地獄の日常は悲劇か喜劇か?〜誰も悪くない、だけど私たちは争いあう。それが運命だから!〜

紅芋

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何を救う?

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「我は何てことを……」

 冥王は頭を抱えて泣き続ける。
 彼は人を不幸にしたくないのだ。
 だからこそ今、不幸にした殺たちのことを考えると涙が出てくるのだ。

「冥王様……ごめんなさい。私の我儘の所為で……」

 青い女性も頬に涙をつたわす。
 そして静かに呟く。

「でも、彼の方たちは他とは違う気がしたのです。だから……助けを出してしまったのです」

 冥王に聞こえなかったその声はただ広い宮殿に響くことなく消えていった。






「貴方は誰です?ここは?二人を救うとは?」

「疑問しかありませんよね」

 笑顔の少女は皆に落ち着く様にと喋る。
 その少女の優しそうな雰囲気に皆が少し冷静になっていく。
 少女は皆に気を遣っているのか常に笑顔だった。

「この世界は冥王様のゴミ捨て場です」

「ゴミ捨て場?」

 陽が首を傾げながら聞き返す。
 少女は首を縦に振って「ゴミ捨て場です」と語る。
 それを聞いて納得する。
 ここにはガラクタしか置いていない。
 ガラクタが轟音を響かせ、潰されて、消えていく。
 それはまるでゴミ処理場でもあった。
 冥王はあの広い城に一人暮らしだ、なのに掃除が行き届いていたことを考えるとゴミを異空間に飛ばしていたとわかる。
 ここはそんなゴミが集う異空間だ。

「貴方は何でここに居るんですの?」

 Mの高い声が木霊する。

「私は小夜子さんの式神です。小夜子さんに貴方たちを救う様に頼まれたのです」

 救いの存在、その言葉を聞いて皆が少女に駆け寄っていく。

「早く私たちをだしてください!!」

「姫を救わなければならないのじゃ!」

「出せよ!今すぐ!」

「出たいですわ!」

「出れるのか?!」

 皆は思い思いに少女に言葉をかけていく。
 少女は皆の気迫に圧倒されながらも、また落ち着く様にと笑顔で話す。

「この世界から出れるけど、それだけでは駄目です」

「何で?!」

 サトリは頭を振り乱しながら暴れる。
 朝は元気だったが本当はいきなり戦いに出されたことにストレスを溜めていたのだろう。
 普段は冷静に物事を考えられるサトリも冥王相手の無謀な戦いには冷静ではいられない。
 黒い少女はそんなサトリを見て笑顔で答えた。

「小夜子さんは勿論、冥王様も救ってください」

「はぁ?」

 殺が素で間抜けな声を出す。
 それが少女にとっては面白かったのかケラケラと笑っていた。
 殺は面倒な展開についていきながらも頭を悩ます。

「あの二人は可哀想なのです。だから助けてください」

 少女は笑顔を崩さずに頼みごとをする。

「可哀想とは?」

「これからわかりますよ。私が二人の過去を見せますから」

 すると暗い世界で少女が眩く光り輝いていく。
 殺たちは思わず目を瞑る。

「さあ、二人の可哀想な話に同情してくれますか?」

 物語は如何なるのか?
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