66 / 101
64話 戦闘の果てに
しおりを挟む
8月20日1100 東かがわ市内
自衛隊側から
中国軍に対して降伏勧告が
行われ中国軍はそれを受け入れた。
「最後の一兵になるまで
戦うのかと思ったが」
霞2尉が降伏した
中国軍をみて呟いた
「霞、それは無茶だろう
明らかに弾薬の補給が
間に合ってなかった」
「それに我々も
弾切れ寸前だった
最後まで抵抗されても困る」
「敵からしてみれば
これ以上戦う意味を感じない
のかもしれない」
敵であるはずの
自衛隊の我々ですら
今対面している中国軍は
本隊から見捨てられたと
感じているくらいだ。
戦っている
当人達もそれは感じている
筈だった。
そもそも、こちらは防衛戦なので
母国を守る意味合いがあるので
士気は高いものの
向こうは遠征軍で補給に
問題がある上で
無茶な進軍をさせられた。
挙句に救援にも来てくれないので
あれば士気も下がるだろう。
私は移送途中の
捕虜たちに目をやる。
以前の作戦で捕虜にとった
中国軍よりも明らかに覇気を
感じなかった。
疲弊と失望で目のふちが窪み
弱弱しい目の光を放っていた。
指示受けをしていた
紀伊3尉が息切らして
こちらに近づいてくる。
「急いで車両に戻り
弾薬を補給して第一線まで
戻します。」
「なにがあったんですか?」
私が驚いて尋ねる。
「大阪が落ちました。」
衝撃が走る。
重要都市がこうもあっさりと
落ちるとは思わなかった。
私はグッと手を握るしかなかった。
「その上で本作戦の責任者であった
統合幕僚長が解任されました」
理解が追いつかない。
何故?
我々は局地的とはいえ
本作戦で8000人は
敵兵力を消滅させた。
「本作戦をメディアが
映像で流したんです」
「映し出されたのは
自衛隊の砲撃によって
破壊された街でした」
「これによって
国民の反戦感情が
高まってしまったんです」
「政府は先程、
内閣不信任案を提出しました」
私はあまりの事に
言葉が出なかった。
馬鹿な!
馬鹿な!
馬鹿な!
馬鹿な!
反戦感情が高まったら
なんで有効な作戦が取れる
司令官が解任されるんだ!
敵は日本の街を占領しているんだぞ?
我々の数だって少ないから少しでも
有利になるようにこうせざる
おえなかったんだ!!!
火力支援もなしに
戦ったら我々の犠牲者は
もっと増えていた筈だ!
我々は民間人は避難させて
犠牲は出していなかった。
日本は守って欲しい
けど、なるべく街は
壊さないで欲しい。
何でもかんでも不平を言えば
通る訳じゃないんだぞ!!
「ちっ、蚊帳の外で
騒いでないで一回
前に出て戦ってみろってんだ」
霞2曹がうそぶいた。
私は同意した。
一瞬で命を失う
理不尽な戦場を歩いてきた。
我々がいくら日本を守る
覚悟を決めていても
国民は戦争を受け入れる
覚悟はないのかもしれない。
いや、
私はその考えを否定した。
我々に協力してくれた
民間人の方々は確かにいた。
四国に民間の船で強襲上陸を
かけた時に確かに感じていた
希望。
私はそれを信じたかった。
我々は車両に向かう。
サイドミラーに映った自分の顔は
敵の捕虜と同じ疲弊と失望で目のフチが窪み
弱弱しい目の光を放っていた。
自衛隊側から
中国軍に対して降伏勧告が
行われ中国軍はそれを受け入れた。
「最後の一兵になるまで
戦うのかと思ったが」
霞2尉が降伏した
中国軍をみて呟いた
「霞、それは無茶だろう
明らかに弾薬の補給が
間に合ってなかった」
「それに我々も
弾切れ寸前だった
最後まで抵抗されても困る」
「敵からしてみれば
これ以上戦う意味を感じない
のかもしれない」
敵であるはずの
自衛隊の我々ですら
今対面している中国軍は
本隊から見捨てられたと
感じているくらいだ。
戦っている
当人達もそれは感じている
筈だった。
そもそも、こちらは防衛戦なので
母国を守る意味合いがあるので
士気は高いものの
向こうは遠征軍で補給に
問題がある上で
無茶な進軍をさせられた。
挙句に救援にも来てくれないので
あれば士気も下がるだろう。
私は移送途中の
捕虜たちに目をやる。
以前の作戦で捕虜にとった
中国軍よりも明らかに覇気を
感じなかった。
疲弊と失望で目のふちが窪み
弱弱しい目の光を放っていた。
指示受けをしていた
紀伊3尉が息切らして
こちらに近づいてくる。
「急いで車両に戻り
弾薬を補給して第一線まで
戻します。」
「なにがあったんですか?」
私が驚いて尋ねる。
「大阪が落ちました。」
衝撃が走る。
重要都市がこうもあっさりと
落ちるとは思わなかった。
私はグッと手を握るしかなかった。
「その上で本作戦の責任者であった
統合幕僚長が解任されました」
理解が追いつかない。
何故?
我々は局地的とはいえ
本作戦で8000人は
敵兵力を消滅させた。
「本作戦をメディアが
映像で流したんです」
「映し出されたのは
自衛隊の砲撃によって
破壊された街でした」
「これによって
国民の反戦感情が
高まってしまったんです」
「政府は先程、
内閣不信任案を提出しました」
私はあまりの事に
言葉が出なかった。
馬鹿な!
馬鹿な!
馬鹿な!
馬鹿な!
反戦感情が高まったら
なんで有効な作戦が取れる
司令官が解任されるんだ!
敵は日本の街を占領しているんだぞ?
我々の数だって少ないから少しでも
有利になるようにこうせざる
おえなかったんだ!!!
火力支援もなしに
戦ったら我々の犠牲者は
もっと増えていた筈だ!
我々は民間人は避難させて
犠牲は出していなかった。
日本は守って欲しい
けど、なるべく街は
壊さないで欲しい。
何でもかんでも不平を言えば
通る訳じゃないんだぞ!!
「ちっ、蚊帳の外で
騒いでないで一回
前に出て戦ってみろってんだ」
霞2曹がうそぶいた。
私は同意した。
一瞬で命を失う
理不尽な戦場を歩いてきた。
我々がいくら日本を守る
覚悟を決めていても
国民は戦争を受け入れる
覚悟はないのかもしれない。
いや、
私はその考えを否定した。
我々に協力してくれた
民間人の方々は確かにいた。
四国に民間の船で強襲上陸を
かけた時に確かに感じていた
希望。
私はそれを信じたかった。
我々は車両に向かう。
サイドミラーに映った自分の顔は
敵の捕虜と同じ疲弊と失望で目のフチが窪み
弱弱しい目の光を放っていた。
5
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
なお、スピンオフもございます。
優しい雨が降る夜は
葉月 まい
恋愛
浮世離れした地味子 × 外資系ITコンサルのエリートイケメン
無自覚にモテる地味子に
余裕もなく翻弄されるイケメン
二人の恋は一筋縄ではいかなくて……
雨降る夜に心に届いた
優しい恋の物語
⟡☾·̩͙⋆☔┈┈┈ 登場人物 ┈┈┈ ☔⋆·̩͙☽⟡
風間 美月(24歳)……コミュニティセンター勤務・地味でお堅い性格
雨宮 優吾(28歳)……外資系ITコンサルティング会社勤務のエリートイケメン
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる