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女
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「話がついたのでしたら、そろそろ私もお話を聞きたいのですがよろしいですか?」
この場で涼しい顔をしているのはクロッカの方だった。
彼女はもう無駄にアルベルトに期待を寄せることもない。婚約破棄するもしないも自分が決められるのだ。何が起こってももう動じることはないだろう。
「あぁ、すまなかったね。君にまた会えて嬉しいよ」
憂いさえ感じるほど優しく微笑んだアルベルトもまた、爽やかさを盾にした強引さを見せることはなかった。
彼はこのまま自分の手元に置くこともやめるべきだと思いつつも、修道院へ行かせることも出来ないと葛藤している最中だった。どれだけ考えても答えは出せないでいた。
「そうですか。私は2年間伏せられたあなたの本当の考えを今更になって聞かなくてはいけなくなって憂鬱ですわ。2度と会うことはないと思っていましたのに」
クロッカは笑みを見せることもなく、淡々と口を動かしていた。
わざわざ自分を傷つける話を聞きに来たのだ。
絶対に泣いてやるものかと気合だけは入っていた。
「その話は誰から?」
「誰からもまだ聞いておりません。ただ、もう想像はついていますの。わざわざここまで来たんですもの、その想像を超えるお話が聞けたら嬉しいのですけど」
アルベルトは困った様に眉を下げていた。
彼はこんな顔も出来たんだなとクロッカはまじまじと観察していた。
きっと彼はいつもこんな風にどこか客観的にクロッカを見ていたのだろう。
「その期待を越えたくはないのだが…すまない。私はシュゼインが全てを捨てて君を選ぶと考えて、その間の時間稼ぎとして婚約をしていた。君には残酷なことをしてしまった」
「あらそう。聞くまでもない話だったわね」
アルベルトの言葉に被せる様に言い放つと、クロッカはもう一度レモン水を口に入れた。
あぁ本当に馬鹿げたことだという思いを一緒に飲み込んだ。
「ワーデン伯爵様、レモンの花言葉をご存知?」
「誠実な愛…かな?」
「えぇ。そうね。でももう一つありますのよ。思慮分別。あなたに送るのにぴったりの言葉だと思います」
ただの一度でもクロッカの視点に立てたのなら結果は違ったことだろう。
もっと早く気付いてくれていたら傷はもっと浅く済んだだろう。
2年だ。赤ん坊だって言葉を話し1人で歩けるだろう。
長すぎたのだ。クソ野郎だと汚い言葉が思い浮かぶのにどうしようも無くそのクソ野郎が好きだったのだと思い知らされる。
「あぁ…申し訳ない」
もうアルベルトは修道院へ行って欲しくないと伝えることも出来なかった。自分がその立場にないと正しく理解していた。
「私はもう、謝られることにも疲れているの。頭を下げたから、謝罪をしたから何になると言うのかしら。何も出来ないのなら何もしなければいいのに。これ以上ここにいても無駄ね。失礼するわ」
クロッカは決意していた。
自分の力で幸せを手に入れようと。
この頼りない男達の手がなくても幸せになれるのだと。
女は操り人形ではないと証明しようと。
女が見下されるこの世で、その1番の象徴である官職で女性は対等な立場なのだと証明してやろうと意気込んでいた。
この場で涼しい顔をしているのはクロッカの方だった。
彼女はもう無駄にアルベルトに期待を寄せることもない。婚約破棄するもしないも自分が決められるのだ。何が起こってももう動じることはないだろう。
「あぁ、すまなかったね。君にまた会えて嬉しいよ」
憂いさえ感じるほど優しく微笑んだアルベルトもまた、爽やかさを盾にした強引さを見せることはなかった。
彼はこのまま自分の手元に置くこともやめるべきだと思いつつも、修道院へ行かせることも出来ないと葛藤している最中だった。どれだけ考えても答えは出せないでいた。
「そうですか。私は2年間伏せられたあなたの本当の考えを今更になって聞かなくてはいけなくなって憂鬱ですわ。2度と会うことはないと思っていましたのに」
クロッカは笑みを見せることもなく、淡々と口を動かしていた。
わざわざ自分を傷つける話を聞きに来たのだ。
絶対に泣いてやるものかと気合だけは入っていた。
「その話は誰から?」
「誰からもまだ聞いておりません。ただ、もう想像はついていますの。わざわざここまで来たんですもの、その想像を超えるお話が聞けたら嬉しいのですけど」
アルベルトは困った様に眉を下げていた。
彼はこんな顔も出来たんだなとクロッカはまじまじと観察していた。
きっと彼はいつもこんな風にどこか客観的にクロッカを見ていたのだろう。
「その期待を越えたくはないのだが…すまない。私はシュゼインが全てを捨てて君を選ぶと考えて、その間の時間稼ぎとして婚約をしていた。君には残酷なことをしてしまった」
「あらそう。聞くまでもない話だったわね」
アルベルトの言葉に被せる様に言い放つと、クロッカはもう一度レモン水を口に入れた。
あぁ本当に馬鹿げたことだという思いを一緒に飲み込んだ。
「ワーデン伯爵様、レモンの花言葉をご存知?」
「誠実な愛…かな?」
「えぇ。そうね。でももう一つありますのよ。思慮分別。あなたに送るのにぴったりの言葉だと思います」
ただの一度でもクロッカの視点に立てたのなら結果は違ったことだろう。
もっと早く気付いてくれていたら傷はもっと浅く済んだだろう。
2年だ。赤ん坊だって言葉を話し1人で歩けるだろう。
長すぎたのだ。クソ野郎だと汚い言葉が思い浮かぶのにどうしようも無くそのクソ野郎が好きだったのだと思い知らされる。
「あぁ…申し訳ない」
もうアルベルトは修道院へ行って欲しくないと伝えることも出来なかった。自分がその立場にないと正しく理解していた。
「私はもう、謝られることにも疲れているの。頭を下げたから、謝罪をしたから何になると言うのかしら。何も出来ないのなら何もしなければいいのに。これ以上ここにいても無駄ね。失礼するわ」
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自分の力で幸せを手に入れようと。
この頼りない男達の手がなくても幸せになれるのだと。
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