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1章「魔剣オルクストート」
9話「ブレイブタウン、剣士葉桜」
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【ブレイブタウン】
ルシド大陸西側に構えるブレイブタウンは、剣、槍、斧、弓矢と言った物理的な武器を主体として戦う国家だ。
しかし、マジックタウンやマシニングタウンに比べて遠距離からの攻撃手段が弓矢しか無くその射程距離は短い。
また、それ以外の兵器も主に接近しなければ機能しない物が多い。
この国を治めるザクツォーン8世は野心家であり、ブレイブタウンによる支配を元にルシド大陸征服を目論んでいる。
しかし、先述通り扱う武器の関係上他国との戦いであまりにも不利である為、それらの国家に対し遠距離攻撃を恐れず勇敢に戦いを挑むも、決まって大量の犠牲者を出し敗走するしか無かった。
人的被害が続出する中、魔剣オルクストートの存在を知ったザクツォーン8世は、ルシド大陸征服の為重要な兵器と認識しそれを入手しようと目論んでいる。
「世界一の美青年、葉桜の旦那ザンス!」
ブレイブタウンとマジックタウンの国境付近にある詰め所の中で人間の肩に乗ると程良い大きさの鳥が翼を広げながらあるじを賛美している。
「フッ……」
ニヒルな笑みを浮かべながらサッと自らの髪をかき上げた葉桜は、長身な背丈に、筋肉質な身体を持つが美しきフォルムを保っており、長いブラウンヘアーは艶やかな輝きを保っている。
ライトアーマーとロングソードを収める鞘を腰に携えた、正にイケメンと言う言葉がふさわしい剣士がたたずんでいた。
「時に権左衛門(ごんざえもん)よ、魔剣オルクストートとやらはどうなっておる?」
「ザザザザンス!!」
葉桜に尋ねられた権左衛門が翼を額に充て敬礼をした。
「あっしのびゅーーーてぃふるアイによりますとっ、ブレーイブッタウンの南東にある山岳部の一角にある洞窟にあるザンス!」
「山岳部であるならばフェートルを出すには苦しそうか」
葉桜が右手を顎に当てながら呟いた。
フェートルとは4足歩行の草食獣である。
人が乗るにはうってつけの獣であり、重い物をのっけてあるにもかかわらず早い速度を出せる素晴らしい獣だ。
それが故に、ブレイブタウンの騎士はこの獣を手なずけその背に乗り戦う者も多く、葉桜もまたその一人である。
「ナナナなーによりもっ、マジーックタウンの魔術士共が調査の為にその洞窟近辺に張り付いてるッザンス!」
まるで自分が魔剣オルクストートの第一発見者であるかの如く言い切る権佐衛門であるが……。
「第一発見者がマジックタウンの人間である手前仕方なかろう」
そんな権左衛門の言動など一切無視してバッサリと切り捨てた葉桜はクールと言う言葉も似合うだろう。
「ゲヘヘヘ、旦那のロング・ソゥドが煌めくザンショ」
「フ……」
葉桜が髪を掻き上げ不敵な笑みを見せたが、それが関連性の無い謎の言動をした権左衛門に対する返事なのかは不明である。
「権左衛門よ、私は無意味な殺生を好まぬ」
「命令だからやってるザンス?」
「死とは美しく、そして煌びやかに死して尚美しくあれ」
「よっ! 旦那! 世界一ザンス!」
葉桜の良く分からない言動に対して権左衛門がその肩の上で舞を舞った。
「しかし、魔術士の相手というのも厄介な話であろう」
「ザンス?」
葉桜がそう呟くのも無理は無い。
剣士にとって魔術士は懐にさえ潜り込んでしまえば近接武器圧倒的有利を取れるが、懐に潜るまでは魔術士から一方的に攻撃されてしまう。
それでも、1対1の戦いならば多少不利とは言え勝算はある。
しかし、小隊同士の戦いと言った多数対多数の場合は一人の剣士が集中的に魔法を受け回避する事無くやられてしまい、各個撃破されるせいで懐に潜る頃には剣士側は一人しかいない、なんて事も良くある話だ。
また、魔術士は詠唱時間を掛ける事で広範囲に及ぶ魔法を放つ事も出来る。
それを放たれてしまうと、その1撃だけで小隊が壊滅してしまう。
「否、我が美しさの元散りゆく華もまた美しかり」
「ヨッ!!葉桜隊長!!ブレイブタウンイチッ!!」
正直な所葉桜が何を言いたいのか分からないが、やっぱり権左衛門は彼を賛美するのであった。
ルシド大陸西側に構えるブレイブタウンは、剣、槍、斧、弓矢と言った物理的な武器を主体として戦う国家だ。
しかし、マジックタウンやマシニングタウンに比べて遠距離からの攻撃手段が弓矢しか無くその射程距離は短い。
また、それ以外の兵器も主に接近しなければ機能しない物が多い。
この国を治めるザクツォーン8世は野心家であり、ブレイブタウンによる支配を元にルシド大陸征服を目論んでいる。
しかし、先述通り扱う武器の関係上他国との戦いであまりにも不利である為、それらの国家に対し遠距離攻撃を恐れず勇敢に戦いを挑むも、決まって大量の犠牲者を出し敗走するしか無かった。
人的被害が続出する中、魔剣オルクストートの存在を知ったザクツォーン8世は、ルシド大陸征服の為重要な兵器と認識しそれを入手しようと目論んでいる。
「世界一の美青年、葉桜の旦那ザンス!」
ブレイブタウンとマジックタウンの国境付近にある詰め所の中で人間の肩に乗ると程良い大きさの鳥が翼を広げながらあるじを賛美している。
「フッ……」
ニヒルな笑みを浮かべながらサッと自らの髪をかき上げた葉桜は、長身な背丈に、筋肉質な身体を持つが美しきフォルムを保っており、長いブラウンヘアーは艶やかな輝きを保っている。
ライトアーマーとロングソードを収める鞘を腰に携えた、正にイケメンと言う言葉がふさわしい剣士がたたずんでいた。
「時に権左衛門(ごんざえもん)よ、魔剣オルクストートとやらはどうなっておる?」
「ザザザザンス!!」
葉桜に尋ねられた権左衛門が翼を額に充て敬礼をした。
「あっしのびゅーーーてぃふるアイによりますとっ、ブレーイブッタウンの南東にある山岳部の一角にある洞窟にあるザンス!」
「山岳部であるならばフェートルを出すには苦しそうか」
葉桜が右手を顎に当てながら呟いた。
フェートルとは4足歩行の草食獣である。
人が乗るにはうってつけの獣であり、重い物をのっけてあるにもかかわらず早い速度を出せる素晴らしい獣だ。
それが故に、ブレイブタウンの騎士はこの獣を手なずけその背に乗り戦う者も多く、葉桜もまたその一人である。
「ナナナなーによりもっ、マジーックタウンの魔術士共が調査の為にその洞窟近辺に張り付いてるッザンス!」
まるで自分が魔剣オルクストートの第一発見者であるかの如く言い切る権佐衛門であるが……。
「第一発見者がマジックタウンの人間である手前仕方なかろう」
そんな権左衛門の言動など一切無視してバッサリと切り捨てた葉桜はクールと言う言葉も似合うだろう。
「ゲヘヘヘ、旦那のロング・ソゥドが煌めくザンショ」
「フ……」
葉桜が髪を掻き上げ不敵な笑みを見せたが、それが関連性の無い謎の言動をした権左衛門に対する返事なのかは不明である。
「権左衛門よ、私は無意味な殺生を好まぬ」
「命令だからやってるザンス?」
「死とは美しく、そして煌びやかに死して尚美しくあれ」
「よっ! 旦那! 世界一ザンス!」
葉桜の良く分からない言動に対して権左衛門がその肩の上で舞を舞った。
「しかし、魔術士の相手というのも厄介な話であろう」
「ザンス?」
葉桜がそう呟くのも無理は無い。
剣士にとって魔術士は懐にさえ潜り込んでしまえば近接武器圧倒的有利を取れるが、懐に潜るまでは魔術士から一方的に攻撃されてしまう。
それでも、1対1の戦いならば多少不利とは言え勝算はある。
しかし、小隊同士の戦いと言った多数対多数の場合は一人の剣士が集中的に魔法を受け回避する事無くやられてしまい、各個撃破されるせいで懐に潜る頃には剣士側は一人しかいない、なんて事も良くある話だ。
また、魔術士は詠唱時間を掛ける事で広範囲に及ぶ魔法を放つ事も出来る。
それを放たれてしまうと、その1撃だけで小隊が壊滅してしまう。
「否、我が美しさの元散りゆく華もまた美しかり」
「ヨッ!!葉桜隊長!!ブレイブタウンイチッ!!」
正直な所葉桜が何を言いたいのか分からないが、やっぱり権左衛門は彼を賛美するのであった。
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