幼馴染みの2人は魔王と勇者〜2人に挟まれて寝た俺は2人の守護者となる〜

海月 結城

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遺跡の探索⑤

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「貴女、聖女でしょ?」

 遺跡の隠し部屋で出会ったその女性はいきなりそんなことを聞いてきた。

「まぁ、この部屋自体聖女しか入れないようになってるから、貴方が聖女ってことはもう分かってるんだけどね」
「え、ええっと……え?」

 状況が掴めず「え」しか喋れず頭は混乱している。

「いきなりこんなこと言われても混乱するわよね。ちょっと待っててね、紅茶でも持ってくるから」
「あ、はい」

 持ってきてくれた紅茶を飲んで一息つくと頭が少しスッキリした。

「まずは自己紹介からね。どのくらい前か分からないけど聖女をしていた『アイリス』よ」
「やっぱり聖女だったんですね。私はノルメです。よろしくお願いします」

 私が自己紹介をすると、アイリスさんは食い気味に言葉を重ねてきた。

「ダメじゃない、嘘ついちゃ。聖女が嘘ついたらどんどん力弱くなっちゃうわよ」
「え!? そうなんですか!? と言うか、なんで私が嘘ついてるって分かったんですか?」
「逆になんで分からないんですか? 聖女の基本的な能力よ。それじゃ、今から嘘つくから感じてみて。それじゃ、貴女の友達に魔王が居るわよ」
「それは嘘じゃないです」

 嘘だと思って言ったことが嘘じゃなかった。アイリスさんはそれはそれは驚いていた。

「え? は? 魔王が友達にいるの!?」
「はい。そうですね」
「……嘘でしょ」
「本当です」
「確かに、嘘は付いてないみたいですね」
「まぁ、今はそれ置いといて適当に嘘ついてください」

 嘘をついてもらうがやっぱり何も感じない。

「もしかしたら、嘘を付きすぎたせいでその能力が薄くなったのかもしれないわ」
「そんなことが……やっぱり本当のこと話したほうが……」
「そうね。敵の嘘を見抜けるってのは結構強いから、使えたらいいけど。貴女のその嘘はきっと貴女にとって大事な嘘なのよね」
「……ええ、まぁ。そこまで分かるなんて、アイリスさんは正直に生きてきたんですね」
「私は、嘘つけない環境にいたからね」

 その後もアイリスさんと話していて二つの情報を得ることが出来た。
・勇者の仲間は『聖女』以外にも『聖騎士』『聖弓士』『聖魔士』の三人が居る
・上のどれかに必ず人間以外の種族が居る

「あ、そうだ。もしここに聖女が来たら渡したいものがあったんだ。ちょっと待っててね」
「分かりました」

 それから二、三分ほど待っていると、アイリスさんが手招きして来たので椅子から立ち上がってそっちに向かった。向かった先にあったのは一枚の大きな扉だった。

「ここに来るのも本当に久しぶりだから開け方忘れてたよ。ここにある手形に右手を当てて」

 言われた通りに左の扉の手形に右手を当てた。続いて、アイリスさんが右の扉の手形に左手を当てた。

「聖女の魔力を身に纏って、そしたら、せーのっ! で一緒に押すよ」
「分かりました」
「それじゃ、せーのっ!」

 掛け声とともに扉を開くとそこから霧のような何かが溢れてきた。霧のせいで奥まで見えないがそれでも奥に進んでいく。

「見えたわよ」

 奥に進むと霧が晴れて壁に何かが飾られているのが分かった。

「……? あれは? 杖?」
「あれはね、私が昔魔王討伐した杖だよ」
「あれで魔王討伐したんですか!?」
「ええ、あの魔王は強かったわ。確か黒髪をポニテールにしていたわね」
「名前って覚えてますか?」
「ええ、覚えているわ。なんたって、私以外のみんなを殺しちゃったんですから」




「おーい、リュクス。こっちに水があるよ」
「フォレス、見つけてくれてありがとうな」
「にしても、生ごみが落ちてくるなんて変な罠があったな」
「院長もそう思うか?」
「思うね。でもまぁ、この遺跡は殺すことを目的としてないからこんな罠だったのかもな」
「いやいや、俺の選んだ道は完全に俺のこと殺しに来てたぞ。変なゴリラが」
「そういえば、院長が選んだ道ってどんな道だったの?」
「俺が選んだ道? そう面白い道じゃなかったぞ。それでも聞きたいか?」
「水浴びしてる最中暇だから教えてよ」
「分かったよ」

 院長視点

 俺が選んだ道は途中まで普通の道だったが途中で景色が一変した。

「ここは、どこだ?」

 そこはまるで宇宙。突如として風景が変わり一本の道が出て来た。その道をずっと歩いている。

「で、ここに来たって訳」
「「……え? それだけ?」」
「おう。本当、それだけだ」
「えー、院長、つまんな」
「ほんとそれだけ?」
「本当だぞ」

 まぁ、嘘なんだがな。こればかりはフォレス、お前にも教えられない。

「全く、お前たちは一体何なんだよ」
『いいじゃないですか、偶にはゆっくり話しましょうよ』
「まぁ、そうだな。お前は、あいつらの中でも少しだけ話が出来る奴だからな」
『ひどい言われようですね。否定はしませんが』
「ほら、客人だぞ。茶でも出せ」
『はいはい。分かりましたよ。茶菓子は、まんじゅうと羊羹どっちがいいですか?』
「そんなもんは知らん。おススメを頼む」

 そいつは、お茶とさっきのどっちか分からない丸くて柔らかそうなお菓子を持って戻って来た。
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