世界一の魔術鍛治師〜どんな剣も名剣へ〜

海月 結城

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カナハルムの武器

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 ルークはその後、カナハルムの武器を持ち、工房に入っていった。

「あの、ルークさん。どのくらいで終わりますか?」
「そうだな、5時間ってところだな」
「……5時間ですか」
「どうした?」
「あ、いえ。実は、今宿に泊まれるだけのお金が無いんですよ。もう夜になったしクエストも受けられませんし」
「なるほどな。だったら、ここの二階にある部屋で寝てくれ。部屋は腐るほどあるしな」
「本当ですか!? ありがとうございます!」

 そう言って、カナハルムは二階への階段を上っていった。

「さて、どうしたもんかな」

 ルークは、この剣をどう生かすかを考えていた。この剣に合う金属が結構あるのだ。ルークには鑑定のスキルがある為、この剣を鑑定したのだ。その結果がこれだ。

 ―――――
 銘:鉄の剣
 耐久:300(-5)
 斬れ味:60(25)
 ランク:D
 ―――――

 これが、鑑定した結果だ。普通耐久値はマイナスなど行かない。これが、今でも形を保っている謎の答えだ。
 そして、斬れ味。これは中の下あたりの斬れ味だろう。
 そして、ランクだ。これはFからSSまでの8個の階級がある。これも、Fは、耐久も斬れ味も最悪の武器で、ゴブリンやコボルト、オークなどが所持している武器がこれに当たる。そして、SSの武器は神剣と言われており、この世界には、聖剣しかないと言われているような、伝説の武器だ。昔、神々が気紛れで創り、この星に放り投げななど言われている。

 さて、話は戻るが、鉄の剣に合う金属はやっぱり魔力伝導がいい金属がいいよな。ってなると、やっぱりあの金属か。ルークは近くにある袋に手を伸ばし、中から、銀色の鉱物を取り出した。
 まず、鉄の剣をかまどにいれ溶かして、そこにさっき取り出した鉱物も入れた。2つがよくかき混ざるように混ぜて、取り出し、型に流し込む。カナハルムは長剣使いだったので、その型に流し込んだ。一旦それが冷えるまで待っていると、後ろから、名前を呼ぶ声が聞こえた。

「ルークさん」
「ん? どうした?」
「少し、見ていってもいいですか?」
「いいが、面白いものじゃないぞ」
「自分の剣がどんな風に造られるのか興味があるんですよ」
「ほぉ、物好きだな。勝手にしろ」
「はい!」

 そして、再びかまどにいれ、剣が赤くなるまでいれ、取り出し、ハンマーで叩く。カンッカンッととても綺麗な音が、鍛冶屋に響き渡った。そして、水に入れ冷やす。
 そして、それを何度か繰り返し、ついに、剣はできた。

「どうだ?」
「とても、持ちやすいです。それに、軽いです」
「そうか。なら、一旦返してくれ。最後の工程だ」

 そういって、ルークは紙に魔法陣を書き始めた。

「あの、それは?」
「これは、魔法陣だが?」
「なんで剣に魔法陣が必要なんですか? その工程って、魔剣を作るときの工程ですよね。それに、成功率は1%もないっていう」
「何いってるんだ? 成功率は100%だぞ。ま、見てればわかる。今回は、「斬れ味増加」「筋力増加」「耐久力増加」をこの魔法陣につけてある。本当はもっとつけたいが、それはこの剣には耐えられないからな、これだけで勘弁してかれ」

 それを聞いたカナハルムは、唖然としていた。それはそうだろう、世界に10本はないと言われている名剣が、今まさに造られようとしているのだから。

「ほい、できたぞ」
「……え、あ、はい」
 ―――――
 銘:金剛剣
 耐久:50000
 斬れ味:900
 ランク:A
 付与:斬れ味増加・筋力増加・耐久力増加
 ―――――
「試しに、これでも斬ってみろ」

 そう言って、ルークはカナハルムに向かって丸太を軽く投げた。
 カナハルムは、それを斬ろうと剣を振るうが、なんの手応えを感じられなかった。しかし、カナハルムを通り過ぎたと思われた丸太は、真っ二つに割れて床に転がり落ちた。

「どうだ?」
「すごい……です」

 こうして、この世界に名剣がまた増えた。
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