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追憶
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光り輝く夜だった。
真っ黒な空を数多の星が駆け、消えていく。
月の光など無くとも、きっと真昼のように世界を輝かせていた。
吉兆か、それとも災いの前触れか。
家を訪れた王に問われた言葉に、御師さまは無言を貫いた。
その正体など、神でなくては分かりはしないだろう。
難しい顔をして、答えなど出るはずの無い話を続ける大人達を尻目に家を抜け出す。
多くいる兄姉弟子にも、御師さまにも、見つからぬように。
誰の目にも触れぬように。
私が自分の意思で動いたのは、きっとこの時が初めてだった。
感情というものに乏しい私が、何かに急かされるように山を登った。
何か、が何であるか。 そんなことは分からないまま、足を動かした。
木々に囲まれた暗くない森を歩く。 道とすら呼べないような獣道を進む。 不思議と迷いは無かった。
獣の気配一つ感じ取れない異様に静かな森。
清廉な気に満ちた湖を抜け、それそのものが煌々と発行する大樹を抜け、神獣の住まう山頂へ。
いつの間にやら虹色に輝く空を駆ける星々と同じように色とりどりの光球が私の周りを漂って、そして私を導くかのように山頂へ向けて先にゆく。
きゃらきゃらと笑うその小さな者たち声は界が異なるせいかぼやけて聞こえるが、非常に楽しそうなのは伺えた。
精霊だ。意味のある言葉を発することの出来ない弱い精霊だが、敬い親しめば契約をしていない人間にもその恩恵を与えてくれる貴き者たちだと、前に姉様が教えてくれた。
魔石になった姿しか見たことが無かった私に、少なくいない衝撃を与えた、小さき者たち。
そんな彼らが、楽しそうに笑いながら私の前を駆けていく。
歩む速度は自然と早まっていった。
異様な程に明るい夜、薄い酸素のせいかそれともまだ傷の癒え切らない身体に鞭打ちこんな所まで来たせいか浅く粗くなる呼吸に合わせて白色の靄が口から漏れる。
見渡す限りの木々が少しずつ開けていくほどに眼前に夜空が広がる、輝く空が。それはまるで星で出来た海のようで。
そうして辿り着いた山頂に、それはいた。
倒れ伏す年老いた神獣に寄り添うように輝く、一際大きな白い光の玉が。
荒い呼吸に合わせて神獣の胸が上下する。
今、まさに獣は今際の際を迎えていた。
そっと、獣の元へ膝を付きその鼻筋を撫でる。
拒む様子はなく、おとなしくされるがままになる獣の角の先で揺らぐ光の玉は、まるで獣に生命力を与えているようにも、奪っているようにも見えた。
ただ流星が駆け続ける、静かな時間が過ぎていく。
その獣の灯が消える、その瞬間まで。 私はただ、その獣を撫でながら見つめ続けていた。
命の灯を燃やし尽くしたのだろうか、光は一度ふわりと離れそして獣の姿を覆い隠ように広がった。
光が元の大きさまで収まった時にはもうその場所に獣は無く、万能薬の元になるという角のみが残されていた。
その角を拾い上げる。 淡く発光してまだ暖かい。
すさまじいほどの魔力。
確かにこれなら、どんな傷も病も治せる万能薬の元になるだろう。
神獣のいた場所に、光は未だ残っていた。
先ほどより大きく成長していて、気のせいかもしれないが、その中にぼんやりと小さい子供の様な輪郭があるように見える。
私が光に向けて手を伸ばせば、中の子供も私の方へ手を伸ばし笑った。
『ほしのこ』
鈴の鳴るような可憐な声。
精霊たちが笑う時と同じくぼやけて聞こえるのは彼女もまた同じ存在だからだろうか。
初めて聞くはずのその声はどうしてか、ひどく懐かしく感じた。
『どうしてここにいるの? ほしのこ』
光の中の子供は相変わらず輪郭しか窺うことはことが出来ない。
手を取り合うほどの距離に居ても全くその相貌を見ることが出来ないのなら、もしかしたらそれが真理なのかもしれない。
顔も何もないこの姿を形どっているだけのもの、ただの虚構でしか。
『さだめではないこ……神(まま)がこまっていたわ』
光の中で無邪気に微笑みながら言葉を紡ぐ子供の姿の何か。
神と呼ばれる物を母と呼ぶのなら、彼女は神の使いとかそういったものに近い存在なのだろうか。
そんな彼女の言うことはいまいちよく理解はできないが、不思議と、そんなことはどうでもいいと思った。
不自然なほどにすんなりと、その感情は私の心に落ちてきて。
どうでもいい、そう、関係ないのだ。
彼女の放つ言葉にどんな意味が込められていたとしても。
私は、そんなことを気にしない。
ただ私は――。
『あなたはしぬのよ』
きゅっと、精霊である彼女が私の手を握りしめる。
思わず笑みがこぼれる。 多分、生まれて初めて。
それもいい。それでもいい。
自分が死のうが、何だろうが。
きっと私は、初めから生まれてなんかいなかった。
存在していただけ、喜びも、苦痛も、恐怖も悲しみも。
感情というものが一切存在すらしない者が生きてなどあるはずもないのだ。
「いいよ」
温度の無い冷たい筈の手のひらを、暖かいと思ったから。
感じたことのないものが、私の心に刺さったから。
僕はそれに縋りつく様に力を込めた。
ぽたりと、生温い雫が頬を伝う。
私の意思とは関係なく流れ出したそれの意味なんてものは知りようもないけど。
この出会いはきっと、私を地獄に落とすだろうな、と直感的に悟ったけど。
それでも、それでもきっと、これで良かったんだ。
そう、思えたことすら嬉しかったから。
真っ黒な空を数多の星が駆け、消えていく。
月の光など無くとも、きっと真昼のように世界を輝かせていた。
吉兆か、それとも災いの前触れか。
家を訪れた王に問われた言葉に、御師さまは無言を貫いた。
その正体など、神でなくては分かりはしないだろう。
難しい顔をして、答えなど出るはずの無い話を続ける大人達を尻目に家を抜け出す。
多くいる兄姉弟子にも、御師さまにも、見つからぬように。
誰の目にも触れぬように。
私が自分の意思で動いたのは、きっとこの時が初めてだった。
感情というものに乏しい私が、何かに急かされるように山を登った。
何か、が何であるか。 そんなことは分からないまま、足を動かした。
木々に囲まれた暗くない森を歩く。 道とすら呼べないような獣道を進む。 不思議と迷いは無かった。
獣の気配一つ感じ取れない異様に静かな森。
清廉な気に満ちた湖を抜け、それそのものが煌々と発行する大樹を抜け、神獣の住まう山頂へ。
いつの間にやら虹色に輝く空を駆ける星々と同じように色とりどりの光球が私の周りを漂って、そして私を導くかのように山頂へ向けて先にゆく。
きゃらきゃらと笑うその小さな者たち声は界が異なるせいかぼやけて聞こえるが、非常に楽しそうなのは伺えた。
精霊だ。意味のある言葉を発することの出来ない弱い精霊だが、敬い親しめば契約をしていない人間にもその恩恵を与えてくれる貴き者たちだと、前に姉様が教えてくれた。
魔石になった姿しか見たことが無かった私に、少なくいない衝撃を与えた、小さき者たち。
そんな彼らが、楽しそうに笑いながら私の前を駆けていく。
歩む速度は自然と早まっていった。
異様な程に明るい夜、薄い酸素のせいかそれともまだ傷の癒え切らない身体に鞭打ちこんな所まで来たせいか浅く粗くなる呼吸に合わせて白色の靄が口から漏れる。
見渡す限りの木々が少しずつ開けていくほどに眼前に夜空が広がる、輝く空が。それはまるで星で出来た海のようで。
そうして辿り着いた山頂に、それはいた。
倒れ伏す年老いた神獣に寄り添うように輝く、一際大きな白い光の玉が。
荒い呼吸に合わせて神獣の胸が上下する。
今、まさに獣は今際の際を迎えていた。
そっと、獣の元へ膝を付きその鼻筋を撫でる。
拒む様子はなく、おとなしくされるがままになる獣の角の先で揺らぐ光の玉は、まるで獣に生命力を与えているようにも、奪っているようにも見えた。
ただ流星が駆け続ける、静かな時間が過ぎていく。
その獣の灯が消える、その瞬間まで。 私はただ、その獣を撫でながら見つめ続けていた。
命の灯を燃やし尽くしたのだろうか、光は一度ふわりと離れそして獣の姿を覆い隠ように広がった。
光が元の大きさまで収まった時にはもうその場所に獣は無く、万能薬の元になるという角のみが残されていた。
その角を拾い上げる。 淡く発光してまだ暖かい。
すさまじいほどの魔力。
確かにこれなら、どんな傷も病も治せる万能薬の元になるだろう。
神獣のいた場所に、光は未だ残っていた。
先ほどより大きく成長していて、気のせいかもしれないが、その中にぼんやりと小さい子供の様な輪郭があるように見える。
私が光に向けて手を伸ばせば、中の子供も私の方へ手を伸ばし笑った。
『ほしのこ』
鈴の鳴るような可憐な声。
精霊たちが笑う時と同じくぼやけて聞こえるのは彼女もまた同じ存在だからだろうか。
初めて聞くはずのその声はどうしてか、ひどく懐かしく感じた。
『どうしてここにいるの? ほしのこ』
光の中の子供は相変わらず輪郭しか窺うことはことが出来ない。
手を取り合うほどの距離に居ても全くその相貌を見ることが出来ないのなら、もしかしたらそれが真理なのかもしれない。
顔も何もないこの姿を形どっているだけのもの、ただの虚構でしか。
『さだめではないこ……神(まま)がこまっていたわ』
光の中で無邪気に微笑みながら言葉を紡ぐ子供の姿の何か。
神と呼ばれる物を母と呼ぶのなら、彼女は神の使いとかそういったものに近い存在なのだろうか。
そんな彼女の言うことはいまいちよく理解はできないが、不思議と、そんなことはどうでもいいと思った。
不自然なほどにすんなりと、その感情は私の心に落ちてきて。
どうでもいい、そう、関係ないのだ。
彼女の放つ言葉にどんな意味が込められていたとしても。
私は、そんなことを気にしない。
ただ私は――。
『あなたはしぬのよ』
きゅっと、精霊である彼女が私の手を握りしめる。
思わず笑みがこぼれる。 多分、生まれて初めて。
それもいい。それでもいい。
自分が死のうが、何だろうが。
きっと私は、初めから生まれてなんかいなかった。
存在していただけ、喜びも、苦痛も、恐怖も悲しみも。
感情というものが一切存在すらしない者が生きてなどあるはずもないのだ。
「いいよ」
温度の無い冷たい筈の手のひらを、暖かいと思ったから。
感じたことのないものが、私の心に刺さったから。
僕はそれに縋りつく様に力を込めた。
ぽたりと、生温い雫が頬を伝う。
私の意思とは関係なく流れ出したそれの意味なんてものは知りようもないけど。
この出会いはきっと、私を地獄に落とすだろうな、と直感的に悟ったけど。
それでも、それでもきっと、これで良かったんだ。
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―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
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