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扉
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『彼一体何なんだい?』
「……」
『まあいいや、早いとこここを抜けないと彼またやってきそうだしな』
『そのまま黙って私に続きなさい』
一言もしゃべれないまま、目の前を進む影は一人勝手に会話を終了すると歩き始めた。
不思議なことに、影が一歩進むごとに周りの光景が瞬く間に変わる。
闇しかなかった回路に、少しずつ装飾が増えていって、気が付けば金銀財宝に飾られたとても煌びやかな道になっていた。
さわさわと、囁き声が聞こえる。
闇を抜けたあたりから気付いてはいたが、道の端にてこちらを伺う数多の影があった。
目の前を行く影に比べればとても薄いものではあるが、確かに存在してこちらを見、何かを囁きあっている。
そして、この影たちは私が一歩でもその存在の先へ行けば恭しくその場に片膝を付き頭を下げるのだ。
つまり、今私の後ろにはたくさんの影が傅いていることになる。
『ここは神の回廊』
『さっきも言ったっけ』
ああ、そう言えばライルと対峙しているときにそんなことを言っていた気もする。
『ここはまだ下界と繋がっているからね、さっきみたいなことも理論上はあり得るけど実際に起こったのは初めてじゃないかな』
下界と、繋がって?
『ここは下界で偉業を成し、神にその名を連ねるに相応しいと判断されたものが最初に通るところ。 そして存在する神々が新たな神になったものに恭順するか、されるかが定められる場所』
……神?
そんなものが、本当に存在するのか。
『そりゃあ存在しますとも。 今こうして、私と君はしゃべっている。 多分君は上位の神だろうとは思っていたが……それにしてもだいぶん上だねぇ』
感慨深げに、影はそう言った。
その言葉に釣られるように周りを見てみれば、さっきまであった豪奢な飾りの道は姿を消し、透き通る結晶で作られた神殿の姿になっていた。
しかもただの結晶ではない。 かなり強大な魔力を秘めている魔石で出来た神殿だ。
神殿の中にいる影は八人。
誰一人口を開かず、ただじっと、こちらを見ている。
神殿の最奥には大きな白い扉があり、その面には金の彫刻が施されていた。
彫刻は六つに区切られ、それぞれに美しい人が彫られている。
『進もうか、ここまでくると、君がどこまで行けるのかがとても気になるよ……あの扉を、開けることになるだろうか』
ここまで導いた影は、もう先導しなかった。
そっと歩きだす。 一人、二人、そうして扉の前まで。
間近で見ても美しさを損なわない、僅かな違和感すら感じないあたり本当に丁寧に彫られた彫刻なのだろう。
何も言われなくとも、どうすればいいのかはわかっていた。
手を触れればいい。 それだけでいい。
それだけで――。
「……」
『まあいいや、早いとこここを抜けないと彼またやってきそうだしな』
『そのまま黙って私に続きなさい』
一言もしゃべれないまま、目の前を進む影は一人勝手に会話を終了すると歩き始めた。
不思議なことに、影が一歩進むごとに周りの光景が瞬く間に変わる。
闇しかなかった回路に、少しずつ装飾が増えていって、気が付けば金銀財宝に飾られたとても煌びやかな道になっていた。
さわさわと、囁き声が聞こえる。
闇を抜けたあたりから気付いてはいたが、道の端にてこちらを伺う数多の影があった。
目の前を行く影に比べればとても薄いものではあるが、確かに存在してこちらを見、何かを囁きあっている。
そして、この影たちは私が一歩でもその存在の先へ行けば恭しくその場に片膝を付き頭を下げるのだ。
つまり、今私の後ろにはたくさんの影が傅いていることになる。
『ここは神の回廊』
『さっきも言ったっけ』
ああ、そう言えばライルと対峙しているときにそんなことを言っていた気もする。
『ここはまだ下界と繋がっているからね、さっきみたいなことも理論上はあり得るけど実際に起こったのは初めてじゃないかな』
下界と、繋がって?
『ここは下界で偉業を成し、神にその名を連ねるに相応しいと判断されたものが最初に通るところ。 そして存在する神々が新たな神になったものに恭順するか、されるかが定められる場所』
……神?
そんなものが、本当に存在するのか。
『そりゃあ存在しますとも。 今こうして、私と君はしゃべっている。 多分君は上位の神だろうとは思っていたが……それにしてもだいぶん上だねぇ』
感慨深げに、影はそう言った。
その言葉に釣られるように周りを見てみれば、さっきまであった豪奢な飾りの道は姿を消し、透き通る結晶で作られた神殿の姿になっていた。
しかもただの結晶ではない。 かなり強大な魔力を秘めている魔石で出来た神殿だ。
神殿の中にいる影は八人。
誰一人口を開かず、ただじっと、こちらを見ている。
神殿の最奥には大きな白い扉があり、その面には金の彫刻が施されていた。
彫刻は六つに区切られ、それぞれに美しい人が彫られている。
『進もうか、ここまでくると、君がどこまで行けるのかがとても気になるよ……あの扉を、開けることになるだろうか』
ここまで導いた影は、もう先導しなかった。
そっと歩きだす。 一人、二人、そうして扉の前まで。
間近で見ても美しさを損なわない、僅かな違和感すら感じないあたり本当に丁寧に彫られた彫刻なのだろう。
何も言われなくとも、どうすればいいのかはわかっていた。
手を触れればいい。 それだけでいい。
それだけで――。
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