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憎しみの戦い
しおりを挟む「不完全が完璧を超えることを証明しますわ」
その瞬間にMは邪に向かって鞭をしならせた。
あと少しで邪に届く、憎き敵に一撃を食らわすことが出来る。
だがそんなことは邪が許す筈がなかった。
「うふふ~」
そうやって笑う邪はあらかじめ抜いていた刃でMの鞭を綺麗に切り裂いてしまっていた。
「なっ!?……白蓮さんに斬られて以降、強度を上げていたのですが……!」
鞭が斬られたことでMは少し邪に恐怖を覚える。
その恐怖心はじわじわとMを侵食し、やがて心を支配するのだ。
邪はにんまりと口角を上げながらMの方へと走り、斬り裂こうとする。
だがMだって鞭が斬られたくらいで負けるわけにはいかなかった。
「死になさ~~い!」
「嫌ですわね!」
邪は刀を振り下ろして斬撃を入れようとした。
けれどMはそれを防ぐ。
刀で。
「その刀はどこから出てきたのかしら~?」
邪はいきなり現れた刀に興味津々だ。
それに対し、Mは余裕のない笑みを浮かべて質問に答えた。
「仕込み刀ですわ!暗殺者たる者、武器は一つだけではいけませんわ!」
「仕込みね……砲牙くんと一緒ね」
砲牙、その名前を出した直後に邪は憎しみという思いに顔を歪ます。
邪の憎しみの顔を初めて見たMはゾッとすると共に防衛反応で刀を握る手を強くした。
邪は相も変わらず憎しみで不機嫌だ。
そんな邪は殺の方を見て切り裂かれた様な大きな口で言葉を叫ぶ。
「あんたが砲牙くんを傷つけたのね!私の大切な家族を……許さない……許さないわ!!」
殺は邪の大きな声に、自分を憎しんで殺したいという声に思わず耳を塞ぎこむ。
そうして殺も邪に対し、恐怖を覚えた。
邪は殺に向かって桃色の光の弾を放つ。
それを殺が弾けば、邪は「キィィ!!」と腹の底から声をあげた。
「あんたは許さない!あんたの目の前で大切な者を殺して私が勝ってやる!」
邪は、そう言うとMの方に向き直る。
Mは邪に睨まれても怯むこともなく、勇猛果敢に刀を構えた。
戦いが始まる。
そう思った瞬間にMは自分が斬られていることに気づいた。
邪はあまりにも唐突で、あまりにも速すぎた。
いきなりの先制攻撃にMは気づけば、それは体勢を崩させるのには充分だった。
邪はMを狂気の瞳で笑って見つめ、刀を突き立てる。
突き立てられた刀はMの左腕を刺して血に染まる。
「ぐぁっ!」
Mは思わず左腕を後ろに回すことで、邪の刀から逃れることに成功した。
Mは痛みに少し涙を浮かべることになる。
それが悔しかったのか右腕を大きく振り上げ邪に向かい斬撃の用意をした。
「死ぬのですわ!」
「うふふ~!」
Mは右の手で持っていた刀で邪を斬ろうとして、大胆に攻撃をした。
その攻撃はお祭りの屋台を壊し、地面に深い傷をつけた。
「やるわね~!」
「まだまだ!」
Mはなんとか邪に一撃を入れようと仕込み武器の一つのクナイを投げて応戦する。
だが邪は投げられたクナイを全て弾き飛ばし、逆にMの方へとクナイの軌道を変えた。
邪を襲いにいった筈のクナイが逆にMを襲う。
Mは飛んで来たクナイを避けて刀を構え直そうとした。
だが避けて来た場所に邪が先回りしていたのだ。
「うわっ!」
「甘いわね~!」
そう言うと邪はMを殴り、遠くへ飛ばした。
Mは小さく悲鳴をあげれば地面へ着地する。
着地すると同時に邪が一瞬でMに馬乗りになり刀を顔に突き刺そうとした。
だがMは邪の足を蹴り、体勢を崩させ攻撃を未然に防いだ。
それと共にMは逆に邪に馬乗りになる。
「先ほどのお返しですわ!」
「だから甘いのよ~」
そう発言をした邪はニヤリと意地の悪い笑みを浮かべてから、Mの油断を突き頭突きを食らわす。
「がはっ!」
邪はMの拘束から逃れて、立ち上がる。
立ち上がって光の灯らない目を地面で蹲っているMに向けた。
「私の動きを封じた気になるなんて……生意気な。これから本当の恐怖を教えてあげるわ~」
一人の子の為、皆の運命を救う為の戦いは絶望か?
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