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【番外編・1】彩の悩み
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前髪越しに、額にキスを落とす。
彩はゆっくりと顔を上げ、俺を見上げた。首を伸ばすと、唇同士が触れる。ほんの少し。
微かに触れるだけのキスが、もどかしくて、なのに、ずっとこうしていたいと思わせる。
彩と出会って、知った。
他人を愛おしいと思う気持ち。
彩が俺の下唇を甘噛みし、舐める。
俺は彼女の上唇を咥え、舐めた。
わずかに瞼が開き、目が合う。
互いに欲情した姿を瞳に写し、己のその姿に熱を増す。
「彩……」
先に白旗を揚げたのは、俺。
もっと奥まで味わいたくて、彼女の後頭部に手を添えると、グイッと引き寄せた。
まったりと蕩けるように身体を重ねた。
ふっと目を覚ますと、俺は彩の腕に抱かれていた。余韻に浸ってキスを繰り返していた時には、俺が彩を抱いていたはずなのに。
時々、こうして立場が逆転している。
目の前の柔らかな膨らみに唇を押し付けると、彩の唇が俺の額に触れた。
亮を抱いている気でいるのだろう。
俺は、こうして彩に抱かれて眠るのが好きだ。彩に言ったことはないけれど。
母親の腕に抱かれて眠った記憶がないからだろうか。四十近くにもなって、その温もりを知り、安らぎを感じた。
真と亮は、いつか彩の元から巣立っていく。本当の意味で親離れした時、彩は今日以上に寂しさに泣くだろう。
その時も、こうしてそばにいて抱き締めてやりたいと思う。
子供たちの代わりに、抱き締められたいと思う。
ずっと……。
目を覚ました彩は、真の話はしなかった。
俺に話して、寂しいと泣いたことですっきりしたのかもしれない。
真がラブレターの相手に、なんて返事をしたのかは知らない。きっと、彩も。
真のラブレター事件(笑)は幕を下ろしたと思っていた。
が、三か月後。
さらにとんでもないことが起きた。
『真が……』
また、ラブレターか?
『凪子さんを好きだって……』
なぎ……こ――って!
「はぁ?」
また、声が裏返った。
『凪子さんが義理の娘になったらどうしよう……』
彩のぶっ飛んだ悩みに、俺は声を殺して笑った。電話でよかった。面と向かって言われたら、絶対に大笑いして怒られていた。
『仕事しにくいーーー』
そっちかい!
何がどうして、真が冨田を好きだと思っているのか、冨田が千堂を振って真を受け入れると考えるのかはわからない。が、一つだけ、彩と同感だった。
俺も、冨田が義理の娘になるのは、嫌だな。
彩はゆっくりと顔を上げ、俺を見上げた。首を伸ばすと、唇同士が触れる。ほんの少し。
微かに触れるだけのキスが、もどかしくて、なのに、ずっとこうしていたいと思わせる。
彩と出会って、知った。
他人を愛おしいと思う気持ち。
彩が俺の下唇を甘噛みし、舐める。
俺は彼女の上唇を咥え、舐めた。
わずかに瞼が開き、目が合う。
互いに欲情した姿を瞳に写し、己のその姿に熱を増す。
「彩……」
先に白旗を揚げたのは、俺。
もっと奥まで味わいたくて、彼女の後頭部に手を添えると、グイッと引き寄せた。
まったりと蕩けるように身体を重ねた。
ふっと目を覚ますと、俺は彩の腕に抱かれていた。余韻に浸ってキスを繰り返していた時には、俺が彩を抱いていたはずなのに。
時々、こうして立場が逆転している。
目の前の柔らかな膨らみに唇を押し付けると、彩の唇が俺の額に触れた。
亮を抱いている気でいるのだろう。
俺は、こうして彩に抱かれて眠るのが好きだ。彩に言ったことはないけれど。
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その時も、こうしてそばにいて抱き締めてやりたいと思う。
子供たちの代わりに、抱き締められたいと思う。
ずっと……。
目を覚ました彩は、真の話はしなかった。
俺に話して、寂しいと泣いたことですっきりしたのかもしれない。
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が、三か月後。
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『仕事しにくいーーー』
そっちかい!
何がどうして、真が冨田を好きだと思っているのか、冨田が千堂を振って真を受け入れると考えるのかはわからない。が、一つだけ、彩と同感だった。
俺も、冨田が義理の娘になるのは、嫌だな。
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