【ルーズに愛して】私の身体を濡らせたら

深冬 芽以

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【番外編】最後の夜、最初の夜

最後の夜 -12

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 あの頃、駿介が私を先輩と呼んでいた頃は、彼と結婚するなんて思いもしなかった。

 私を慕ってくれているのはわかっていたけれど、平均年齢が高めの職場で、一番年が近いからの親しみだと思っていた。

 私も、記念すべき初後輩で初教育係とあって、彼との距離感が近かったかもしれない。

「あ……、んっ――!」

 何度も擦られて、彼のモノが私の蜜に濡れ、ぬちぬちと音をたてる。

 甘い痺れに腰が揺れる。

「はっ――、ヤバ……」

 駿介が目を細め、眉間に皺を寄せて唸る。

「も……出そ……」

 抱えた私の足に、ふくらはぎにキスを落とす。

「好きだよ……先輩」

 絞り出すような高めの声に、挿れていないのに子宮が疼く。

 抽送が大きく激しくなり、彼の窪みが私の膨らみをこね回す。下生えも一緒に擦られて、ぬるぬるざらざらと不規則な快感が続く。

「あっ、あっっ!」

「先輩――!」

「鶴本く――、も……、だめっ――! イくッ!」

「んんんっ――!!」

 イく瞬間、私は力の限りで足に力を込め、彼をぎゅうっと締め付けた。

 彼は苦しそうに喉を鳴らし、私の足を掴む手に力をこめる。と同時に、腰の動きが止まり、足の間からお腹に向けて熱が放たれた。

 空っぽの膣内が寂しく痙攣を繰り返す。

 その振動で、お腹の上の白濁がたらりと流れた。

 はあはあ、と肩で呼吸を繰り返しながら、駿介は私の足をベッドの上に置くと、頭の上のティッシュを数枚引き抜いて、私のお腹を拭いた。

「締め付け過ぎだよ、先輩」

「なんのプレイよ……」

 喉の奥が乾燥しきって、驚くほどハスキーな声が出た。

「まんざらでもなかったろ? イく時、『鶴本くん』って呼んだよな」

「……気のせいじゃない?」

 私に寝返りを打って、さっき駿介が置いた水のペットボトルに手を伸ばした。が、先に彼に奪われた。

 彼は水を自らの口に含み、私の口まで運ぶ。

 私は口を開けて、彼のそれを受け入れた。

「次はなにしようか」

「なに……って?」

「先輩が他の誰ともシたことないこと、シたい」

 どうやら、先輩後輩プレイは続いているらしい。

 楽しそうだから水を差したくはないが、酔い冷ましのセックスは疲労が半端じゃない。

 私は、頭の上でその役割を果たせずにいる枕を手繰り寄せて突っ伏した。

 すると、あらぬ場所を突かれた。

「先輩のハジメテが欲しいなぁ」

「なにっ――!?」

「――ここ、シたことある?」

 両手で桃を掴むと、揉みながら左右に開く。

 グイッと腰を持ち上げられ、駿介にお尻を突き出す格好になってしまう。

「何やって――」

「――ここ、ハジメテ?」

 駿介が桃に歯を立てる。僅かに鈍い痛みが走る。

「やだっ! どこ噛んで――」

「――じゃ、舐める?」

 枕に顔を押し付けたこの体勢では、彼がどんな表情をしているのかわからない。



 声の様子からすると、ものすごく楽しそうだけど。



 だとしても、私は全く楽しくない。

 膝に力を入れて彼の手から逃れようとするが、お腹をしっかりと掴まれてしまい、叶わない。

「ね。ここ、シたことある?」

 ふうっと息を吹きかけられ、彼の眼前に桃の窪みが晒されているとわかる。

「やだやだっ!」

「痛かったらやめるから、ちょっとだけ試させて」

 窪みにぬるりと生温かい感触。

 ゾゾゾッと背筋に鳥肌が立つ。
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