幼馴染みの2人は魔王と勇者〜2人に挟まれて寝た俺は2人の守護者となる〜

海月 結城

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院長とお祭り~3~

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 ピーカックとリュクスの魔道具選び、三回勝負、出したものの交換は不可。

「それじゃ、審判は院長お願いします」
「おう、任せろ。ごほん、これよりピーカック対リュクスの魔道具選び対決を開始する。ルールは簡単。それぞれ一つ魔道具を同時に出しそれの性能でどっちが上かを勝負する。途中で魔道具を変更するのは禁止だ。これを三回繰り返し、勝ち星が多いほうが勝者となる」
「分かった」
「了解した」
「頑張ってよリュクス」
「癪だけど、負けたら許さないからね、ピーカック」
「俺様が負けるわけないだろ」

 試合は一勝一敗で最終試合まで進んだ。

 ピーカックが出したのは水滴のガラス玉、リュクスが出したのはあの扇風機と、普通の扇風機の二つを出した。

「おい、なんでお前たち魔道具二個出してるんだ? しかも同じような魔道具を二つ」
「並べて見せたほうがいいと思って、用意しておいたんだ」
「え、ずる!!」
「比較対象になるものを持ってきちゃいけないって言われてないし。分かりやすくするためにわざわざ用意しただけだ」
「まぁ、ルール違反ではないな」
「そんなー」

 二人は順番に魔道具の説明を始めた。
 はじめはピーカックからだ。

「これは、最初見たときは俺様も騙された。ただのガラスが何故魔道具売り場にあるのか。それを不思議に思ってよかった。これに気づけたんだからな」
「それで、どんな魔法が入ってるんだ?」
「これは、なんと、天気に作用できる魔法が入ってる」
「「「天気に!?!?」」」

 リュクスと院長、ノルメは驚いてるが、僕とカリーナはそれが凄いことなのか理解できていない。

「それは、なにが凄いの?」
「火とか、水とかを作り出すのは簡単な命令式で出来るけど、天気を変える命令式は滅茶苦茶複雑なんだよ。そうだね、ざっと100の命令式を使うんだ。それほどまでの大魔法をこのガラスに封じ込めて、初見じゃ分からないようにしてるんだ」
「す、凄すぎて、逆に分からないや」
「わ、私も……」
「兎に角、滅茶苦茶凄いってこと」

 そして、次はリュクスの扇風機は前にも説明した通り、使用魔力が従来の十分の一だということだ。
 比較として持ってきた扇風機と比べてもらった。

「凄い、本当に1/10の魔力量で動かせる。

「さて、院長さん。勝負はどっちの勝ちだ?」

 ピーカックは既に勝ちを決めた顔で院長に結果を聞いた。そして、結果は……?

「最終試合、リュクスの勝利!! よって、総合的にリュクスの勝ちとなります!!」
「よっしゃぁぁぁぁ、あ、あ……え?」
「俺の勝ち?」
「おう。リュクスの勝ち」
「な、なんでだよ!? 絶対に俺様の勝ちだろ!!」
「いや、いい魔道具を見つける勝負だぞ? そんな大魔法、一般人何人分の魔力が必要になるんだよ」
「俺様一人で十分だろ」
「……あのな、普通の人間はお前ほど魔力持ってないんだよ」
「……おまえ、バカだったんだな」

 リュクスはそう言って嘲笑した。

「……てめぇ」
「お、落ち着いてピーカック」
「……」

 ピーカックはリュクスに殴り掛かることなく一息ついた。

「負けは負けだ。勝負がついたんだ。だが、次は絶対に負けないからな」
「俺も、いつでも勝負を受けるぞ」

 別に勝負に賭け事をしているわけじゃなかった。だけど、二人はその場のノリで勝手に罰ゲームを決めていた。

「それじゃ、この街で一番美味しいスイーツを俺たち全員分奢ってもらおうかな」
「まじ?」

 驚いて固まっているピーカックを置いて、僕たちこの街で一番おいしいスイーツのお店にやってきた。

「何名様でのご来店でしょうか?」
「六人で」
「かしこまりまし……すみません。少々お待ちください」

 店員さんは、僕たちの顔を見るなりバックヤードに消えていった。数十秒後に戻ってきた店員さんは僕たちをVIP専用の部屋に連れてきた。

「それでは、ご注文が決まりましたらそちらのボタンを押してお知らせください」
「あ、行っちゃった」
「なんで、こんないい部屋に連れてきたんだろ?」
「ね。普通の席もそこまで混んでるってわけじゃなかったもんね。それより、フォレス」
「何?」
「えへへ、何でもない」
「?」

 注文を済ませ、この街で一番美味しいと評判のパフェが来るのを待った。

「お待たせしました。こちら、果実のパフェでございます。ごゆっくりどうぞ」

 そのパフェを一言で表すなら、芸術だろう。高さ二十センチメートルはありそうなそのパフェに、花が咲くように綺麗に果実が並べられていた。

「ねぇ、フォレス」
「なに?」
「あーんして」
「……へ?」

 最近フォレスに全く甘やかされていなかったカリーナは、ちょうど目の前に座っているし、パフェというおしゃれなものをあ~んされたい欲に駆られていた。
 カリーナは、フォレスの返事を待たずに口を開いた。フォレスはパフェをスプーンですくいカリーナの口元にそれを持って行った。フォレスは恥ずかしそうに顔を赤らめながらもカリーナにあ~んした。

「ん、、、えへへ、ありがと。すごくおいしいよ」
「えっと、それは、よかった。……うん」
「それじゃ、次は私があ~んしてあげる」
「え、いや、それは……」
「はい」

 目の前にはニコニコと笑顔を浮かべながらパフェが乗ったスプーンを突き出してくるカリーナ。
 ちらっと、横目でみんなを確認すると、にやにやと笑っているみんなが居た。
 一瞬、断ろうと考えたが、それをしたらカリーナがどれだけ悲しむかを考え、僕は断るという選択肢を消した。覚悟を決めてそれを食べた。

「どう?」
「……味なんて分かんないよ」
「そっか。よかった」

 その後もパフェを食べたが、僕以外はとても満足していた。僕だけは全くを味を感じなかった。
 宿に戻ってからも、心臓のバクバクが止まらなかった。
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