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13.結婚指輪
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結局、そのホテルには三泊して、市内のウィークリーマンションに移った。
家具家電だけでなく、寝具や台所用品の全てが揃っている上に、保証人が要らず、現金前払いというのが都合が良かったから。
とりあえずひと月の契約をした。
再び始まった二人暮らしの最初の夜。
俺は気になっていたことを楽に聞いた。
征子さんに見せられた、写真の男のこと。
「修平さんしか考えられないけど……」と、楽が視線を彷徨わせて言った。
「別に、怒ってるとかいうわけじゃないんだけど、気になって……さ?」
放っておいたくせに、と気を悪くしたろうかと心配になる。
「ずっと見張られてたって……こと?」
そっちか。
ここで元旦那と会っていたことの言い訳をしないのは、楽にとって後ろめたさがないからなんだろう。
「え? じゃあ……」と彼女は眉を寄せて俯く。
見張られていたと知って動揺するということは、旦那と会っていたこと以上の何かがあるということか。
「楽? 何か心配なことがある?」
「そういうわけじゃないけど――」
「――言って? どんなことでも」
俯く彼女の頬を両手ですくう。
楽は目に涙を浮かべていたが、悲しいというよりは恥ずかしそう。
「楽? 征子さんに知られたくない何かがある?」
彼女は唇を震わせ、グッと歯を食いしばってから、俺の両手首に自分の手を添えた。
「私が悠久をストーカーしてたの、離婚に影響ある?」
……俺を? ストーカー?!
「ごめんなさい。どうしても悠久の顔が見たくて、マンションの近くのカフェに通ってたの。それも……征子さんに知られてるよね? 調停とか裁判の時、心象悪いよね?」
「心象……って、ゆーか……」
そういえば、俺が事故に遭う前も、俺を見たくてカフェに行ったり定食屋で働いたりしてたと言っていた。
確かに、ストーカーとまではいかなくても、なかなかに際どいラインかもしれない。
つーか、楽ってどんだけ俺を見てたんだよ。
呆ける俺に、楽は必死の形相で続ける。
「み、見てただけだし、その……、会えない時は諦めてたんだけど――」
「――ぷっ……!」
カフェで楽が俺を待つ姿を想像したら、泣きそうになった。と同時に、可笑しくて笑ってしまった。
「楽、俺のこと好き過ぎだろ」
あはははは、と堪えきれずに声が出る。
「ひ、ひどい! 私は――」
「――すげー、嬉しい」
身を屈めてキスをした。
しっかりと腰を抱く。
「もう、そんなことさせないから」
「ん――!」
俺が舌で唇を突くと開いてくれる。
それが自然になるほどには、キスに慣れてくれた。逃げずに舌を絡めてくれるくらいにも。
俺は彼女の腰を抱き上げると、ベッドに移動した。
楽は俺の首にしがみつく。
二人してベッドに倒れ込んだ。
彼女のシャツのボタンを外しながら、首筋にキスを落とす。
家具家電だけでなく、寝具や台所用品の全てが揃っている上に、保証人が要らず、現金前払いというのが都合が良かったから。
とりあえずひと月の契約をした。
再び始まった二人暮らしの最初の夜。
俺は気になっていたことを楽に聞いた。
征子さんに見せられた、写真の男のこと。
「修平さんしか考えられないけど……」と、楽が視線を彷徨わせて言った。
「別に、怒ってるとかいうわけじゃないんだけど、気になって……さ?」
放っておいたくせに、と気を悪くしたろうかと心配になる。
「ずっと見張られてたって……こと?」
そっちか。
ここで元旦那と会っていたことの言い訳をしないのは、楽にとって後ろめたさがないからなんだろう。
「え? じゃあ……」と彼女は眉を寄せて俯く。
見張られていたと知って動揺するということは、旦那と会っていたこと以上の何かがあるということか。
「楽? 何か心配なことがある?」
「そういうわけじゃないけど――」
「――言って? どんなことでも」
俯く彼女の頬を両手ですくう。
楽は目に涙を浮かべていたが、悲しいというよりは恥ずかしそう。
「楽? 征子さんに知られたくない何かがある?」
彼女は唇を震わせ、グッと歯を食いしばってから、俺の両手首に自分の手を添えた。
「私が悠久をストーカーしてたの、離婚に影響ある?」
……俺を? ストーカー?!
「ごめんなさい。どうしても悠久の顔が見たくて、マンションの近くのカフェに通ってたの。それも……征子さんに知られてるよね? 調停とか裁判の時、心象悪いよね?」
「心象……って、ゆーか……」
そういえば、俺が事故に遭う前も、俺を見たくてカフェに行ったり定食屋で働いたりしてたと言っていた。
確かに、ストーカーとまではいかなくても、なかなかに際どいラインかもしれない。
つーか、楽ってどんだけ俺を見てたんだよ。
呆ける俺に、楽は必死の形相で続ける。
「み、見てただけだし、その……、会えない時は諦めてたんだけど――」
「――ぷっ……!」
カフェで楽が俺を待つ姿を想像したら、泣きそうになった。と同時に、可笑しくて笑ってしまった。
「楽、俺のこと好き過ぎだろ」
あはははは、と堪えきれずに声が出る。
「ひ、ひどい! 私は――」
「――すげー、嬉しい」
身を屈めてキスをした。
しっかりと腰を抱く。
「もう、そんなことさせないから」
「ん――!」
俺が舌で唇を突くと開いてくれる。
それが自然になるほどには、キスに慣れてくれた。逃げずに舌を絡めてくれるくらいにも。
俺は彼女の腰を抱き上げると、ベッドに移動した。
楽は俺の首にしがみつく。
二人してベッドに倒れ込んだ。
彼女のシャツのボタンを外しながら、首筋にキスを落とす。
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