ブレイバー・フィルリーク

うさぎ蕎麦

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序章「異世界転送」

2話「宿命の対決2」

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「行くぜッ!」

 フィルリークが、ネザーリッパーの急上昇に合わせて高く飛翔した。

「ホーリィウィンド!」

 ネザーリッパ―に急速接近したフィルリークが至近距離で魔法を放った。

「何をっ!」

 至近距離から魔法を放たれたネザーリッパ―は回避も防御も出来ずその身体を遥か後方へと吹き飛ばされ壁にぶつけられてしまった。

「ミルティ!」

 フィルリークがミルティーナの名前を叫び合図を送ると、彼女は魔法の詠唱を始めた。

「フィルリーク殿、待たせたでござる!」

 魔法を完成させたカインが右手に持つ杖をネザーリッパ―目掛けて突き出した。

「ヴィメント・ライトニング!」

 魔法の名前を叫ぶとカインの周りに無数の電気の帯が集まると、カインが持つ杖の先端に集まった。

「ッ!?」
 
 ネザーリッパーは、フィルリークの魔法によりその身体を後方へ吹き飛ばされながら魔法の完成を見据えるも、

「行くでござるッ!」

 カインがネザーリッパー目掛けて杖に集まった雷撃を放った。

 バリバリバリ!

 激しい雷音を立てながらネザーリッパーの身体の周りに雷がその身に纏わりつく。
 それに反応したネザーリッパーは魔剣を使い防御態勢を取るが、1発、2発と彼の身体を直撃す雷撃に対して顔を歪ませた。

「チィィィィッ! 人間如きが舐めんじゃねぇ!」

 カインの魔法が終わったと思ったネザーリッパーが剣を振り抜き構えを取るが、
 
 ドゴォォォォン!

 一瞬の空白の後、太く激しい雷が轟音と共にネザーリッパーの頭部目掛けて降り注いだ。
 
「まだだっ!」

 対空していたフィルリークが空中で急加速をし、ネザーリッパーの懐に潜り込み剣を構えた。

「ホーリィ・スラッシュ!」

 フィルリークが叫びながら、聖剣を自分の右上方に向けて振り抜いくとその先から白く輝く剣閃が放たれた。

「ぬ、ぬわあああああ!?」

 カインの魔法とフィルリークの技が直撃したネザーリッパーが全身を切り裂かれながら激しい叫び声を上げた。

「やったか!?」

 全身の至る所から血を流しがっくりと片膝を付いたネザーリッパーの姿を見たフィルリークが言う。

『だから油断しないでって!』

 一瞬心の隙を作ったフィルリークに対してレーヴェンヴォールが叫んだ。

「分かってる!」

 レーヴェンヴォールの声を聞いたフィルリークが再度身構えると、
 
「ハッ……この程度でこの俺様が死ぬと思ったか? 死ねい、勇者共!」

 ネザーリッパーは低くよどんだ声で叫ぶと、左右の剣を重ね合わせネザーリプトを1本の剣にした。

「この野郎!」

 ネザーリッパーが剣を突き出す動きを見た瞬間、フィルリークはその剣先との軸を外さぬまま空中でバックステップを踏むと盾を突き出した。

「烈風猛残翔!」

 ネザーリッパーが鋭い突きを放つと、ネザーリプトの先端から、ネザーリッパーの横幅程の長さで筒状の風の力による衝撃波が発生した。

「おいフィル!? それじゃ直撃するぞ!?」

 敵の大技を避けようとしないどころかその身に受けようとするフィルリークに対してギルが叫んだ。

「ギル、俺を信じろッ!」

 フィルリークが叫んだ。

「レジスト・フィールドッ!」

 その直後、ミルティーナが詠唱をしていた魔法が完成しパーティ全体に物理攻撃以外の攻撃に対する抵抗力を上げる魔法を発動させた。

「フィル殿!?」

「カイン、マギーシールドを張るんだ!」

 カインが頷くと、敵の攻撃から受ける肉体へのダメージを精神へのダメージに変換させるバリア魔法を展開させた。

「くそっ!?」

 ギルがミルティーナとカインの前にタワーシールドを身構え立ち塞がった。

「んなろぉぉぉぉ!」

 ネザーリッパーが放つ大技の威力を盾で軽減させようとするが、『レジストフィールド』だけでしか守られていない身体の部分は容赦無く切り刻まれ赤い鮮血が滴り落ちた。

「ぐ、ぐわああああ!」

 フィルリークが身体を張って盾になったお陰で技の威力が軽減されたのだが、一般的な防具しか身に纏わぬギルはその技の威力の前に地面を派手に転がった。

「ふ、フィル殿!?わあああああ」

 重装備をしていないカイン、ミルティーナはその身体を大きく吹き飛ばされ壁に叩きつけられた。

「ぐぅ……」

 カインが頭を抑えながらうずくまった。
 マギーシールドのお陰で肉体へのダメージはさほど無い様であるが、そのダメージが精神へのダメージと変換されたのか意識が朦朧とさせている。

「ミルティ!?」

 フィルリークはネザーリッパーが放つ技の終わり際、味方と合流する為にその場を踏み止まる力を一瞬解きわざと吹き飛ばされると、空中で後ろ向きにクルリと回転しギル達の元に着地した。

「う……」

 中に着こんだチェインメイルとプロテクションしか身体を守る装備の無い状況下で激しく壁に叩きつけられて地面に落下したミルティーナが立ち上がる事が出来ずに居た。

『私のエネルギーも少ないわ』

 レーヴェンヴォールが告げた。
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