クロッカ・マーガレット・ハイランスの婚約破棄は初恋と共に

佐原香奈

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討論大会

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伯爵家の跡取りとして将来が約束されたアルベルトが特進科という卒業後宮廷内で働くことを希望する成績優秀者のみ入れる特別クラスに移籍したのには複雑な理由があった。


アルベルト本人は、後継者教育を受けていたし、伯爵家を継ぐことは幼い頃から当たり前のように受け入れていた。


領主の元に産まれただけの自分に、領民が向ける期待。


それに答えられるように精進するすることが、生まれながらの宿命と考えていた。
自分の生活は民によって与えられているものだと幼い頃から教えられ、だからこそ努力をするべきだと教えられたし、納得していた。


知識は多いに越したことはないと勉学に励み、知識を得ると世界が広がったように思えて、知識の海に飛び込んでいった。
本に書かれていることは事実ばかりではないと言うことに気付くまでそれほど時間はかからなかった。
史実を追ってみたいと思うようになり、知識と現実の差を埋めるように情報を得る手段を会得するようになった。
それは街にいる平民の老人であったり、領地にある図書館の司書であったりした。


領民たちは、関心ごとが尽きないかのように領地を歩き回る未来の領主様と交流することを楽しみにしていた。
領民すべての息子のように大切にされていたのが、学園に入るまでのアルベルトだった。



当然、特進科への移籍は考えていなかった。
学園に入り半年過ぎた頃、学園では討論大会が行われる時期に差し掛かった。


パネルディスカッション形式で行われ、コーディネーターと呼ばれる司会役を行うものが議題を掲げ、パネリストと呼ばれる、討論者5名で議題について討論し、決められた時間内にコーディネーター役がそこで出された意見をまとめる。

司会役とパネリスト両者へ評価ポイントを付けていくもの。


討論される議題に合わせて、学園内から討論する5人を選出するのもコーディネーター役で、議題に対しての知識があり、意見が偏らない人を選ぶ。
もちろん人選が評価に影響してくる。
選ばれた者は基本的に拒否することは出来なかった。


学園全員が5人を選出するが、全員がパネリストに選ばれることはない。
しかし、だからこそ大会となる。
知識を多く有し、他者にパネリストとして適材だと選ばれる人材ほどポイントが集まる。
議題は、世界平和から、この国で一番好まれている食べ物についてまで、毎年幅広い。


この人選のために、貴族階級に囚われない学園内の交流が増えていくため、有意義な大会と評される伝統的な学園行事となっていた。
近年では他国からの視察も入るようになり、学園も力を入れていた。
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