32 / 44
第三章 フェニックスの祝祭
相手を思いやる気持ち自体が幸せの一つ
しおりを挟む
祝祭日のパーティーの準備が整うまでは、俺たちはエイダン殿下のお見送りと、教会関係者の挨拶回りをしていた。
エイダン殿下は帰り際に、一言二言、言葉を下さったけど、俺は緊張しすぎてて、何を言われたのかほとんど覚えてなかった。
どうにかこうにか殿下を笑顔でお見送りすると、今度は挨拶回りだ。
ユリシーズ様と父上が間に入って、たくさんの教会関係者を紹介してくださったけど、名前を覚えるだけで精一杯で、顔までは結構あやふやだ……あとで父上にお願いして、おさらいしておこう……教会関係者なら、今後会う可能性が高いからな……
「お疲れさま、ノア」
一通り挨拶回りが落ち着くと、リリアンの澄んだ声がした。
「グラントさん! リリアン! エラ!」
振り返ると、三人が苦笑いを浮かべて待っていた。
「聖者様は大変ね~」
エラがじと目で見上げてきた。小動物的な可愛らしい雰囲気に似合わず、ずいぶんと冷めた表情だ。
……ゔっ。やっぱり、せっかくリリアンを誘ったのに、仕事優先になっちゃったからかな……
「……ハハ……ちょっと顔を出すだけでいいって言われてたんだけど、まさか、ここまでいろいろやるとは……」
俺も正直、想定外だったし、苦笑いしか出ないよ……
「まだ何も食べてないでしょう? あっちに料理があるから、行きましょうか?」
リリアンから、いつも通りのスンと澄ました感じで言われた。
……これはこれで、多少はなじられた方が謝りやすくて、気がラクなんだけど……
「うん、行こうか」
ちょうどお腹も空いてきてたし、なんとなく謝れる雰囲気でもないし、とりあえず俺は相槌を打った。
グラントさんは、俺たちの様子を見て、始終苦笑いだった。
長テーブルの上には、パーティー料理がたっぷりと並べられていた。いつも宿舎の食堂で食べているものよりも豪華だ。
ローストビーフに、ロールキャベツ、きのこと挽き肉のパイ、マッシュポテト、サラミとチーズが載った薄焼きのピザ等々、ご馳走がいっぱいだ。
スライスされたバケットには、ハムやチーズやスクランブルエッグ、オリーブやピクルスなど、色とりどりの食材が載っていて、すごくおしゃれだ。
それに、ケーキやクッキーなんかのお菓子は、聖堂に来ている子供たちに配っているようだ。
年に一度の祝祭日だから、信仰に関係なく、近所の人たちや子供たちも多く訪れていて、テーブル周りはすごく賑わっていた。
「リリアン、少しいいかな?」
ある程度お腹を満たせたら、俺はリリアンにこっそり話しかけた。
「いいわよ。どこか行く?」
「そうだね」
俺はリリアンの手をとって、神官の宿舎の前にある小さな庭まで連れて行った。
外に出るとすっかり真っ暗になっていて、夜空には、冬の澄んだ空気に、小さな星々が煌々と輝いていた。
みんな聖堂の方に集まっているためか、庭には他には誰もいなかった。
ここは普段は神官や聖女の憩いの場、というか、自由奔放に使われまくっている。
誰が育てているのか分からない小さな菜園には、ほうれん草なのか雑草なのかよく分からないものが植えられている。
庭の端っこには、誰かの作品なのか、小さな木彫りの像が置かれている。
ずんぐりむっくりで、だいぶユニークな形をしていて、よく言えば味わいがある──たぶん聖神アウロンや他の神々を彫りたかったんだと思う……ユーフォリア様が見たら、ショックを受けてしまうかもしれないけど……
宿舎の前にある古びた木のベンチは、夜の外気で冷えきっていたから、俺は空間収納から冒険者の時から使っていたマントを取り出した。
そんなに上等なものじゃないけど、あったかいし、急に外に出た時には今だに重宝してる。
そっとリリアンの細い肩にかけると、「ありがとう」とはにかんで言われた……なんだかちょっと、可愛いな……
「来年の祝祭日のパーティーは、私も挨拶回りに付き合うわよ。たぶん、来年も引っ張り出されるでしょう? 私の方が教会にいる時間が長いし、顔見知りの方も多いし。それに、貴族が来ても、私がサポートできるわ」
ベンチに二人して並んで腰掛けると、リリアンが提案してきた。
「リリアン……! うん、お願いできるかな?」
婚約者が、頼りになる……!
俺が頼りになりすぎる彼女に感動していると、リリアンはにこりと微笑んで「もちろんよ」と言ってくれた。
「そ、そうだ! リリアンにプレゼントがあるんだ!」
俺は空間収納からプレゼントを取り出した。
ハンドクリームが出来上がった後は、ちゃんと箱に入れてラッピングしておいた。
「開けてもいい?」
「もちろん!」
「わぁ……!」
赤色のリボンを細い指先で引いて、丁寧に箱を開けると、リリアンは小さく感嘆の声をあげた。
リリアンの淡いラベンダー色の瞳は煌めいていて、頬も桜色に上気している。
……良かった。気に入ってくれたみたいだ。
「その、最近ポーション作りが多かっただろう? どうしても外で作業したり、水で洗ったりして手が荒れやすいから、ハンドクリームを作ってみたんだ。この容器もポーチも、なんだかリリアンっぽいなって思って……」
「かわいい……! ありがとう、ノア! 大事にするわね!」
俺が説明すると、珍しくリリアンがテンション高めにお礼を言ってきた。キラキラした満面の笑みだ。
なんかもう、この笑顔を見られただけで、胸の辺りがほこほこと暖かくなって、今日はもう十分な気がしてきた。
「どうぞ、使ってみて」
俺が促すと、リリアンは恐る恐るハンドクリームの瓶の蓋を開けた。
薄く緑がかった白いクリームを指先でちょこんと取って、細い手にスッと塗り込む。
妖精のフワラーオイルを使ったためか、キラキラッと火花のような光が散って、甘すぎない優しいライラックの香りが広がった。
「いい香り……私の好きな香りだわ」
リリアンが、自分の手をうっとりと見つめながら、スルリとその甲を撫でた。
「ライラックのフラワーオイルと、実は薬草が入ってるんだ。これで、多少指先に傷ができても、すぐに治せると思うから」
「ありがとう、ノア」
リリアンに真っ直ぐに見つめられて微笑まれ、俺の胸がドキンッと大きく動いた。
いつも凛と澄ましてる表情が多いからか、こんな風に柔らかく微笑まれると、本当に俺は弱いな……
「私からも、ノアに」
リリアンが、空間収納付きのポーチから、箱を取り出した。
こっちはネイビーの包み紙に、淡いラベンダー色のリボンがかかっている。
「ありがとう。開けてみていい?」
俺が尋ねると、リリアンは笑顔で「どうぞ」と答えてくれた。
「これは……?」
箱の中には、ポーションホルダーと、ポーションがいくつも入っていた。
瓶の形やサイズ的に、中級以上のいいやつだ。
「中級の魔力回復ポーションよ。グラントさんに作り方を教わったの。特別治癒の日は、ノアはよく魔力切れを起こすし、この前の遠征の時みたいに必要になることも多いと思うの……」
「そうか、ありがとう! 大切に飲ませてもらうよ!」
俺がにかっと笑ってお礼を言うと、リリアンはもじもじと小声で「どういたしまして」と呟いた。
「…………」
「どうしたの、ノア?」
俺がまじまじとリリアンからもらったプレゼントを眺めていると、リリアンが俺の方を覗き込んで尋ねてきた。
「なんだか俺たちって結構似た者同士かもな、って思って。俺もリリアンも手作りの物だし」
「手作りのものは嫌だったかしら……?」
「ううん。俺のことを考えて作ってくれたものだから、すっごく嬉しい!」
リリアンのことを思ってハンドクリームを作ってた時も楽しかったし、実際に渡して、すごく喜んでもらえたことも嬉しかった。
それだけじゃなくて、リリアンも俺と同じような気持ちで、このポーションを作ってくれたのかと思うと、嬉しさも倍増だ。
俺が、至近距離でリリアンを見つめ返して笑顔で言うと、リリアンは大きく目を見開いて固まっていた。じわじわと、リリアンの頬と耳が赤らんでいく。
「……ばか」
「えっ!? 何で!?」
いきなり暴言吐かれた!?
「秘密」
「エェッ!? 俺、何かした!?」
ますます気になるじゃん!!!
「早く戻りましょ。エラもグラントさんも、私たちが急にいなくなって、心配してるかも」
リリアンがサッとベンチを立って、聖堂の方に向かって歩き出した。
「ゔっ……うん」
何だか気にはなるけど、これ以上は何も教えてくれなそうだし、仕方なく俺はリリアンの細い背中を追った。
ちなみに、エラ先生からは後日、「ムードがなってない!」と怒られた。
エラ先生曰く、「教会にはもっと恋人たちの逢瀬に合うような綺麗な庭園もあったのに、何でよりにもよって、そんなしみったれた庭で渡したのよ!?」とのことだった……
…………女の子って、難しいなぁ…………
***
ドラゴニア王国の王都ガシュラにある聖鳳教会では、祝祭期間中に特別なハンドクリームが販売される。
このハンドクリームは、数百年前、当時の聖者が、婚約者の聖女の手荒れを気遣って贈ったことから広まったものだ。
聖者夫妻の仲睦まじい昔話にあやかり、教会のハンドクリームを大切な女性に贈ることが、恋人たちの間で流行した。
ハンドクリームは数量限定で、肌荒れによく効き、評判も良いためか、毎回飛ぶように売れてすぐに完売してしまう。
運よくこのハンドクリームを手に入れた男性は、祝祭日当日に、恋人にプレゼントするのだ。
もちろん、プレゼントをする場所は、王都で有数の観光名所でもある聖堂前の庭園だ。
この美しい庭園で聖者が婚約者にプレゼントしたと、現代では言い伝えられている。
エイダン殿下は帰り際に、一言二言、言葉を下さったけど、俺は緊張しすぎてて、何を言われたのかほとんど覚えてなかった。
どうにかこうにか殿下を笑顔でお見送りすると、今度は挨拶回りだ。
ユリシーズ様と父上が間に入って、たくさんの教会関係者を紹介してくださったけど、名前を覚えるだけで精一杯で、顔までは結構あやふやだ……あとで父上にお願いして、おさらいしておこう……教会関係者なら、今後会う可能性が高いからな……
「お疲れさま、ノア」
一通り挨拶回りが落ち着くと、リリアンの澄んだ声がした。
「グラントさん! リリアン! エラ!」
振り返ると、三人が苦笑いを浮かべて待っていた。
「聖者様は大変ね~」
エラがじと目で見上げてきた。小動物的な可愛らしい雰囲気に似合わず、ずいぶんと冷めた表情だ。
……ゔっ。やっぱり、せっかくリリアンを誘ったのに、仕事優先になっちゃったからかな……
「……ハハ……ちょっと顔を出すだけでいいって言われてたんだけど、まさか、ここまでいろいろやるとは……」
俺も正直、想定外だったし、苦笑いしか出ないよ……
「まだ何も食べてないでしょう? あっちに料理があるから、行きましょうか?」
リリアンから、いつも通りのスンと澄ました感じで言われた。
……これはこれで、多少はなじられた方が謝りやすくて、気がラクなんだけど……
「うん、行こうか」
ちょうどお腹も空いてきてたし、なんとなく謝れる雰囲気でもないし、とりあえず俺は相槌を打った。
グラントさんは、俺たちの様子を見て、始終苦笑いだった。
長テーブルの上には、パーティー料理がたっぷりと並べられていた。いつも宿舎の食堂で食べているものよりも豪華だ。
ローストビーフに、ロールキャベツ、きのこと挽き肉のパイ、マッシュポテト、サラミとチーズが載った薄焼きのピザ等々、ご馳走がいっぱいだ。
スライスされたバケットには、ハムやチーズやスクランブルエッグ、オリーブやピクルスなど、色とりどりの食材が載っていて、すごくおしゃれだ。
それに、ケーキやクッキーなんかのお菓子は、聖堂に来ている子供たちに配っているようだ。
年に一度の祝祭日だから、信仰に関係なく、近所の人たちや子供たちも多く訪れていて、テーブル周りはすごく賑わっていた。
「リリアン、少しいいかな?」
ある程度お腹を満たせたら、俺はリリアンにこっそり話しかけた。
「いいわよ。どこか行く?」
「そうだね」
俺はリリアンの手をとって、神官の宿舎の前にある小さな庭まで連れて行った。
外に出るとすっかり真っ暗になっていて、夜空には、冬の澄んだ空気に、小さな星々が煌々と輝いていた。
みんな聖堂の方に集まっているためか、庭には他には誰もいなかった。
ここは普段は神官や聖女の憩いの場、というか、自由奔放に使われまくっている。
誰が育てているのか分からない小さな菜園には、ほうれん草なのか雑草なのかよく分からないものが植えられている。
庭の端っこには、誰かの作品なのか、小さな木彫りの像が置かれている。
ずんぐりむっくりで、だいぶユニークな形をしていて、よく言えば味わいがある──たぶん聖神アウロンや他の神々を彫りたかったんだと思う……ユーフォリア様が見たら、ショックを受けてしまうかもしれないけど……
宿舎の前にある古びた木のベンチは、夜の外気で冷えきっていたから、俺は空間収納から冒険者の時から使っていたマントを取り出した。
そんなに上等なものじゃないけど、あったかいし、急に外に出た時には今だに重宝してる。
そっとリリアンの細い肩にかけると、「ありがとう」とはにかんで言われた……なんだかちょっと、可愛いな……
「来年の祝祭日のパーティーは、私も挨拶回りに付き合うわよ。たぶん、来年も引っ張り出されるでしょう? 私の方が教会にいる時間が長いし、顔見知りの方も多いし。それに、貴族が来ても、私がサポートできるわ」
ベンチに二人して並んで腰掛けると、リリアンが提案してきた。
「リリアン……! うん、お願いできるかな?」
婚約者が、頼りになる……!
俺が頼りになりすぎる彼女に感動していると、リリアンはにこりと微笑んで「もちろんよ」と言ってくれた。
「そ、そうだ! リリアンにプレゼントがあるんだ!」
俺は空間収納からプレゼントを取り出した。
ハンドクリームが出来上がった後は、ちゃんと箱に入れてラッピングしておいた。
「開けてもいい?」
「もちろん!」
「わぁ……!」
赤色のリボンを細い指先で引いて、丁寧に箱を開けると、リリアンは小さく感嘆の声をあげた。
リリアンの淡いラベンダー色の瞳は煌めいていて、頬も桜色に上気している。
……良かった。気に入ってくれたみたいだ。
「その、最近ポーション作りが多かっただろう? どうしても外で作業したり、水で洗ったりして手が荒れやすいから、ハンドクリームを作ってみたんだ。この容器もポーチも、なんだかリリアンっぽいなって思って……」
「かわいい……! ありがとう、ノア! 大事にするわね!」
俺が説明すると、珍しくリリアンがテンション高めにお礼を言ってきた。キラキラした満面の笑みだ。
なんかもう、この笑顔を見られただけで、胸の辺りがほこほこと暖かくなって、今日はもう十分な気がしてきた。
「どうぞ、使ってみて」
俺が促すと、リリアンは恐る恐るハンドクリームの瓶の蓋を開けた。
薄く緑がかった白いクリームを指先でちょこんと取って、細い手にスッと塗り込む。
妖精のフワラーオイルを使ったためか、キラキラッと火花のような光が散って、甘すぎない優しいライラックの香りが広がった。
「いい香り……私の好きな香りだわ」
リリアンが、自分の手をうっとりと見つめながら、スルリとその甲を撫でた。
「ライラックのフラワーオイルと、実は薬草が入ってるんだ。これで、多少指先に傷ができても、すぐに治せると思うから」
「ありがとう、ノア」
リリアンに真っ直ぐに見つめられて微笑まれ、俺の胸がドキンッと大きく動いた。
いつも凛と澄ましてる表情が多いからか、こんな風に柔らかく微笑まれると、本当に俺は弱いな……
「私からも、ノアに」
リリアンが、空間収納付きのポーチから、箱を取り出した。
こっちはネイビーの包み紙に、淡いラベンダー色のリボンがかかっている。
「ありがとう。開けてみていい?」
俺が尋ねると、リリアンは笑顔で「どうぞ」と答えてくれた。
「これは……?」
箱の中には、ポーションホルダーと、ポーションがいくつも入っていた。
瓶の形やサイズ的に、中級以上のいいやつだ。
「中級の魔力回復ポーションよ。グラントさんに作り方を教わったの。特別治癒の日は、ノアはよく魔力切れを起こすし、この前の遠征の時みたいに必要になることも多いと思うの……」
「そうか、ありがとう! 大切に飲ませてもらうよ!」
俺がにかっと笑ってお礼を言うと、リリアンはもじもじと小声で「どういたしまして」と呟いた。
「…………」
「どうしたの、ノア?」
俺がまじまじとリリアンからもらったプレゼントを眺めていると、リリアンが俺の方を覗き込んで尋ねてきた。
「なんだか俺たちって結構似た者同士かもな、って思って。俺もリリアンも手作りの物だし」
「手作りのものは嫌だったかしら……?」
「ううん。俺のことを考えて作ってくれたものだから、すっごく嬉しい!」
リリアンのことを思ってハンドクリームを作ってた時も楽しかったし、実際に渡して、すごく喜んでもらえたことも嬉しかった。
それだけじゃなくて、リリアンも俺と同じような気持ちで、このポーションを作ってくれたのかと思うと、嬉しさも倍増だ。
俺が、至近距離でリリアンを見つめ返して笑顔で言うと、リリアンは大きく目を見開いて固まっていた。じわじわと、リリアンの頬と耳が赤らんでいく。
「……ばか」
「えっ!? 何で!?」
いきなり暴言吐かれた!?
「秘密」
「エェッ!? 俺、何かした!?」
ますます気になるじゃん!!!
「早く戻りましょ。エラもグラントさんも、私たちが急にいなくなって、心配してるかも」
リリアンがサッとベンチを立って、聖堂の方に向かって歩き出した。
「ゔっ……うん」
何だか気にはなるけど、これ以上は何も教えてくれなそうだし、仕方なく俺はリリアンの細い背中を追った。
ちなみに、エラ先生からは後日、「ムードがなってない!」と怒られた。
エラ先生曰く、「教会にはもっと恋人たちの逢瀬に合うような綺麗な庭園もあったのに、何でよりにもよって、そんなしみったれた庭で渡したのよ!?」とのことだった……
…………女の子って、難しいなぁ…………
***
ドラゴニア王国の王都ガシュラにある聖鳳教会では、祝祭期間中に特別なハンドクリームが販売される。
このハンドクリームは、数百年前、当時の聖者が、婚約者の聖女の手荒れを気遣って贈ったことから広まったものだ。
聖者夫妻の仲睦まじい昔話にあやかり、教会のハンドクリームを大切な女性に贈ることが、恋人たちの間で流行した。
ハンドクリームは数量限定で、肌荒れによく効き、評判も良いためか、毎回飛ぶように売れてすぐに完売してしまう。
運よくこのハンドクリームを手に入れた男性は、祝祭日当日に、恋人にプレゼントするのだ。
もちろん、プレゼントをする場所は、王都で有数の観光名所でもある聖堂前の庭園だ。
この美しい庭園で聖者が婚約者にプレゼントしたと、現代では言い伝えられている。
56
あなたにおすすめの小説
治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
冤罪で山に追放された令嬢ですが、逞しく生きてます
里見知美
ファンタジー
王太子に呪いをかけたと断罪され、神の山と恐れられるセントポリオンに追放された公爵令嬢エリザベス。その姿は老婆のように皺だらけで、魔女のように醜い顔をしているという。
だが実は、誰にも言えない理由があり…。
※もともとなろう様でも投稿していた作品ですが、手を加えちょっと長めの話になりました。作者としては抑えた内容になってるつもりですが、流血ありなので、ちょっとエグいかも。恋愛かファンタジーか迷ったんですがひとまず、ファンタジーにしてあります。
全28話で完結。
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
冤罪で追放された令嬢〜周囲の人間達は追放した大国に激怒しました〜
影茸
恋愛
王国アレスターレが強国となった立役者とされる公爵令嬢マーセリア・ラスレリア。
けれどもマーセリアはその知名度を危険視され、国王に冤罪をかけられ王国から追放されることになってしまう。
そしてアレスターレを強国にするため、必死に動き回っていたマーセリアは休暇気分で抵抗せず王国を去る。
ーーー だが、マーセリアの追放を周囲の人間は許さなかった。
※一人称ですが、視点はころころ変わる予定です。視点が変わる時には題名にその人物の名前を書かせていただきます。
散々利用されてから勇者パーティーを追い出された…が、元勇者パーティーは僕の本当の能力を知らない。
アノマロカリス
ファンタジー
僕こと…ディスト・ランゼウスは、経験値を倍増させてパーティーの成長を急成長させるスキルを持っていた。
それにあやかった剣士ディランは、僕と共にパーティーを集めて成長して行き…数々の魔王軍の配下を討伐して行き、なんと勇者の称号を得る事になった。
するとディランは、勇者の称号を得てからというもの…態度が横柄になり、更にはパーティーメンバー達も調子付いて行った。
それからと言うもの、調子付いた勇者ディランとパーティーメンバー達は、レベルの上がらないサポート役の僕を邪険にし始めていき…
遂には、役立たずは不要と言って僕を追い出したのだった。
……とまぁ、ここまでは良くある話。
僕が抜けた勇者ディランとパーティーメンバー達は、その後も活躍し続けていき…
遂には、大魔王ドゥルガディスが収める魔大陸を攻略すると言う話になっていた。
「おやおや…もう魔大陸に上陸すると言う話になったのか、ならば…そろそろ僕の本来のスキルを発動するとしますか!」
それから数日後に、ディランとパーティーメンバー達が魔大陸に侵攻し始めたという話を聞いた。
なので、それと同時に…僕の本来のスキルを発動すると…?
2月11日にHOTランキング男性向けで1位になりました。
皆様お陰です、有り難う御座います。
追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?
タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。
白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。
しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。
王妃リディアの嫉妬。
王太子レオンの盲信。
そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。
「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」
そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。
彼女はただ一言だけ残した。
「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」
誰もそれを脅しとは受け取らなかった。
だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。
城で侍女をしているマリアンネと申します。お給金の良いお仕事ありませんか?
甘寧
ファンタジー
「武闘家貴族」「脳筋貴族」と呼ばれていた元子爵令嬢のマリアンネ。
友人に騙され多額の借金を作った脳筋父のせいで、屋敷、領土を差し押さえられ事実上の没落となり、その借金を返済する為、城で侍女の仕事をしつつ得意な武力を活かし副業で「便利屋」を掛け持ちしながら借金返済の為、奮闘する毎日。
マリアンネに執着するオネエ王子やマリアンネを取り巻く人達と様々な試練を越えていく。借金返済の為に……
そんなある日、便利屋の上司ゴリさんからの指令で幽霊屋敷を調査する事になり……
武闘家令嬢と呼ばれいたマリアンネの、借金返済までを綴った物語
婚約破棄をされ、父に追放まで言われた私は、むしろ喜んで出て行きます! ~家を出る時に一緒に来てくれた執事の溺愛が始まりました~
ゆうき
恋愛
男爵家の次女として生まれたシエルは、姉と妹に比べて平凡だからという理由で、父親や姉妹からバカにされ、虐げられる生活を送っていた。
そんな生活に嫌気がさしたシエルは、とある計画を考えつく。それは、婚約者に社交界で婚約を破棄してもらい、その責任を取って家を出て、自由を手に入れるというものだった。
シエルの専属の執事であるラルフや、幼い頃から実の兄のように親しくしてくれていた婚約者の協力の元、シエルは無事に婚約を破棄され、父親に見捨てられて家を出ることになった。
ラルフも一緒に来てくれることとなり、これで念願の自由を手に入れたシエル。しかし、シエルにはどこにも行くあてはなかった。
それをラルフに伝えると、隣の国にあるラルフの故郷に行こうと提案される。
それを承諾したシエルは、これからの自由で幸せな日々を手に入れられると胸を躍らせていたが、その幸せは家族によって邪魔をされてしまう。
なんと、家族はシエルとラルフを広大な湖に捨て、自らの手を汚さずに二人を亡き者にしようとしていた――
☆誤字脱字が多いですが、見つけ次第直しますのでご了承ください☆
☆全文字はだいたい14万文字になっています☆
☆完結まで予約済みなので、エタることはありません!☆
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる