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2章 夢渡り
2-8 王道の夢
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超似合わん。
つい感想から言ってしまった。
語り部さんだよー。
まだまだルーシェの夢に在中。
宰相さんとセリア姫が外では皇帝さんのお仕事肩代わり中で、すでにセリア姫が呪詛を唱えている。
けれど、仕事量から言ったらまだまだ序の口だぜっ。
皆、セリア姫には甘いんだからっ。
仕事は仕事として、次期皇帝にはきちんと配分していこうぜ。
慣れていかないと困るのはセリア姫なんだからさあ。
「似合わなくて悪かったな」
仏頂面の皇帝さんが立っている。
夢で場面転換が起こった。
衣装もチェンジ。
皇帝さんだけね。王子様役なのは皇帝さんだけだ。
うん、、、いつも真っ黒な皇帝さんが、爽やかな白い王子様風衣装を着ている。
いや、イケメンなので白も似合わないわけではないのだが、超さわやか雰囲気が似合わない。
白いマントもどうかと思います。
思考が拒否するってこういうことなのか、というそぐわない感が甚大だ。
そんなに似合いませんかねえ?という優しい考えの持ち主であるクルリン、心の中でまで気を使わなくてもいいよ。
ボボは皇帝さんの服装に関して特に何も思ってません。
消えてしまった肉の残りがまだ入っていたバケツに未練たらたらである。
だから、クルリンが食べられるときに食べておけというありがたい教訓を授けてくれていたのに。
クルリンはお腹いっぱい食べられたようだ。
もぐもぐ。
「そう言うお前はまだ食べているのか」
黒子語り部さんはー、皇帝さんをびちびちするのに忙しかったのです。
お弁当は語り部さんの持ち物なので、語り部さんからは消えません。
おにぎりって便利だよね。歩きながら食べられる。皇帝さんの肩にのったら歩かないけど。
ううっ、梅干しだった。
明太子が良かったなあ。まあ、秘伝のはちみつ梅干しだからおいしいことはおいしいんだけどね。
「おにぎりが空中に浮かんでいる。。。少しずつ欠けていっている。。。ということはそこに」
はーい、語り部さんがいます。
まだお腹に余裕があるかな、クルリン?
「まだ食べられるか聞いているが」
「え、そりゃ、美味しかったのでいくらでも食べられますが、、、ふぐぅっ」
梅干しおにぎりをクルリンのお口に突っ込みました。食いかけですけど、それが何か?
おいしいんですけども、語り部さんは明太子おにぎりの口になっているんですぅ。
明太子おにぎりはどれかなー?目印つけとけば良かったけど、でも、それじゃあ楽しくない。探す楽しみプライスレス。
お?皇帝さんも羨ましいと思っている?
まだまだ育ちざかりだから、たくさん食べたいのかな?
けど、場面転換しちゃったからねえ。
クルリンのように早く食べなかった皇帝さんが悪いのさっ。
さあ、白馬に乗った王子様は出発だっ。
「白馬に乗った王子様?」
白馬などいないぞ、という顔でこっちを見るな。
そして、ボボもルーシェ以外乗せないぞという顔で語り部さんを見ている。
何度言ったらわかるのかな?
ここは夢だぞ。語り部さんに不可能はないっ。
ババーン。
立派な鞍を装備した白馬が現れた。
王子様の愛馬だ。
「ところで、俺が王子だという設定は年齢的に無理があると思うのだが」
何をおっしゃる。
爺になっても王子のままという可哀想な王子もこの世にはいるんだから、とやかく言うんじゃねえ。
親が権力の座にしがみついていると弊害しか生まれない。
「確かにそういう国もあることにはあるな」
王の座を跡継ぎに譲位するというのは、ある意味で賭けに近い。
跡継ぎが国王より優秀なら何も問題ないが、経験の差というのは如実に表れる。どんなに教育を施されようとも、実践を上回る教育というのはほぼ不可能だ。
だからこそ、皇太子や王太子時代にすでに仕事を任されるのである。軟着陸させるために。
それなのに端から継がないとされてきた、教育もされず仕事も携わって来なかった五男の皇帝さんがすんなりと皇帝の仕事を完遂させることができるのは、偏に皇帝さんが人ではないからである。
もはや人外の能力を持っていなければおかしい。
生まれつき持っていた才能なんて信じないぞっ。
あー、明太子おにぎりおいしい。
「、、、話の途中で、おにぎりの感想が勝るのは解せないな」
自分が料理したものって格別においしいよね。
自分好みに味付けされているからだろうけど、好きな人の好みの味付けにするなんて、語り部さんには信じられないよ。
料理は作ってくれた人に感謝して食べるべきだよ。
どんなにマズくともっっ。
「この梅干しおにぎりも美味しかった」
ありがとう、クルリーン。褒められると作り甲斐があるよー。
今日のおにぎりは塩加減が秀逸。
シンプルな塩むすびも好きだけど、ピクニックにはワクワクする具が欲しいよね。
「くそっ、おにぎりの話題になりやがった。俺はこの格好でどうすれば良いんだ。案内人が案内を放棄してどうする」
白馬が来たんだから、白馬に乗りなよ。
白馬に乗った王子様なんだから。
「くそっ、このご都合主義めっ」
皇帝さんが悪態をつきながら白馬に乗った。
クルリンとボボは後方からついてくる。
馬はのんびりカポカポと歩いているので、別に走っているわけでもない。
クルリンは引き摺られなくても自発的についてくるように進化してしまったな。
皇帝さんからは逃げられないと悟ったか。
「俺には姿が見えない案内人がいるんだね。夢を案内できるのって夢渡りしかいないと思っていたけど、その人、夢渡りの血族とか?」
いやー、関係ないっす。
魔法の才能が豊かなだけっす。語り部さん、天才だから。一回見ればその人だけの固有魔法でもなければたいていのことはできちゃうので。
「お前、何でクルリンの質問にはきちんと返答するんだ?いつもは流したり別の話題にすり替えるクセに」
おや、拗ねてます?
チッ、と舌打ちした皇帝さん。
「夢渡りの能力も固有魔法じゃないのか」
「一族の血が流れていないと使えないと言われてましたが」
実は夢渡りの魔法は一族固有の魔法とかいうわけでもない。
が、夢渡りは他人の夢の中で暮らしている。その技術を代々伝授しているのである。
語り部さんが他人の夢の中で生活できるかというと無理である。
侵入するのが精一杯というところか。
だって、どうやって他人の夢の中で生活できるの?
食事とか排泄ってどうするの?不思議すぎるよ。
皇帝さんやボボのように意識だけ他人の夢に来ているわけではないのだから。
夢渡りは文字通り、他人の夢の中を渡り歩いている人々なのである。
「ふーん、城が見えてきたぞ。王子役が住んでいる城なのか?」
ちっがうねー。
皇帝さんは隣国の王子様なのだよ。
「、、、王子が一人で隣国ねえ。夢だな」
プラス従者が一人に飛竜一頭。
案内人は登場人物に認識されないので数に入れないでね。
護衛もつけずにそんな人数で王子がフラフラ他国を歩いていたら、現実では正気ではない。
どんな安全な国でさえ、どんなお忍び旅行ですら、偽装工作だとしても、どんなに最強王子だとしても、王子と一緒にいるのが従者がたった一人ということはありえない。
「薔薇がけっこう咲いているね」
クルリンが周囲を見渡す。
普通は城のまわりには街があると思うが、なぜかすでに庭。
庭園は薔薇一色。
ご都合主義な夢だ。
「ルーシェは薔薇が好きなのか?」
そんな事実はありません。
薔薇が好きなのは。
「あら、お客様かしら」
豪華なドレスを着たご令嬢が王子様を出迎えた。
この時点で現実ではおかしいのだが。
ご令嬢が最初に客を迎えるのはどう考えてもおかしいだろ。
門番はどうした?警備はどこ行った?
「ルーシェ?」
ご令嬢のお顔を見たクフィールが呟いた。
つい感想から言ってしまった。
語り部さんだよー。
まだまだルーシェの夢に在中。
宰相さんとセリア姫が外では皇帝さんのお仕事肩代わり中で、すでにセリア姫が呪詛を唱えている。
けれど、仕事量から言ったらまだまだ序の口だぜっ。
皆、セリア姫には甘いんだからっ。
仕事は仕事として、次期皇帝にはきちんと配分していこうぜ。
慣れていかないと困るのはセリア姫なんだからさあ。
「似合わなくて悪かったな」
仏頂面の皇帝さんが立っている。
夢で場面転換が起こった。
衣装もチェンジ。
皇帝さんだけね。王子様役なのは皇帝さんだけだ。
うん、、、いつも真っ黒な皇帝さんが、爽やかな白い王子様風衣装を着ている。
いや、イケメンなので白も似合わないわけではないのだが、超さわやか雰囲気が似合わない。
白いマントもどうかと思います。
思考が拒否するってこういうことなのか、というそぐわない感が甚大だ。
そんなに似合いませんかねえ?という優しい考えの持ち主であるクルリン、心の中でまで気を使わなくてもいいよ。
ボボは皇帝さんの服装に関して特に何も思ってません。
消えてしまった肉の残りがまだ入っていたバケツに未練たらたらである。
だから、クルリンが食べられるときに食べておけというありがたい教訓を授けてくれていたのに。
クルリンはお腹いっぱい食べられたようだ。
もぐもぐ。
「そう言うお前はまだ食べているのか」
黒子語り部さんはー、皇帝さんをびちびちするのに忙しかったのです。
お弁当は語り部さんの持ち物なので、語り部さんからは消えません。
おにぎりって便利だよね。歩きながら食べられる。皇帝さんの肩にのったら歩かないけど。
ううっ、梅干しだった。
明太子が良かったなあ。まあ、秘伝のはちみつ梅干しだからおいしいことはおいしいんだけどね。
「おにぎりが空中に浮かんでいる。。。少しずつ欠けていっている。。。ということはそこに」
はーい、語り部さんがいます。
まだお腹に余裕があるかな、クルリン?
「まだ食べられるか聞いているが」
「え、そりゃ、美味しかったのでいくらでも食べられますが、、、ふぐぅっ」
梅干しおにぎりをクルリンのお口に突っ込みました。食いかけですけど、それが何か?
おいしいんですけども、語り部さんは明太子おにぎりの口になっているんですぅ。
明太子おにぎりはどれかなー?目印つけとけば良かったけど、でも、それじゃあ楽しくない。探す楽しみプライスレス。
お?皇帝さんも羨ましいと思っている?
まだまだ育ちざかりだから、たくさん食べたいのかな?
けど、場面転換しちゃったからねえ。
クルリンのように早く食べなかった皇帝さんが悪いのさっ。
さあ、白馬に乗った王子様は出発だっ。
「白馬に乗った王子様?」
白馬などいないぞ、という顔でこっちを見るな。
そして、ボボもルーシェ以外乗せないぞという顔で語り部さんを見ている。
何度言ったらわかるのかな?
ここは夢だぞ。語り部さんに不可能はないっ。
ババーン。
立派な鞍を装備した白馬が現れた。
王子様の愛馬だ。
「ところで、俺が王子だという設定は年齢的に無理があると思うのだが」
何をおっしゃる。
爺になっても王子のままという可哀想な王子もこの世にはいるんだから、とやかく言うんじゃねえ。
親が権力の座にしがみついていると弊害しか生まれない。
「確かにそういう国もあることにはあるな」
王の座を跡継ぎに譲位するというのは、ある意味で賭けに近い。
跡継ぎが国王より優秀なら何も問題ないが、経験の差というのは如実に表れる。どんなに教育を施されようとも、実践を上回る教育というのはほぼ不可能だ。
だからこそ、皇太子や王太子時代にすでに仕事を任されるのである。軟着陸させるために。
それなのに端から継がないとされてきた、教育もされず仕事も携わって来なかった五男の皇帝さんがすんなりと皇帝の仕事を完遂させることができるのは、偏に皇帝さんが人ではないからである。
もはや人外の能力を持っていなければおかしい。
生まれつき持っていた才能なんて信じないぞっ。
あー、明太子おにぎりおいしい。
「、、、話の途中で、おにぎりの感想が勝るのは解せないな」
自分が料理したものって格別においしいよね。
自分好みに味付けされているからだろうけど、好きな人の好みの味付けにするなんて、語り部さんには信じられないよ。
料理は作ってくれた人に感謝して食べるべきだよ。
どんなにマズくともっっ。
「この梅干しおにぎりも美味しかった」
ありがとう、クルリーン。褒められると作り甲斐があるよー。
今日のおにぎりは塩加減が秀逸。
シンプルな塩むすびも好きだけど、ピクニックにはワクワクする具が欲しいよね。
「くそっ、おにぎりの話題になりやがった。俺はこの格好でどうすれば良いんだ。案内人が案内を放棄してどうする」
白馬が来たんだから、白馬に乗りなよ。
白馬に乗った王子様なんだから。
「くそっ、このご都合主義めっ」
皇帝さんが悪態をつきながら白馬に乗った。
クルリンとボボは後方からついてくる。
馬はのんびりカポカポと歩いているので、別に走っているわけでもない。
クルリンは引き摺られなくても自発的についてくるように進化してしまったな。
皇帝さんからは逃げられないと悟ったか。
「俺には姿が見えない案内人がいるんだね。夢を案内できるのって夢渡りしかいないと思っていたけど、その人、夢渡りの血族とか?」
いやー、関係ないっす。
魔法の才能が豊かなだけっす。語り部さん、天才だから。一回見ればその人だけの固有魔法でもなければたいていのことはできちゃうので。
「お前、何でクルリンの質問にはきちんと返答するんだ?いつもは流したり別の話題にすり替えるクセに」
おや、拗ねてます?
チッ、と舌打ちした皇帝さん。
「夢渡りの能力も固有魔法じゃないのか」
「一族の血が流れていないと使えないと言われてましたが」
実は夢渡りの魔法は一族固有の魔法とかいうわけでもない。
が、夢渡りは他人の夢の中で暮らしている。その技術を代々伝授しているのである。
語り部さんが他人の夢の中で生活できるかというと無理である。
侵入するのが精一杯というところか。
だって、どうやって他人の夢の中で生活できるの?
食事とか排泄ってどうするの?不思議すぎるよ。
皇帝さんやボボのように意識だけ他人の夢に来ているわけではないのだから。
夢渡りは文字通り、他人の夢の中を渡り歩いている人々なのである。
「ふーん、城が見えてきたぞ。王子役が住んでいる城なのか?」
ちっがうねー。
皇帝さんは隣国の王子様なのだよ。
「、、、王子が一人で隣国ねえ。夢だな」
プラス従者が一人に飛竜一頭。
案内人は登場人物に認識されないので数に入れないでね。
護衛もつけずにそんな人数で王子がフラフラ他国を歩いていたら、現実では正気ではない。
どんな安全な国でさえ、どんなお忍び旅行ですら、偽装工作だとしても、どんなに最強王子だとしても、王子と一緒にいるのが従者がたった一人ということはありえない。
「薔薇がけっこう咲いているね」
クルリンが周囲を見渡す。
普通は城のまわりには街があると思うが、なぜかすでに庭。
庭園は薔薇一色。
ご都合主義な夢だ。
「ルーシェは薔薇が好きなのか?」
そんな事実はありません。
薔薇が好きなのは。
「あら、お客様かしら」
豪華なドレスを着たご令嬢が王子様を出迎えた。
この時点で現実ではおかしいのだが。
ご令嬢が最初に客を迎えるのはどう考えてもおかしいだろ。
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インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
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