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【番外編・1】彩の悩み
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「中学生の頃なんて、家の方向が違えば一緒に帰ることもなかったし、少ない小遣いじゃデートも出来ないし、相手の家に行く度胸もなかったし。スマホもなかったから、話があるなら家に電話だろ? 結局、何にも出来なくて振られた」
「……」
彩はタオルを顔に押し当てたまま。
俺は足を広げて彼女の身体を挟み、腰を抱いた。
「なんか言えよ」
「……ご愁傷様」
「姉さんにからかわれて、勢いでOKするとか、今思えば子供だったよな」
彩の肩に額を押し付け、寄りかかる。
「真は俺とは違うけどさ。中学生にもなれば、親に知られたくないことの十や二十はあるもんだ」
「多すぎじゃない?」
「そうか? 女の方が、秘密、好きだろ」
「……」
「とにかく! 真のラブレターのことは、知らん顔しとけ。もし、くれた女の中に真が好きな女がいても、お前に知られた恥ずかしさで付き合えなくなるかもしれないだろ」と言って、彩の首にキスをする。
「真は年の割にしっかりしてるから、大丈夫だろ」
「……なにが?」
「色々」
「色々って?」
「……」
セックスのことだとは、さすがに言えない。
最近の若い子は、と一括りにするつもりはないが、俺たちの時代よりも早熟なのは事実。
俺の言いたいことを察したのか、彩は俺を両手で突き飛ばし、タオルを投げつけた。
「――ってぇ」
「なんで、彼女が出来たらHするみたいに言うの!?」
「は?」
「中学生が――! そんなこと、するはずないじゃない!」
「じゃあ、何が心配なんだよ。お手て繋いで歩くくらいなら、好きにさせときゃいいだろ」
「……」
真面目な彩のことだ。
彼女が出来て、真が間違いを起こしたら、とか、彼女に現を抜かして成績が下がったら、とか考えてるんだろう。
もしくは、やっぱり、単純に、可愛い息子が他の女に取られるのが嫌なのか。
あとは――。
「あんまり大事にしすぎると、マザコンになっちまうぞ。真」
「……」
自覚があるのか、彩はバツが悪そうに目を逸らす。
「マジで」
「……」
「あーや」
俺は大袈裟に両腕を広げた。
三秒ほどで、彩が腕の中に納まる。
色んな感情があるようだが、要するに、彩が最初に言ったのが全て。
『寂しい』のだ。
俺はぎゅうっと彼女を抱き締めた。
「お前には俺がいるんだから、真に彼女がいたっていいだろ。つーか、亮はまだまだお前にべったりじゃないのか?」
彩が俺の背中に腕を回し、服を握り締めたのがわかった。
こうして素直に甘えられると、可愛くて堪らない。たまに、だから尚更。
彩は年齢からして、傍目から見たら、なんて気にしているようだが、二人きりの時くらい、みっともないほど曝け出して甘えて欲しいと思う。
「俺もべったりだし?」
「……」
彩はタオルを顔に押し当てたまま。
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「なんか言えよ」
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「多すぎじゃない?」
「そうか? 女の方が、秘密、好きだろ」
「……」
「とにかく! 真のラブレターのことは、知らん顔しとけ。もし、くれた女の中に真が好きな女がいても、お前に知られた恥ずかしさで付き合えなくなるかもしれないだろ」と言って、彩の首にキスをする。
「真は年の割にしっかりしてるから、大丈夫だろ」
「……なにが?」
「色々」
「色々って?」
「……」
セックスのことだとは、さすがに言えない。
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「――ってぇ」
「なんで、彼女が出来たらHするみたいに言うの!?」
「は?」
「中学生が――! そんなこと、するはずないじゃない!」
「じゃあ、何が心配なんだよ。お手て繋いで歩くくらいなら、好きにさせときゃいいだろ」
「……」
真面目な彩のことだ。
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もしくは、やっぱり、単純に、可愛い息子が他の女に取られるのが嫌なのか。
あとは――。
「あんまり大事にしすぎると、マザコンになっちまうぞ。真」
「……」
自覚があるのか、彩はバツが悪そうに目を逸らす。
「マジで」
「……」
「あーや」
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こうして素直に甘えられると、可愛くて堪らない。たまに、だから尚更。
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「俺もべったりだし?」
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