇いもなくメリッサに向かって杖のエネルギーを発した。
「………あ」
避けられない……メリッサにはその向かってくるエネルギーをどうにかする術はなかった。
咄嗟の事で避けることも出来ない……このまま、自分は石になるんだと思ったその瞬間……優しい暖かさを持つ何かが、メリッサを包み込んだ。
「………え?」
「よく言いましたわ、メリッサさん……あなたきっといいお姫様になりますわよ……ワタクシが保証します」
「………え……え……そんな!?」
メリッサを包み込んだのはエリンシアであった。
エリンシアがその身を盾にして、メリッサを庇ったのだ。
「エリンシア様!」
エリンシアの身体が足の先から徐々に石へと変わっていく。
「そんなっ、そんなっ!!!」
「メリッサさん……今の貴方、最高にカッコよかったですわよ……その心……絶対に忘れてはいけませんわ」
「駄目……駄目ですエリンシア様!」
「だいじょ~ぶ……ですわよ……」
「ちっ……どいつもこいつも!なぜ……なんで見捨てないの!人間は自分の事しか考えないんじゃないの!だったら、なんで……私だけ裏切られるのよ!!………気に入らない……気に入らないわ……いいわ、その小娘も石像にした後、貴方達の仲間の前で砕いてやるわ!」
そう言って、再び、杖をかざす魔女……だが……。
「あら……遅かったようですわよ……災厄の魔女さん」
「……何?」
「魔水風圧弾《アクアウィレス》!!」
水を圧縮して放った魔法が、魔女に襲い掛かる。
「ぐあっ!」
咄嗟に身を捻って直撃を避けた魔女であったが、その魔法が肩を掠め悲鳴を上げた。
「エリンシア!メリッサ!!」
「あら、お寝坊さんですわね、カモメさん……寝ぐせついてますわよ?」
「馬鹿、何言ってんの!くっ………体が石にっ!」
「後は任せましたわよ…………カモメさん………ごめんなさいですわ」
カモメを見て笑顔で笑いかけながらエリンシアは完全に石へと変わってしまった。
「エリンシア!エリンシア!!!」
カモメの呼びかけにエリンシアはもう応えない。
「エリンシアぁ!!」
悲痛なカモメの叫びが集落の広場に木霊するのだった。
魔女は悠然と構えたままおもむろにエリンシアの方へと手をかざし、魔法を唱えた。
「氷柱弾」
氷が鋭い柱状になり、エリンシアへと向かってくる。
「おっと、ですわ!」
エリンシアはそれを余裕で横に飛び躱し、さらに、魔女へと距離を詰める。
だが、魔女も慌てる様子もなく、次の魔法を唱えた。
「影棘」
「!?」
突如、地面から現れた無数の影の棘が、エリンシアに襲い掛かる。
エリンシアはそれを、慌ててその場を飛びのくことで回避した。
「今のは……『魔』が使っていた魔法ですわね」
「……なんですって?」
エリンシアが呟いた言葉に魔女が反応をする。
それも、ただの疑問から来る反応ではない、明確な憎悪をエリンシアに向けてきた。
「私が『魔』だとでもいいたいのかしら……」
「……」
「ふ、ふふふふふふ……どいつもこいつも!自分が使えない魔法だからと、私を『魔』だの『災厄』だのと!気に入らない……気に入らないわ!ええ……ええ……そんなに望みなら貴方達の思っている通りの魔女になろうじゃないの!壊してやるわよ、この世界……全部!!」
「い、いきなりなんですの!?」
「影氷槍!!」
「!?」
エリンシアの影の中から、無数の氷槍と影の槍が同時に出てくる。
そして、出てきた氷の槍の影から新たな氷と影の槍が出現し、エリンシアの逃げ場無くした。
「きゃあああああああ!!」
エリンシアは無数の影と氷の槍を避けきれず、その左肩を貫かれる。
「エリンシア様!!」
それを見たメリッサが、慌てて近寄ろうとするが、エリンシアがそれを制止する。
「こちらに来てはいけませんわ!離れていてくださいまし!!」
「っ!!」
自分が行けば、恐らく足手まといになるだろう……優しいエリンシアは自分を護ることを優先してしまう、そうなれば、敵の的になるだけである……それを理解したメリッサは、駆け寄るのを止め、その場に留まった。
「……くっ」
だが、もし自分がカモメ達と同様に強ければ、エリンシアと協力出来ただろう……何も出来なかった頃より大分、腕を上げたメリッサであるが、それでもまだこのレベルの戦いにはついて行けない。
いや、強くなった今だからこそ、自分の弱さがよくわかるのだ……悔しい……メリッサは自分の唇を強く噛んだ。
「今の……合成魔法ですわね」
「っ!………へぇ、驚きね……合成魔法を知っているなんて……私しか使えない魔法よ……よく知っていたわね……私の噂でも聞いたのかしら?……どうせ碌でもない噂でしょうけど?」
「あら、自惚れですわね……あなた以外にも合成魔法を使える方を知っているだけですわよ」
「…………なんですって?………嘘を言うんじゃないわよ」
「嘘なんて言ってませんわ」
エリンシアの言葉に、明らかに動揺する魔女。
エリンシアも、まさかカモメ以外に合成魔法を使える者がいるなんて思ってもいなかった。
合成魔法はカモメのとてつもない魔力とセンス両方がそろっているからこそできるものなのである。
女神であるディータでさえ、自分ひとりでそれを使うことは出来ないと言っていた。
同じ女神であるレナと共に使ってなんとか……それでも成功するかどうかは賭けだと言っていたのだ。
それだけ、カモメは規格外なのである。
それと、同じ魔法を使う人間が目の前に現れた……それも、人を石にしたり、眠らせたままにし、それを愉しむような外道がである。
エリンシアにとってカモメは大切な友人であり、頼れる仲間であり、尊敬の出来る人物でもある。
そんな彼女と同じ力を持っている人間がそんな行いをすることに怒りを覚えた。
「なぜですの……そんな力がありながら、人々を苦しめるなんて……」
「……は?」
「その力は、多くの人を救うことの出来る力ですわ!それなのに、こんなことに使うなんて……」
「……多くの人を救う?……ふふふふ、あははははは!!!………ふざけるな!!!!」
魔女が気でも狂ったかのように笑ったかと思えば、突如、憎しみの籠った顔へと変わる。
「これが誰かを救う?誰も救わないわよ!この力のせいで、私は魔女と恐れられ、忌み嫌われてきた!!この力のせいで私は家族を失った!……この力はねぇ……誰も救ったりしない、誰かを不幸にするしか出来ないのよ!」
「どういうことですの……」
「うるさい!これ以上、話すことなんてないわ!死になさい!!影手炎爆!」
エリンシアの周りの影から影の手が伸びてくる。
拘束する魔法ですの?そう思ったエリンシアが、その場から逃げるために離れる。
だが、そのエリンシアを影の手たちは追いかけてくる。
「しつこいですわ!」
逃げても追ってくる手に、エリンシアは逃げるのは無理だろうと思い魔導銃を向ける。
逃げるのが無理なら撃ち抜いてしまおうと言うことだ。
だが、その魔弾が手に着弾した瞬間…………大きな爆発が起こる。
「きゃあああああ!!」
幸い、直撃はしなかったものの、その爆風により、吹き飛ばされたエリンシアは地面転がる。
「さあ、踊りなさいな!影手炎爆!」
再び現れた影の手が、エリンシアを襲う。
どうやら、この魔法は触れた瞬間爆発する類の魔法の様だ。
撃ち抜くにしても近い場所でやればさっきの二の舞である。
そう思ったエリンシアが走る……魔女の方向へと。
「………へえ」
「あなたの近くで爆発させてあげますわ!」
「残念……ね?」
「………!?」
噴水の近くに立っていた魔女に一撃も喰らわせてやろうと、殴り掛かったエリンシアだったが、魔女に拳が届いたと思った瞬間、拳が魔女をすり抜けた。
そして、予想外の状況に、足を止めてしまったエリンシアに、影の手が掴みかかる。そして……。
―――――――――大爆発。
「ああああああ!!」
「エリンシア様!!」
爆発で起きた粉塵が収まると、そこには全身を爆発により傷つけたエリンシアが、かろうじで膝を地面につけ起きている。
「残念だったわね、今のは影で作った私の偽物よ♪」
「………はぁ………はぁ」
「さあ、トドメを刺してあげる!」
「……気……解放っ……ですわ!!」
エリンシアの体のまわりから突如オーラのようなものが迸る。
レオとの戦いのときに使った気である……だが、レオとの戦いのときのようにインパクトの瞬間だけに使ったものではない……コハクやカモメと同じ完全な解放である。
エリンシア曰く、エリンシアにはそこまでの気がなく、長時間解放をすることが出来ないと言っていた。
「……喰らいやがりなさいですわ!全力全気魔弾!!」
とてつもなく密度の高い全力魔弾が魔女へと襲い掛かる。
見た目はいつもの全力魔弾である……だが、その威力はそれを凌駕していた。
まるで空気すらをも破壊しながら進んでいるようなすさまじい音を奏でながら、全力魔弾は魔女へと近づく、魔女もその脅威を理解したのか、慌てた様子で魔法を唱えた。
「影風結界!!!」
魔女の周りに現れた結界が全力魔弾を止める。
「ぐ……負けませんわ……ワタクシの魔力全部、差し上げますわよ!!!」
エリンシアがさらに気を込めると、それに応えるかのように全力魔弾の威力が上がる……そして……。
「ぐっ……嘘でしょ……きゃあああああああああああああああああああ!!」
魔女の結界を貫き、魔女へと襲い掛かったのだ。
「はぁ……はぁ……やはり、気は長時間使えませんわね……」
もう力が残っていないと言うかのように、エリンシアはその場に倒れる。
それを見たメリッサが、エリンシアへと駆け寄ってきた。
「大丈夫ですか、エリンシア様!」
「ええ……ちょっと、疲れただけですわ……それより、魔女は……」
そう言って、魔弾が炸裂し、煙に包まれた場所を見るエリンシア……だが、そこから影の槍が突如飛んできた。
「危ないですわ!!」
咄嗟にメリッサを突き飛ばす、エリンシア……そして、飛んできた影の槍がエリンシアの腹部を貫いた。
「がふっ」
「そんな……エリンシア様!!」
慌てて再度エリンシアに近寄る、メリッサは血が流れ、赤く染まったエリンシアの腹部へと手を当てた。
「……あら、治療魔法が使えるようになりましたのね」
「は、はい……動いては駄目ですエリンシア様……」
「そうも言っていられませんわ……」
エリンシアは、メリッサと会話しながらもある方向から眼を離さない……そこには、左腕に傷を負いながらも立つ魔女の姿があった。
「完全にはとらえきれなかったみたいですわね」
「危なかった……あなたは危険ね……確実に殺しておくわよ」
「ですが……最低限の役目は果たしたみたいですわね」
「何?」
にやりと笑うエリンシアが魔女の左の腰元を指す。
そこには、ポーチのようなバッグがあったはずだが、先ほどの攻撃でその存在を消し飛ばされたのだろう。切れたベルトだけがだらりとぶら下がっていた。
「あのオーブがカモメさん達を眠らせていたのでしょう?」
「………ちっ」
そう、そのバッグの中にはカモメ達を眠らせていたオーブが入っていたのである。
それを破壊したと言うことは、カモメ達は眠りから目覚めると言うことだ。
「さあ、どうします?ワタクシよりこわ~い人達がやってきますわよ?」
「ふ、ふふふ……気に入らないわ……なぜそんなに人を信じる!人なんて裏切って当然でしょう!」
「カモメさん達は裏切ったりしませんわ……お友達ですもの」
「友達!ふさげるな!……そんなもの信用できないわよ!私の友達は、私がこの力に目覚めた瞬間、私を裏切った!そして、私の両親をも殺したのよ!……誰が、友達なんて信じれるものか……あなたの友達もきっとそうだわ……私に勝てないと思ったら平気で貴方を裏切るのよ……でしょう……そこの小娘!」
そう言うと、魔女はメリッサを睨みつける。
その鋭い眼に、メリッサは小さく体を震わせる……もし戦えばメリッサに勝ち目などないのだ。
「今そこでその女を殺せば、貴方の命は助けてあげるわよ!」
「なっ、そんなことできません!!」
「あら、それなら、貴方から死ぬ?あなたたちの仲間がここに来る前に、貴方達を殺すことなんて簡単にできるのよ?」
その通りだろう、いくらカモメ達が目を覚まして異変に気付いても、ここに来るまでには数分かかるだろう。その時間で魔女はエリンシア達を殺すことは造作もない。
すでにほとんどの力を使い果たし、腹部に深い傷を受けているエリンシア、そして、魔女と戦えるほどの力を持っていないメリッサなのだ……殺すのに数分はかからないだろう。
「さあ、どうするの?今すぐ決めなさい」
「お断りします……私はあなたのような人と同じになりたくありません!」
「なんですって……?」
「私は、貴方と同じ力を持っていながらも優しく真っ直ぐに生きている方を知っています……その方の仲間たちに聞きました……その方も心無い人に濡れ衣を着せられ、国中から追われ……謂れのない罪で逃げ続けけなければならなかったのだと……そして、私と同じように親殺しの濡れ衣まで着せられていた………。それでも、そんな苦境に負けず、どんな困難にも立ち向かっているのです!……私はあの方を尊敬しています……私もあの方のようになりたい!……だから、絶対、仲間を裏切ったりしない……いいえ、仲間を助けます!……カモメさん達が来るまでの間は……私があなたの相手です!」
腰につけたレイピアを抜き、エリンシアの前に立つメリッサ。
恐怖はあるのだろう、体が小刻みに震えている。
だが、その眼には微塵の迷いもない、自分がエリンシアを護るのだと強い意志を灯していた。
「………あなたも、その尊敬していると言う人間も気に入らないわ………どうせ、ぬくぬくと生きてきた頭がお花畑の人間でしょう?……もういいわ……石にでもなりなさい」
そう言って、杖を掲げる魔女……つまらないおもちゃを捨てる子供のような表情で、何の躊躇いもなくメリッサに向かって杖のエネルギーを発した。
「………あ」
避けられない……メリッサにはその向かってくるエネルギーをどうにかする術はなかった。
咄嗟の事で避けることも出来ない……このまま、自分は石になるんだと思ったその瞬間……優しい暖かさを持つ何かが、メリッサを包み込んだ。
「………え?」
「よく言いましたわ、メリッサさん……あなたきっといいお姫様になりますわよ……ワタクシが保証します」
「………え……え……そんな!?」
メリッサを包み込んだのはエリンシアであった。
エリンシアがその身を盾にして、メリッサを庇ったのだ。
「エリンシア様!」
エリンシアの身体が足の先から徐々に石へと変わっていく。
「そんなっ、そんなっ!!!」
「メリッサさん……今の貴方、最高にカッコよかったですわよ……その心……絶対に忘れてはいけませんわ」
「駄目……駄目ですエリンシア様!」
「だいじょ~ぶ……ですわよ……」
「ちっ……どいつもこいつも!なぜ……なんで見捨てないの!人間は自分の事しか考えないんじゃないの!だったら、なんで……私だけ裏切られるのよ!!………気に入らない……気に入らないわ……いいわ、その小娘も石像にした後、貴方達の仲間の前で砕いてやるわ!」
そう言って、再び、杖をかざす魔女……だが……。
「あら……遅かったようですわよ……災厄の魔女さん」
「……何?」
「魔水風圧弾《アクアウィレス》!!」
水を圧縮して放った魔法が、魔女に襲い掛かる。
「ぐあっ!」
咄嗟に身を捻って直撃を避けた魔女であったが、その魔法が肩を掠め悲鳴を上げた。
「エリンシア!メリッサ!!」
「あら、お寝坊さんですわね、カモメさん……寝ぐせついてますわよ?」
「馬鹿、何言ってんの!くっ………体が石にっ!」
「後は任せましたわよ…………カモメさん………ごめんなさいですわ」
カモメを見て笑顔で笑いかけながらエリンシアは完全に石へと変わってしまった。
「エリンシア!エリンシア!!!」
カモメの呼びかけにエリンシアはもう応えない。
「エリンシアぁ!!」
悲痛なカモメの叫びが集落の広場に木霊するのだった。
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