幼馴染みの2人は魔王と勇者〜2人に挟まれて寝た俺は2人の守護者となる〜

海月 結城

文字の大きさ
53 / 147

遺跡の探索⑦

しおりを挟む
 みんなが集合して少しの時間が経ってから遺跡の奥に向かった。

「ノルメ、顔色悪いけど大丈夫?」
「……え、あ、うん。楽しみだね!」
「? う、うん。楽しみ……だね」
「二人とも、速く来い」
「まったく……リュクスはなってないんだから。女の子の歩幅に合わせて歩いなさいよ」
「うるせぇ! さっさと行くぞ」

 遺跡の奥に進んでいくと、足元にレンガが現れ始めた。
 更に奥に進んでいくと、一枚の巨大な扉が見えてきた。その高さ、およそ十メートル。どうやってやって開けるのか、扉に手形がある訳でもなく、何かをはめ込む穴も開いていない。そんな時、院長が扉の隣にある石碑を見つけた。
 そこに書かれていたのは言葉はこうだった。

『汝ら、諸悪の根源と正義の力を同刻にこの扉を崩壊させよ。さすれば虚像の扉は消滅し真の扉が開かれるだろう』

 これを読んで、僕たちはカリーナとリュクスの二人を見た。

「任せろ!」
「任せなさい!」
「俺に合わせろよ」
「はぁ!? 私に合わせなさいよ」
「俺に合わせろ!!」
「私に合わせなさい!!」

 二人が睨めあって喧嘩しているのをなだめ、合図は僕が出すことにした。

「それじゃ、せーのっ! っで行くよ」
「「了解」」
「せーのっ!」

 そして、二人の魔力が扉にはタイミングのズレが発生して着弾した。

「あっちゃー、よくあるタイミングのずれが発生してるな」
「私もあれはやったことあるわ」

 そのタイミングのズレは多分みんなやった事があると思う。「せーのっ!」を言い終わってから一拍置いてから魔力を放つのか、それとも「せーのっ!」を言い終わったと同時に魔力を放つのか、そのタイミングの違いでズレが発生したのだ。

「ちょっと!! なんで、一拍置かないの!!」
「お前こそ、なんで「せーのっ!」を言い終わった同時に魔力を撃たないんだよ!!」
「まぁまぁ、今のは僕がどっちで撃つか言ってなかったのが悪いから、次は一拍置いてから撃ってね」

 そして、次で扉が開くかと思われたが、何故か次もタイミングがズレてしまった。

「……リュクス? わざとやったね」

 カリーナは目を鋭くしながらリュクスを睨んでいた。
 睨まれたリュクスは、お腹を抱えて笑い転げていた。

「はぁ、リュクス、お前なぁ……」

 それを遠くで見ていた院長とノルメは昔を語っていた。

「あいつら、いつまであんなことやってるんだよ」
「その言い方だと、昔もあんなことやってたんですか?」
「やってたぞ、いつもリュクスがちょっかい出して、カリーナがそれに怒って喧嘩して、それをフォレスが止める。ほぼ毎日やってたな」
「あはは、そうなんですね」
「酷いときは食糧庫とか畑とか潰されたな」

 院長の話を聞いていたノルメは苦笑いを浮かべていた。

「まぁ、それすらもたった数分で直していたけどな」
「……やっぱり、あの三人は凄いですね……私も見習わないと」
「見習うのか……頑張れよ」
「はい! 頑張ります」

 そして、リュクスとカリーナを何とか宥めることに成功した。

「それじゃ、本番行くよ」

 そして、合図とともに勇者カリーナと魔王リュクスの魔力が巨大な扉に衝突した。それと同時に扉が光り、煙になって消え更に巨大な扉が現れた。

「これ、押せるのかな?」
「リュクスとカリーナで押してみたら?」
「フォレス、合図はお願いね」
「了解だよ」

 合図とともに押した扉はびくともしなかった。

「あれ? タイミングもばっちりだったんだけどな」

 他に開けるための要因が何かあるのかと思いその扉に触れてほんの少しの力で押してみた。すると、扉はゴゴゴッと音を鳴らして開いてしまった。

「あ、あれ~? 何で開いたんだ?」
「何か、ヒントでもあったか?」
「いや~、本当に分からない」

 みんなは、本当に何で開いたのかは分かっていない。そう、みんなが見落としているものがあった。それは、後ろの壁だ。実は後ろの壁には隠された石碑がある。そこには、勇者と魔王以外の人物がその扉を開けたら開くと書いてあった。

「ま、開いたんだし、先に行こうぜ」

 リュクスを先頭に開いた扉に入っていった。入った先は巨大な広間になっていた。野球の球場が一個丸々入るぐらいの広間だ。その広間の壁に巨大な壁画が一枚描かれていた。

「これは、凄いな……」
「こんな綺麗な壁画初めて見ました」
「……」
「お兄ちゃん、どうしたの? それに、カリーナも魔王も……?」
「この壁画、大きすぎないか?」
「やっぱり、そうだよね」
「あの遺跡にあったのは、こんなに大きいサイズの壁画の跡じゃなかった」

 僕たち三人が見た、初めての遺跡ではここまで大きい壁画ではなかった。もしかしたら、この壁画はまた別の壁画なのかもしれない。

 この壁画には何かの大戦が描かれていた。左から右に視線を移していくとどんどん戦いが激しくなり、大戦が終結していくまでを描いた石碑になっていた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

無能烙印押された貧乏準男爵家三男は、『握手スキル』で成り上がる!~外れスキル?握手スキルこそ、最強のスキルなんです!

飼猫タマ
ファンタジー
貧乏準男爵家の三男トト・カスタネット(妾の子)は、13歳の誕生日に貴族では有り得ない『握手』スキルという、握手すると人の名前が解るだけの、全く使えないスキルを女神様から授かる。 貴族は、攻撃的なスキルを授かるものという頭が固い厳格な父親からは、それ以来、実の息子とは扱われず、自分の本当の母親ではない本妻からは、嫌がらせの井戸掘りばかりさせられる毎日。 だが、しかし、『握手』スキルには、有り得ない秘密があったのだ。 なんと、ただ、人と握手するだけで、付随スキルが無限にゲットできちゃう。 その付随スキルにより、今までトト・カスタネットの事を、無能と見下してた奴らを無意識下にザマーしまくる痛快物語。

荷物持ちの代名詞『カード収納スキル』を極めたら異世界最強の運び屋になりました

夢幻の翼
ファンタジー
使い勝手が悪くて虐げられている『カード収納スキル』をメインスキルとして与えられた転生系主人公の成り上がり物語になります。 スキルがレベルアップする度に出来る事が増えて周りを巻き込んで世の中の発展に貢献します。 ハーレムものではなく正ヒロインとのイチャラブシーンもあるかも。 驚きあり感動ありニヤニヤありの物語、是非一読ください。 ※カクヨムで先行配信をしています。

魔道具は歌う~パーティ追放後に最高ランクになった俺を幼馴染は信じない。後で気づいてももう遅い、今まで支えてくれた人達がいるから~

喰寝丸太
ファンタジー
異世界転生者シナグルのスキルは傾聴。 音が良く聞こえるだけの取り柄のないものだった、 幼馴染と加入したパーティを追放され、魔道具に出会うまでは。 魔道具の秘密を解き明かしたシナグルは、魔道具職人と冒険者でSSSランクに登り詰めるのだった。 そして再び出会う幼馴染。 彼女は俺がSSSランクだとは信じなかった。 もういい。 密かにやってた支援も打ち切る。 俺以外にも魔道具職人はいるさ。 落ちぶれて行く追放したパーティ。 俺は客とほのぼのとした良い関係を築きながら、成長していくのだった。

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

最弱Sランク冒険者は引退したい~仲間が強すぎるせいでなぜか僕が陰の実力者だと勘違いされているんだが?

月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中
ファンタジー
冒険者のノエルはSランクパーティーの荷物もちだった。 ノエル自体に戦闘能力はなく、自分のことを足手まといだとすら思っていた。 そして、Sランクになったことで、戦うモンスターはより強力になっていった。 荷物持ちであるノエルは戦闘に参加しないものの、戦場は危険でいっぱいだ。 このままじゃいずれ自分はモンスターに殺されてしまうと考えたノエルは、パーティーから引退したいと思うようになる。 ノエルはパーティーメンバーに引退を切り出すが、パーティーメンバーはみな、ノエルのことが大好きだった。それどころか、ノエルの実力を過大評価していた。 ノエルがいないとパーティーは崩壊してしまうと言われ、ノエルは引退するにできない状況に……。 ノエルは引退するために自分の評判を落とそうとするのだが、周りは勘違いして、ノエルが最強だという噂が広まってしまう。 さらにノエルの評判はうなぎのぼりで、ますます引退できなくなるノエルなのだった。 他サイトにも掲載

攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】

水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】 【一次選考通過作品】 ---  とある剣と魔法の世界で、  ある男女の間に赤ん坊が生まれた。  名をアスフィ・シーネット。  才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。  だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。  攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。 彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。  --------- もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります! #ヒラ俺 この度ついに完結しました。 1年以上書き続けた作品です。 途中迷走してました……。 今までありがとうございました! --- 追記:2025/09/20 再編、あるいは続編を書くか迷ってます。 もし気になる方は、 コメント頂けるとするかもしれないです。

異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜

沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。 数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。

処理中です...