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ラグラ+ネム+メメ編
この世界の始まり。
しおりを挟む「ねぇ、ラグラ。アタシも愛が欲しいじゃん。」
精霊祭という特別な日。
楽しいパーティーを終え、ラグラの友人達を見送った後。珍しく酔っている男を見つめた。
アタシは目の前の男にすり寄り、手は男の足を撫で上げ、新しく与えられた柔らかな体を押し付ける。
この世界には多くの形の愛で溢れた世界だ。
それらの愛を感じるのも面白いと思った。
◆◆◆◆◆
昔の話。
「二度と私の前に姿を見せるな!!」
そんな言葉を最後に、この世界に落とされた。
こうなったのは、お母様がこの世界を創ると決めた時。薔薇アマとかいうBLゲームが発端だった。
お母様はそのゲームをどこから持ってきたのか、プレイしてドハマり。
このゲームに忠実な世界を創ると言い出した。
物語に関わらないモブ作りを手伝っていたアタシは、そんなにハマったのなら語り合える友達が居たら楽しいだろうと思い、同じモノを好きな魂をいくつかコピーして持ってきて適当なタイミングで転生するように世界に入れたのだ。
その反応がコレである。
曰く「最近転生モノ流行ってんのになんて事してくれるのよ!!転生者はストーリー変えてくるモノなの!!これじゃあメチャクチャだわ!!」という事らしい。
怒り心頭のお母様はアタシの殆どの力を奪い、最下級の魔物としてこの世界に落としたのだった。
お母様はこの世界を放棄して別の世界を作りに行っている様だ。一切の気配も感じない。
そんな訳で、この世界に神と呼ばれる存在はいない。
落とされた衝撃で変になったのか、落とされた直後の記憶は曖昧で。意識がハッキリしてからはただフラフラする日々。それからこの世界で何年か数えるのが面倒な程過ぎた頃。
いつもの通り、フラフラとしていたら捕獲され、とある女性に取り憑かされていた。
「神様・魔物様ありがとう!!」
アーシェリアという女性になぜか感謝され、抱き締められた。
それからアーシェリアを通じて、両親からの愛を体感し、恋するドキドキの感情を一緒に味わった。
愛も良いのだけど、さらに味わい深いのが人間の醜い感情。発せられるエネルギーが凄まじい。
アーシェリアの周りにはそんなのが多くて面白い。
そんな感じで楽しみを見つけた時。ラグラ・ウォルズマーという人物に出会った。
ルナスと名付けた醜い捨て子を自分の本当の息子としてオッサンなりに愛情込めて育てて来たらしい。
アタシは実の母親に力を奪われて落とされたってのに他人の子をここまで愛せるとは本当にこの世界の人間は多種多様だ。お母様の熱意を感じる。
アーシェリアの就職が決まり、ラグラに会う事が増え魔憑きだと気がついた。
そしてラグラやそれに憑く魔物の魔力を知っている気がする。
いったいいつの話なのか・・・。
魔憑きを指摘すればアーシェリアも意中の相手と会えて、また恋の美味しい感情が流れ込む。
興味本位でどんな魔物が憑いてるのか見に行けば。そこにはグースカ寝ているヤツが居た。
〈起きるじゃん。〉
ぺちんと軽く頬を叩くと、起き上がった魔物は人間の10代後半位の男の姿をしている。やっぱり知ってる。だけど思い出せない。
〈ん?ぅあ。寝てた。〉
〈アンタは魔物なの?にしては形が人そのものじゃん。〉
〈んー?〉
まだ寝ぼけてる。だから次は強めにぺちんと叩いた。
〈起きるじゃん。〉
〈叩くならもっと強く殴れ。刺激が足りない。〉
振りかぶってグーで叩いた後。アーシェリアの所に一旦戻ってから意見を聞き、再びコイツの所に戻ってきた。
〈オッサンがアンタを祓うより共存したいらしいじゃん。〉
〈あぁ、ラグラなら言いそうだな。〉
偉そうに腕を組んで考えるそぶりを見せた後、ニヤリと笑う。
〈んー。お前がツガイになるなら考えてやる。あぁ、でもアーシェリアってヤツは好みじゃない。お前が俺好みの別の憑き先を見つけて来たら常に目を見えるように協力してやる。後はお前との触れ合いの時間も必要だな。その間体を貸せ。という条件でどうだ。〉
まぁ無理だろうけど、って顔がムカつくヤツだ。
しかし嫌いではない。
本当に誰だっただろう。会ったことがある魔力をしてるんだ・・・やっぱり思い出せない。
私はフンと鼻から息を出してから。
〈ツガイになるのは受けてやるじゃん。〉
〈・・・え?〉
〈ツガイになったるじゃん。〉
〈・・・は?〉
驚いた表情で身を乗り出すコイツは態度でかい癖に可愛く見える。
何故だろう。コイツが嫌いじゃない。むしろ好きだ。アーシェリアがルナスを見た時に感じる好ましさ。
後は他の憑き先か。その辺は天才魔術師さんに考えて貰おうと丸投げしたのであった。
◆◆◆◆◆
中級の魔物になるために、アーシェリアから魔力を貰ってみて気がついた。
アーシェリアはアタシが元気モリモリの時に連れてきた魂の1つだ。彼女の中にアタシの力が残っていて、彼女と共に成長している。
・・・前世の記憶が曖昧なのは、仕方ないね。
そんな訳で、魔力を貰うと少しずつ元の力を取り戻していった。
そして今日。人形の体が手に入った。
本当ならメメと名付けられたツガイとイチャコラするはずなのだけど、ラグラ本人に迫っていた。
「ねぇ、人間の交わりをアタシ達に教えるじゃん。」
「人間の交わり?あぁ、そういう事か。」
顎に手を当て、目を閉じて「んー」と考えるラグラ。
〈悩んでないでさっさと教えてやれ。〉
ラグラは急に聞こえたメメの声に驚いた表情をするも、すぐに賑やかなものに戻る。
「メメか。話すのは初めてだね。
それならまずは閨の本の読み聞かせをしてあげよう。」
は?閨の本の読み聞かせとかオッサン正気なの?
「読み聞かせなんて子供扱いしないで欲しいじゃん。」
「魔物は子供に閨の本を読むのかい?」
「そんなわけないじゃん。アタシとやればいい話じゃん。」
「そうはいかないだろう?君のツガイはメメなのだから。」
「体はアンタじゃん。」
〈俺は寝取られたみたいてワクワクするから構わん!!〉
「・・・それなら説明だけしよう。ルナス達も居るから静かにね。」
何だか納得いかない。
大人の余裕?って感じで子供を諭すような。私の方が長生きなのに。
良く分からないイライラを胸に男女の交わりについて素直に学ぶ事になった。
◆◆◆◆◆
アタシは共有スペースの椅子に座らされ、隣に椅子を持ってきたラグラが本のページを説明しながら進める。
アーシェリアの世界の表現を借りるならば家庭教師の様な風景だ。内容はエロエロだけど。
エロもこんなに真っ正面から座学で学ぶと不思議な気分だ。
はぁ、思ってたのと違う。
そう思ってたアタシだけど。
〈ここが難しいんだが・・・〉
「確かに難しい所だが、相手の反応をよく観察するしかないんだ。」
メメは偉そうな口調なのに真面目に授業を聞いていた。質問までしてる。
ナニコレ。アタシの感覚がおかしいの?
結果的に、感覚の麻痺したアタシも真面目に貰ったノートにメモをとりながら聞いていた。
◆◆◆
ふぅ。と一息ついて一段落した授業について考える。
「ねぇ、ラグラ。」
「なんだい、ネムさん。」
「そもそも、人形の体でここまで敏感に感覚を感じ取れないんじゃん?」
「それは感覚を鍛える必要が有るだろうね。リハビリの様に。」
〈鍛えるってエロいな。〉
メメの脳内では何でもエロくできる様だ。
「じゃあ次は体を動かしてみるかい?」
〈ついに来たか。〉
笑顔で座っていた椅子から立ち上がると、先ほどの椅子を動かそうとするラグラ。
よくそんな爽やかな笑顔でエロ教えられるな、と感心しながらアタシもラグラの行動を手助けするように椅子を片付けてスペースを空ける手伝いをした。
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