【完結】擦れた桜章~自衛官だった私は、牢獄から日本の終わりを記録する~

@ヤマト

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79話 託された希望

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8月29日 2100 岡山

我々は岡山に到着した。

波川船長のワゴンに乗り
我々は波川船長の家に向かった。

食事まで用意してもらって
我々は食事を頂いた。

久々のまともな
食事だった。

バッグや服や着替えまで
頂いた。

早速着替えて
身なりを整える。

泊って行かないかと
言われたが

我々は目立たない
夜間の内に移動したいので
その場を後にする事にした。

波川船長は玄関まで
見送ってくれた。

「あと、これも
ついでにやるよ」と
先程乗ってきた車のカギを
渡してくれた。

「いいんですか?」
と私が聞くと

「いいんだよ
子供を連れてるのに
アンタら足がないだろうからな
使ってくれ」

後ろでは波川船長の奥さんが
「アンタァ」と怒っているが
波川船長は気にしていないようだ。

「車の中に地図が入っている
から使ってくれ。
気をつけろよ
監視カメラがどんどん増えてる
主要道路は避けた方がいい」

「山の中の道路はまだ
奴らも検問していねぇ」

「ありがとうございます!」

我々は数々の厚意に感謝して
深々とお辞儀をして
立ち去ろうとした。

波川船長が声をかけてくる。

「あのよぉ」

我々は少しだけ
足を止める。

「街中には中国の警察や
軍の奴らが我が物顔で歩いている。
デモなんかには中国人の警察が出てきて
撃ち殺してきやがる」

「オレには高校生になる息子がいるんだが
学校でも日本を否定するような
おかしな教育が始まっている」

「日本は狂っちまった」

「でも、俺らは武器の使い方も
わからない、軍隊や武装した警察を
前に何も出来ない」

「もし、何とかできるとしたら
戦う事の知識を持ったアンタら
自衛隊しかいねぇんだ」

波川船長がグッと手を握り込んでいた。

「手前勝手な願いかもしれないけどよぉ、
アンタらに俺は期待してんだよなぁ
日本を取り戻す事を」

紀伊3尉が一歩踏み出して言った。

「ええ、もちろん
我々もそのつもりです」

「我々はまだ、
諦めていませんから」

そうだ。

我々はまだ諦めていない。

この状況だ。

生き延びているだけでも
精一杯かもしれない。

けどそれでも。

その意思を絶やさない事が
抵抗につながる。

波川船長との出会いが
そうであるように

どんなに絶望的な状況でも
光はあるのだ。

我々は決意を新たに
車に乗り込み東に向かい
移動を始めた。
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