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5章 必要とされない者
5-33 予想通り過ぎて舌打ちをする
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(・д・)チッ
「何ー、そのリアムの反応ーっ。シロが人化したときと全然違うじゃないかー」
苦情を言うな。
想像通り過ぎて、腹が立つ。
クロが人化すると、小麦色の健康的な肌に、短い黒髪に前髪の一房だけが白い。顔はキリッとワイルドながら、笑うと人好きのするイケメンである。ふざけるな。
体型はシロ様と同じくらいの身長で長身、均整の取れた筋肉がついている。
まあ、クロもシロ様もダボダボしている服を着ているので、どのくらいガタイが良いのかは不明だが、筋肉量なんてどうにでもなるだろう。
ワイルドとは言ったが、前世での美形の芸能人やらタレントに向けて言うワイルドの範疇である。
この世界でワイルドなんて言ったら、筋肉隆々の野性味あふれる逞しい冒険者である。遠く及ばないイメージになってしまう。
わりと細身である人化クロに使う言葉ではない。
「いや、あまりにも想像通りだからムカつく」
「想像通りならいいじゃーん。何でムカつくのー?」
「ケッ」
「ひっどーい」
と言いながら、座っている俺に抱きついて来る。
クロはクロだから、人化してもスキンシップ多めか。
このイケメンがっ。
元の可愛い姿に戻れっ。
「おおっと、あっちの木の向こうで俺たちも野営するから挨拶と思って来てみたが、邪魔したな」
一人の男がこちらに来ようとした足を止め、そそくさと戻っていった。
確かにあちらが騒がしくなっていたと思ったが、あの男は何を勘違いしたのだろう。
木々があるのでたいして気にならないが、野営するときに先客に挨拶をするのは良い手だ。
挨拶と言っておけば、近くで野営する者たちが商人か冒険者か何なのか近くで見て判断することができるだろう。そして周囲の人数等がわかれば、その野営地が自分たちにとって護衛しやすいか安全か、移動するべきかがわかる。
護衛が一番怖いのは、予想している魔物に襲われることではなく、人間である。
野盗だけでなく、搦め手を使う人間の方がはるかに危険なのである。
「おいっ、イケメン二人がイチャついているから、あっちに行くなよっ」
、、、勘違いするのはかまわないが、俺たちに聞こえる大声で注意するな。
けど、俺もイケメン枠に入れてもらえたー。
けっこう暗いからな、ここ。
焚き火の仄かな明かりしかないからな。
クロの足は速い。
王都まで一週間と言っていたが、きちんと途中で休憩を入れながら、昼にはオムライスを作りながら、夜もしっかりと睡眠を取りながらでも、余裕をもって一週間という意味だった。
まだ夕方にもなっていないが、王都の手前にある城壁都市で宿を取ることにした。
それでも、明日の午前中には王都に着くだろう。
街道もこの辺りは馬車や人通りが多く、やや渋滞気味である。
避けて走っていくこともできるが、クロから降りて歩いていく。
クロはちっこくなって、俺の上着の中に入る。ちょこんと覗く顔が可愛い。
観光地なのだろう、門には人や馬車などの長い列が並ぶ。
けれど、スムーズに流れているようで、そこまでは待たされないようだ。
俺の順番になると、門番に首にかけている冒険者プレートを見せる。
頷かれ、すぐに通される。
そういや、この辺りにもダンジョンがあったはずだ。魔の大平原に比べたら極小のものだが、城壁都市のご近所にあるため、冒険者の出入りは多い。この門にもかなりの人数の冒険者が並んでいた。
「ああ、アンタはそっちの窓口に行ってくれ」
俺の後ろのマントを羽織った女性が門番に指示されている。
冒険者ならプレートでわかりやすいが、観光客となるとしっかりとした身分証確認が必要なのかもしれない。
そうやって分けるからこそ、スムーズに城壁内に入れるのかもしれないな。
俺は宿を探すことにする。
こういう都市内では野営はできない。場所がないし、人が多いので危険である。野営をするなら都市の外に出た方が良い。
冒険者用の宿は安いが、安かろう悪かろうである。
冒険者ギルドには特に寄る意味もないと思ったが、宿の情報はないだろうか。
これだけ人が出入りする都市なら、冒険者に評判の宿というものがあってもおかしくない。
冒険者ギルドはすぐに見つかった。
門からわりと近くにあり、冒険者たちが歩いていく方向についていったらあった。
冒険者に必要な武器屋等もこの辺りに立ち並ぶ。
通りにも宿が何軒もあるのがわかるが、お値段なりの待遇だろうか。
買取カウンターにはほどほどの冒険者が並んでいるが、他にはいない。カウンターに立っている一人の女性職員に話しかけてみた。
「すいません。今日この街に着いたのですが、良い宿を教えていただくことはできるでしょうか」
「はわわぁっ」
変な声が聞こえた。
あ、視線が俺の顔ではない。デレっとした顔になった。ああ、動物好きなんだな、この職員。
「可愛いですねえ、従魔ですかぁ?」
「はい」
職員の手がクロに伸びている。
しょうがねえなあ、とクロが手を伸ばしてぺちぺち触ってあげていた。
「このサイズなら特に何か言われる宿屋もありませんが、気になるなら従魔可能な宿の方が良いかもしれません。他に何か要望はございますか」
「難しいかもしれませんが、安くて食事が美味しいところなら言うことはないですね」
「二食付きですね。部屋が多少狭くても良いのなら、少し奥に入ったところにある宿がおススメです。簡単な地図描きますね」
小さいメモ用紙を渡してくれた。
俺がチップを渡そうとすると。
「お代はその可愛い従魔にいただきました。また何かありましたら是非来てくださいね」
お代はあのぺちぺちで充分でしたか。。。
ペットも従魔も飼育するには金がかかる。そういえば、この国では触るだけでも金を要求されることの方が多い。。。
基本的に家畜ではなくペットは貴族や裕福な家庭だけのものである。だいたいは家の中にいて、屋敷の敷地外に出ることはない。
従魔は冒険者や商売人に付き従っているが、可愛い従魔というのは数少ない。
俺は職員に紹介された宿に行く。奥の狭い路地を通るが、迷うほどのものではない。
宿で空いている部屋を確認して一泊させてもらうことにした。
ここの宿屋の店主もクロを見てデレデレになっていた。本当ならクロは服の下に隠して、冒険者一人で宿を取ろうと思っていたのだが。
ここでもクロが店主にお手々ペチペチしたら、従魔料金を取られなかった。
小さいからと言われたが、コレもクロの可愛さゆえか。
従魔可能な宿だから、それなりに従魔好きな店主なのだろうし。
大型犬くらいのサイズなら部屋でも良いそうだが、大きい従魔は納屋のようなところを用意されるらしい。
この辺は馬車が入って来ないので、馬を休ませる馬小屋等はない。
従魔可能ではあっても、従魔にとって快適かというと、残念ながら冒険者の宿の範囲内ということだろう。
この宿の部屋は砦のE級、F級冒険者が使う部屋よりも狭い。
大きな都市であればあるほど、一泊の料金は高くなり部屋は狭くなる。
部屋には来たが、収納鞄なので荷物を置くということもなく、部屋を再び確認するだけだ。トイレ、かけ湯場は男女別の共同である。
「ベッドも固いねー」
クロがベッドでのびーっとしている。
「寝るだけだから野営よりはマシだ。夕食まで時間があるから、少し街を見て回ろう」
せっかくだし。
観光という観光は、この世界に来てはじめてか。
クロは俺の懐に入る。人が多いところだと、上着の中に入ってもらっていた方が安全である。
少し歩くと広場、そのかなり先には教会や城が見える。
教会というのは信仰心がない者にとっては観光地である。
歴史的建造物としての価値しかない。
祈る者の邪魔はしないように注意しつつ、祭壇を遠くから眺める。
「ここから先は信者のみの祈りの空間だ。異教徒は立ち去れっ」
マントを羽織った女性が大声で注意されている。外国人だったのだろうか。
先程、門で見たマントのような気もするが。まあ、マントなんてどれも似たようなモノだろう。
神官ではなく、注意しているのは教会の護衛のようだ。
大声で邪魔しているのはお前の方だ、と思うが口には出さない。
「へー、あの子、神獣のお手つきだね」
クロが普段の会話をするように言った。
異教徒。。。
護衛が言った言葉に今更ながら違和感を覚えた。クジョー王国は国教だが、外国人だからといって異教徒とは判断できない。少なからず国外にも信者はいる。
宗教国家がこの大陸の西の方に一国だけ存在する。
この都市よりさらに北東にある海に接する国だ。
マントで俺からは見えないが、その国の出を象徴するものを身につけていたら、即座に異教徒とわかるだろう。
門番も一目見て、指示を出していたのだから。
そこには魔の海原と呼ばれるダンジョンが存在する。
「何ー、そのリアムの反応ーっ。シロが人化したときと全然違うじゃないかー」
苦情を言うな。
想像通り過ぎて、腹が立つ。
クロが人化すると、小麦色の健康的な肌に、短い黒髪に前髪の一房だけが白い。顔はキリッとワイルドながら、笑うと人好きのするイケメンである。ふざけるな。
体型はシロ様と同じくらいの身長で長身、均整の取れた筋肉がついている。
まあ、クロもシロ様もダボダボしている服を着ているので、どのくらいガタイが良いのかは不明だが、筋肉量なんてどうにでもなるだろう。
ワイルドとは言ったが、前世での美形の芸能人やらタレントに向けて言うワイルドの範疇である。
この世界でワイルドなんて言ったら、筋肉隆々の野性味あふれる逞しい冒険者である。遠く及ばないイメージになってしまう。
わりと細身である人化クロに使う言葉ではない。
「いや、あまりにも想像通りだからムカつく」
「想像通りならいいじゃーん。何でムカつくのー?」
「ケッ」
「ひっどーい」
と言いながら、座っている俺に抱きついて来る。
クロはクロだから、人化してもスキンシップ多めか。
このイケメンがっ。
元の可愛い姿に戻れっ。
「おおっと、あっちの木の向こうで俺たちも野営するから挨拶と思って来てみたが、邪魔したな」
一人の男がこちらに来ようとした足を止め、そそくさと戻っていった。
確かにあちらが騒がしくなっていたと思ったが、あの男は何を勘違いしたのだろう。
木々があるのでたいして気にならないが、野営するときに先客に挨拶をするのは良い手だ。
挨拶と言っておけば、近くで野営する者たちが商人か冒険者か何なのか近くで見て判断することができるだろう。そして周囲の人数等がわかれば、その野営地が自分たちにとって護衛しやすいか安全か、移動するべきかがわかる。
護衛が一番怖いのは、予想している魔物に襲われることではなく、人間である。
野盗だけでなく、搦め手を使う人間の方がはるかに危険なのである。
「おいっ、イケメン二人がイチャついているから、あっちに行くなよっ」
、、、勘違いするのはかまわないが、俺たちに聞こえる大声で注意するな。
けど、俺もイケメン枠に入れてもらえたー。
けっこう暗いからな、ここ。
焚き火の仄かな明かりしかないからな。
クロの足は速い。
王都まで一週間と言っていたが、きちんと途中で休憩を入れながら、昼にはオムライスを作りながら、夜もしっかりと睡眠を取りながらでも、余裕をもって一週間という意味だった。
まだ夕方にもなっていないが、王都の手前にある城壁都市で宿を取ることにした。
それでも、明日の午前中には王都に着くだろう。
街道もこの辺りは馬車や人通りが多く、やや渋滞気味である。
避けて走っていくこともできるが、クロから降りて歩いていく。
クロはちっこくなって、俺の上着の中に入る。ちょこんと覗く顔が可愛い。
観光地なのだろう、門には人や馬車などの長い列が並ぶ。
けれど、スムーズに流れているようで、そこまでは待たされないようだ。
俺の順番になると、門番に首にかけている冒険者プレートを見せる。
頷かれ、すぐに通される。
そういや、この辺りにもダンジョンがあったはずだ。魔の大平原に比べたら極小のものだが、城壁都市のご近所にあるため、冒険者の出入りは多い。この門にもかなりの人数の冒険者が並んでいた。
「ああ、アンタはそっちの窓口に行ってくれ」
俺の後ろのマントを羽織った女性が門番に指示されている。
冒険者ならプレートでわかりやすいが、観光客となるとしっかりとした身分証確認が必要なのかもしれない。
そうやって分けるからこそ、スムーズに城壁内に入れるのかもしれないな。
俺は宿を探すことにする。
こういう都市内では野営はできない。場所がないし、人が多いので危険である。野営をするなら都市の外に出た方が良い。
冒険者用の宿は安いが、安かろう悪かろうである。
冒険者ギルドには特に寄る意味もないと思ったが、宿の情報はないだろうか。
これだけ人が出入りする都市なら、冒険者に評判の宿というものがあってもおかしくない。
冒険者ギルドはすぐに見つかった。
門からわりと近くにあり、冒険者たちが歩いていく方向についていったらあった。
冒険者に必要な武器屋等もこの辺りに立ち並ぶ。
通りにも宿が何軒もあるのがわかるが、お値段なりの待遇だろうか。
買取カウンターにはほどほどの冒険者が並んでいるが、他にはいない。カウンターに立っている一人の女性職員に話しかけてみた。
「すいません。今日この街に着いたのですが、良い宿を教えていただくことはできるでしょうか」
「はわわぁっ」
変な声が聞こえた。
あ、視線が俺の顔ではない。デレっとした顔になった。ああ、動物好きなんだな、この職員。
「可愛いですねえ、従魔ですかぁ?」
「はい」
職員の手がクロに伸びている。
しょうがねえなあ、とクロが手を伸ばしてぺちぺち触ってあげていた。
「このサイズなら特に何か言われる宿屋もありませんが、気になるなら従魔可能な宿の方が良いかもしれません。他に何か要望はございますか」
「難しいかもしれませんが、安くて食事が美味しいところなら言うことはないですね」
「二食付きですね。部屋が多少狭くても良いのなら、少し奥に入ったところにある宿がおススメです。簡単な地図描きますね」
小さいメモ用紙を渡してくれた。
俺がチップを渡そうとすると。
「お代はその可愛い従魔にいただきました。また何かありましたら是非来てくださいね」
お代はあのぺちぺちで充分でしたか。。。
ペットも従魔も飼育するには金がかかる。そういえば、この国では触るだけでも金を要求されることの方が多い。。。
基本的に家畜ではなくペットは貴族や裕福な家庭だけのものである。だいたいは家の中にいて、屋敷の敷地外に出ることはない。
従魔は冒険者や商売人に付き従っているが、可愛い従魔というのは数少ない。
俺は職員に紹介された宿に行く。奥の狭い路地を通るが、迷うほどのものではない。
宿で空いている部屋を確認して一泊させてもらうことにした。
ここの宿屋の店主もクロを見てデレデレになっていた。本当ならクロは服の下に隠して、冒険者一人で宿を取ろうと思っていたのだが。
ここでもクロが店主にお手々ペチペチしたら、従魔料金を取られなかった。
小さいからと言われたが、コレもクロの可愛さゆえか。
従魔可能な宿だから、それなりに従魔好きな店主なのだろうし。
大型犬くらいのサイズなら部屋でも良いそうだが、大きい従魔は納屋のようなところを用意されるらしい。
この辺は馬車が入って来ないので、馬を休ませる馬小屋等はない。
従魔可能ではあっても、従魔にとって快適かというと、残念ながら冒険者の宿の範囲内ということだろう。
この宿の部屋は砦のE級、F級冒険者が使う部屋よりも狭い。
大きな都市であればあるほど、一泊の料金は高くなり部屋は狭くなる。
部屋には来たが、収納鞄なので荷物を置くということもなく、部屋を再び確認するだけだ。トイレ、かけ湯場は男女別の共同である。
「ベッドも固いねー」
クロがベッドでのびーっとしている。
「寝るだけだから野営よりはマシだ。夕食まで時間があるから、少し街を見て回ろう」
せっかくだし。
観光という観光は、この世界に来てはじめてか。
クロは俺の懐に入る。人が多いところだと、上着の中に入ってもらっていた方が安全である。
少し歩くと広場、そのかなり先には教会や城が見える。
教会というのは信仰心がない者にとっては観光地である。
歴史的建造物としての価値しかない。
祈る者の邪魔はしないように注意しつつ、祭壇を遠くから眺める。
「ここから先は信者のみの祈りの空間だ。異教徒は立ち去れっ」
マントを羽織った女性が大声で注意されている。外国人だったのだろうか。
先程、門で見たマントのような気もするが。まあ、マントなんてどれも似たようなモノだろう。
神官ではなく、注意しているのは教会の護衛のようだ。
大声で邪魔しているのはお前の方だ、と思うが口には出さない。
「へー、あの子、神獣のお手つきだね」
クロが普段の会話をするように言った。
異教徒。。。
護衛が言った言葉に今更ながら違和感を覚えた。クジョー王国は国教だが、外国人だからといって異教徒とは判断できない。少なからず国外にも信者はいる。
宗教国家がこの大陸の西の方に一国だけ存在する。
この都市よりさらに北東にある海に接する国だ。
マントで俺からは見えないが、その国の出を象徴するものを身につけていたら、即座に異教徒とわかるだろう。
門番も一目見て、指示を出していたのだから。
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