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1章
43話「学友との再会」
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「ルッド君? カイルって人、好きな人は居ないって言ってたよ?」
ルッカさんが脈絡も無く言う。
いや、ルミリナさんは俺が女性を特に意識してない事は知って居るハズだけどなんでまた?
「はっはっは、カイルらしいな、学生の頃から羨ましい位モテる癖にぜんっぜん女の子に興味無かったな!」
「そうよそうよ。まるで同性愛者じゃないかって疑いたくなる位よ」
思った事を率直に言ったであろうデビッドに、どこか悪戯めいた心を持ちながら言うルッカさんだ。
「ククク……みなさま大変な事でしょう……」
ルッド君は全てを悟ったのか、不敵な笑みを浮かべるだけだった。
「むむむ。そうなんですよ! カイルさん、女の子達からモテモテなのに誰も好きな人いないんですよ! お姉ちゃんから聞いたんですけど、街を歩いてる女性の人数人と連絡先交換してたんですよ!」
一瞬だけ落胆したルミリナさんだけど、心の奥底から怒りが込み上げて来たみたいで少しばかり早口で言って来た。
「あれは、エリクさんに頼まれて仕方なくやっただけだよ」
俺は肩を落としため息をつく。
「知ってますッ」
何だか怒っているルミリナさんと、何だか残念そうにしているルッカさんだ。
二人が何を考えているのか全く掴めないが。
「ぐ、我が親友カイルよ、それは本当の事か? 今度俺に1人で良いから紹介してくれっ」
デビッドがゆっくりと立ち上がり、俺の肩に手を乗せ死に掛けの病人の様な声で言った。
「それは構わないけど」
とは言え連絡先を貰った女の子の事をイマイチ覚えていない。
確かセザール学園の後輩と、ナイトとかなんとかだったっけ? 彼女達、エリクさんに対して拒絶反応示していたけど、デビッドなら大丈夫なのだろうか?
少し心配だけど、デビッドの方から頼んでる訳だし細かい事は気にしても仕方ないか。
「ククク……楽しみが増えましたね……フフ」
「よっしゃ! そうと決まったらちょちょいのぱっぱで今日の依頼を片付けちまおうぜ!」
俺に女の子を紹介して貰えると聞くや否や、水を得た魚の様な勢いを取り戻したデビッドは冒険者ギルドの中へ入って行った。
俺達もデビッドに続き冒険者ギルドの中へ入ったのだった。
冒険者ギルドの中はいつも通り依頼を請ける為に訪れた冒険者でにぎわっている。
その中でも並んでいる冒険者の少ない列は相変わらず存在している。
並ぶのが面倒だと思う俺はその列に並ぶ様に促すと、デビッド以外は賛同した。
デビッドが反対した理由は「あの受付嬢は性格がキツイから」と大体予想出来る範囲の理由だった。
うーむ、リンカさんはあのデビッドですら距離を取ってしまうのか、これは意外だ。
「いらっしゃいませ~☆ カイルさん♪」
琥珀色の瞳に水色のポニーテールヘアーでメガネを掛けており、見る限り美人でありさらにはスタイルも良い受付嬢のリンカさんなんだけど。
彼女の第1声が俺以外の4人を無視している時点で受付嬢として疑問を抱く。
「おはようございます、リンカさん。今日はルッセルさんの指示を元にやって来ました」
勿論、本人を目の前にそんな事口に出来ないが。
「はい、承っております。えーっと、他人に寄生しなければ生きていけないプリースト様に、立場を弁えずに前線に立とうとするウィザード様に。ルッド様とデビッド様は国王軍様でいらっしゃいましたか☆」
リンカさんの心もとない言葉に対しルミリナさんは薄っすらと涙を浮かべ、ルッカさんは左手に雷魔法を完成させている。
と思いきや、ルッド君とデビッドが国王軍である事を知った途端180度、いや900度位手の平を返して猫撫で声で上目遣いをし出す始末。
この人、演技力だけでも収入を獲得できるんじゃないか?
「ハッハッハ、その通り、俺は国王軍に所属してるデビッドだ、リンカさん、宜しく頼むぜ!」
とウィンク一つに加えてサムズアップを見せるデビッド。
どうやらリンカさんの上目遣いにやられたらしく、デビッド? 数分前に言っていた事覚えているか? 思わずツッコミを入れたくなってしまう。
「ククク……冒険者ギルド職員の方とのコネクションを作る事は悪い事ではありませんね、こちらこそよろしくお願いしますよ……」
ルッド君は別の意味でリンカさんに好意的に持っているみたいだ。
「宜しくお願いします☆ では、本日の依頼内容をご説明致します」
リンカさんはにこにこ笑顔で依頼書を差し出した。
何故か俺に。
てっきり、今の話の流れからデビッドかルッド君に差し出すと思ったが、周りの様子を見ても特に気にして無さそうだ。
俺が細かい事を意識し過ぎみたいだ、たぶん。
さて、肝心の依頼書の内容と言うと。
【コボルドキングの討伐】
『賢神の石の影響だろう、おおよそ、セザールタウンとヴェストタウンの中間地点にコボルドが集まる国が出来たとの情報が入った。 今はまだ小規模であるが、規模が大きくなる前に叩いておきたい、そこで冒険者諸君にコボルドキングの討伐を依頼する事にした』
だ、そうだ。
留意点として、コボルドは銀をコバルトに変化させる特性を持つらしい。
「クク……コバルトですか、カイル殿はご存じと思いますが、魔力を秘めた鉱石でしたね……」
「なにっ! それは本当か? なら俺も魔法をもっと上手く扱える様になるのか!?」
デビッドが嬉々とし、声をあげるが魔物に関する授業でその話は出たけど?
「何言ってるの? デビッド君は兎も角、私達ですらコバルトは上手く扱えないわよ」
ルッカさんの言う通り、学校を出たばかりの俺達ではコバルトを上手く扱えない。
いや、待てよ? 確かセリカさん達なら扱えるかもしれないし、もしかしたら賢神の石の件で失った魔力を回復するかもしれない。
「銀か」
「ククク……カイル殿、コバルトの入手を考えるのは同じですか……」
ルッド君は懐の中から手の平に納まる程の銀を取り出し俺に手渡した。
「ありがとう、これだといくら位するっけ?」
「フフフ……我々レンジャーからすればこの程度朝飯前ですよ、お気になさらず……」
「むー、カイルだけずるいよ?」
俺が銀を貰えた事なのか、コバルトの入手が可能になった事を羨ましく思ったのかルッカさんが唇をとがらせた。
「フフッ……ルッカ殿、貴殿が身に付けている指輪はシルバーとお見受け致します……」
「そう言えばそうだったわ、折角だから私もコバルトリングを作ってみるわ」
どうやら後者だったみたいだ。
「よっしゃ! そうと決まったら早速行こうぜ!」
デビッドの合図と共に俺達はコボルドキング討伐に向かった。
ルッカさんが脈絡も無く言う。
いや、ルミリナさんは俺が女性を特に意識してない事は知って居るハズだけどなんでまた?
「はっはっは、カイルらしいな、学生の頃から羨ましい位モテる癖にぜんっぜん女の子に興味無かったな!」
「そうよそうよ。まるで同性愛者じゃないかって疑いたくなる位よ」
思った事を率直に言ったであろうデビッドに、どこか悪戯めいた心を持ちながら言うルッカさんだ。
「ククク……みなさま大変な事でしょう……」
ルッド君は全てを悟ったのか、不敵な笑みを浮かべるだけだった。
「むむむ。そうなんですよ! カイルさん、女の子達からモテモテなのに誰も好きな人いないんですよ! お姉ちゃんから聞いたんですけど、街を歩いてる女性の人数人と連絡先交換してたんですよ!」
一瞬だけ落胆したルミリナさんだけど、心の奥底から怒りが込み上げて来たみたいで少しばかり早口で言って来た。
「あれは、エリクさんに頼まれて仕方なくやっただけだよ」
俺は肩を落としため息をつく。
「知ってますッ」
何だか怒っているルミリナさんと、何だか残念そうにしているルッカさんだ。
二人が何を考えているのか全く掴めないが。
「ぐ、我が親友カイルよ、それは本当の事か? 今度俺に1人で良いから紹介してくれっ」
デビッドがゆっくりと立ち上がり、俺の肩に手を乗せ死に掛けの病人の様な声で言った。
「それは構わないけど」
とは言え連絡先を貰った女の子の事をイマイチ覚えていない。
確かセザール学園の後輩と、ナイトとかなんとかだったっけ? 彼女達、エリクさんに対して拒絶反応示していたけど、デビッドなら大丈夫なのだろうか?
少し心配だけど、デビッドの方から頼んでる訳だし細かい事は気にしても仕方ないか。
「ククク……楽しみが増えましたね……フフ」
「よっしゃ! そうと決まったらちょちょいのぱっぱで今日の依頼を片付けちまおうぜ!」
俺に女の子を紹介して貰えると聞くや否や、水を得た魚の様な勢いを取り戻したデビッドは冒険者ギルドの中へ入って行った。
俺達もデビッドに続き冒険者ギルドの中へ入ったのだった。
冒険者ギルドの中はいつも通り依頼を請ける為に訪れた冒険者でにぎわっている。
その中でも並んでいる冒険者の少ない列は相変わらず存在している。
並ぶのが面倒だと思う俺はその列に並ぶ様に促すと、デビッド以外は賛同した。
デビッドが反対した理由は「あの受付嬢は性格がキツイから」と大体予想出来る範囲の理由だった。
うーむ、リンカさんはあのデビッドですら距離を取ってしまうのか、これは意外だ。
「いらっしゃいませ~☆ カイルさん♪」
琥珀色の瞳に水色のポニーテールヘアーでメガネを掛けており、見る限り美人でありさらにはスタイルも良い受付嬢のリンカさんなんだけど。
彼女の第1声が俺以外の4人を無視している時点で受付嬢として疑問を抱く。
「おはようございます、リンカさん。今日はルッセルさんの指示を元にやって来ました」
勿論、本人を目の前にそんな事口に出来ないが。
「はい、承っております。えーっと、他人に寄生しなければ生きていけないプリースト様に、立場を弁えずに前線に立とうとするウィザード様に。ルッド様とデビッド様は国王軍様でいらっしゃいましたか☆」
リンカさんの心もとない言葉に対しルミリナさんは薄っすらと涙を浮かべ、ルッカさんは左手に雷魔法を完成させている。
と思いきや、ルッド君とデビッドが国王軍である事を知った途端180度、いや900度位手の平を返して猫撫で声で上目遣いをし出す始末。
この人、演技力だけでも収入を獲得できるんじゃないか?
「ハッハッハ、その通り、俺は国王軍に所属してるデビッドだ、リンカさん、宜しく頼むぜ!」
とウィンク一つに加えてサムズアップを見せるデビッド。
どうやらリンカさんの上目遣いにやられたらしく、デビッド? 数分前に言っていた事覚えているか? 思わずツッコミを入れたくなってしまう。
「ククク……冒険者ギルド職員の方とのコネクションを作る事は悪い事ではありませんね、こちらこそよろしくお願いしますよ……」
ルッド君は別の意味でリンカさんに好意的に持っているみたいだ。
「宜しくお願いします☆ では、本日の依頼内容をご説明致します」
リンカさんはにこにこ笑顔で依頼書を差し出した。
何故か俺に。
てっきり、今の話の流れからデビッドかルッド君に差し出すと思ったが、周りの様子を見ても特に気にして無さそうだ。
俺が細かい事を意識し過ぎみたいだ、たぶん。
さて、肝心の依頼書の内容と言うと。
【コボルドキングの討伐】
『賢神の石の影響だろう、おおよそ、セザールタウンとヴェストタウンの中間地点にコボルドが集まる国が出来たとの情報が入った。 今はまだ小規模であるが、規模が大きくなる前に叩いておきたい、そこで冒険者諸君にコボルドキングの討伐を依頼する事にした』
だ、そうだ。
留意点として、コボルドは銀をコバルトに変化させる特性を持つらしい。
「クク……コバルトですか、カイル殿はご存じと思いますが、魔力を秘めた鉱石でしたね……」
「なにっ! それは本当か? なら俺も魔法をもっと上手く扱える様になるのか!?」
デビッドが嬉々とし、声をあげるが魔物に関する授業でその話は出たけど?
「何言ってるの? デビッド君は兎も角、私達ですらコバルトは上手く扱えないわよ」
ルッカさんの言う通り、学校を出たばかりの俺達ではコバルトを上手く扱えない。
いや、待てよ? 確かセリカさん達なら扱えるかもしれないし、もしかしたら賢神の石の件で失った魔力を回復するかもしれない。
「銀か」
「ククク……カイル殿、コバルトの入手を考えるのは同じですか……」
ルッド君は懐の中から手の平に納まる程の銀を取り出し俺に手渡した。
「ありがとう、これだといくら位するっけ?」
「フフフ……我々レンジャーからすればこの程度朝飯前ですよ、お気になさらず……」
「むー、カイルだけずるいよ?」
俺が銀を貰えた事なのか、コバルトの入手が可能になった事を羨ましく思ったのかルッカさんが唇をとがらせた。
「フフッ……ルッカ殿、貴殿が身に付けている指輪はシルバーとお見受け致します……」
「そう言えばそうだったわ、折角だから私もコバルトリングを作ってみるわ」
どうやら後者だったみたいだ。
「よっしゃ! そうと決まったら早速行こうぜ!」
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