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54話 夕闇
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8月19日1800 東かがわ防衛陣地
夏の日が落ちて
涼やかな風が吹き
鈴虫と蝉の声が
聞こえていた。
向こうに見える鳴門では
殆ど街に光が見えない。
まるで死んでいるかの様だった。
そんな街を
我々は防衛陣地から
ただ眺めている事しか
できない。
一時間事に歩哨に
交代で立ち皆が
代わる代わる
休んでいく。
24時間体制で
警戒を続ける為だ。
「長門、時間だ。
何か異常はあったか?」
後ろから霞2曹が
現れる。
「ドローンが数機偵察に来た。
こちら陣地には近づこうとしなかった。
目標が小さく撃ち落とすのは無理だな。」
霞2曹が肩をすくめ、そうかとだけ答えた。
「鳴門では大量のドローンが
目撃されているから
戦闘ヘリなんかの投入を躊躇
しているらしいな」
「オレ達が新隊員の時には
考えられないほど戦争は進歩
してしまったんだなぁ」
霞2曹がしみじみと語った。
私もそこについては全くの
同感だった。
「霞、お前は小隊長代理だろ?
なんかあった時の為に
控えてなくていいのか?」
「いいよ、オレが入る分
陸士を休ませられるからな」
「それに本当に何かあれば
オレより紀伊3尉の方が
対応できるだろうしな」
「ややこしい幹部連中の
相手なんてオレはご免だね」
どうやら一度司令部にいった時に
余程面倒だと感じたらしい。
霞2曹は現場向きの人間だ。
意見が合わないのかもしれない。
「紀伊3尉はどうなった?」
「頑なにここから離れようと
しねぇから衛生に見てもらった
過労と軽い栄養失調だとよ」
「飯食う暇もないくらい
動いてたんだと今点滴
うってるよ」
呆れるくらい真面目な人だ。
まさかそんな状況だとは
思わなかった。
ある意味ここでの
陣地防御は私の小隊には
ありがたいのかもしれない。
考えてみれば15日から
この4日間は戦い続けている。
敵が来なければその間に身体を
休めることはできる。
「霞、次に敵はどうくるかな?」
「紀伊3尉の見立てじゃ
大阪に向かうってかもって話だが
正直どうなるかわからない」
「米軍が動いて援軍が来れば
それで戦争は終わりだろうが
そんなの敵もわかっていることだしな」
「幹部の話じゃアメリカの太平洋艦隊が
到着するまで2~3週間はかかるだろうって
話だから敵はその前に何らかのアクションを
起こすだろう」
「この前みたいにバカな政治家に
かき乱されない事を祈るばかりだ
勝てるもんも勝てなくなっちまう」
霞2曹は不安を隠す為なのか
普段より口数が多いようだった。
私はそれを黙って聞いていた。
「おっと、悪いな
拘束しすぎた。
ゆっくり休んでくれ」
霞2曹は笑って
私を送り出した。
防衛陣地のすぐ近くの
公園に天幕が張ってあり
折り畳みのベッドが
用意されていた。
簡易拠点として機能させていた。
周りには蛇腹がしかれ
関係者以外が来ることを
妨げている。
入口には他部隊が歩哨を
つけており、巡回なども
しているようだ。
掲示板に張り出された
指示された天幕に入り
すぐに横になる。
私は深い眠りについた。
眠りに落ちる直前、
鳴門の闇が、こちらを見返している気がした。
夏の日が落ちて
涼やかな風が吹き
鈴虫と蝉の声が
聞こえていた。
向こうに見える鳴門では
殆ど街に光が見えない。
まるで死んでいるかの様だった。
そんな街を
我々は防衛陣地から
ただ眺めている事しか
できない。
一時間事に歩哨に
交代で立ち皆が
代わる代わる
休んでいく。
24時間体制で
警戒を続ける為だ。
「長門、時間だ。
何か異常はあったか?」
後ろから霞2曹が
現れる。
「ドローンが数機偵察に来た。
こちら陣地には近づこうとしなかった。
目標が小さく撃ち落とすのは無理だな。」
霞2曹が肩をすくめ、そうかとだけ答えた。
「鳴門では大量のドローンが
目撃されているから
戦闘ヘリなんかの投入を躊躇
しているらしいな」
「オレ達が新隊員の時には
考えられないほど戦争は進歩
してしまったんだなぁ」
霞2曹がしみじみと語った。
私もそこについては全くの
同感だった。
「霞、お前は小隊長代理だろ?
なんかあった時の為に
控えてなくていいのか?」
「いいよ、オレが入る分
陸士を休ませられるからな」
「それに本当に何かあれば
オレより紀伊3尉の方が
対応できるだろうしな」
「ややこしい幹部連中の
相手なんてオレはご免だね」
どうやら一度司令部にいった時に
余程面倒だと感じたらしい。
霞2曹は現場向きの人間だ。
意見が合わないのかもしれない。
「紀伊3尉はどうなった?」
「頑なにここから離れようと
しねぇから衛生に見てもらった
過労と軽い栄養失調だとよ」
「飯食う暇もないくらい
動いてたんだと今点滴
うってるよ」
呆れるくらい真面目な人だ。
まさかそんな状況だとは
思わなかった。
ある意味ここでの
陣地防御は私の小隊には
ありがたいのかもしれない。
考えてみれば15日から
この4日間は戦い続けている。
敵が来なければその間に身体を
休めることはできる。
「霞、次に敵はどうくるかな?」
「紀伊3尉の見立てじゃ
大阪に向かうってかもって話だが
正直どうなるかわからない」
「米軍が動いて援軍が来れば
それで戦争は終わりだろうが
そんなの敵もわかっていることだしな」
「幹部の話じゃアメリカの太平洋艦隊が
到着するまで2~3週間はかかるだろうって
話だから敵はその前に何らかのアクションを
起こすだろう」
「この前みたいにバカな政治家に
かき乱されない事を祈るばかりだ
勝てるもんも勝てなくなっちまう」
霞2曹は不安を隠す為なのか
普段より口数が多いようだった。
私はそれを黙って聞いていた。
「おっと、悪いな
拘束しすぎた。
ゆっくり休んでくれ」
霞2曹は笑って
私を送り出した。
防衛陣地のすぐ近くの
公園に天幕が張ってあり
折り畳みのベッドが
用意されていた。
簡易拠点として機能させていた。
周りには蛇腹がしかれ
関係者以外が来ることを
妨げている。
入口には他部隊が歩哨を
つけており、巡回なども
しているようだ。
掲示板に張り出された
指示された天幕に入り
すぐに横になる。
私は深い眠りについた。
眠りに落ちる直前、
鳴門の闇が、こちらを見返している気がした。
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