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サトリと御影の過去
しおりを挟むサトリと御影はいつも一緒に行動している。
イタズラを行うのにも一緒に考えて行動を起こしている。
サトリと御影はイタズラが大好きだ。
ただ単にイタズラが楽しいからではない。
皆の笑顔が見たいからだ。
これは彼らの悲しい過去が大いに関係している。
これ以上、皆の辛い顔は見たくない。
彼らに起こったことを誰も知らない。
知らなくていい。
同じ事件を一緒に体験した二人は、生き残った彼らは自然と行動を一緒にする様になった。
彼らに何が起こったって?
それは知らなくていい、先ほどにそう言ったではないか。
知りたい?……貴方も物好きだ。
ならば知りたがりの貴方に特別に教えてあげよう。
彼らの身に何が起こったのかを……。
あれはまだ夏の暑さの残る日だった。
今程に一緒に行動する訳でもない普通の友人だった彼らは二人で甘味屋へ赴いていた。
残暑が厳しい中、カキ氷を食べながら今日は何をするかと考える。
御影はカキ氷を一気に食べ、頭がキーンと冷えたのか顔を顰めていた。
その様子をサトリが笑って揶揄(からか)う。
そのことに御影は拗ねてサトリのカキ氷を一口奪うが、更に頭がキーンとして頭を抱えた。
それをサトリは面白そうに眺める。
「さて、今日は一緒に遊ぶけど何をして遊ぶ?」
そうやってサトリは御影に問いかける。
御影は少し悩みながらも考えて答えた。
そうして何かを思いついて顔つきがぱあっと明るくなる。
何かを思いついた時の御影の顔はとても楽しそうで、サトリ顔負けの幼い顔つきになるのだ。
「肝試しは如何じゃ?」
「そりゃ良いな!」
二人は夏の間は仕事漬けだったから夏らしいことはしていない。
肝試しなら夏の気分を楽しめられるし、お互いの肝を試せる。
二人で対決出来るのだ、勝負ごとが好きな彼らにはもってこいだ。
人数は御影が集めるということで話は終わる。
彼等は好きなだけ甘味を楽しんで、帰るときには既に時刻は夕方を迎えていた。
秋に入るのに未だ残る入道雲を御影はソフトクリームみたいだと思い、それを読んだサトリは静かに笑った。
やはり彼の隣は落ち着くと……そう考えながら笑った。
夕闇が二人を包む。
それをなんとも思わず彼らは進む。
肝試しは明日な!そう笑いながら。
御影は家で楽しそうにゴロゴロ転がる。
明日がとても楽しみだからだ。
「御影様、夕餉の用意が出来ました」
「今行く!」
御影は従者に呼ばれて御飯を食べに行った。
食事の最中に従者を強制的に肝試しに誘う。
従者たちは嫌な顔一つせずに「命令ならば」とあっさりと受け入れた。
それを見た御影はいつも迷惑をかけているという思いから申し訳なくなり、従者たちの手伝いをする。
「御影様!御影様にお手数をかける訳にはいきません!」
「いいのじゃ!」
「ですが!」
従者と少し口論していたときだった。
湯呑みが割れたのだ。
あーあ……と御影は溜め息を吐く。
従者は其を気にも留めず、早く片付けていった。
「嫌な予感がする」
サトリは自宅の縁側に座っていた。
彼を包み込む風は生温かく、そして妙に荒っぽかった。
「お兄ちゃん!外の風は暑いから部屋に入りなよ!」
「そうする」
そう言ってサトリは妹に言われた通りに部屋に入った。
妙な胸騒ぎを抑えながら。
あれから日付けは変わった。
時刻は深夜二時を刻む。
肝試しの始まりだ。
サトリも少しだけ友人を連れてきていたようだ。
サトリはウキウキと興奮を隠しきれずに、そこらへんを歩きまわっている。
御影はドヤ顔で「お化け役は勿論いるから漏らすのではないぞ!」と言ってのける。
サトリは「お前こそ」と笑顔で返した。
場所は人間界の廃れた神社。
いたるところがボロボロで雰囲気がなかなか怖い……。
御影は強がりながらも既に足が震えている。
それを見兼ねたサトリは本当は怖がり御影の恐怖を軽減する為に「一緒に行くよ」とさりげなく声をかける。
御影は暫く強がったが結果は一緒に行動することになった。
肝試しのルールは簡単だ。
山道を歩いて神社まで行き、神社に置いてある稲荷揚げをとって戻ってくるというシンプルなものだ。
幾ら夏が終わったといっても、夜といっても、まだ残暑だ。
山道を歩くと自然と暑くなり汗が溢れ落ちる。
ずっとソワソワしている御影をサトリは「大丈夫だから」と落ち着かせる。
相変わらず俺の友人は面白いな……。
そうサトリが思ったときだった。
「うふふふふ」
そんな声が聞こえた。
緊張しながら後ろを振り返ると白い死装束を身に纏った鼻と耳がない血に汚れた女が地べたを這いずり回っていた。
女は首をぐるぐるとゆっくり回しながらニタニタ笑って此方に近づいてくる。
それを見た御影は意識を手放した。
何せ地獄には異形な妖は居ても血に塗れてはいないのだから。
血を初めて見る二人は恐怖で後退りした。
女は奇妙な動きでゆっくりゆっくり近づいてくる。
これって御影の従者だよな?リアル過ぎるだろ……。
そう思ったときだった。
「お前は何者だ!?」
御影の従者の一人が走って来たのだ。
それにポカンとするサトリ……、話は進んで行く。
サトリは状況に取り残される。
「うふふふ」
「埒があかない……ならば!!」
御影の従者が女に斬りかかる。
女はもろに攻撃を受けた。
これは演出かと思い、心を読んだが演出ではなかった。
従者には焦り、女には殺意。
それが見えたときには逃げるには充分だった。
首が宙を舞う。
舞ったのは女の首ではなく従者の首であった。
「あ……あ」
サトリは思わず声を洩らす。
何せ従者の首はもう戻らないとわかったからだ。
あまりにも酷い瘴気は毒より強く首を溶かしてしまった。
「うわぁぁぁぁぁぁ!?」
サトリの叫び声を驚いた声だと勘違いして従者たちは脅かしにかかってくる。
御影をおぶりながら「違う!お願い!逃げて!」と叫び走るサトリ。
それに従者が違和感を感じた時には、もう手遅れ……だった。
「いゃぁぁぁぁぁぁ!?」
振り返りたくない。
だが後ろが気になって振り返ってしまう。
後ろを向いたら地獄絵図が広がっていた。
首がない死体がゴロゴロと……。
沢山、沢山……。
女は恍惚の表情を浮かべていた。
従者が死んでいく。
友人が死んでいく。
悍ましい光景に身を震わす。
サトリはもう駄目だと他の人のことを諦めて、只々ひたすら叫んで走り逃げる。
首が目の前に投げられた。
それに恐怖し、叫ぶと後ろから「きゃはははは」と笑い声が聞こえてくる。
嗚呼、こんな化け物から逃げられるのか?
悪霊とは此処まで恐ろしいものなのか……。
サトリは女を悪霊と見抜いていた。
しかし、ただの悪霊が何故これほどまでの力を持っているのか?
神社の階段を上がる。
身体を引き摺る音が後ろから聞こえる。
早く逃げなければ……、女にバレないうちに神社の中に隠れる。
中はボロボロだがそんなことはどうでもいい。
今は生き残ることを優先しなければ。
すると御影がゆっくりと重い目蓋を開ける。
「……ここは?あの化け物は!?」
「叫ぶな」
サトリは口元に指を当て、静かにする様に促す。
そうして御影に化け物の正体が従者ではないと言う。
出来るだけ簡潔に状況を説明するが御影がそんな酷な現実を簡単に受け入れられる訳がなかった。
「そんな訳ない……皆が死んだ?何じゃ、サトリそんな冗談は通じないぞ」
御影は今にも泣きそうな顔で嘘だといってくれと懇願している。
「これが嘘だったらさっさと稲荷揚げをとって帰っている」
そうやって酷い言葉遣いで泣きそうな彼に告げる。
その言葉に御影はついに泣き出してしまった。
泣くな……なんて簡単に言えなかった。
いつも従者たちを自慢して、常に一緒で家族同然に考えていた御影には今は彼らが死んだという絶望しか残ってなかったのだから……。
サトリは御影の頭を撫でた。
今出来ることはこれだけしかなかったのだから。
御影はその手に縋り付く様に泣いている。
その光景に心が痛む。
自分は逃げることしか出来なかった。
自分がもっと強ければ……。
そう考えては自然と涙が溢れそうになる。
泣いたら駄目だ。
強くないと……。
最後の生存者であろう御影を守れない。
せめて御影だけは……。
彼は強く願った。
御影も同じ思いであった。
自分が強ければ……。
強かったら皆を守れていた。
皆を守れなかったのであればせめてサトリを守らなければならない……。
それが自分に出来ることだ。
そうやって御影はサトリの手の温もりを感じながら決意を決めた。
「うふふふふ」
声が近づいてくる。
サトリは御影の手を強く握り小声で「大丈夫だから……」そうやって笑った。
さぁ、自分の番が来る。
御影を守らなければ。
御影の前に出て、彼が逃げる時間を稼ごうとした時だった。
「ありがとう」
そう御影は笑った。
その笑顔にサトリは日常を思い出す。
とても幸せな日常、彼を好きでいた日常。
御影は何故だか幸せそうに笑いサトリを後ろに突き飛ばした。
御影は自らを犠牲にするつもりだったのだ。
だが……それをサトリが許す筈がない。
「勝手に死にに行くな!」
突き飛ばした手を握り、引っ張った。
御影はサトリの方に倒れて抱き締められた。
「何故じゃ!?」
「死んでほしくないからだよ!」
サトリの言葉は震えていた。
御影は思わずまた声をあげて泣いてしまう。
「うふふふふ」
無情にも声は近づいていく。
二人は怯えるが、まだ諦めていなかった。
「「絶対に守るから」」
笑い声の主が現れる。
最初よりもずっと血に染まった女は嬉しそうに此方を見ている。
女がゆっくりと重い身体を引き摺り近づいてきた。
だが彼らはもう恐れてはいなかった。
サトリは思い出した。
幸せな日常を、だからそれを失ってはならないことを。
自分は幸せに生きるんだと。
そう思ったから戦うことを選んだ。
御影は思い出した。
自分が死んで悲しむ者が居ることを。
それに自分は守る為に生きていた。
天狐の主人を守ると御影は決めていた、だが今はサトリを守れなかったら後悔する。
目の前の大切な者を守れなかったら、何も守れない。
「「うおおおおおおおおお!!」」
「きゃははははははははは!!」
彼らは覚悟を決めて守りたい者を守る。
そう決めたのだ。
死ぬ覚悟は無い。
死ぬ気で守る覚悟を決めただけだ。
彼らは悲壮に溢れる顔で拳を振るおうとする。
だが、その時に光が射した。
『もう殺したくないの……』
そう声が聞こえた気がした。
振るわれた拳は空を斬り、地面を破壊する。
女は居なくなりいつの間にか朝になっていた。
すると眩い光に包まれていく。
まるで光が生き物の様に見える。
そうしていたら彼らに急に眠気が訪れ、バタッと倒れてしまった。
気がついたら閻魔殿で眠っていた。
サトリと御影は閻魔に仕事場の前で倒れていたと教えられる。
そしてサトリの友人と御影の従者が行方不明ということを……。
サトリと御影は真実を話した。
その話を聞いた閻魔はすぐに神社の捜索したが死体など何処にもなかったらしい……。
其から元から人が来ない神社は閻魔の力で存在を無かったことにされた。
閻魔がいうには、その神社は昔に人殺しの呪いをかけられた女が封印された場所だったらしい。
だからかとサトリは納得する。
あの女の力は呪術によって得られたものかと。
調査で何故従者はこの場所を選んだのか調べた結果は、女のことを知った従者が雰囲気があっていいし封印されているから安全と軽率に判断して選んだ結果とわかった。
実際は呪いは蔓延っていて、封印などまともに施されていなかった。
実際に人間の死者も居るほどだ。
それに気づかなかったのは従者が人間など気にも留めなかったから、わからなかったのだろう。
死体は何処か異次元へと飛んでしまったらしく回収が不可能となり形だけの葬式をあげることになった。
何も遺骨の無い墓に手を合わせる。
御影は泣き疲れて今にも倒れそうだ。
サトリは唇を噛み締めて誓った。
もう誰も悲しませないと……。
それは御影も一緒だった。
サトリが唇を噛み締めている姿を見て苦しい思いをした。
これ以上は誰も悲しませたくないと。
だから二人は空元気になった。
イタズラ好きの陽気なお馬鹿。
二人はそうなることを心がけた。
そして強くなった。
強くなって人々を守り、頼り甲斐のある大人に……。
彼らは今も辛い記憶に苛まれている。
その記憶を忘れない様に永遠を刻む。
その永遠は絶対に終わらない……。
不老不死な彼等は永遠に何を見つめるのか……?
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