25 / 51
1章 白き貴公子と黒き皇帝との出会い
1-25 関わり
しおりを挟む
「ええっと、ごめん、私にはまだその情報が来てなくて」
一応謝るルーシェ。
自分が謝る分には何も厭わない男である。
「フィルス嬢はセリア姫殿下との縁談が進んでいるということですか」
「水面下で。私にはまだ具体的な話は来てませんが、さらに遠方の国々に声をかけるよりは、近場の私ですませてしまおうという感じかもしれません。問題は父が乗り気で」
「フィルス嬢はセリア姫殿下には情を持たれてないのですか」
質問が逆になっただけだな。
「友人としての情なら持っていますが、私は結婚してこの関係を壊したくないのです」
「関係を壊す?」
ルーシェがリーシアを見て、天井を見た。
きゃっ、語り部さんを見つけられちゃったと思った。
すぐにリーシアに視線を戻したので違った。
残念。
語り部さんは皇帝さんよりもルーシェの方が超長ーいつきあいなのになあ。発見されたことはない。
「面識のない方よりも、同性でも気心知れた仲の方が結婚相手としてもお互い、、、」
ルーシェは首を傾ける。
リーシアを説得しようとしても、どうにも腑に落ちないものがあるらしい。
言葉が続かない。
「確かに普通の結婚相手なら友人同士の方がいいのかもしれませんが、セリアは女帝となる人物です。私には皇配になる覚悟もなく、その重圧が耐えられない」
リーシアの言葉に、ルーシェは何かが引っかかる。
同じ皇配という立場になるかもしれないから、ルーシェの元に来たのだろうか。
そうではない、そんな気がする。
「んー?」
ルーシェはサンテス王国でのことをなんとか思い出す。
「ああ、呪い」
「え?」
「呪われた一族というのが存在してましたね、サンテス王国でも。跡継ぎの男児を女装させて、男が産まれたことを成人まで悟られてはいけないという」
言い当てられるとは思ってもみなかったリーシアは肩を揺らす。
そーなんだよね、このリーシアちゃんは男の子だ。
本当に呪いなのか、しきたりなのかは家にもよるが、この世界ではどこの国でも意外といる。
その家で成人になる前の男子の死亡が続くと、人々は呪いを疑う世の中である。
リーシアが女性だと世間を欺けているからこそ、狸爺はこのまま仲のいいセリア姫と結婚させてしまおうと目論んでいる。
クエド帝国では長男がいれば長男が家を継ぐことが多いが、女性しか産まれていない場合、長女が家を継ぐこともある。特に男性しか爵位を認めない、ということは決してないため、長女がいるフィルス侯爵家では次子で皇族との繋がりを強めようと狸爺が出てくるわけである。
しかも、本当は女性同士ではない。皇帝になる子供が産まれれば、フィルス侯爵家の狸爺は万々歳である。
「なぜ、それを。私のこの姿で疑われることは一度もなかったのに」
「貴方の言葉はなぜか用意されていた感じがしました。演技ということなら確かに騙されるレベルのものでしたが」
「私がまだまだ未熟だということですか」
「いえ、フィルス嬢はセリア姫殿下のことがお好きなのに、なぜ結婚しないのか、それともできないのか、というところに視点を置き換えて考察してみました」
「確かにセリアのことは好きですよ。けど、それは友人として」
慌てて言葉を重ねるリーシア。
そのリーシアを微笑ましく見るルーシェ。
「女性だった友人が男性として結婚相手として現れたら、どうセリア姫殿下が受け取るか。それが心配なのではありませんか。貴方はセリア姫殿下のことを大切に思っているからこそ、嫌われたくなかったのでは?」
リーシアはルーシェから視線を逸らした。
その行為が肯定を意味しているかのように。
「、、、そうですね。結婚相手になっても、同性の友人として求められているのなら、セリアから肉体関係は求められないでしょう」
「え?私は同性でも皇帝陛下とイチャつきたいと思いますが」
キッパリハッキリ。
そういう気がしたよ。
ルーシェは正直だね。隠さないよね、そういうところ。
言う相手は選んでいるだろうけど。
「同性同士だったなら子供は産まれない。私との行為は、その、普通に男女関係だ」
「セリア姫殿下も清い白い結婚を望まれているのですか」
「、、、女性同士と思っているのなら、その可能性も」
「そうですかね?」
「え、シルコット殿から見ると、違うんですか?セリアは欲求不満なんですか?性欲絶倫に見えるのですか?」
リーシアが少々壊れた。
誰にも男だとバレたことはないと思っていたからだ。
だが、国の上層部は騙されていない。
皇帝さんと宰相さんの二人もしっかりとつかんでいる。
だから、二人だけのパジャマパーティは完全に阻止されてきた。密室に二人きりになる予定は徹底的に潰されてきた。
皇帝さんも養子とはいえ娘は可愛いのだ。
責任を取らぬ男を近づけさせるわけもない。
数分後。
ようやくリーシアが落ち着いてきた。
「でも、ルーシェ殿は私のことを本当によく見抜きましたね」
「それは貴方には過剰な褒め言葉は必要ない気がしたので、なんとなく」
過剰な褒め言葉というのは今も女性相手にルーシェが垂れ流している。
男性にも褒めるときは褒めるが、ルーシェの褒め言葉は特に褒め言葉が欲しいと強く思っている相手に向ける。
うんっ、皇帝さんは意外と嫉妬深いぞっ。
今は見て見ぬフリをしているけど、婚約式をした後は絶対束縛されるぞっ。
女性に褒め言葉を必要以上語ったら、首輪をつけられるぞっ。
気をつけろっ、ルーシェ。
いや、それがルーシェの幸せなのか?
ルーシェと皇帝さんは意外と噛み合っているところがあるからなあ。
外見よりも内面や行動を褒めた方が反応が良い人間は、外見に絶対の自信を持っているからか。
褒め言葉に反応が薄いのは、褒められ慣れたせいか。
リーシアに承認欲求がないかというとそうでもない。
偽りの姿と思っている着飾った女装の自分をいくら褒められても、リーシアの心は動かないだけだ。
成人の十五歳になったからといって、いきなり女装をやめることはできない。
すべてを打ち壊す行為を。
セリアからの信頼を、友人関係を、気安い時間を失うのは躊躇われた。
「うちの狸親父が出てこなければ、セリアと結婚して幸せになれるのになあ」
貴族特有の悩みだ。
言い訳と言えば、ただの言い訳だ。
「そういうことなら、宰相殿が手を打つのでは?」
「父は何でも化かす狸親父だから」
「セリア姫殿下を貴方が守るのでしょう、リーシア殿」
リーシアの瞳が瞬く。
誰がセリアを守るのか。
まるで、今、気づいたかのように。
「そうですね。まずはセリアが私との結婚について本当はどう思っているのか聞いてみます」
本当は嬉しかった。
セリアに言われたとき。冗談であったとしても。
セリアと結婚できればどんなにか。
友人としてでも。
「まあ、いざとなったら、本当に女性になるとか」
「うっ」
怖いことをルーシェに言われたリーシアだった。
リーシアは別に心まで女性というわけではない。
セリアとの結婚に男を捨てるまでの覚悟があるのかというと、微妙だった。
できれば男としての自分を受け入れてほしいと思っていることを自覚した。
「ああ、風の魔法で密談していたという報告が来てましたね。狸爺との交渉は落ち着くところに落ち着いてますよ」
「良い着地点が見つかったということですか?」
「一応、あの狸爺も人の親ですからねえ。リーシアがあの姿のままじゃ結婚相手は探せませんし、親しいセリア姫殿下と結ばれるのなら、大義名分も成り立ちますから。狸爺が政治にあまり口出ししないよう予防線もすでに張りました」
ルーシェは宰相さんにリーシアのことを尋ねた。
それは正解だ。
この件は皇帝さんに聞いてはならない。
「ルーシェ殿、この件はもうしばらくクフィール皇帝陛下には内密に」
宰相さんが笑顔で口止めする。
そこでルーシェは周囲を見る。
何者も見えていないが。
「私のことを物語にしているという語り部さんがすでに皇帝陛下に報告しているのでは?」
「あの間諜まがいがっ」
宰相さんが語り部さんの間諜まがい扱いをやめないので、皇帝さんに報告しておきましょう、是非。
ふっふっふっ。
一応謝るルーシェ。
自分が謝る分には何も厭わない男である。
「フィルス嬢はセリア姫殿下との縁談が進んでいるということですか」
「水面下で。私にはまだ具体的な話は来てませんが、さらに遠方の国々に声をかけるよりは、近場の私ですませてしまおうという感じかもしれません。問題は父が乗り気で」
「フィルス嬢はセリア姫殿下には情を持たれてないのですか」
質問が逆になっただけだな。
「友人としての情なら持っていますが、私は結婚してこの関係を壊したくないのです」
「関係を壊す?」
ルーシェがリーシアを見て、天井を見た。
きゃっ、語り部さんを見つけられちゃったと思った。
すぐにリーシアに視線を戻したので違った。
残念。
語り部さんは皇帝さんよりもルーシェの方が超長ーいつきあいなのになあ。発見されたことはない。
「面識のない方よりも、同性でも気心知れた仲の方が結婚相手としてもお互い、、、」
ルーシェは首を傾ける。
リーシアを説得しようとしても、どうにも腑に落ちないものがあるらしい。
言葉が続かない。
「確かに普通の結婚相手なら友人同士の方がいいのかもしれませんが、セリアは女帝となる人物です。私には皇配になる覚悟もなく、その重圧が耐えられない」
リーシアの言葉に、ルーシェは何かが引っかかる。
同じ皇配という立場になるかもしれないから、ルーシェの元に来たのだろうか。
そうではない、そんな気がする。
「んー?」
ルーシェはサンテス王国でのことをなんとか思い出す。
「ああ、呪い」
「え?」
「呪われた一族というのが存在してましたね、サンテス王国でも。跡継ぎの男児を女装させて、男が産まれたことを成人まで悟られてはいけないという」
言い当てられるとは思ってもみなかったリーシアは肩を揺らす。
そーなんだよね、このリーシアちゃんは男の子だ。
本当に呪いなのか、しきたりなのかは家にもよるが、この世界ではどこの国でも意外といる。
その家で成人になる前の男子の死亡が続くと、人々は呪いを疑う世の中である。
リーシアが女性だと世間を欺けているからこそ、狸爺はこのまま仲のいいセリア姫と結婚させてしまおうと目論んでいる。
クエド帝国では長男がいれば長男が家を継ぐことが多いが、女性しか産まれていない場合、長女が家を継ぐこともある。特に男性しか爵位を認めない、ということは決してないため、長女がいるフィルス侯爵家では次子で皇族との繋がりを強めようと狸爺が出てくるわけである。
しかも、本当は女性同士ではない。皇帝になる子供が産まれれば、フィルス侯爵家の狸爺は万々歳である。
「なぜ、それを。私のこの姿で疑われることは一度もなかったのに」
「貴方の言葉はなぜか用意されていた感じがしました。演技ということなら確かに騙されるレベルのものでしたが」
「私がまだまだ未熟だということですか」
「いえ、フィルス嬢はセリア姫殿下のことがお好きなのに、なぜ結婚しないのか、それともできないのか、というところに視点を置き換えて考察してみました」
「確かにセリアのことは好きですよ。けど、それは友人として」
慌てて言葉を重ねるリーシア。
そのリーシアを微笑ましく見るルーシェ。
「女性だった友人が男性として結婚相手として現れたら、どうセリア姫殿下が受け取るか。それが心配なのではありませんか。貴方はセリア姫殿下のことを大切に思っているからこそ、嫌われたくなかったのでは?」
リーシアはルーシェから視線を逸らした。
その行為が肯定を意味しているかのように。
「、、、そうですね。結婚相手になっても、同性の友人として求められているのなら、セリアから肉体関係は求められないでしょう」
「え?私は同性でも皇帝陛下とイチャつきたいと思いますが」
キッパリハッキリ。
そういう気がしたよ。
ルーシェは正直だね。隠さないよね、そういうところ。
言う相手は選んでいるだろうけど。
「同性同士だったなら子供は産まれない。私との行為は、その、普通に男女関係だ」
「セリア姫殿下も清い白い結婚を望まれているのですか」
「、、、女性同士と思っているのなら、その可能性も」
「そうですかね?」
「え、シルコット殿から見ると、違うんですか?セリアは欲求不満なんですか?性欲絶倫に見えるのですか?」
リーシアが少々壊れた。
誰にも男だとバレたことはないと思っていたからだ。
だが、国の上層部は騙されていない。
皇帝さんと宰相さんの二人もしっかりとつかんでいる。
だから、二人だけのパジャマパーティは完全に阻止されてきた。密室に二人きりになる予定は徹底的に潰されてきた。
皇帝さんも養子とはいえ娘は可愛いのだ。
責任を取らぬ男を近づけさせるわけもない。
数分後。
ようやくリーシアが落ち着いてきた。
「でも、ルーシェ殿は私のことを本当によく見抜きましたね」
「それは貴方には過剰な褒め言葉は必要ない気がしたので、なんとなく」
過剰な褒め言葉というのは今も女性相手にルーシェが垂れ流している。
男性にも褒めるときは褒めるが、ルーシェの褒め言葉は特に褒め言葉が欲しいと強く思っている相手に向ける。
うんっ、皇帝さんは意外と嫉妬深いぞっ。
今は見て見ぬフリをしているけど、婚約式をした後は絶対束縛されるぞっ。
女性に褒め言葉を必要以上語ったら、首輪をつけられるぞっ。
気をつけろっ、ルーシェ。
いや、それがルーシェの幸せなのか?
ルーシェと皇帝さんは意外と噛み合っているところがあるからなあ。
外見よりも内面や行動を褒めた方が反応が良い人間は、外見に絶対の自信を持っているからか。
褒め言葉に反応が薄いのは、褒められ慣れたせいか。
リーシアに承認欲求がないかというとそうでもない。
偽りの姿と思っている着飾った女装の自分をいくら褒められても、リーシアの心は動かないだけだ。
成人の十五歳になったからといって、いきなり女装をやめることはできない。
すべてを打ち壊す行為を。
セリアからの信頼を、友人関係を、気安い時間を失うのは躊躇われた。
「うちの狸親父が出てこなければ、セリアと結婚して幸せになれるのになあ」
貴族特有の悩みだ。
言い訳と言えば、ただの言い訳だ。
「そういうことなら、宰相殿が手を打つのでは?」
「父は何でも化かす狸親父だから」
「セリア姫殿下を貴方が守るのでしょう、リーシア殿」
リーシアの瞳が瞬く。
誰がセリアを守るのか。
まるで、今、気づいたかのように。
「そうですね。まずはセリアが私との結婚について本当はどう思っているのか聞いてみます」
本当は嬉しかった。
セリアに言われたとき。冗談であったとしても。
セリアと結婚できればどんなにか。
友人としてでも。
「まあ、いざとなったら、本当に女性になるとか」
「うっ」
怖いことをルーシェに言われたリーシアだった。
リーシアは別に心まで女性というわけではない。
セリアとの結婚に男を捨てるまでの覚悟があるのかというと、微妙だった。
できれば男としての自分を受け入れてほしいと思っていることを自覚した。
「ああ、風の魔法で密談していたという報告が来てましたね。狸爺との交渉は落ち着くところに落ち着いてますよ」
「良い着地点が見つかったということですか?」
「一応、あの狸爺も人の親ですからねえ。リーシアがあの姿のままじゃ結婚相手は探せませんし、親しいセリア姫殿下と結ばれるのなら、大義名分も成り立ちますから。狸爺が政治にあまり口出ししないよう予防線もすでに張りました」
ルーシェは宰相さんにリーシアのことを尋ねた。
それは正解だ。
この件は皇帝さんに聞いてはならない。
「ルーシェ殿、この件はもうしばらくクフィール皇帝陛下には内密に」
宰相さんが笑顔で口止めする。
そこでルーシェは周囲を見る。
何者も見えていないが。
「私のことを物語にしているという語り部さんがすでに皇帝陛下に報告しているのでは?」
「あの間諜まがいがっ」
宰相さんが語り部さんの間諜まがい扱いをやめないので、皇帝さんに報告しておきましょう、是非。
ふっふっふっ。
29
あなたにおすすめの小説
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
ユィリと皆の動画つくりました! お話にあわせて、ちょこちょこあがる予定です。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
全8話
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。
★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★
龍の寵愛を受けし者達
樹木緑
BL
サンクホルム国の王子のジェイドは、
父王の護衛騎士であるダリルに憧れていたけど、
ある日偶然に自分の護衛にと推す父王に反する声を聞いてしまう。
それ以来ずっと嫌われていると思っていた王子だったが少しずつ打ち解けて
いつかはそれが愛に変わっていることに気付いた。
それと同時に何故父王が最強の自身の護衛を自分につけたのか理解す時が来る。
王家はある者に裏切りにより、
無惨にもその策に敗れてしまう。
剣が苦手でずっと魔法の研究をしていた王子は、
責めて騎士だけは助けようと、
刃にかかる寸前の所でとうの昔に失ったとされる
時戻しの術をかけるが…
(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。
キノア9g
BL
※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。
気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。
木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。
色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。
ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。
捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。
彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。
少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──?
騎士×妖精
俺の居場所を探して
夜野
BL
小林響也は炎天下の中辿り着き、自宅のドアを開けた瞬間眩しい光に包まれお約束的に異世界にたどり着いてしまう。
そこには怪しい人達と自分と犬猿の仲の弟の姿があった。
そこで弟は聖女、自分は弟の付き人と決められ、、、
このお話しは響也と弟が対立し、こじれて決別してそれぞれお互い的に幸せを探す話しです。
シリアスで暗めなので読み手を選ぶかもしれません。
遅筆なので不定期に投稿します。
初投稿です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる