ダブル・ミッション 【女は秘密の香りで獣になる2

深冬 芽以

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Mission 16*役者

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 口を開けば圭の名前を呼んでしまいそうで、セックスの時は悟之さんの名前を呼ぶことはなかった。彼が何度、私の名前を呼んでも。

 それが、ただ一度だけ。私は最中に圭の名前を呼んでしまった。

 圭の誕生日。



 悟之さんが私のアイデアを盗んでまで大金を手にしようとしたのは、私のせいかもしれない。



『俺には金も甲斐性もないからさ』と、寂しそうに笑った悟之さんを憶えている。

 長く付き合った恋人に裏切られたと、話してくれた時。

 システムをSIINAに売り込んで、実力と金を手に入れようとした。それは、多分、私に認められたかったから。

「伊織?」

 呼ばれて、ハッとした。

 考え耽っている間に、パジャマのボタンは全て外されて、ナイトブラが露わになっていた。

「やっぱり、やめるか?」と、圭が心配そうに言う。

「ううん……」

 私は圭のTシャツをめくり上げ、素肌に触れた。

「やめない」

 悟之さんの言葉に支配されたくなかった。

 舌を絡ませながら、圭の手がブラを押し上げる。先端を指で撫でられ、そこから全身に熱が伝わる。

 膝を少し立てると、硬くなっている圭のモノに触れた。手を伸ばして、触れる。ビクッと反応して圭の舌の動きが止まり、今度は私が舌を入れた。

「伊織……」

 圭の唇が顎に、首に、胸に下りていく。同時進行でパジャマのパンツとショーツが脱がされる。

「んっ——」

 圭の指は私を悦ばせる方法を知っていて、私を瞬く間に絶頂へと導く。

「あっ……。んんんっ――!」

 息が、上手くできない。

 気持ち良過ぎて、思考が鈍る。

「伊織」

「はっ――! あ……」

 圭の舌と指の刺激に、じっとしていられない。足の爪先に力がこもる。

「け……い……」

「伊織」

 身体から唇が離れて、うっすら目を開けると、すぐ目の前に圭の顔があった。

「名前、呼んで?」

「え……?」

「ちゃんと、俺を呼んで」

 懇願するような、少し苦しそうな顔。

『もう、相手を間違えるなよ』と言われているよう。

 目の前の俺を見て、と。

「圭」

 手を伸ばし、圭の頬に触れる。しっとり、汗ばんでいた。

「圭……」

 首に腕を回し、引き寄せてキスをする。

「圭――」

 圭が私の膣内なか挿入はいってくる、この瞬間が好き。

 背筋がゾクゾクする、こみ上げてくる圧迫感と快感。

 そして、圭が私に感じている顔が好き。

 余裕のない、快感を求めて夢中で私を揺さぶる表情。

「け……い」

「伊織――!」

 他の言葉を知らないのかと思えるほど、何度もお互いの名前を呼び合った。
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